バトルガールハイスクール Re:road   作:直田幸村

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初回投稿から間が空いてしまい、すみません。
何とか二回目投稿します




第1章

 転送時の光が弱まり、だんだんと目に景色が入ってくる。聞いていた目的地は渋谷。東京における代表的な繁華街であった場所。そこは五年前、人類が地球を撤退したときに残してきたものがそのまま残っていた。最も、その時の状況がそっくりそのまま保存されているわけではない。アスファルトを突き破って木々や草花が伸び、廃墟と化した建物の壁には一面にツタが這っていた。自動車は、何かに踏みまれたかのようにつぶれ、車内にまでツタが侵食している。

 

「先生。……そちらの状況はどうですか?」

 

 変わり果てたかつての故郷の姿に驚愕していた僕の耳に、ノイズ交じりの声が入ってきた。姿なき声に驚くものの、耳につけていたものを思い出した。八雲先生から受け取ったインカムは、星森の生徒達に指示を出すほか、宇宙空間に浮かぶコロニーの指令室にいる八雲先生と通信を行うことができる。

 

「八雲先生ですか? 転送は完了したようです。ですが、これはいったいどうなってるんでしょうか」

 

「どうしましたか? 何か問題が起きたんですか?」

 

「問題といいますか……。たった五年で、変化が大きすぎるような気がしまして」

 

 僕の感じた変化は、環境の異常な変化。壁を這うツタはまだしも、アスファルトを突き破る木々の高さと量が不自然だった。たった五年で、森を形成するほどの本数が伸びている光景が理解できずにいた。

 

「ああ、確かにそうですね。今までの研究で判明したんですが、どうやら瘴気には、生物の成長を異常に促進する作用があるようなんです」

 

「まさか。そんなことが……」

 

「この瘴気についてはまだ研究段階ですが、我々人類にとって毒であることは間違いありません。人間以外の動植物に、成長のほかにもどんな変化を促すか、現在の結果では未知数であるとしか言えません。ですから、どうか十分に注意してください」

 

「はい、わかりました」

 

 僕は、八雲の説明を聞き終わるとみきたちと向き合った。

 

 インカムは、みきたちも同様に装着しており、八雲の説明を共有している。

 

「ということだそうだ。しっかりと気を緩めずに行こう。あ、でも、君たちはもう知ってたのかな?」

 

「はい、何度か来てますので。先生こそ大丈夫ですか? ぼーっとされていましたが」

 

「大丈夫だよ成海さん。五年前からいくらか壊されていたけど、やっぱり懐かしくなってしまってね」

 

「感傷に浸るのは、今はやめたほうがいいですよ。私たちがいますが、しっかり警戒しておいてください」

 

「そうだね」

 

「大丈夫だよ、先生。たとえイロウスが出てきても。私たちがすぐに倒しちゃいますから」

 

「ああ、頼むよ若葉さん」

 

「ええ、任せといてください」

 

 そういって昴が笑った。それを見て、みきと遥香も微笑む。

 

 彼女たちの顔は、自信に満ち溢れていた。頼もしいと思う。でもそれではだめだと、僕は考え直す。

 

「とはいえ、これは僕の適性を見るための試験だ。僕も僕にできることを精いっぱいやるから、頼りないかもしれないけど僕にも頼ってほしい」

 

「そうですね。はい、頼りにしてますよ」

 

「じゃあ、とりあえず中心地まで行こう。そこで奪還を行う」

 

「では、早速行きましょう。先生、遥香ちゃん、昴ちゃん」

 

「そうね。張り切りすぎて、けがをしないようにね」

 

 これから戦闘を行うというのに、まるで遊びに行くかのようなテンションでみきは駆けだした。それを遥香と昴が追う。

 

 不思議な光景に一瞬反応が遅れるも、彼女たちの後を追いかけた。

 

 

 

 渋谷の街並みは、五年前とは大きく変わってしまっていた。

 

 僕は、八雲からもらった携帯端末の地図を頼りに先へ進む。

 

 地面のコンクリートは割れ、瓦礫が積もっており、歩くのも至難の業だ。ビルが立ち並ぶところではガラスが割れているだけでなく、何か引っ掻き傷のようなものが走っていた。しかもそれは僕のいる地面のはるか上で、幅は二メートルはあろうかというこの世の生物にはつけることは不可能なものだった。それほど巨大なイロウスも存在しているという確かな証拠だった。

 

 巨大なイロウスの痕跡。それはいいニュースと悪いニュースの両方を僕たちに伝えた。

 

 主に瘴気を発するのは大型のイロウスだ。つまり、大型のイロウスを倒せば瘴気を晴らすことができる。しかし、大型のイロウスは小型のものより格段に強い。

 

 それを相手にすると思うと、直接戦うのが僕でなくても恐ろしい。

 

 あたりにイロウスがいないか見回す中、ふと見た建物の壁。何気なく視線を向けた先に白く丸いものが見えた。

 

 その瞬間、鼓動が早くなる。

 

「何だあれは……」

 

 鼓動が頭に響く。まるで近づくなと警鐘を鳴らしているかのように。

 

 しかし、止まらない。止まれない。確認しなければならないという強迫観念にも似た思いに突き動かされ、僕は歩みを進めた。

 

「先生、どうしたんですか?」

 

 みきは僕が突然あらぬ方向へ歩き出したことに問う。でも、答えられない。

 

「先生、一人で行くと危ないですよ」

 

 昴は、危険を示唆する。でも、止まれない。

 

「あ、先生。そっちは見ない方が……」

 

 遥香は、僕の視線の先にあるものに気づいたのか、僕を止めようとする。でも、確認せずにはいられない。

 

 幾重に重なる瓦礫の中から顔を出す白い塊。黒ずんだピンク色がこびりついた楕円形のそれを僕は見下ろす。ぬるりとした感触が触らずとも感じるような錯覚を覚えた。

 

「これは、頭蓋骨……」

 

 それは、かつて何者かであった物。かつて地球でイロウスに蹂躙された、あるいは逃げ遅れ取り残された者のなれの果てだった。

 

 見れば、いくつもの砕けた白骨が瓦礫の隙間から覗いていた。五年前、イロウスが突如としてあらわれ、人々を無差別に襲った。人類は抵抗したが近代兵器は一切歯が立たず、頼みの綱であった星守の力をもってしても、地球から撤退するための時間を稼ぐことしかできなかったという。しかも、逃げ延びることができたのは全人口の中の二十パーセントのみだった。

 

「これは……。なんだ」

 

 それはまるで版画のようだった。人を壁に叩き付けそのまま壁に血肉を刷り込んだような。とてもきれいに人形が押されていた。

 

「こんなの……」

 

 ……人の死に方じゃない。

 

「うっ、ううっ……」

 

 僕は、吐いた。

 

 圧倒的な死への嫌悪が胃袋から昇ってくる。僕は、胃の中が空っぽになるまで吐くことをやめることができなかった。

 

「うわっ。なにやってるんですか。もう」

 

「何って……。人が、死んでるんだぞ」

 

「まあ、そうですけど……」

 

「そうですけどって……」

 

 昴の顔を見て、言葉を失った。

 

 彼女は、人の死を目の前にしながら、呆れ顔で嘆息をついていたのだ。

 

 死んでいるけどそれがどうしたとでも言いたげな、いや、むしろ当然だろうとさえ言っているような表情だった。そのあまりにも平然とした態度に、こちらがおかしいのではと思って来そうになる。

 

 何かに助けを求めるようにあとの二人へ視線を向ける。自分の反応は正常であると確認するために。

 

「先生。もう疲れちゃったんですか?」

 

「少し歩いただけでそんななんて、もう少し運動した方がいいんじゃないですか? 今後のためにも」

 

 が、僕の期待は裏切られる。

 

 まるで僕の反応が異常だと言うかのような顔で平然と答える二人。

 

 自分が今まで体験したことのない危険な状況に置かれ、いくらか緊張していることは自分でも認める。しかし、それ以上に少しの間の付き合いだけでも感じるくらいの彼女たちの気持ち悪さに、何かが爆発した。

 

「君たち、なんなんだその態度……」

 

「ええと……。その態度っていったい……」

 

「人が、死んでるんだぞ。これを見て何も思わないのか? きっと生きたまま、そのままの形でこの場所に……。こんなの……、人の死に方じゃないだろ」

 

「まあ、そうかもしれないですけど。もう五年前のことですよ?」

 

「時間の問題じゃないだろ。これを見て、何も感じないのかって言ってるんだよ」

 

「もう死んでいるんです。今から何を言っても何を思っても、仕方がないじゃないですか」

 

「仕方ないって、それは本気で言ってるのか?」

 

「もちろんです。死んでしまったことは悲しいかもしれませんが、そんなことを言ってもその人は帰って来ません。考えても仕方ないことを考えるより、今生きている人たちを守る。あたしたちはそのために戦っていると思ってましたけど間違ってますか?」

 

「それはそうかもしれないけど、でも……」

 

 そう言いかけて、僕は口をつぐんだ。

 

 起きてしまったことだから考えても仕方がない。そう笑顔で正論を言っていう彼女たち。その顔を見て気づいてしまった。

 

 彼女たちはこれはでずっと笑顔だった。これから戦いに行こうというのに、不安などみ微塵も感じさせず、まるで遠足にでも行くようにもはや楽し気に。転送されてきてすぐは、来るのが初めてな僕に不安を与えないためにそうしているのかと思っていた。でも、そんなわけがない。彼女たちは、星守なんてたいそうな扱いをされているが、所詮はただの高校生だ。いや、彼女たちの中には中学生も存在しているらしい。そんな彼女たちが、以前から来ていたからと言って、いくらか戦闘を経験したからと言って、怖くないわけがない。戦場にはあまりに場違いな笑顔。それが彼女たちが戦うために必要なことであったらと考えれば腑に落ちる。

 

 彼女たちの表情に隠された見えていなかった暗く濁った瞳を見て気付く。

 

 彼女たちは、すでに壊れているんだ。

 

 すべての恐怖を笑顔で覆い隠し、疑問や不安を正論で塗りつぶし、何とか戦っているに過ぎない。そんな風にして自分を押し隠さなければ戦えないほど、彼女たちは普通の女の子だった。

 

 僕の中にふつふつと怒りがこみあげてくる。でも、っと僕は首を振る。

 

「いや、……やっぱり緊張しているみたいだ。悪かったよ。いきなり混乱して当たっちゃって……、ごめん」

 

「いえいえ、いいんですよ。最初はだれでもそうなりますよ」

 

「少し休憩して、気持ちの整理をつけてから行きましょう」

 

「大丈夫。先生も数をこなせばあたしたちみたいに慣れてくるからさ」

 

 自分よりもいくつも年下の少女たちに諭される。その状況に恥ずかしさと無力さを感じるが、今は何も言わない。今の自分にできることは何もない。今はただ、誰一人傷つくことなくこの試験を終える。それだけを考えると決めた。

 

「いや、僕は大丈夫だ。もう取り乱したりしないよ。それよりも、この試験を無事に成功させよう。力を貸してくれ」

 

「もちろん、そのつもりですよ。じゃあ、行きましょう」

 

 みきが僕に手を差し伸べてくる。それに遥香、昴も続く。貼り付けたような笑顔とともに。怒りにはらわたが煮えくり返りそうなのを何とか隠して彼女たちの手を取る。

 

 彼女たちは、自分を殺してまで戦っているのだ。

 

 僕が怒りを爆発させるのは、今、彼女たちの前じゃない。ここではないんだ。

 

 僕は立ち上がると、まっすぐ前を見て歩き出す。

 

 帰ったら、八雲たちを問いただすと強い決意を固めながら。

 

 

 

 大人一人と高校生三人が荒廃した都市を歩くというシュールな状況が続く。

 

 試験のためにイロウスの少ない地域を選んでくれたようで、いまだ一匹も遭遇していない。それを喜んでいいのか試験が一向に進まないと不安がればいいのか困るところだが、とりあえず何事もなく渋谷の中心部に近づいている。

 

 奪還には、いくつかの手順が必要となる。

 

 というのもまず、人が地球を追われた大きな原因がイロウスの生成する瘴気による環境汚染だった。この瘴気自体が人を含む動物に有害であるだけでなく、電子機器を来るわせる作用があった。いくつもの無線端末によってつながる情報社会において、電子機器の壊滅は人々が孤立したも同然。異変を伝えようにも情報のやり取りができず、ほとんどの人間が異変に気付かないうちに事態は進行していた。気づいた時にはもう手遅れで地球外へ出る手筈が整ったころにはほとんどの人間が蹂躙されていた。

 

 地球を奪還するためには、すべての原因となった瘴気を払う必要がある。

 

 そのために、八雲から渡されたものがあった。

 

 神樹の結晶。これを地上に埋めることによって発生する結界によって一定区域へのイロウスの侵入を妨げることができるという。

 

 しかし、埋めるだけでイロウスを追い払うことができるならもっと前からやっている。

 

 この神樹の結晶は、イロウスが発する瘴気が一定量以下でないとその効力を発揮しない。つまり、結局結界を張るためには武力をもって瘴気の発生源となるイロウスを倒し、瘴気を張らす必要がある。

 

 よって僕の役目は、みきたち星守がイロウスを倒したすきにこの神樹の結晶を地面に埋め、結界を張ることだ。

 

 

 

「今日は、イロウス全然見ないね」

 

「そうね。会わないことに越したことはないけれど……」

 

「でも、瘴気は薄いとは言ってもあるわけだし、必ずイロウスがどこかにいるはずだよ」

 

 すでにイロウスとの遭遇、戦闘を何度も経験したであろう少女三人が話すのを聞きながら、渋谷の中心地を目指して進む。

 

 イロウスが出てこないことは確かにいいことではある。現に、ここまで無傷で歩みを進めることができた。でも今回の目的は、いったいに広がる瘴気を晴らして結界を張ることだ。発生源であるイロウスが見つからないのであれば、倒して瘴気を止めることができない。結果として、自ら探しに行かなければならないかもしれない。そうとなれば、自ら危険に向かっていくことになるため気が引けた。

 

「もうそろそろ中心地につくころだけど、どうしようか」

 

 極力危険は避けたいにも関わらず、自分から危険を探しに行かなければならない。本音を言えば行きたくない。僕自身怖いのもあるし、みきたちを危険な目に合わせたくないというのもある。でも何より、イロウスがいるのを確認した後で作戦を決めるのが理想だったのに、探しに行くとなると突然囲まれてしまうということも考えられる。それは何より避けたい状況だった。

 

「あの……、先生」

 

「ん。どうした、成瀬」

 

「右の建物に、小型のイロウスが三体隠れています」

 

「え、どこ?」

 

 僕が慌てて見回そうとするが、遥香と昴は両脇から僕を抑えて静かにイロウスの場所を指示した。

 

「ちょっと、変に刺激しないようにしてよ」

 

「ご、ごめん……若葉」

 

 恥ずかしさから冷静さを取り戻すと、横目で彼女たちが指示した方向を見た。

 

 刈る者がいないため伸び放題の草木の奥に、うごめく影がいくつか存在していた。

 

 水色のゲルのような表皮、そして灰色の兜のような頭と鋭い爪を持つ手足。小型のイロウスだ。

 

 すぐさま携帯端末内の情報を確認する。端末内には、現在までに観測されているイロウスの特徴などのデータが記載されていた。

 

 どうやら、先ほど発見したイロウスはロウガ種という区分がされているらしい。

 

 見た目は四足歩行で犬や狼を連想させる。しかし、小型とはいえ高さは一メートル半くらい。とても侮れる大きさじゃない。

 

 しかも、大きさや丸みを帯びた体とは裏腹に、動きはすばしっこい。そのスピードを生かした体当たりには注意が必要なようだ。

 

 確認した数匹のロウガは、草むらからこちらを窺うだけで向かってくる様子はない。楽観的に考えればこちらを警戒して出てこないとも思える。しかし、相手は未知の生命体。いや、生命体かどうかは怪しいが。なにを考えているかわからない。何かを考えるという上等な思考を持っているかも疑わしいが、もしかしたら何か狙いがあるのかもしれない。

 

「ここからは、今まで以上に警戒して行こう。戦わないことに越したことはない」

 

「そうですね……。ちょっと待ってください」

 

 遥香が急にあたりを見回す。何かに気づいたように息を飲む。

 

「走ってください。早く!」

 

 僕の手をつかんで走り出した。みきと昴も、遥香の態度を見るや否や彼女に倣って走り出す。

 

 

 

 最先端のデザインを取りそろえた洋服屋、昔なら行列の絶えることなどなかったスイーツ店。女の子なら目のないいくつもの店が目の前に現れては後ろへ消えていく。

 

 僕の目の前の三人の少女は、そんな普通であれば目を輝かせてみてしまうだろうものには目もくれず、僕の手を握って強く引っ張る。

 

「ちょっと、どうしたんだ。さっき刺激しないようにって……」

 

 後ろを振り向く。

 

 先ほどまで警戒していたロウガ種イロウスが追いかけてきていた。まだいくらか距離か開いているが、動きの素早さ特徴の怪物は、見る見るうちに距離を詰めてきていた。

 

「追いかけてきているじゃないか。どうしていきなり……」

 

「それどころじゃありません。もっと早く――。止まってください!」

 

「何を考えてるんだ。今止まったら……」

 

 イロウスがくる。と訴えようとしたとき、

 

「もう手遅れみたいです。囲まれました」

 

 遥香が冷静に告げると、みきと昴とともに僕を囲むようにして立った。そこまでの時間を得て、ようやく自分たちの置かれた状況を理解し始めた。

 

 うねうねと動く水色の集団。それは先ほど草むらの影に見つけ、今まで僕らを追ってきていたイロウスと同種のもの。それは、僕らが通ろうとしていた正面の道から、左右から、店や建物の中から洪水のように湧き出てくる。僕らを待ち受けていたかのように僕らの退路を埋めつくしていく。

 

 僕らを追いかけてきていたイロウスも、今やうごめく奴らの中に消えて判別できない。しかし、今、直接襲われていないということは、追ってきていたイロウスは僕らを追うだけにとどめていたということ。僕らを追い立てるだけにとどめていたということだ。

 

 僕は、イロウスたちを恐れてはいたが、同時にまともな知性はないと侮っていた。でも違う。何かの意思によって動いている。まさしくこの化け物たちは、僕らを獲物として狩りをしていたのだ。

 

「ごめん、僕のせいだ。しっかり警戒していたはずだったのにこんな……」

 

「いえ、何回か来ていたはずなのに、気づけなかった私たちの責任です」

 

 僕の謝罪に、遥香はさらに謝罪で返す。しかし、申し訳なさそうにいう割には落ち着き払った様子。

 

「でも安心してよ。戦うのだって何回も経験してるからさ」

 

「そうですよ先生。私たちは星守なんですから」

 

 怪物に囲まれてもなお余裕な様子で、昴とみきが遥香に続く。

 

 確かに彼女たちは、まだ高校生だ。可愛い服やスイーツに目のないどこにでもいる女の子だ。見た目も何も変わらない普通の女の子。でも、星守という運命を背負い、訓練を続けてきた女の子たちだ。そのことを聞かされていた僕にはわかる。

 

 イロウスが神出鬼没の黒光りする害虫よろしくどのくらい潜んでいるかわからない場所にたった三人だけで送り出されたということは、三人だけで事足りると信頼されているからだ。

 

「さあ、遥香ちゃん。昴ちゃん。仕方ないけど戦おう」

 

「ええ。頑張りましょう」

 

「待ちくたびれたよ。さっさと親玉倒して終わりにしよう」

 

 三人は、それぞれ自分の胸へ手を置く。

 

 何かに願うように、それでいて何か力を引き出すかのように。

 

 それに呼応して、彼女たちの胸に当たりが輝きだす。あたたかな光。神樹に感じたものと同じ光だ。それが次第に大きくなり、

 

「それじゃあ、いくよ!」

 

 彼女たちの体を包み込んだ。




やっと書きたいところ書き始められるかもってところまで来ました。
頑張って書いていこうと思います。
至らぬところもあると思いますが、感想、評価、大募集です。

ぜひ、よろしくお願いします
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