魔法少女リリカルなのは 緋色の災厄【凍結】   作:朔月ふらの

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アグスタ前に派遣任務のお話です。多分次で終わりますきっと(
ギャグ寄りにしたかったけど言わせたい事書いてたら思いの外半端に暗くなりました(´・ω・`;)
あんまし面白く無いかもしれませんがお付き合い下さい。
それではどうぞ。


15話

 

 

「派遣任務?何でまた…」

 

「何でも、詳細不明のロストロギアが観測されたんやけど、どこも人手不足とかで…六課やったら専門部隊やし私らも馴染みのとこやから引き受けたんよ。このまま何も無ければ2時間後に出発する予定や。」

 

さくやの問いにはやてが説明していた。周囲には六課の前線メンバーとさくらのマテリアル部隊が集っている。

 

「それで何処に行くの?馴染みのとこって言ってたけど…」

 

「私らってのが何処まで含まれてるのかによるよね」

 

フェイトの問いにさくやが頷きながらはやてに答えを促す。全員が注目する中、はやてはくくくと堪える様に笑う。

 

「それはやな…第97管理外世界【地球】や!」

 

 

 

 

「第97管理外世界、文化レベルはBか…」

 

「次元移動手段無し、魔法文化無し…って魔法文化ないの!?」

 

FW陣は情報収集のためコンソールを叩き出てきた情報に驚いていた。

 

「無い無い。精々アニメとか本とかの物語でそう言うワードが出るぐらいだよ」

 

「何でそんな世界からなのはさんや八神部隊長みたいなオーバーSランクの魔導師が…」

 

さくやの補足にティアナが呆れ半分で疑問を投げるとはやて達がクスッと笑う。

 

「突然変異ってゆうかたまたまってゆうか…」

 

「私もはやてちゃんも、魔法と出会ったのって偶然だからねぇ」

 

「そうそう。あれは中々衝撃的やったわぁ…」

 

「「へぇ〜…」」

 

しみじみ答えるなのはとはやて。そこで視線がさくらに移る。六課を出てから今までスヤスヤと眠るさくらは、大体5歳位の少女より少し低い身長になっており、はやてに抱きかかえられていた。

 

「ん?あぁ、さくら君は生まれ自体が突然変異って話みたいなんよ」

 

その視線に気付いたはやてが難しそうな顔で答える。スバルとティアナは慌ててすみませんと頭を下げる。

 

「はやてちゃん、代わるよ?って言うか代わって?」

 

「駄目やでなのはちゃん。これはパンドラから任された重要な私の任務なんや…」

 

「うぅ〜、ずるいよはやてちゃん!私もさくら君抱かせてよ!」

 

「2人とも、あんまり五月蝿くするとさくらが起きちゃうよ。だから私が代わりに抱っこするね♪」

 

「「あぁっ!?」」

 

さくらの取り合いをするなのはとはやての横から、フェイトが鮮やかな手際でさくらを掻っ攫った。

 

「ほらはやて、寄る所あるんでしょ?私達も早く行かなきゃ」

 

「むぅ…フェイトちゃん後で覚えといてやぁ…」

 

「さくらは優しいから、きっとそんな横暴許さないよ♪」

 

そんなやり取りをしながらそれぞれ転送ポートに乗り込む。

 

 

 

 

「はい、到着ー!」

 

見慣れないコテージを目の前にはやてとアインスを除いた一同は、管理外世界は地球の日本と言う国、その中の都市の1つ【海鳴市】に到着した。

 

「ここが地球…何かミッドと大差無いですね」

 

「何か平和な感じがしますし、空気も美味しいです!」

 

エリオとキャロがそれぞれ感想を述べる。

 

「良い所だよね。っとさくら、着いたから起きて?」

 

「───、…?スヤァ…」

 

フェイトがさくらを軽く揺すり起こすが、薄く目を開けたさくらはフェイトの首に絡みつき幸せそうな顔で再び微睡みに沈む。その様子にフェイトは顔を蕩けさせ悶える。

 

「はいはいフェイトちゃん駄目だよ〜。さくら君も、いっぱい寝たんだからちゃんと起きて?」

 

なのはは面白く無さそうにさくらの頬を引っ張る。思いの外気持ちの良い感触だったのか、赤くならない程度に摘み上げて遊びだした。そうこうしていると1台の車が停まり、中から金髪の女性が降りてきた。

 

「なのは!フェイト!──って何やってんのよあんた達…」

 

「「アリサ(ちゃん)!」」

 

アリサと呼ばれた金髪女性は半分呆れながらも再開を喜んでいる様だった。スバル達は普段見る事のない姦しさを見せるなのはとフェイトに少し驚く。

 

「で、何時まで寝てんのよさくら。良い加減起きなさい!」

 

そう言ってアリサはフェイトに抱えられ寝ているさくらに無慈悲なデコピンを打ち込む。さくらは一瞬不機嫌そうに眉を顰め半目で辺りを窺う。

 

「…、アリサ?」

 

「久し振りね。全く、帰って来たんなら連絡位しなさいよ。すずかも心配してたんだからね?」

 

意識が完全に覚醒したさくらは大きな欠伸をするとフェイトから飛び降り身体を伸ばす。アリサはその一連の動作に懐かしさを覚えたが、さくらが不意に携帯を取り出し何処かに電話を掛ける。首を傾げるアリサ達だがそこにアリサの携帯が鳴り出す。

 

「はいバニングスです」

 

「『ただいま』」

 

目の前と耳元からさくらの声が聞こえた。

 

「そう言う事言ってんじゃないわよぉぉおおお!!」

 

アリサは携帯を握り潰さんばかりに握り締め震えている。

 

「大体あんた何でそんなに小さいのよ?」

 

「エネルギー節約、大きくなる事もできる」

 

そう言った瞬間さくらの身長が伸びた。フェイトよりも頭1つ程高くなったさくらを一同は少し違和感を覚えながらも見上げる。

 

「アルフみたいな感じかしら?それにしても今度は大き過ぎじゃないの?」

 

「私達もこんなに大きいさくら見た事ないから…見上げてるのが何か変な感じだね」

 

「これ、身体の表面的な制限を完全解除した姿」

 

要するに19歳となったさくらのそもそもの身長らしかった。心無しか顔付きもキリッとなっていたが、残念な事に何処からどう見ても男には見えず、声変わりの様子も無い為高身長のスレンダー美女にしか見えなかった。

 

 

 

 

「じゃあ改めて、任務の確認をするよ」

 

そう言ってなのはは目の前に海鳴市の全体を表示したモニターを展開する。

 

「捜索地域はこの海鳴市内全域で、反応があったのはこことここ、あとここだね」

 

「もしかしなくても移動…してますね」

 

「うん。誰かが持ってるのか自律型なのか…対象の危険性も今の所確認されてないけど、魔力保有者が多いわけじゃないから暴走する危険性はかなり薄いね」

 

流石にこんな所にまでガジェットは出てこないと思うし、とフェイトが付け加えそれに対し一同は頷く。それを少し離れた所で見ていたアリサはチラリと隣を見ると、さくらは輸血パックに見える…否輸血パックにストローを挿し、傍目には無表情だが知ってる人からすれば少し嬉しそうに中身を啜っていた。

 

「…あんたは参加しなくていいの?作戦会議中じゃない」

 

「今回は現場監督だけだから。それに改めて確認しなくても此処に全部入ってるから」

 

そう言ってさくらは自身の顳顬を人差し指でトンっと叩く。

 

「そう言えばパンドラとウェルはどうしたのよ。デバイスモードでもない様だけど」

 

「はやてと一緒。そろそろ在庫切れるから補充しに行ってもらってる」

 

「難儀ねぇあんたのソレ。如何にか…なってたらあんな事になってないわね」

 

「でもこの力のお陰で守る兵器として──」

 

「その考え方…いい加減やめなさい」

 

アリサはさくらを横目で睨みながら声を低めて強く言い放つ。

 

「どう言い繕っても兵器って事実は変わらない」

 

「だから何よ。あんたはすずかとフェイトをどう思ってるの?」

 

さくらの物言いに若干イラつきながらも問い掛ける。

 

「人間だと思ってるけどそれが何?」

 

「多分なのは達も言ってると思うけど、つまり私達が言いたい事はそう言う事よ。あんたのその考え方、すずかとフェイトを人間扱いしてない事に気付いてる?」

 

「…でもフェイトはクローンだけど人間だし、すずかはちゃんと腹から産まれて──」

 

その時ぺチッと軽い音がさくらの頬から鳴った。

 

「人種とかどこの産まれとか、全部話してくれた時からそんな事はどうでもいいのよ。私達はあんたを人間としか見てないって事、そろそろわかりなさい?それでもまた同じ事を繰り返す様なら…」

 

そこで言葉を止めたアリサにさくらは首を傾げる。

 

「ちゃんとわかるまで私・なのは・フェイト・アリシア・はやて・すずかで【お話】よ♪」

 

誰もが見惚れそうな微笑みをしたアリサだったが、その双眸が笑っていない事に気付いたさくらは、「善処する…」と軽く身震いしながら答えた。

 

 

 

 

「ねぇねぇお姉さん、今暇?良いお店知ってるんだけど一緒にどうかな?」

 

作戦会議が終わり、スターズとライトニングはそれぞれの分隊に別れてサーチャーをセット、アリサはライトニングに同行、さくらは広大な感知フィールドを展開しながら散策と各々の任務に就いていた。

そして現在。なのはから翠屋に集合と通信が入り向かおうとした所、どうやら見た目に釣られたチャラそうな男達に捕まっていた。

 

「暇じゃないけどお店には興味がある。一緒には行かないけど場所は教えて」

 

そんなさくらの見た目だが、ワインレッドのYシャツに薄い柄の入った黒のネクタイを緩め、フレアタイプで白黒のストライプが入ったパンツ、ヒールの少し高いブーツに少し大き目のサングラスを掛け髪は下ろしている。身長は大きくなってそのままだが、いくらフェイトと比べても相手は女性。さくらの身長は今の所一般男性より少し低く一般女性よりは少し高い、10人中10人がモデルと思い込む程の【スレンダーな女性】のナリをしていた。

 

「そんなつれない事言わないでさ、良いじゃんちょっと位付き合ってくれてもさ♪」

 

「お姉さん日本語上手いけど外人でしょ?俺らが色々教えてあげっからさぁ!」

 

「有り難迷惑。馬鹿に教えて貰わなきゃいけない程知識に苦労してない」

 

「…下手に出てりゃ良い気になりやがって、調子こいてんじゃねぇぞ!」

 

チャラ男の1人が怒鳴りさくらに手を伸ばし…かけた所で別の腕に掴まれる。

 

「兄ちゃん誰よ?俺ら今忙しいから邪魔しないで欲しいんだけど?」

 

「…ザフィ?」

 

カジュアルな服装に耳元まで覆うニット帽を被ったザフィーラがそこにいた。

 

「お迎えに上がりました。皆待ち兼ねております」

 

「ごめん。気付いたらこうなってた」

 

「無視してくれてんじゃねぇぞコラァ!」

 

チャラ男が今度はザフィーラに殴り掛かるがそれを事もなげに受け止め一睨みすると、怯んだチャラ男達はそそくさと立ち去って行った。

 

「ありがとうザフィ、そろそろ限界だった…」

 

その一言で「間に合ってよかった」と漏らすザフィーラは同時に驚いてもいた。お姉さんと言われたさくらが手を出す事を我慢していたからである。

 

「成長されましたね。つい先日まで言い終わる前に叩き伏せてましたが」

 

「さっきアリサに怒られた。ねぇ、ザフィも僕を人間だと思ってる?」

 

「主はやてと私ら夜天及び紫天一同、さくやですら貴方を人間であり家族だと思っています。そして願わくば、貴方には戦場に出て欲しくないとも思っています」

 

「それは僕の台詞。なのはやフェイトも戦場に出て欲しくない」

 

「高町やテスタロッサもそれは同じでしょう。ですから、それでいいのだと私は思います」

 

「どう言う事?」

 

「貴方は皆を守り、皆は貴方を守る。そうやって支え合って生きるものを人間と言うのだと主が」

 

「そっか…」

 

兵器じゃなくても守る事が出来るのかと、さくらは誰にも見えない角度で薄く笑い、いつの間にか着いた翠屋のドアを何所か晴れやかな気分で潜る。

 

 




今回から台詞の文末に付けてた句点を外してます。
読みにくいとかありましたらご一報下さい。
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