キャラ達とワイワイしながら成長していく予定です。
世界総人口の約八割が何らかの”特異体質”である現在。爆発的に増えた犯罪に対して開始されたヒーロー活動はいつしか公に職務として認められていた。誰もが一度は夢見ると言っても大げさではない”ヒーロー”。国の法律で定められたヒーローの資格を取得する一番の近道、それは、各学校のヒーロー科に進む事である。
天下の雄英高校の入学試験の実技試験は模擬市街地の中で仮想の
説明を聞き終えた受験生達が指定された会場である模擬市街地前へと移動し終え、各自準備をし始める。皆個性に合わせた装備を整えており、思い思いの出で立ちだ。背中が広く開いたタンクトップを着た女子生徒はいっちにいさんしと準備運動をしている。
「じゃあ、準備すっかー」
そう言って意識を集中させた彼女の姿はどんどん変化していった。
ショートカットの髪が逆立ち、靴を脱いだ足は鳥類のそれへと変わっていき、両の手もだんだんと形状が変化し鋭い鉤爪がついた。そして背中からは腕を広げたより少し大きめな茶色の翼が生えてくる。
『出番だよ、カシワ』
「おう、暴れてやるよ」
心の中でつぶやいた言葉に返したのは自分自身であり、ケイがカシワと呼ぶ別人格だ。
任意で鳥人に変身できる個性だ。そして、変身している間身体の主導権は別人格のカシワと入れ替わる。常日頃頭の中にはカシワがいて、変身のタイミングはケイ次第だ。カシワとは、ケイの保護者につけて貰った呼び名である。
変形型の個性は数あれど、ケイの、否、ケイ達のそれはまさしく二心同体の個性だった。
『無茶は駄目だからねー?』
「無茶して受かるなら無茶するだろ」
『うん、まあそっか。……ねえ、そろそろ心の中で返事するの覚えよ? 今更かもだけど覚えよ? 説明なしだと話相手なしの独り言に見えるからね』
「オレ達は一人だろ」
『うん、そうだね。じゃあせめて声小さくしよう! 斜め向かいの男子が電波かよって目で見てるから!』
はたから見れば話相手が見当たらないのに何かと会話してる危ない人である。いろいろと単純な思考回路をしているカシワはいろんな意味で素直であり、内側に引っ込んだケイとの会話もそのまま物理的に声に出してしまう。ケイが表ならどちらも頭の中オンリーで会話が成立するので問題無しなのに対し、カシワはそう言った配慮が欠ける事が多々ある。ケイ自身もカシワとの会話に集中してしまって寡黙に見られたりするがそれはそれだ。
とりあえず、今しがたカシワから目をそらしてしまった男子生徒の誤解を解ける機会が今後訪れる事を少しばかり願った。
そうこうしていたその時だ。
『『ハイ スタートー!』』
進行役であるプレゼント・マイクの声が聞こえた瞬間、変身している途中にも関わらずカシワは会場内へと走り出した。
『『どうしたあ!? 実践じゃカウントなんざねえんだよ!! 走れ走れぇ!! 賽は投げられてんぞ!!?』』
急すぎる開始のゴングに唖然とする者多数。続けられた言葉に状況を理解するや否や飛び出した生徒が後に続く。
ちなみにカシワが躊躇いもなく飛び出せた理由は「スタートと聞こえたから」というなんとも簡単な理由であった。脊髄反射で動く事の多いカシワの性格が、この時ばかりは役に立ったのだった。
実技試験、開始である。
「これ何ポイントだ?」
『えーっと1
本来ならケイも知的なタイプではなく司令塔などには向いていないのだが、カシワと比べればまだ考えるのは得意な方である。そのため、戦闘に向いているカシワが暴れて、ケイが考えると言ったコンビネーションが成立していた。戦闘はもっぱら接近戦となるケイ達は小柄で素早い1
『うーん、3
「今からか? もう結構倒されてるぞ」
一気に高ポイントを狙う者もいる。周りを見てみれば3
さてどうするかとケイが考えを巡らせていると、爆音とも取れる衝撃音が鳴り響いた。
『え、なに!?』
「0
音のした方向を見てみれば、お邪魔虫なんて可愛らしい呼び方が到底似合わぬ巨大ロボットがケイ達受験生を見下ろしているではないか。
「『でか!!』」
ケイとカシワが思った事は、それを目にした受験生の総意であろう。とにもかくにもこのまま突っ立っていれば踏み潰されるか、破壊されている建物の下敷きになるかだと判断し、周りの生徒は急いでロボットから逃げていく。
ケイ達もとりあえず安全確保を優先し距離を取るために仮想敵から一旦離れていく。
「デカいなアレ。3
『うん、ちょっとこれ考えた人にデカすぎですって叫びたい。通りで会場がこんなに広いわけだよ』
一目で危険とわかるデメリット。避けていくのが正解か。そう考えていたらカシワがケイに問いかけた。
「なあ。一番大きい
カシワの疑問の声に内側のケイはハッとした。
模擬とはいえ、ここは市街地。普通なら市民が生活している場所だ。
ここを本当に街中と想定してのテストなら、一番街にとって危険そうな敵をとっとと倒した方がいいのではないだろうか。単純思考と窘められる事が多いから断定できないが、ケイはそう考えてしまった。
現時点での獲得ポイントは合格圏内かどうか怪しい。それだけ考えれば逃げながら取りこぼしのロボットを倒した方が賢いのかもしれない。
___しかし、もしこれが
『……とりあえず、挑戦してみよう』
「挑戦?」
『明らかに私たちの個性じゃ武が悪いけど、街を破壊しまくるでっかい
身体能力を生かした接近戦を得意とするカシワにとって、迫り来る巨体は相性が悪い。
それでも、ヒーローとはそんな理屈だけでただただ身を引いていいものだろうか。
少なくとも、ケイの目指すヒーロー像はそうじゃない。
「なら、行くぞ!!!」
皆まで聞かずとも察したのか、カシワは地を蹴り、ビルの壁をまた蹴って、巨大な敵の頭上を目指した。
主人公:登坂ケイ
名前の由来は「ニワトリ」(鶏ってケイって読めるんだね!)
個性:「鳥人間」(ネーミングセンスが降りてこない)
完全に鳥になれるわけではなく、顔面とかは人間のまんま。
Q:なんで個性に人格ついてんの?
A:常闇くんの黒影ちゃんみたいなのがありならこれもありだと思った。反省はするかもだが後悔はない。