Q艦娘が少ない場合はどうすればいい?Aじゃあ提督が戦おう! 作:宗也
第16話
「さて、着いたな。」
ボートを使って移動してから一時間、漸く白露達がいるという鎮守府に着いた。
「ここは、佐世保か?」
長10㎝砲ちゃんよ、地名も教えて欲しかったぜ。まあいいや、ボートを港の近くに停めてと。
「速吸には春雨の姉妹を救ってくれたら他の提督とは違う事を認める。とは言われたけどねえ、平和な鎮守府だったらどうすっかな。」
白露達が笑顔で楽しく暮らしてたらそのまま帰れるんだけどな。そうあってほしい。
「さてと、まずは佐世保鎮守府の情報を調べないとな。」
そう言い、歩き出そうとした時、近くにいた憲兵に睨まれた。あっちゃ、見付かったか。
「まあ、見付かっても易々と捕まりはしないけどな。おーい、そこの憲兵。」
「……お前は誰だ?」
「ちょっと野暮用でここに来た。なあ1つ聞いていいか?」
俺が憲兵にそう言うと、憲兵はジェスチャーを使ってこっちに来るように合図をした後、歩き出した。
「何でジェスチャーなんだ?」
「いいから黙ってこい。」
憲兵に言われ、しばらく黙って歩いていたら鎮守府の裏にある森林に連れてかれた。
「お前、ここの鎮守府の噂を聞いてやって来たのか?」
「噂?」
俺がそう言うと、憲兵は座り込んで懐から紙を取り出した。
「ここの鎮守府はな、陸軍に乗っ取られているんだ。1年前からな。」
「1年前だと!?」
「いきなり陸軍の奴等がやって来て、ここは俺達のもんだと言いながらこの鎮守府を占拠したんだ。」
「でも、お前も陸軍じゃないのか?」
俺が憲兵にそう言うと、憲兵は首を横に振った。
「違う違う、俺は偽の憲兵さ。ここを調査する為にな。で、陸軍は混乱している艦娘を半殺しの状態にして監禁部屋に放り込んだんだ。」
「陸軍に占拠された時、ここの提督は何してたんだ?捕まったのか?」
「陸軍と一緒にいて、艦娘を半殺しにするのに協力していたらしい。詳しくは知らねえがな。」
「つまり、陸軍が突然この鎮守府を占拠したということになってるが、実際はここの提督がそういう指示をしたって訳か?」
「まあそういうことだ。」
でも何でだ?それをして発生するメリットがわからねぇ。
「メリットがわからねぇって言いたそうな顔だな。じゃあ教えてやるよ、金が稼げるからだ。陸軍が占拠した後、俺らがここら辺を守ってやるから、住んでる奴等は金を払え、払わなかったら見捨てるってな。」
「それで不安になったここら辺の住民から金を取ってるのか。払わなかった人達はどうなったんだ?」
「最初は皆払わなかったらしい、だが陸軍がここに住んでる皆の前で払わなかった人達数人を殺し、次に金を払わなかったらこうなるぞと脅したらしい。」
警察は何してんだよ!?立派な犯罪じゃねえか!!
「警察も動いたが、大本営がもみくしゃにしたらしい。」
「金ってどれくらいの間隔で払ってるのか?」
「毎月な、しかも額は相当だ。だがここら辺は深海棲艦なんてほぼ来ない。」
「払う必要のない金を払わせて、自分たちは悠々と暮らしてるのか。」
ふざけやがって、陸軍もそういう事すんのかよ!!
「そして、その金は大本営に流れている。更に今の大本営は深海棲艦の味方になってる。もう言いたい事は分かるな?」
「監禁された艦娘達はどうなってる?」
俺がそう言うと憲兵はポケットからスマホを取り出して、俺に映像を見せてきた。
「ここの陸軍と提督にストレス発散用としてサンドバッグにされてる。そして陸軍からは罵声を浴びせられてる。」
映像の中身は大破の状態でうずくまってる白露達や、陸軍の兵士らにいいようにされてる映像だった。
「……情報提供ありがとう。」
そう言い俺は鎮守府に向かって歩き出す。もう我慢ならねえや。
「行くのか?」
「あぁ、ここの鎮守府の奴等をぶちのめす。」
「気を付けてな、俺は違う方から色々仕掛ける。」
「ちょっと待て、何故俺に情報を教えてくれたんだ?」
俺がそう言うと、憲兵は被っていた帽子を取り、髪に付けていた髪止めを外した。
「伝え忘れていたな、俺は元元帥からお前の手助けを頼まれてやって来た天龍様だ。」
えっ!?天龍!?元帥の所のか!?
「へっぽこじゃない天龍だと!?」
「誰がへっぽこだ!?世界水準舐めんなよ!?」
「しかもお前胸の膨らみは何処に行ったんだよ!?それじゃあ胸のついたイケメンじゃねえよ!!ただのイケメンじゃねえか!!」
「うっせえ!!さらしできつく巻いてあんだよ!!」
あの大きさをさらしでなんとか出来るのか?
「とにかく、お前は監禁されている白露達を救出してくれ。俺は違う事をしてるからよ。」
「フフ怖の練習か?」
「誰がそんなことすんだよ!?お前はさっさとガキ共を救出してこいよ!!」
そう言って天龍は去っていった。
「やっぱ天龍をいじるのは楽しいな。」
俺がそう感じてる時、急に鎮守府からサイレンがなった。
「っち、タイミングがいいんだが悪いんだか。まあいい、この混乱に乗じて救出しますか。」
俺は急いで鎮守府の建物まで移動をする。
建物付近
「さて、ここまでばれずに侵入出来たわけだが。」
にしても引っ掛かるな。ここまで誰一人も見ていない。
「杞憂であればいいんだが、ん?あれは。」
建物に侵入しようとした時、後ろから足音が聞こえてきた。しかも一人や二人じゃねえな。
「ったく、見付かったのか。」
俺はいつでも刀を抜けるように腰に手を当てて後ろを向くが、あらら。
「はぁ、はぁ、あっ!!そんな!!」
前方から大破状態の白露が走って来た、更に白露の後ろから大量の陸軍の兵士が白露を追っ掛けていた。
「ここにもあいつらが!!もうやだよぅ。」
「いたぞ!!」
白露は俺を見た瞬間に絶望した顔をしてうずくまった。あれ?俺敵と勘違いされてる?
「まったく、手間を掛けさせてくれたな!!お前の様な化物は俺らのサンドバッグになってればいいんだよ!!」
「私は化物なんかじゃない!!お前らの方が化物だ!!」
「口答えすんじゃねえ!!」
そう言い陸軍の奴等は白露の顔を警棒で殴り付ける。地面に叩き付けられた白露の頭を陸軍の奴等は踏みつける。
「大人しく俺らの奴隷になってればいいんだよ。この人間擬きが!!アッハハハ「人間擬きはてめーらだクソ野郎共。」いっ!!」
俺は白露の頭を踏んでいる陸軍の兵士の肩に投げナイフを放つ。その後、回し蹴りで兵士を吹き飛ばす。
「な、何だ貴様は!?」
「どうもロリコン共、お巡りさんです。」
俺がそう言うと陸軍の奴等が銃を抜いて発砲してくる。お巡りさんはちと無理があったか?
「に、逃げ……えっ!?」
「ふん、こんなもんか?」
俺は刀を一本抜いて銃弾を全て弾き飛ばす。砲弾に比べれば遅い遅い。
「ロリコン共、てめえらはいつもこんなことしてるのか?」
「貴様!!言わせておけば!!」
陸軍の一人が俺の言葉を聞いた瞬間に怒りを露にして前に出てくる。
「俺らはなぁ!!ロリコンなんかじゃねえ!!フェミニストだ!!」
「そうだそうだ!!」
……はぁ?フェミニスト?
「ロリコンとフェミニストにはな、おっきな違いがあってな!!つまり……。」
「白露、大丈夫か?」
「えっと、誰ですか?」
俺は陸軍の奴等の話を無視して倒れている白露に話しかける。白露は涙目で俺の顔をじっと見ていた。
「お巡りさんだ、ある人から頼まれてやって来た。」
「うおーい!!俺の話を聞けーー!!」
んだよ、うっせえな。
「何俺らの奴隷に話しかけてんだよ!!さっさと消えろ!!でないと……。」
「貴方は、あたしの味方?」
「あぁ、駆け付けるのが遅くなってすまないな。」
そう言い俺は白露を抱き締める。白露は安心したのか俺の胸の中でわんわん泣き始めた。
「だーかーらー!!俺の話を聞けーー!!」
陸軍の奴等がナイフを投げてくるが、それを刀で叩き落とす。
「さてロリコン共、お祈りは済ませたか?小便は済ませたか?ここでガタガタ震える準備はOKか?」
「ロリコンなんかじゃねえ!!フェミニストって言ってんだろ!!」
「てめえらは1回フェミニストの意味を調べて来いや!!」
俺は白露を離し、ロリコン共をボディブロー、アッパーカット、エルボー、ハイキック、ローキック、ペリィドゥペリィなどで気絶させる。何か1つ変なのがある?気にするな。
「な、なんだこいつ!?バカ強ぇ!!」
「さて、残るはお前一人だ。」
残った一人、多分偉い奴なんだろうけど、そいつはガタガタ震えていた。
「おお俺一人?馬鹿め!!」
残った一人の奴がそう言うと、目の前の建物の二階の窓が開き、司令官らしき奴が俺にスナイパーライフルを向けてくる。なるほど、あそこが執務室か。
「あそこにいるのはここの司令官か?白露?」
「そうだよ!!あいつだよ!!」
白露がそう言った瞬間にスナイパーライフルの発砲音が聞こえ、口に凄まじい衝撃と共に俺は後ろに倒れた。
「えっ?ね、ねぇ!!お巡りさん!!」
「ハハハハ!!気分がいいぜ、楽しいねぇ!!どうだ化物、助けに来てくれた奴がやられた気分は?」
「な、何で笑っていられるのよ!?何であたし達を化物呼ばわりするのよ!?」
「それは兵器だからだ。兵器は感情も持たねえ、飯も食わねぇ、涙も流さねぇ、だがお前はどうだ?兵器の癖にくだらない感情を持ち、人間と同じ飯を食い、涙も流す。誰がどう見ても化物だ!!てめえらは化物だアハハハハ!!」
「ぎゃーぎゃーやかましいんだよ。」
俺は口からスナイパーライフルの弾を吐き出しながら立ち上り、落ちてあるマシンガンを拾い、それで残った一人の顔面をぶん殴る。
「お、お巡りさん!!どうして!?」
「ん?歯で受け止めたんだよ。」
数秒間意識を無くしたけどな。もう二度とやりたくねぇ。
「くっ、化物共が!!」
ここの司令官が俺らを睨み付けながらスナイパーライフルを向けてくる。
「ど、どうするのお巡りさん!?」
「どうすっかな。流石にスナイパーライフルの弾を斬るとなると、体勢が崩れるしなぁ。」
言っておくけど、俺重体の身だからな?
「まっ、なんとかするさ。」
そう言い俺は気絶させた陸軍の兵士の近くに転がっていたハンドガンを拾う。ふむ、これならいけるか。白露は俺の服にしがみつきながら来てるよ。
「死ねぇ!!」
ここの司令官がスナイパーライフルを発砲すると同時に俺もハンドガンを発砲する。
「ひぃ!!」
白露は悲鳴をあげて俺の左腕にしがみつく。やべっ、可愛い。
「ってあれ?外したのかな?」
「ちょっと違うな。俺が外させたのさ。」
ここの司令官はスナイパーライフルを撃ってくるが、撃ってくると同時に俺もハンドガンを撃つ。
「まあ、俺はただ撃ってるんじゃなくて、あの司令官が撃ってきた弾に向かって撃って、弾と弾をぶつけて軌道を逸らしてるんだよ。」
俺がそう説明すると、白露は唖然とした表情をしていた。そんなに不思議か?
「に、人間なんですか!?」
「人間だ。さて、ここの司令官が執務室から移動する前に乗り込むぞ!!」
ちなみにフェミニストとは、色々な意味がありますが、日本では女性に甘い男性、女性を大切にする男性という意味で使われてます。