Re:ゼロから寄り添う異世界生活   作:ウィキッド

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皆様あけましておめでとうございます!
新年初投稿だぁ!(インフルでテンション崩壊)


襲撃者

 時刻は少しさかのぼる。 

 

「スバルくん、もっとこっちに」

「……ん、うぅ」

 

 警戒をするでもなくこちらの肩に頭を乗せて船をこいでいるスバルの様子を、レムは横目に見ながらかすかに唇を綻ばせていた。

 今のスバルが普段のスバルでなく、この状態が彼の本意でないことがレムにはわかっている。だが、 無防備に、無警戒に、こうして全身を預けてくれている事実が嬉しくあった。

 寝息がかかる距離にありながら、レムはさらにスバルの身を引いて体を密着させる。御者台の椅子は一人用のもので、二人で座るにはかなり無理をしなくてはならない。本来は小柄なレムの方がスバルに体重を預けるべきだが、今はそれをするとお互いの身が危なっかしい。

 竜車に乗ってからは大人しいスバルを膝の上に半身で乗せ、レムは手綱を握るのと反対の手で彼の腰を抱き、改めて座り直しながら手綱を引く。

 できるだけ、スバルに無理をさせない体勢を維持していた。そのため、御者台の大半の面積を明け渡すレムの体勢はかなり苦しい。そのまま半日近い時間をその姿勢で過ごすのだから、常人ならば途中で体力が尽きてもおかしくない。

 その点、レムは常人より肉体の強度の上ではるかに上をいく。その精神的な忍耐力も、じっと耐えるといった方向性においてはピカイチだ。

 

 「スバルくん、大丈夫ですからね」

 

 スバルとエミリアの間にどんなやり取りが交わされ、どんな歪みが生じてしまったのか、詳しい内容についてはレムは聞かされていない。

 王城で王選の開催が宣言されたあの日、ロズワールの指示でスバルの侵入をあえて見逃したレムは、戻ったエミリアの憔悴した様子にひどく驚かされた。

 彼女は消耗し切った様子で、城での出来事を大まかにレムに説明し、その上で城に残してきたスバルを迎えにいき、クルシュの邸宅へ出向くよう彼女に告げた。

  レムはただ静々とエミリアの命に従い、スバルを連れてカルステン家に入った。ロズワールとはその前に少し話があったが、その部分は誰にも内密の話だ。それに、もう意味がない話でもある。

 ともあれ、カルステン家に入ってスバルの治療が本格的に始まったのだった。だが、その結果は芳しいものではなく、治療を断念せざるを得なかった。

 瞼を閉じ、寝入ったままのスバルはその声に応じない。ただほんの少し、目尻の険が安らいだような気がして、レムは気を入れ直すと前を見る。

 夜を徹して屋敷を目指すつもりだったが、どこかで一度野営した方がいいかもしれない。クルシュの邸宅を出た時点で正午過ぎだった時間も、屋敷までの道のりを約半分としたところで雲に月がかかり出していた。

 予定よりだいぶペースが遅れている。それはレムがスバルに負担がかからないよう苦慮した結果であり、地竜に本来の速度よりかなり遅く走らせていたのが原因だ。 あと二、三時間で予定していた半日の移動になるが、屋敷まではこのペースのままならば辿り着くのは朝方になってしまうだろうか。だが、スバルの体を考慮せずに飛ばすことなどレムにはできない。

 

「そうなってしまうと、姉様と意思疎通も難しいですし」

 

 共感感覚はある程度の距離と、互いに覚醒状態にあることが使用の条件だ。

 特にレム側からラムに発する場合には、気力・距離ともに条件はかなり厳しい。少なくとも今の距離からラムに現状を報告することは不可能であるし、距離的にそれが可能になる頃には深夜になってしまうだろう。

 

 ――やっぱり、野営しよう。

 

 そう判断を下し、レムは手綱を操って地竜に止まるよう指示を出す。

 速度の乗っていた地竜はその意に従い、足をゆるめるとゆっくり立ち止まり、荒い鼻息をこぼしてこちらを見上げる。

 御者台にスバルを置き、レムはするりとそこから飛び下りると、街道の地に降り立って周囲を見回す。

 幸いにも雲が少ない今夜は月明かりで十分に周囲は明るい。レムはテキパキと毛布を重ね合わせて簡易な寝所を作り上げる。そして、

 

「スバルくん、失礼します」

 

 御者台で眠るスバルをお姫様だっこし、そのまま寝所の布団にくるんだ。

 座りっ放しの走りっ放しで疲れているだろうスバルを横にし、レムは軽く身を回して調子を確かめると、自身は車両の外へ出て、野営の見張りを行う。

 盗賊の心配はさほどしていないが、街道の夜には行き交う竜車の少なさに乗じて魔獣や野犬などが襲ってくることも少なくない。

 もっとも、

 

「今夜はあなたもいますから、あまり心配いらないと思いますけれど」

 

 手を伸ばし、レムは鼻先をこちらへ下げてくる地竜の顔を撫でる。

 半日、手綱越しにではあるが長い時間を繋がれていた相手だ。それなりに愛着も湧いていたし、初対面のレムの言うことを良く聞いてくれた。躾が正しく行われているあたり、さすがは公爵家の地竜であると賞賛しか出てこない。

 そもそも竜種の中では人に親しい地竜ではあるが、その種族としての質は当然ながら他の獣たちとは一線を画する。純粋に地竜に襲いかかる地力のわからない野生はほぼいない上に、地竜自体が非常に危険に鼻が利く習性を持っている。

 数が多い魔獣の群れ、あるいは盗賊の集団などでなければ地竜を襲わない上、それらの集団はほぼ事前に地竜が感知してくれる。

 故に、地竜を引き連れての野営にはそこまでの心配はない。

 

「ゆっくり、休んでください」

 

 地竜と自分、夜の警戒には十分すぎるほどの人員だ。

 レムはちらりと見上げた寝所にそう声をかけると、鼻を寄せてくる地竜を撫ぜて地面へと座らせる。そして座り込んだ地竜の固い肌に身を預け、運び出した毛布を体にかけると、意識を張り詰めて見張りに入った。

 朝方、日が昇り始めた頃合いを見計らって出発すれば、明日の午前中には屋敷に辿り着くことができるはずだ。

 スバルを連れ帰ることと、目的を達していないことの叱責は甘んじて受けるしかない。何故なら、

 

「スバルくんを元に戻せるとしたら……」

 

 彼の想い人、エミリアしかいないからだ。

 そのことが、レムには歯がゆく、自分がその立場にいないことに、ほんの少しだけ悔しさを覚える。

 レムにとって、エミリアという存在は非常に接するのが難しい相手だった。

 ロズワールが客分として迎え入れ、今では彼女は王候補として自分より上の存在のように扱っている。事実、レムとラムの二人にもそう扱うよう指示が出ていた。

 レムにとってエミリアに対しては嫌悪感を抱くことはない。だが、単純な嫌悪感とは違った、レムが抱く感情が複雑であるのは、彼女の出自を理由とする。

 ――エミリアがハーフエルフであること。つまりは、半魔である事実だ。

 頭では、彼女自身にはなんの咎もない、むしろ被害者であることをレムは理解している。ただ、それ以外の部分では納得できない自分がいるのも事実なのだ。

 エミリアが悪いわけではない。しかし、彼女の存在は軽視するには大きすぎる影響を及ぼした存在であった。

 好意的に接することも、悪意をもって接することも選び難い。結果、レムのエミリアへの接し方は簡潔的に、『客人と使用人』の立場を逸脱しないものであろうと固く決めていた。

 感情を排し、エミリアの指示にレムは機械のように応じる。エミリアもまたレムのそんな態度を感じ取っているのか、殊更に構うようなことは言わない。

 なのに今、レムのエミリアに対する感情は以前と一変してしまっていた。そのことが、ひどくレムの心をささくれ立たさせる。

 自身の感情を認められないほど子どもではないレムにとって、エミリアの頑なさはあらゆる意味で度し難かった。そして、エミリアにはそうなってしまう無理のない過去があることを知っていながら、そんな風に考える自分に嫌気が差す。

 それらの想いは渦を巻き、中心にひとりの少年を孕むと爆発しそうになる。自分の醜さに、辟易としながらレムは息を吐く。

 夜が長い。ひとりきりの夜は、どこまでも深く冷たく長い。

 ふと、背後に庇う車両の中に潜り込みたい衝動にレムは駆られる。

 いっそ、全て投げ出してそうしてしまってもいいのではないかと誘惑が湧く。このまま戻っても、彼を待つのは理想からかけ離れた苛烈な現実だ。

 逃げ出したほうがまだ未来があるようにも思える。だが、

 

「きっと、スバルくんは笑わないでしょうね」 

 

 目を閉じ、魔獣事件の後の彼との会話を思い返す。

 自身を責め、過去に縛られていたレムを助けてくれた英雄の姿を、思い返す。

 

『笑えよレム、笑いながら肩組んで、明日って未来の話をしよう』

 

 もう今となっては懐かしさを覚える、ただし色褪せることは決してない言葉に思わずレムは頬を緩ませる。

 今、スバルと共に逃げ出すことは簡単だ。

 でも彼が、ナツキスバルが笑いながら明日へ向かえない、そんな全てを蔑にする選択などレムにできるはずもない。

 だから、辛くなろうとも今は先が見えなくてもレムはスバルと共に屋敷へと向かう。そう、だって、

 

「スバルくんと一緒に明るい未来を見たいですからね」

 

誰にも聞こえない、聞こえていない彼女の想いは闇に溶けて、彼女の意識と共に消え去った。

 

 

 朝靄の大気の湿り気に前髪を揺らし、レムはゆっくりと顔を上げた。

 意識を半覚醒とでもいうべきか、睡眠と現の狭間に漂わせる感覚に酔いながら、レムはそろそろ出立する時間であると認識を新たにしていた。

 夜の間、目立った変化はなにも訪れず、魔獣や盗賊は気配すらも彼女らの前に現すことはなかった。とはいえ、レムも疲労していないわけではなかったらしい。変化らしい変化のない時間に耐えかね、意識が睡魔に負けかけるに至り、前述の半覚醒状態に意識を移行し、自身の休息にも時間を費やしていた。

 立ち上がり、朝の涼やかな空気の中で体を伸ばす。

 そして頬を軽くはたき、目を覚ます。

 

「――よし、行きましょう、スバルくん」

 

 まだ眠ったままのスバルを改めて抱き上げ、御者台に乗り込むとレムは地竜を起こす。目覚めた地竜に一声かけて、水を飲ませてから再出発。

 車輪が街道の地面を噛み、ゆっくりと速度を上げて移動を始める。

 

 道のりはおおよそ半分、時間にしてみれば七、八時間程度になるだろう。

 気力・体力ともに悲壮感だけを抱いて出発した昨日よりは充実している。深く寝入るスバルの横顔を眺め、レムは逸る気持ちを手綱に伝えて速度を上げた。

 

 竜車を走らせるレムがそのことに気付いたのは、寝苦しそうなスバルの頭を自分の膝の上に載せて、支えていた腕を彼の黒髪に差し込んで撫でていたときだった。

 昨晩、ゆっくりと考える時間があったせいかもしれない。

 

「あまりに静かすぎる……」

 

 リーファウス街道を走る道行き、これまで一度も他の竜車とすれ違っていない。

 街道に沿って走っているとはいえ、レムが地竜を走らせるのは屋敷への最短を目指してやや正道からは外れている。車輪が草を噛む感触を尻に感じながら、しかしレムは遮蔽物のない周囲に一切の他者の存在がないことを気にかけるべきだった。

 それに、後を追ってきているはずのシャオンたちの姿が一向に見えないのも気になる。野営をしていたのだからそろそろ姿が見えてもおかしくないはずだ。

 万が一レムたちの竜車を彼らが見逃したのなら、そこまで問題ではない。どうせ行き先は同じなのだから落ち合うことは可能だろう。だが、そうでなかったら?

 メイザース領が、屋敷への距離が縮まるにつれて強くなる不安、焦燥感。レムは内心の不安を手綱を握る手に込めて、すでに必死の速度で走る地竜をさらに急がせる。

 無理をさせていることは承知の上だが、今は一刻もこの不安の正体を確かめなくてはならない。杞憂であるのならそれで構わないのだ。スバルにも、地竜にも無理な旅路に付き合わせたことを謝罪し、改めて問題と向き合えばいい。

 だが、もしもこの胸に燻る不安が現実ならば――。

 

「――姉様?」

 

 ふいにレムの心に到来したのは、自分のものではない感情の紛糾であった。

 普段から表面上泰然としている姉は、実際に内心でも豪胆に構えている。基本的に動じるということと縁遠い彼女が動じるのは、主人絡みか僭越ながら妹であるレム絡みであること以外にはそうない。

 そんな彼女がレムに対して共感で伝わるほどの『不安』を抱いた。そしてすぐにそれが掻き消えたということは、レムに伝わらないよう自制したということだ。

 距離が離れていれば伝わらなかっただろうその不安が、王都からの帰還中であるレムには届いてしまった。

 そしてそれを受け取ったレムは、

 

「早く、戻らないと――!」

 

 急ぎ、さらに手綱を手が白くなるほど強く握りしめる。

 現状、予定通りに屋敷で事が進んでいた場合、あの場所にいるのは姉とエミリアしかいないはずなのだ。もしもそんな状態でなにか、二人の手には負えないような問題が発生したとしたら。そしてそれがこの不安と無関係でないなら――、

 竜車の速度をあげようとした途端、空間が裂けた(・・・・・・)

 咄嗟に手綱を離し、飛び出すことで 回避できたのは奇跡で、スバルを抱えて回避できたのは常に彼を気にかけていた彼女の献身の結果だろう。だが、その凶刃は容赦なく竜車と、地竜を真っ二つにし、臓物を散らばせる。宙に舞いながらみえたその光景に、その光景にあと一歩遅ければ、自分たちも混ざり、赤い鮮血をまき散らしながら死んでいただろう事実にぞっとする。

 

――どこからの一撃? 

 

 その惨状を見て驚愕したのは一瞬、むしろその脅威を見てレムは即座に戦闘態勢に意識を切り替える。

 着地の衝撃を地面へと逃がし、転がりながら態勢を整える。 

 状況を把握しようとして周囲を見ようとした瞬間、声が聞こえた。

 

「ざんねんですがぁ、それは無理ですよぉ」

 

 レムは油断をしていたわけではない、だから即座に振り向き、声の主を確かめる前に一撃を与えようとしたのだ。だが、拳を振るうよりも早くレムの体に複数の穴が開いた。

 レムがそれを認識したのは、自分の腹部から血液が飛び出ているのを見てようやくだった。

 改めて目の前の襲撃者の姿を目にする。 

 声色からは女性と判断できるが、顔は仮面をしているのでわからない、黒装束を纏った人物だ。

 

「あなたはぁ、ここで死ぬのですからぁね」

 

 何かを弾くような動作を見てレムは咄嗟に転がるように、直感的に距離を取る。

 その僅か数秒後に、先ほどまでレムが立っていた地面が大きく抉られた。 

 攻撃は見えなかった、何かを飛ばしたようにも見えたがその形跡は残っていない。だが、幸いにも動作と攻撃のタイミングには若干のズレがあるようで、回避することはそこまで難しいものではないようだ。

 それでも防戦一方の状態はあまり好ましいものではない。ただでさえ屋敷の方に急がねばならないのに、ここで時間をかけていられないのだ。

 焦りを隠せない状況の中、レムはあることに気付く。

 

 ――――スバルくんと距離を離してしまった。

 

 攻撃をよけた際にスバルを置いてしまっていた。

 今は敵は自分に関心が向かっているようだが、この後はどうなるかわからない。スバルが狙われてしまうことだってあり得るだろう。ならば彼女のとる道は一つのみだ。

 今起こそうとする行動は最善ではないだろう。だが、この事柄がレムにその方法を決断させた。

 

「無謀ですねぇ」

 

 頭部と心臓に当たる部分を庇いながら、目の前の仮面の襲撃者へと駆け寄る。 

 自身の体の丈夫さと、先ほどの攻撃を受けて少なくともあと一撃以上は持つと判断したうえでの特攻。 

 ケラケラ笑いながら仮面の襲撃者は先程と同様に何かをこちらへ向けて飛ばすような動作をする。その後レムの予想通りに、彼女の肉が抉られる。

 だが、歩みは止まらない。

 

「――っ!?」

「――っぁああ!」

 

 攻撃を受けても止まらないレムを見て小さく息を呑む襲撃者。それに対し、下から突き上げるように拳を振り抜く。

 まともに命中すれば首ごと弾け飛ぶことは避けられないほどの鬼の一撃。

 ただ運が悪かったのか、それとも先の一撃がレムの想像以上にダメージを与えていたのかわからないが、彼女の体制が命中する直前に崩れ、決死の一撃は僅かに相手の鼻先を掠めるだけで終わってしまう。

 

「危ない危ない。流石忌まわしい鬼の子ですねぇ、ここまで頑丈とはぁ」

 

 目の前の襲撃者は安堵の息をこぼしながらこちらから距離を取る。その隙にレムはスバルを抱えて、落ちていた自身の武器を拾い、構える。

 

「……おや、仮面が」

 

 鼻先をかすめただけに終わった一撃だが、鬼族による一撃。当然掠めただけでも無事では済まなかったようだ。

 身に着けていた仮面にひびが入り、割れ、その下の素顔が露わになる。

 

「ほんと、忌々しい」

 

 それは一人の女性だった。

 髪についている桃色の花飾り以外はアクセサリーというものは身に着けていない。所謂特徴のない女性。町中で見かけても大して記憶に残らないそんな印象の女性だ。

 

「まぁ、でも貴方はほかの亜人共とはぁ違うようなので安心ですぅ」 

 

 そんな女性が先ほどレムに放たれた一撃とは対極的な穏やかな声で語り掛けてくる。

 正直、どこからみても彼女からはなんの脅威も感じない、それこそ先の攻撃の実行犯が別にいると言ったほうが信憑性がありそうだ。

 だが誰でもない、レムにはわかる。レムにだからこそわかるこの臭いは、この、悪意と狂気が入り混じったような臭いは――

 

「――魔女教」

 

 おぼろげになっていた意識を、静かな怒りで繋ぎ止めてその呪いの言葉をつぶやく。

 その言葉を受けて、目の前の女性はにんまりと、猫のように口元をゆがませながら、笑う。

 

「名乗るのが遅れて、先に言われてしまいましたぁね。改めて――」

 

 まるで貴族のように丁寧にスカートの裾を持ち上げて一礼し、名乗りを上げる。

 

「リーベンス菓子屋店長、そして、魔女教大罪司教『憤怒』シリウス様の右腕、リーベンス・カルベニア。宜しくお願いしますねぇ、愛に生きるお嬢さん?」

 

 血で濡れた顔を拭うこともせず、笑みを浮かべる。

 そんな善も悪もすべてをぐちゃぐちゃに混ざったような、そんな狂人がレムの前にいた。




誤字脱字、アドバイス質問等あればお願いします。

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