妖精の森 泉
森の中を探索してから約1時間。
予想以上に速いペースで奥に行くことができた。
亜近田先生の話によるとこの泉で待ち合わせのはずなんだけど。
「貴女は亜近田殿の使いの方ですか?」
泉のほとりでオホと一緒に休んでいると後ろから声をかけられた。
少し高いが男性の声だ。
「はい、私は亜近田先生の使いの者です。」
私は振り向きながらそう返事をした。
そこには赤面した、同じくらいの年齢のエルフの少年がいた。
「あの、どうしましたか?」
妖精の森 エルフの村 ユグドラシル 語り部・エルフの少年(ラウス)
僕の名前はラウス。
自分で言うのもアレだけど、この村一番の剣士だ。
「おい、ラウス。ちょっといいか?」
この人は僕の義兄のキュウベエ・アズサユミ。
森の外から来た人で5年前に僕の姉さんと結婚した。
因みに子供は10人いる。(これから生まれる子を含めば11人で妊娠がわかった後、『サッカーのチームが出来る。』って軽口叩いてた。)
「なんだい?義兄さん。」
「明日暇か?そうなら少し頼みたいことが有るんだけど。」
「明日?長老の頼みで薬草を取りに行くんだけど。それが終わった後ならいいよ。」
そう、今日の昼頃村長に森の泉に有る薬草を取りに行くように頼まれた。
ちょっと距離が有る泉なので、事実上明日にしてくれと言っているようなものだけど。
「あの泉の近くなら大丈夫だろう。」
「泉の近くに何が有るんですか?」
僕がそう言うと、義兄さんは若干面白そうなものを見て。
「友人を迎えに行って欲しいんだ。お前も知っての通り、俺は明日魔物退治に行かなきゃいけないからさ。」
翌日
魔物退治に行く義兄さん達の見送りの時間になった。
「行って来る、明後日には絶対に帰る。」
「うん、わかった、あんまり無茶しないでね。」
この万年新婚夫婦のいちゃつきだけはどうにかして欲しい。
義兄さんも姉さんもいい歳なんだからさ。(まだ23歳位だけど)
「それじゃあ、僕も。」
「お前の方も気を付けろよ。」
「無理しないでね。危なくなったら直ぐに・・・」
「姉さん。僕はそこまで子供じゃ無いよ。危なくなったらちゃんと逃げるから。」
姉さんの言葉を冷静に返す。
泉
「や、やっと着いた。」
そんなこんなで今現在泉に到着した。
えっ、はしょり過ぎだって?
道中を書いてもつまんないでしょ。
もう着いてるかな?っと思い泉に向かう。
そして、それらしい女の子を見つけた。
近くに狼がいるのは分かるが、太陽の光でどんな子なのかはよく分からない。
「貴女は亜近田殿の使いの方ですか?」
僕は彼女にそう聞いた。
僕の声に気が付いた彼女は振り向いて。
「はい、私は亜近田先生の使いの者です。」
と答えた。
これを見た僕に恋の衝動が走った。
彼女に対する第一印象は可愛い。
簡単に説明するならおとぎ話の姫様。
其の可愛らしい外見に会う高貴な鎧を着ており凛々しさも感じる。
彼女の近くにいる狼は恐らく愛玩犬兼護衛なのだろう。
「あの、どうしましたか?」
彼女は困ったと言うか、心配していると言うか。
とにかく上手く説明出来ないがそんな感じの表情をしており、其の表情にも僕はキュンとしてしまった。