あの日、あの時、あの人の短編集   作:鈴木シマエナガ

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これ元ネタ知ってる人いるかも。


無表情で素直な妹。

妹。アニメを見ている同志ならば誰しもが憧れるであろう、妹。エ○漫画先生面白いよね。アニメ化してくれて嬉しいです。

その種類は多岐に渡り、ツンデレ、ヤンデレ、ロリ、黒髪、金髪、貧乳巨乳、etc...時代の発展と共に、妹の種類も発展してきた。

 

さぁ、そんな妹可愛いに溢れる今日。実は俺にも妹がいる。品行方正、容姿端麗。頭脳明晰とまでは行かないし、運動もあまり得意では無いが、何でもそつなくこなす我が妹。

 

我が妹は、そんな妹業界には無い、新しい属性を持っているようだ。

 

 

「...お、おはよう。麻衣」

 

「おはようございます。兄さん」

 

「...」

 

「...何ですか、そんな見つめて。朝からテンション上がっちゃうんで止めてください。嬉しいです」

 

「...」

 

何時も仏頂面。面白いテレビ番組を見ても笑わない。兄である俺に敬語を使い、何時も口角をひくつかせ、素直なのか何なのか分からない解答を放ってくる。不思議な妹。

 

「...あー、麻衣。俺お腹空いたから、朝ごはんくれないかな?」

 

「全く。たまに手伝わなくていいですから全部私に任せて座っててください」

 

どういう事なんだ。

 

「いやいや、今日はごめんな。たまに手伝うからさ」

 

「何ですかたまに手伝って私の好感度上げようって作戦ですか。もうMAXなんで必要ないです」

 

「ア、ソウデスカ」

 

まぁ、よく分からないが、妹は俺の事が大好きらしい。

 

 

 

 

 

 

 

「アスパラガスとベーコンって最強だよなぁ」

 

「はい。兄さんの好みは全部把握済みです」

 

香ばしいタレで炒めたアスパラガスのベーコン巻きをおかずにご飯をかきこむ。ご飯が進むこの味ぃ!! やはりこのタッグは最強!!

 

「そうやって豪快に食べる男らしい兄さんまじカッコいいです。ぱしゃり、と」

 

「食事中に写真撮るのやめようね?」

 

「安心してください。そこら辺の店に行けば写真撮りまくる人達一杯いますから。もう一枚、と」

 

大事そうに携帯を見つめながら口角をひくつかせる麻衣。可愛いんだよ。可愛いんだけどさ。何かこう、何か違う。

 

「...」

 

「.........兄さんに見つめられ過ぎて息するの忘れてました」

 

「死ぬよそれ!?」

 

「んはぁ...朝は低血圧なのに...もう血圧MAXです」

 

「絶対死ぬからなそれ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「...うし、と。もう夏服かぁ」

 

「半袖の兄さん...今年も私の夏が来た...」

 

ピンクのエフェクトが見えそうなくらい幸せそうな無表情。今日も妹は平常運転です。

 

「ティッシュが何枚あっても足りません」

 

「お前出血多量で死ぬんじゃないの。鉄分しっかり摂れよ」

 

「そうやって細かいとこまで心配してくれるとか何なんですか。これ以上メロメロにさせてどうするつもりなんですか」

 

「普通の事だと思うんだけど」

 

「普通にそれが出来る兄さんまじカッコいいです。好き」

 

「おもっきし言いやがったよこいつ...いいから行くぞ」

 

「あ、兄さん。ネクタイ忘れてますよ」

 

そう言って、赤色のネクタイを持ってくる麻衣。ワクワクウキウキと俺の目を、そして首もとを見ているが...ごめんな、麻衣...。実は...

 

「...ごめん、麻衣。夏服にはネクタイいらないんだ」

 

「...私の春が終わった」

 

表情全く変わってないのに、何で沈んでるのが分かってしまうんだろうか。黒いオーラが可視化されてるみたいだ...。

肩を落とし、項垂れながらネクタイをしまいに行く。そんな後ろ姿に罪悪感を抱きながらも、可愛いなんて思ってしまう俺は、シスコンなのだろう。

 

「麻衣ー? 行くぞー?」

 

「待ってください兄さん。一秒でも離れたら萎みます」

 

「授業中どうすんの...」

 

 

 

 

 

 

 

「...そういや、一緒に登校するのは初めてだな」

 

「はい。あんな部活止めてやります」

 

仏頂面ながらも怒りを示す麻衣。怒りマークがおでこに見えるぐらいの怒気を放っていて、心なしか、眉間にシワが寄っている気がする。あと眉毛がつり上がってる。可愛い。

 

「俺は麻衣と一緒に登校出来て嬉しいなぁ」

 

「...やばいです。立ってらんないぐらい嬉しいです」

 

鞄で口元を隠し、目だけはこちらを見てくる。よく見ると凄く赤い。顔が。

 

「本当ですか? 毎日一緒に行って良いですか?」

 

「当たり前だろ。じゃなきゃ嫌だ」

 

「...朝からもうテンションゲージオーバーです」

 

「ドラ○エだったら最強だなそれ」

 

「兄さんの甘言は正にロトの剣ですね」

 

妹とゲームの話出来るって幸せだよね。妹とはドラ○エ、ポケ○ン、モン○ンから白猫までやってます。モン○ト? ガチャ運無くて止めました。えぇ。何で麻衣ばっか単発で当てるんだよ...俺10連でも爆死だぞ。祭だったんだぞ。ワルプルギスナイチンゲール寄越せやおら。

 

「だから兄さんと私とデータ交換しましょうって言ったのに...」

 

「妹相手にンな事出来るかよ。俺は俺の力でゲームやるんだ」

 

「...また兄さんに一目惚れしてしまいました...」

 

熱の籠った視線を向けてくる麻衣。可愛いなぁもう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「...お。おーい謙二ー、おいっ...その子誰?」

 

「おう。章介、おいっす」

 

「おはようございます、坂本さん」

 

校門前で出会った、同じクラスの坂本 章介。幼い頃からの付き合いで、まぁ腐れ縁てところか。

 

「...んー? どっかで会った事あったっけ?」

 

「あー。妹だよ妹。中学では髪伸ばしてたからな」

 

「あー!! 麻衣ちゃんか!! おひさー」

 

「お久しぶりです」

 

「彼女つったらどう地獄に送ってやろうかと...」

 

ふぅ、やれやれといった具合で首を振る章介。リア充撲滅委員会委員長でもある。恐ろしい。

まぁ、麻衣には猛烈アピールされてるけどな...妹相手だとしても容赦無さそうだし、ここは上手く誤魔化して...。

 

 

 

 

「そんな、"まだ"早いですよ...もっと兄さんのお相手に相応しくなれるよう精進致します」

 

「何いってんだ。もう十分相応しいぞ、麻衣」

 

「兄さん...」

 

 

 

やっちまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ...酷い目に合った...」

 

「やっとお昼になりました...兄さん成分補充させてくださいぃ...」

 

ムギューっと抱きついてくる麻衣。こんな所誰かに見られたら...屋上はご都合主義によって誰も入って来れない障壁が貼られているので大丈夫か。

 

「おぉ...ニイサンジウムが溜まっていく...」

 

「何だそれ...早く飯食べようぜ」

 

「あぁ、はいぃ...すみません...お腹空きましたよねぇ...」

 

幸せ成分を補充出来たのか、猫なで声の緩い声で弁当を用意する麻衣。

 

「今日はですね...回鍋肉とぉ...青椒肉絲とぉ...色々中華料理作ったんですよぉ...」

 

「麻衣、アーンして」

 

「はい兄さん。少しお待ちください。直ぐにお箸の用意を致します」キリッ

 

よし。

 

「そそそそそそそ、それでは....あああああ、アーンをさせていただきます」

 

「無表情でそこまで噛むのも凄いよな」

 

「口角の震えがぱないんです理解してください」

 

「はい」

 

よく見るとめっちゃ箸震えてるな...何で溢さないんだこれ...。

 

「あああああ、アーン...」

 

「アーン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい謙二くーん! 一緒に弁当食べようぜ...って...」

 

ご都合主義の障壁は、たった一人の快活少女によって吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

「ねぇ謙二君...その子初めて見るなぁ...私にも紹介してくれないかなぁ...!?」

 

「えぇ、私も初めて見ますね...兄さん...私にご紹介しては下さいませんか...?」

 

「は、はは...これが俗に言う主人公って奴...?」

 

 

おい、こんな主人公生み出したやつ出てこい。原稿用紙10枚分ぐらいで説教してやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

~後編へ続く~

 




後編へ続きますぞ。何時かは知らん。
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