Q艦娘が少ない場合はどうすればいい?Aじゃあ提督が戦おう! 作:宗也
「ふー、旨かった。」
あのあと飛鷹達をからかった後、鳳翔さんが熊や猪を捌いて調理してくれた。普通に旨かった。料理スキル高いな。
「美味しかったですね秋夜さん!!」
「お前ら、よく食えるよな。」
「摩耶姉さん、食べないと元気になれませんよ?」
鳥海の言う通りだな、例え材料が材料でも食べないとな。
「どうして提督達はガツガツ食べれるのよ!?」
「あれだ飛鷹、慣れだ。なっ、秋月?」
「はい!!慣れてしまえば問題ないです!!」
慣れは怖いね、摩耶と飛鷹は嫌な顔をして料理に手を付けてないし、大淀は目を閉じて食べてるよ。
「こんなに美味しいのに、木曽さんは食べてます?」
「ガツガツムシャムシャハフハフモグモグ。」
おう、木曽はとんでもない勢いで料理にがっついてるな。
「ふぅ、意外といけるもんだな。」
「木曽さん、落ち着いて食べましょうね?」
「すまない鳳翔さん、昼飯を抜かしたからお腹が空いててな。」
鳳翔は笑顔で料理を食べてるよ。
「そうだぞそうだぞ!!出された料理は必ず平らげないとな!!残すなら俺がタッパーでもって帰るからな!」
「って誰ですか貴方は!?長10㎝砲ちゃん、やっちゃって!!」
「ぬわーーー!!」
謎の侵入者に秋月が砲撃を放ったな。ってか長10㎝砲、侵入者の急所ばかり狙ってやがるぜ。って侵入者は師匠じゃねえかよ。
「キュイ!!(お前の子孫はもう死んでいる。)」
「……おーい師匠。生きてるか?」
「んっ?どうした秋夜?あぁ、俺は大丈夫だ。何ともねえよ。ドヤッ!!」
と言ってるけど、脂汗めっちゃかいてるし、息が荒いし膝が笑ってるんだけど。
「痩せ我慢お疲れ様です。さっさと帰ってください。」
「鳥海ちゃん?その言い方傷付くんだけど?師匠泣いちゃうよ?うわあぁぁぁぁん!!」
「師匠それ泣き声ちゃう、悲鳴だ。ってか勝手に入ってくんじゃねえ!!何度言ったら分かるんだよ!?」
ちゃっかり最初から居ましたよ雰囲気出してるし、連絡くらいしてくれ。いやほんとマジで。
「ついやっちゃうんだ!!」
「まあいいや、で、何しに来たんだ?」
夕飯食べに来た訳では無さそうだからな。
「その事で話がある。秋夜、表に出よう。」
「へいへい、鳥海、秋月、ちょっと留守番しててくれよ?」
「「了解!!」」
さてさて、どんな話かねぇ。
「あっ、その前にこの料理食べてからでいい?超旨いんだけど、これ材料何?」
「毒蛇。」
「ブッフォォォォォ!!」
「ここなら誰にも聞かれないだろう。ごきゅごきゅ、プッハー!!」
「何飲んでるんだ師匠?」
「解毒剤。」
「ちゃんと毒抜いてあっから!!」
師匠に連れてこられたのは鎮守府正面から出てすぐの砂浜だった。
「静かだな、いつもこんなんなのか?」
「そうだな、夜はいつもこれくらい静かだよ師匠。」
師匠はポケットからタバコを取り出し、一服する。俺?俺はタバコは吸わないよ。
「そういえば電はどうしたんだ?連れてきてないのか?」
「電は鎮守府で留守番してる。」
「そうなのか。」
そう言い俺と師匠は暗い夜の海を眺める。いつもこんな静かな海だったらいいのにな。
「よし、一服もしたし。俺がここに来た理由を話すとするかね。」
そう言い師匠はポケットに手を突っ込んだ、何かくれるのか?
「死ね。」
ズドン!!
「???」
今、死ねと言ったよな?銃声が聞こえたんだが、深海せい、か、ん!!
「悪いな秋夜、俺の為に死んでくれや。」
「師匠!?」
師匠が二発目を撃ってくる、それを俺は身を捻って回避する。
「どういう、つもりだ?」
撃たれた場所は、右肩辺りか。あと数センチずれてたらヤバかった。
「どうもこうも、お前には死んでほしいんだよ。」
「答えになってねえんだよ!!」
「っち、しゃあねえな。分かりやすく言ってやるよ。俺は大本営側の味方になったんだよ。」
大本営側!?何でだ?何でだよ!?
「いやー、猫を被り続けるのは大変だったぜ。」
「待て、よ。じゃあ今日の昼のあの騒ぎは。」
「俺が仕掛けた。元元帥の目を盗むのは大変だったぜ。」
「ふざけんな!!」
俺はグローブを装備し、高圧縮エネルギーの弾丸を師匠に放つが、師匠はそれを手で弾き飛ばした。
「無駄な抵抗はよせよ。」
師匠がまた発砲してくるが、それを横っ飛びで回避する。が、その時に視界が歪んできた。
「おっ、漸く効いてきたか。」
「毒、藥か!?」
「お前専用のな、調合するのは苦労したぜ。」
さっき撃った銃弾に毒が仕込まれていたか!!視界が歪んで師匠の顔がはっきりとしない。ここは退くしかないか!!
「退いても無駄なのです。」
「いなずガァ!!」
電の声がしたと同時に何かで殴られて吹き飛ばされた。くそったれ!!
「あの屑どもは電が駆逐してやったのです。」
「流石は俺が見込んだ艦娘だ。偉いぞ!!」
「余裕なのです。」
「ゲホッ!!ゲホッ!!あいつらに、何した!?」
そろそろまずい!!目が開かなくなってきた。
「安心するのです。鳥海と秋月以外はこっちで引き取るのです。司令官さんの目標を話したら鳥海と秋月以外は賛同してくれたのです。賛同しないあのカス二人は再起不能にしたのです。」
ハイライトを無くし、全身を血塗れにした電がそう言ってくる。
「鳥海と秋月以外は俺の部下だったからな。良かったな!カスが三人仲良く集まれるんだからな!!」
「あいつらを、カスって言うんじゃねえぇぇぇ!!」
俺は師匠に傍にあった丸太を投げ飛ばすが、電がその丸太を素手で粉々にした。
「最後に話が出来て楽しかったぞ。カス三人仲良くするんだな。」
「待て「うざいのです。」ふぐっ!!」
師匠に近付こうとした時に、電にアッパーカットされ、毒針を何本か刺された。
「じゃあな、弟子。あとそのグローブは貰っていくぞ。」
そう言い師匠はボートに乗る。電は俺の両手からグローブを奪い取り師匠の隣に移動した。
「ま、待ちやがれぇぇぇぇぇ!!てめえら!!てめえらだけは!!」
そこまで叫んだ時、俺は意識を失った。
「大丈夫か!?」
そんな声が聞こえて俺は目を開けた。まだ、生きてるのか俺は。
「おおっ!!ようやく目が覚めたか!!」
「あんたはっ!!」
っ!!全身が痛む、撃たれた右肩が痛むのは分かるがなぜ全身が痛む!?
「まだ無理をなさらないで下さい。目が覚めたとはいえ、重体の身なんですから。」
目の前に元帥と大和がいた。二人が俺を助けてくれたのか。
「元帥、いつ来たんですか?」
「取り合えず落ち着こう。私が来たのは君の師匠がここを後にしてからの三時間後だ。」
「元帥が嫌な予感がすると言ってここまで来たのですが、想像以上に酷い事になってるとは思わなかったです。」
元帥が来てくれなかったら、俺は確実に死んでたな。
「島に上陸した時に、秋夜さんが倒れていたので急いで建物の中に運びました。」
建物、俺の鎮守府内に運ばれたんだな。
「大和、この建物は一応鎮守府だからな。」
「す、すみません!!」
「まあ気にするな。君を鎮守府まで運んで治療した。」
元帥は治療も出来るんだな。って鳥海と秋月は!?
「鳥海と秋月の事かい?彼女達も私が治療したよ。彼女達も君と同じくらいの傷を負ってたよ。」
「くそっ!!あいつめ!!二人は無事なんですよね!?」
俺がそう言った時、ドアが開いて鳥海と秋月が駆け寄ってくる。
「司令官さん!!無事でしたか!!」
「秋夜さん!!」
「二人とも、大丈夫……ではないな。」
鳥海は頭と両腕と両足に包帯が巻いてあり、頬に殴られた痕があった。秋月は頭と両手首に包帯が巻いてあり、両太股にも包帯が巻いてあった。長10㎝砲は砲身が二つとも折れ曲がっていた。
「入渠施設は、使わなかったんですか元帥?」
「君の師匠はこの鎮守府の入渠施設を壊していった。もちろんバケツはなかった。抜け目のない奴だよ。」
「秋夜さん!!」
そう言い秋月が俺に抱き付いてくる。正直かなり痛い。
「申し訳、ないです。ううっ、秋月が、ひっく、力不足だったばかりに。」
「秋月……。」
秋月は涙を流しながら泣いていた。鳥海の方を見れば声を出さずに泣いていた。
「司令官さん、本当に申し訳ありません。私が、秋月ちゃんを守っていれば、私の不甲斐なさに腹が立ちます。」
「鳥海、自分を責めるな。」
俺が鳥海にそう言うが、鳥海は椅子に座り、眼鏡を外し両手で顔を塞ぎながら泣いた。俺は抱き付いてくる秋月の頭を撫でながら元帥の方を向く。
「それともう1つ、鎮守府の中には鳥海と秋月以外の人もいたんだよ。」
「その人達を呼んできますね。」
そう言って大和は部屋を出ていった。誰なんだ?
「秋夜君、本当にすまなかった。私が気づけなかったばかりに、君をこんな目に合わせてしまった。」
そう言い元帥は深々と礼をする。
「頭を上げてください、元帥が謝ることではないですよ。」
「謝らないと気が済まないんだ。まだ若いのに人に裏切られ、裏切られ続けてきた君を見てると、私の不甲斐なさに腹が立つんだ。」
「元帥のせいではないですよ。」
全ては大本営、いや海軍というべきか。
「元帥、連れてきました。」
大和がそう言って部屋に入ってくる。大和の後ろから二人の女性が恐る恐る入ってくる。一人は白露型か、でもピンク色の髪の白露型なんていたっけ?もう一人は上は白のジャージに下はスカートっていうマネージャーみたいな服装だな。
「元帥、彼女達は?」
「彼女達は……捨てられた艦娘だ。」
元帥がそう言った瞬間に入ってきた二人は体を震わせた。
「白露型の方は春雨、もう一人は補給艦の速吸だ。」
「どちらも聞いたことないですね。」
「君が無人島にいた頃に発見された娘達だからだよ。」
元帥は春雨と速吸の方を向くが、二人は涙目で体を震わせていた。
「……性能的に使えないから捨てられたって訳か、くそったれが。」
「秋夜君、君の言う通りだ。」
「春雨、速吸、二人をこの鎮守府に歓迎する。」
俺がそう言った瞬間、春雨から砲撃された。おーい、俺重体なんですけど?
「嘘を付かないで、そう言ってまた私達を殺そうとす「あのなぁ、重体の奴が艦娘を殺せるか?」な、何故生きてるんですか!?」
「は、春雨ちゃん!!下がってください!!」
俺は泣き疲れて寝ている秋月をベットに寝かせて立ち上り、春雨と速吸に近付く。春雨は怯えていたが、速吸が春雨の前に立ち塞がった。
「春雨ちゃんに危害を加えさせません!!加えるというならこの速吸が許しません!!」
こうやって速吸は春雨を庇っていたんだな。
「加えねえよ。俺は他の提督とは違う。」
「でしたら、それを証明してください!!言葉だけなら何とでも言えます!!」
「じゃあ逆に聞くが、どうしたら証明したことになる?」
「春雨ちゃんの姉妹を救ってくれたら他の提督とは違う事を認めます。」
そう言って速吸は怯えて動けない春雨の手を掴んで部屋を後にした。芯が強いな速吸は。
「まっ、いきなり信じろっていう方が無理だな。」
「秋夜君、行くのかね?」
「行きますよ、信頼を得るためには行動するしかないんですから。」
そう言い部屋を出ようとした時に、長10㎝砲が俺の腕に抱き着いてきた。
「キュイ!!(行っちゃ駄目!!)」
「大丈夫だよ、君はご主人の所にいるべきだよ。」
そう言い長10㎝砲を撫でる。長10㎝砲は涙目になりながら俺の腕から離れた。余程心配されてるのか。
「砂浜まで付いていこう。」
「助かります。」
砂浜
「元帥、ここの鎮守府を頼みます。」
「わかった、それと秋夜君、春雨の姉妹がいる所はわかるのかい?」
「分かりますよ、長10㎝砲が教えてくれましたから。」
砂浜に着いた時に長10㎝砲が来てメモ用紙を渡してくれたからな。
「そう言えば、元帥の鎮守府は大丈夫なんですか?」
「武蔵がいるから問題はない。秋夜君、死ぬんじゃないよ、死なない限りは助ける。そこのボートを使って行きなさい。」
「ありがとうございます。」
元帥にお礼を言って準備をする。ブーツを履き、服を着替えて、ナイフを仕込み、刀を腰に3本付けて、よし。
「さて、出撃だ!!」