終戦後の世界   作:綿あめ

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ども、クソ提督です。
更新が週1じゃなかったことについて。

結論述べます。忘れてました。。

学校祭の準備も始まりまして、空いた時間で執筆はしてたのですが、完成させるのに時間がかかりすぎました…。申し訳ないです(´・ω・`)


安定しない記憶

 

 

時々、悪夢を見るんだ。手に馴染んだ装備を手に、深海棲艦を沈めてきた感覚。大破になりながらも母港に帰還できた喜び。うちの鎮守府ではないけど、同じ僕として現し世に呼ばれて沈んでいった苦しみ。

 

戦争は終わった。僕にとって、艦娘にとっては二度目となる戦争。ただ、兵器としてではなく、『艦娘』として、思考を持って戦った戦争。忘れるわけがないんだね。

 

何度も何度も夢に魘された。真っ暗な海に立たされて、いつ撃たれるかわからない恐怖。仲間がいない孤独を味わう夢を。

 

戦争は終わっても、艦娘だった僕達は戦争の為に作られた命。どの道を進もうと、戦争への執着心を魂に刻まれているんだ。

 

平和が怖い。

 

幸せが怖い。

 

…なんて、僕らしくもないか。戦争は終わったんだ。そう何度も言い聞かせてきたんだ。忘れたくはないけど、少しは記憶から消したいな。

 

だって、提督と過ごす毎日に怯えたくなんてないから。

 

独り呟く時雨。

 

仲間を何度も失った時雨には、他の艦娘よりも戦争への想いは強かったのか。

 

この想いを誰かに知られることは、これから先もないのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネタに尽きた。」

「ヘーイ、提督ぅー。メタ発言はやめるネ。1回、記憶飛ばすヨー。」

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

「はっ!?知ってる天井だ…。」

「それは…提督の部屋だからね。」

「おぅ、鈴谷。相変わらず人の部屋でくつろいでるな。」

 

まぁ朝からコイツの顔を見るのにももう慣れた。と言うよりも、毎度毎度のやり取りするのに疲れた、の方が正しいか。

…うーむ、何やら良からぬ夢を見た気がするけど思い出せないな。いや、アレは夢か?やけに現実味と痛みを感じたんだけどな…。現に今も頭が痛いし。

昨日、いつ寝たのかすら覚えてないけど…。まぁいい、どうせ思い出したところで忘れたくなるようなものだろう。

 

うむ、今日も今日とて清々しい程に最悪な1日の始まり方だ。

 

「とと…そいえば金剛は?」

「ん?金剛さんがどうかした?」

「なんかあいつにすごく嫌な思いをした気がした。いや、なんだろう…記憶が定まらないな。」

「うん、忘れた方がいいと思うよ。あれは提督が悪いし。」

 

…俺が悪い?つまり俺が何かしたとでもいうのか。いや、そうだとしても、記憶が定まらない事には繋がらない…。いや、もう忘れよう。考えてもわからんって事は、さほど重要なことでもないだろう。

…さて、今日は何するかな。

 

「鈴谷。」

「んー?どったの、てーとく?」

「暇だー。」

「ミートゥーだよ。なーんかここの生活もマンネリ化してきたしねー。起きて提督の部屋でくつろいで、部屋に戻って寝るだけっていう生活スタイルが確立したし。」

「そもそも俺の部屋でくつろぐ理由が未だに理解ができない。…まぁそれはこの際置いとくとして、本当にやる事ないもんだなー。」

 

時間は午後3時。間宮におやつでも食べに行くかーっと思ったけど、この時間は他の艦娘達で溢れかえってるか。なら駆逐艦と遊ぶのは…いや、やめておこう。長門の特権だ。うん、きっとそうだ。そんな気がする。

他にやる事なー。ぼのたん☆を弄るのは楽しくていいけど、今日は確か出かけてるんだっけか。金剛とティータイムっても、今はなんとなく会わない方がいいだろうし。

 

「…やべぇぞ、マジでやべぇ。」

「なしたの?」

「このままじゃマジでネタ切れだぞ!!連載5話目にしてネタ切れとか洒落になんねぇぞ!なんか、こう、アイデアはないか!?」

「あ、提督。うしろ、うしろ。」

 

うしろ?何をこんな時に言うか。

鈴谷が指す提督のうしろ、つまり窓の方を見るとあら不思議。ずっと嫌な予感がしていた金剛さんが窓からニコニコしながら覗いてるじゃーあないか!うっわー、いい笑顔〜。

 

「…アイエエエエエ!?コンゴウ=サン!?」

「メタ発言ダメって言ってるネー。」

「おまっ!?ちょ、まて!偽装はあかん!それはあかん!それだけはあか…「バーニングラーブ。」アーッ!♂」

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

 

「は!?知らない天井だ…。」

「なわけないでしょー。提督の部屋じゃん。」

「いや、言ってみたいジャン。」

「んー、で?なんで気絶したか覚えてる?」

「あーあーあー…覚えてないな。」

 

くそ…どういうことだ?なんとなく金剛っていう単語は思いつくがそれ以外はまるっきし覚えてないだと…!?

 

「まぁいい、いいだろう、忘れよう。」

「そうだね、そうしなよ。」

 

と、似たようなことを2度繰り返した執務室にノックが響く。鈴谷と提督は扉の方を向き、提督の「いいぞー」の声のもと、「失礼するねー」の一言と同時に扉は開かれる。入ってきたのは元正規空母の飛龍だった。

 

「お、どうしたひりゅー。」

「いやぁ提督どうせ暇でしょ?」

「言い方腹立つが…まぁ暇だな。」

「なら丁度いいや!今さー、蒼龍と一航戦の先輩方とで弓道やってるんだよね。提督も確か心得あったでしょ?一緒にどうかなーってね。」

 

ほぅ、弓道か。確かに俺は学生時代を弓道と麻雀で過ごした寂しい学生時代があるが…。いや、いい、これ以上精神に傷を負わせる訳にはいかん。まぁとりあえず弓道部でもあったし、久しぶりに弓を握ってみるのもいいかもしれない。

提督は飛龍に「じゃあ俺もやるかな。」と一言返し、飛龍と弓道場へと向かう。

 

戦時中は空母達が己の技術に磨きをかけるために使用してきた弓道場。戦争が終わって取り壊しをしようかと思ったが、ここは空母達にとって、辛いながらも仲間と多くの時間を共有した場所。

今でもしっかりと整備されていて、ほぼ毎日誰かしら利用している。

 

工廠だってそうだった。戦争が終わった今では使わないけど、この工廠で多くの艦娘達に出会った。今では家族みたいに思っている艦娘達が生まれた場所。当の本人らは気にしてはいないが、俺にとっては思い出の場所だ。

 

入渠場、今は普通の温泉。まぁこれだって思い出の場所だ。壊さずに浴場として利用している。

 

なんだかんだ、こう考えてみればこの鎮守府自体に思い出が詰まっている。戦時中は特に気にも留めなかったが、終戦してみれば見える世界も変わってくる。ここにいる家族達を包む暖かい家がここにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よぉーし!それじゃ提督1発かましてよー!」

 

弓道でかませってなんだよ。

飛龍の言ったとおりで、弓道場には一航戦と二航戦の4人だけがいた。テンション高めの二航戦に急かされるように俺は弓を握る。

 

「ていとくのー、ちょっといいとこ見てみたい!」

 

「オッサンか!」

 

「ふふーん、的の真ん中外したら間宮さんのところ奢ってね!」

 

「一方的すぎるだろ…。」

 

「真ん中に当たったらぁ…私を好きにしても…いいよ?」

 

「忘れんなよそのセリフぅ!」

 

やべぇどっちがオッサンかわからなくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ…たかが数年のブランクで俺が的の中心を外すとは…!」

 

現在は間宮の甘味処に来ている。言わなくてもわかるはずだ、そう、見事に的の真ん中を外しました。結果、まぁ見ての通りだな。間宮にて一航戦と二航戦にパフェを奢ることになった。

 

「食べすぎたら太るぞー。」

「運動もしたし大丈夫だもーん。」

 

なけなしの言葉も見事に返される。弓道、あれ以外と見た目によらず体力使うんだよね。弓引くだけじゃんいい加減にしろ、って思うやつはやってみるといいかもね。

(作者:あ、俺そういえば弓道なんてやったことないな(^q^ ))

 

「まぁ、たまにはこういうのも悪くないな…。」

 

間宮に顔出すのも大体週に1回程度。その大半も1人で来る為、大勢で甘味を食べるのは随分と久しかった。楽しくないと言えば嘘になる、だからと言ってまた大勢で来たいとも思わない。きっと大勢で来た場合は全額俺が出すはめに…。間宮のところ、結構お値段高めなんだよなぁ…。

 

それでも今度は鈴谷達でも誘ってみるか。なんだかんだで毎日顔合わせてるし、甘味を食べる時間を共有しあうのもいいかもしれない。

 

赤城が3個目のパフェを頼んだあたりで、提督の顔も絶望の色を濃くしていく。ただ、口元がにやっと上がってるあたり、提督自身もそんなに悪く思ってはなさそうかもね。

 

 

今日も鎮守府は平和だ。

 

 

 

「甘味代…20000円超えだと…!?」





間宮さんの甘味食べたいぬ。。

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