Q艦娘が少ない場合はどうすればいい?Aじゃあ提督が戦おう! 作:宗也
「ここが私の鎮守府だ。」
元帥と会った後、皆を連れて元帥の鎮守府に行った。しかし大変だった、自分が大破している状態で摩耶と秋月を抱えて30分海の上を走り続けたからな。流石に疲れた。
「いやー、久々だな!!元帥の鎮守府に来るのは、あいつらは元気か!?」
今は鎮守府の玄関付近にいるぞ。何故外にいるかって?今季節は夏なんだよ。鎮守府の玄関付近に木陰があって涼しかったからそこにいる。
「元気だよ。全く、大将の子供好きは変わらないな。」
師匠って子供好きだったんだ。ん?何か大将の薬指に指輪が着いてるな。誰かと結婚したのか?
「師匠、薬指に着いている指輪って何だ?」
俺がそう言うと、師匠、メイト、元帥が驚いた顔をしてこっちを向いてくる。ちなみに艦娘は先に入渠させている。
「お前知らないのか!?この指輪の事を!?」
「無人島に左遷されてから外部との接触は避けていたからな。で、それは何だ?」
「大将の着けている指輪はケッコンカッコカリの指輪だ。その指輪は練度99に達した艦娘の練度を更に上げることが出来る物だ。」
そんなものがあったなんてな。にしても、ケッコンカッコカリって……まさかね。
「それで師匠は誰とケッコンカッコカリをしたんだ?予想はついてるけど。」
「ほう、じゃ当ててみろ秋夜!!」
「電だろ?」
「な、ん、だと!!何故わかった!?」
そりゃ電の薬指にも指輪があったからな。ってか師匠、駆逐艦とケッコンカッコカリって色々とアウトだろ。社会的な意味で。
「何となくだ、じゃあメイトも元帥もケッコンカッコカリをしてるのか?」
「「ああ、している。」」
マジかよ、あのメイトでさえもケッコンカッコカリしてるのか。
「ちなみにメイトは誰とケッコンカッコカリしたんだ?」
「ああ、それはな「あっ!!大佐殿!!お疲れ様であります!!」おうお疲れあきつ丸。」
鎮守府の玄関から学ランにミニスカートにニーソックスを履いている人が出てきたな。誰だよ!?
「師匠?あの人も艦娘なのか?」
「そうだ、あきつ丸も艦娘だ。ちなみにメイト大佐の所のあきつ丸な。」
あきつ丸も艦娘、何だろう、時代に置いていっていかれてる感が否めない。
「にしても、いきなりどうしたんだ?」
「大佐の顔を見たくなったから来たでは、駄目でありますか?」
あきつ丸の泣きそうな顔が炸裂!!メイトは500の精神的ダメージを受けた!!
「いや、大丈夫だ。じゃあ折角だし二人で散歩でとするか?」
「はい!!行きましょう!!」
そう言いメイトとあきつ丸は新婚ほやほやの様な雰囲気を醸し出しながら二人並んで歩いていった。
「あきつ丸の髪って本当に綺麗だな。黒髪できちんと手入れが行き届いているな。」
「は、恥ずかしいでありますよ。」
「可愛い奴だな。」
そう言いメイトはあきつ丸の頭を撫でた。帽子は取らなかったな。
「大佐殿、もう少しゆっくりでお願いするであります。」
「あきつ丸はゆっくり頭を撫でられるのが本当に好きだよな。」
「大佐殿の手の温もりを長く感じたいのでありますから……。」
「ありがとうな。」
そう言いメイトはしばらくあきつ丸の頭を撫でていたが、突然あきつ丸がメイトの手を握った。
「しばらく大佐殿に甘えてなかったので今日はとことん甘えるのであります!!」
「OK!!welcome!!」
そう言いメイトとあきつ丸は手を繋ぎながら町の方に歩いていった。ふっふっふっ、もう我慢ならねぇ!!
「オロロロロロロ!!」サトウダバァー
「どうした秋夜?砂糖を吐き散らして?」
「あんなもん見たら誰でも砂糖吐くわ!!」
メイトのギャップに驚いたんだぞ!!ものスゲー笑顔であきつ丸と話してんだぞ!?戦闘中のメイトからは想像出来ねえよ!!
「しかもあの雰囲気、まさかメイトとあきつ丸は!!」
「ケッコンカッコカリはしているな。」
ケッコンカッコマジの間違いじゃないのか!?
「……元帥は?」
してないよな?いや、していたとしても不思議ではないな。
「しているよ、戦艦大和とだけどね。」
元帥の所の大和か。なんですかねぇ、この俺だけ取り残された感じは。別に羨ましいとか思ってねえぞ!!
「秋夜君は、そうだったな。元いた所の艦娘は異動したか、沈んでしまったからな。」
「元帥の所には来てないのか?」
「……その事で報告がある。明日の夜に執務室に来てくれ。大将も来てくれ。あと大佐にも来るように伝えておいてくれないか?」
「わかったよ。」
報告ねぇ、嫌な予感しかしないな。
「じゃあ明日の夜まで自由にしていて構わない。というわけで解散!!」
「おし!!さっそく電の所に行くぞぉ!!」
師匠、息を荒くしながら言うなよ。立派な犯罪者に見えるぞ。
「私は執務室に戻る。少しの間だが、ゆっくり休んでくれ秋夜君。」
「そうさせてもらいますよ。」
さて……部屋に戻って色々と準備だな。さっきまで忘れていたが、今日はあの日だからな。
「っと、こんなもんか。」
俺はあの後、厨房を借りて料理を作った。それを自分が使う部屋に持っていってテーブルに乗せる。
「ちょいと作り過ぎたか?まあ、多い方があいつらも喜ぶもんな。」
テーブルの上には、様々な料理やお菓子、ジュースや酒などを乗せた。そして、鞄の中から4つの写真立てを料理の前に置く。今日は俺が率いていた駆逐艦を轟沈させた日だ。その1年後に、大切な人、霧島と鳥海を轟沈させてしまった日でもある。
「お前らの好物だぞ、たんと食えよ。」
そう言い俺は一つ目の写真立ての前にお菓子やジュースを多く置く。一つ目の写真立てには、俺があの作戦で率いていた駆逐艦の皆が写っている。外は暑いな、あの作戦の日もこんな感じの暑さだったな。
「まずは不知火、お前は冷静に物事を考えてくれてたな。そのお陰で助かった場面が何度もあった。まあ、驚いた時の声とかが可愛かったよ。」
写真の端に写っている。顔はどうして写真を撮らなければいけないのかって風になってるけど、口元が緩んでる。本当は嬉しかったんだな。
「次に夕立、っぽいっていう言葉が口癖だったからポイ○ルをあげたら凄く喜んでいたな。改二になってからは凄く活躍してくれたな。」
夕立の写真の前にはちゃんとポイ○ルを乗せている。写真にもポイ○ルを夕立は片手に持っている。相当好きだったんだよな。
「次に時雨、改二になった時に、俺は時雨の姿を見て気絶したんだよな。あれは俺の黒歴史のトップ3以内に入ったよ。」
時雨の写真の前には雨を連想したジュースを置いている。そういえば、雨が降った時に時雨は外に出てはしゃいでいたな。あの姿をもう一度見てえよ。
「五月雨はいつもドジをしていたけど、初期艦として支えてくれていたな。」
ドジはするけど、一生懸命物事に取り組んでいたな。あのドジっぷりを越える艦娘に会ったことねえよ。
「その他に吹雪、深雪、舞風、雪風、睦月、陽炎、お前らとは2週間っていう短い間だったけど、楽しかったよ。」
駆逐艦を轟沈させた作戦の2週間前に来たんだよな。一気に鎮守府内が騒がしくなったんだよな。
「好きなものはわからなかったからお菓子やジュースを置いておくよ。」
そう言い俺は二つ目の写真立てを見る。そこに写っていたのは嬉しそうな顔をして俺の腕に抱き付いている蒼龍だ。俺の前にはしゃがんでピースサインをしている飛龍がいた。
「蒼龍、飛龍、二人は空母として大活躍してくれたな。でも、活躍した褒美として俺に抱き付いてくるのはやめてほしかったな。」
あの時はうざいと思っていたな。でも今はそれが恋しいよ。
「二人には酒と大量の料理を置いておくよ。仲良く食べるんだぞ。」
次に3つ目の写真立てを見る。3つ目は鎮守府の前で撮った集合写真みたいなものだ。一つ目や二つ目の写真に出てきた艦娘以外も写っている。
「北上、天龍、青葉、川内、鈴谷、日向、古鷹、長門、お前らの個別の写真も撮ってやりたかったが、その前にあの作戦が来ちまったんだよな。本当にすまねえな。」
お詫びとして、蒼龍達の所に置いた酒や料理の3倍くらいの量を置く。これなら満足出来るだろう。蒼龍や飛龍、北上達は轟沈してはないけど、こうして料理や酒を出している。
「たっぷり食えよ。残したら許さねえからな。」
そう言い俺は最後の写真立てを見る。最後の写真立てに写っているのは、俺の右隣に満面の笑みで立っている霧島、左隣で霧島と同じような笑みで立っている鳥海、俺の前で両手でピースサインをしている秋月の姿があった。
「霧島、鳥海に嬉しい報告だ。秋月は生きているぞ。」
何故霧島と鳥海と秋月が一緒の写真で写っているかって?この3人は建造やドロップで手に入れた艦娘じゃないからな。要するに、何処かの鎮守府で捨てられたのか知らないけど、漂流していた所を俺が保護した艦娘だ。
「最初に霧島、次に鳥海、次に秋月だったな。霧島を保護した時は俺と五月雨しかいなかったんだよな。大破状態だったから、当時15だった俺は鼻血を出したんだよ。今の俺を知っている人がこの話を聞いたらびっくりするだろうな。」
そう言い俺はコップに注いであった日本酒を飲む。あぁ、なんか酒が染みるなぁ。
「次に鳥海、鳥海は心に深い傷を負っていたよな。癒すのに結構苦労したよ。」
前に所属していた鎮守府の提督に酷いことをたくさんされていたらしい。
「今になってから言うが、鳥海の前いた鎮守府の提督はちゃんと憲兵の所に送還されたからな。」
鳥海がいる時に報告したかった。ちなみに俺と霧島で鳥海の心の傷が癒されるように東奔西走したな。最初は会う度に砲撃や雷撃をぶちかまされたりしたもんだ。まあ、全て霧島が防いでくれたがな。今だったら自ら当たりに行ってるな。
「そして、心の傷が大分癒された時に、鳥海からお兄さんって呼ばれたんだよな。あの時の顔を真っ赤にしてぷるぷる震えていた鳥海の姿は忘れられないな。」
霧島にはお姉さんって言っていたな。鳥海にお姉さんって言われた時の霧島の口をぽかんと開いていた顔は面白かったな。
「秋月は、本人に言うか。」
そう言い俺はテーブルの上に置いていた料理を食べる。しょっぱいな、涙を流しながら料理をしたのがいけなかったか。
「皆が生きていたら、俺はどうなっていたんだろうな。ちゃんと提督をしていたんだろうか。」
昔はよく執務をサボったりしていたな。その度に霧島と鳥海に怒られていたけどな。
「人の一生は重き荷を背負って行くが如し、だったっけ?有名な昔の将軍が言った言葉。最初聞いた時は何を言っているんだと思っていたけど、年寄りの言うことは中々馬鹿には出来ねえもんだよな。」
大切なものは失ってから初めて気付く。慣れって怖いものだよな。
「お前達を助けれなかった俺は提督失格だよな。どう思う皆?」
俺は写真立てに向かってそう言うが、返答は何もなかった。
「……出来ることなら、もう一度皆でワイワイ騒ぎてえよ!!霧島と鳥海と秋月とくだらない事を話しながら笑い合いてえよ!!なぁ、頼むから帰ってきてくれよ!!」
秋月以外の駆逐艦や霧島や鳥海は海に沈んでしまったから会うのは無理だ。それ以外の皆は他の鎮守府にいるだろう。会いに行きたいが、俺はほとんどの提督に嫌われている。
「本当はあいつらは解体処分になるんだった。けど、師匠が何とかしてかれて解体処分は免れたんだよな。」
師匠は何をしたかと言うと、前に所属していた鎮守府の提督の名前を変えてくれたんだ。俺じゃない所に所属していたっていう形にしてくれて、蒼龍達は解体を免れて、他の鎮守府に配属されたんだ。
「俺が行ったらあいつらは……解体されるかもしれない。」
つまり、会いに行きたくても会いに行けない。
「少し疲れたな。料理と酒を片付けてさっさと寝るか。」
もしも、願いが叶うなら、あいつらともう一度ワイワイ騒ぎたい。
「……くそったれ。」
その後、俺は料理を食べながら静かに泣いた。