頭の中では大体ストーリーが出来上がってんだけどなー・・・・・
ーーーオレには記憶が無い。
いや、正確には”小学生の頃”の記憶が無い
ーーーーーーオレの記憶は、いつも病院のベッドの上から始まる。
・・・・オレが目を覚ました時、そこには白衣の男女と、こちらを何か決心したかのような目で見ている若い夫婦、そして、オレを心配そうに見つめる少女の、合計5人がいた。
オレの精神はかなり動揺していたが、オレの口から出てきたのは、自分でも驚く程冷たい声だった。
『---ー2つ、聞きたいことがある。あんたらは何者で、オレは誰だ?』
そこから先は早かった。
最初に名乗った白衣の男性・・・・西木野先生というらしい。
歳は30代くらいだろうか。眼鏡を掛けた、厳しそうな人だった。
次に名乗った女性の方はその人の奥さんで、西木野瑞妃と名乗った。
彼女には今でもお世話になっていて、頭が上がらない存在である。
そして、こちらを見ていた夫婦ーーーーオレの、両親を名乗る人達だった。
東條幸也(とうじょうゆきや)と東條優奈(とうじょうゆな)、2人とも、オレを大切に育ててくれた。オレにとっても大切な存在だ。
・・・・・そして、オレの事を心配そうに見つめていた、あの少女は・・・・・・・
ーーーーーーそこまで思い出したところで
ーーーーーーコンコンッーーーーーー
ーーーーー自室のドアがノックされた。
「開いてる」
そう返すと、今まさに思い出そうとしていた少女がドアを少しだけ開け、隙間から顔を覗かせた。
「あぁ、有希(ゆうき)か、どうした?」
「ご飯、できてるよ。早くしなきゃ学校遅れるよ。”お兄ちゃん”」
・・・・そう
あの少女・・・東條 有希(とうじょう ゆうき)は、オレの妹だったのだ。
最初こそぎこちなかったが、今は至って普通だ。4年も兄妹やってりゃ当然か。
「ん、お前も遅れんなよ」
今、有希は隣町の神保町の『音ノ木坂中学校』という学校に通っており、時折こっちに帰ってくる。向こうには、一応オレに所有権のある家があって、そこに有希と母さんが住んでいる。まあ詳しいことはまた後で話すことにしよう。
とりあえず遅れる訳にはいかないので、制服に着替えることにした。
服装についてうるさい学校ではないので、基本的にオレは薄手の灰色のパーカーの上から指定のブレザーを羽織るという、かなりラフな格好である。
着替えを済ませ、下で父さんと有希が作ってくれた朝食を食べ終わったオレは、
「行って来ます」と一言告げ、家を出た。
通学路を少し歩いたところで、「修哉ー」とオレを呼ぶ声がした。
声の方向を向くと、オレの中学からの親友3人がこちらに歩いてくるのが見えた。
「おー、おはよ、龍也、翔太、瑞貴」
剣崎 龍也(けんざき たつや)、如月 翔太(きさらぎ しょうた)、日野原 瑞貴
(ひのはら みずき)。オレを含めたこの4人は、中学の頃からよくつるんでいて、まさに”親友”と呼べる関係になっていた。
「んじゃ、行きますか」
そう言った龍也の言葉に頷いたオレ達は、もう少しだけ続く通学路を、仲良く喋りながら歩いて行くのだった。
この時のオレはまだ、この日常がずっと続くだろうと
ーーーー本気で、そう思っていた。
本編のキャラを出す前に色々キャラを出してしまった・・・・・
でも後悔はしてない。
今回出てきた親友3人は、これからも物語にちょくちょく関わってきます。(予定)