【完結】ミックス・アップ(魔法先生ネギま✖グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第17話 ドリ研だ! 何か文句あんのかよ?

学園人気屋台『超包子』では只今非常に珍しい光景が繰り広げられていた。

いつもは夕食の時間になると満員御礼、特に学園祭が近付くにつれて生徒たちも遅くまで学園に残っているため混雑が激しい。

しかし今日はいつもと様子が違う。

 

「うわ~~、何か凄い込んでるわね!」

「本当ですね・・・これほどの人ごみですから座れないですかね?」

「あ~ん、そんなん嫌やわ~、もうウチおなかすいたえ~」

「しっかし、どうしたんでい?」

 

夕飯を食べに来たアスナ、刹那、木乃香、そしてネギの使い魔であるがダイグレン学園にネギが行ったときに連れていくのを忘れられた妖精のカモ。

ヘルマンという悪魔と戦った後、カモもネギと一緒にダイグレン学園にくるのかと思ったのだが、人の言葉を話すカモがうっかりしゃべって魔法がバレること、何より不良学生よりもアスナたちと一緒の方が良いというカモの個人的願望もあり、カモはアスナたちと行動を共にしていた。

 

「でも、どうしたんやろ・・・そら~、超包子が込むんは当たり前やけど・・・」

「ええ・・・やけに人だかりができていますね。オマケに空気が重いです。超包子の料理はどんな人間でも和まずにはいられないのですが・・・」

 

そう、いつもと違うというのはこういうことだ。

超包子に人だかりが出来るのは当然のこと。

問題は、空気が非常に重いということだ。

この屋台の近辺では喧嘩も争いもご法度。

それどころかそんな争う気すら萎えさせてくれるのが、超包子の魅力ともいえる。

だが、この空気の重さはなんだ? 空気がギスギスしている。

アスナたちはよく分からないが、とりあえず人ごみを掻き分けて一体どうなっているのかを見に入る。

そして・・・

 

「・・・・ん?」

「・・・へっ・・・?」

「あっ・・・」

「ちょっ、どういうことでい!?」

 

3人と一匹はそこで気づいた。

人ごみを掻き分けると、席が思いのほか空いているのである。

だが、どういうわけか誰も座りたがらないのである。

それはとある光景が原因。

周りの人ごみはこの光景に息を呑み、背中に汗をかいていた。

とある席に座る5人組。

その彼らの周りの席で、その5人に聞き耳を立て、一挙手一投足全てに神経を集中させならが、まるで監視しているというか見張りをしているというか、とにかく怖い顔でその5人組を睨んでいる教職員と生徒が居たのである。

 

「あれって・・・」

「ええ・・・魔法先生に・・・魔法生徒たちですね・・・あそこに座っている方々たちを見張っているのでしょうか?」

「あの五人組・・・一体なんなんでい?」

「あれ? な~、あすこにいるん、シモンさんやない?」

 

何とも奇想天外な5人組がそこに居て、アスナたちも思わず呆気にとられてしまったのだった。

 

「・・・どうしよう・・・・・・」

「・・・・・う~ん・・・どれにしましょう・・・」

「・・・・・・迷う・・・」

「・・・・・・難しいね・・・・」

「・・・・・・・・・・だが・・・恨みっこ無しヨ・・・では・・・」

 

5人組はテーブルの上に乗っている5個入りの籠に入っている小籠包に真剣な顔で睨み、「いっせーのーせ」のタイミングで同時に箸を付いて口の中に入れた。

 

「なな・・・なんなのよ・・・この空気・・・」

「何をやっとるんやろ・・・・・・」

 

一見普通の男子生徒と女子生徒の5人組に見えなくも無いのだが、彼らがその身から出す言いようの知れぬ見えない力が働き、彼らを見張る魔法先生魔法生徒たちと、椅子に座らず黙って見守る野次馬たちも息を呑んでいた。

 

「ッ!? ごほっごほっ・・・ぐふ・・・」

 

5人組のうちの一人が口元を抑えながらむせこんだ。

その瞬間残る四人のメンバーが一斉にその一人を指差した。

 

「ハッハッハッハッハッ! それではフェイトさんがイベント係に決定ネ! 部員の親睦を深めるコンパや外での食事、小旅行などは全部フェイトさんが中心に企画するヨ!」

「がんばれよ、フェイト!」

「はい、フェイトさんなら素敵なイベントを企画できます」

「・・・がんばれ・・・」

 

・・・何やってんだ? 

少なくともアスナたちにはこの面子で何をやっているのか理解できなかった。

 

「どうだ、今の動きは?」

「ガンドルフィーニ先生、駄目です。魔力の動きなども感知できませんでした。これまでの会話も全て録音し、今解読班が会話の中に何か暗号やメッセージが隠れていないかを解読しようとしていますが、まだ成果は・・・」

「油断するな。まさかフェイト・アーウェルンクスと超鈴音が接点を持つとは思わなかった。部活の親睦会などとふざけたことを言っているが、そんなはずはない。恐らく水面下ではとてつもない計画を進行させているかもしれない・・・絶対に隙を見せるな」

 

 

そんな彼らの周りにある席であらゆる方向から監視を続けている、ガンドルフィーニを始めとする、瀬流彦、神多羅木、葛葉刀子、シャークティ、弐集院、裕奈の父でもある明石教授などを中心とした魔法先生や、ウルスラ女子の高音、中等部の佐倉愛衣などの魔法先生・魔法生徒がオールスターでシモンたちの親睦会を周りの席について監視していた。

あまりにもその様子が緊迫しているため、一般の生徒たちも近づけずにこの光景を席に座れずに眺めていたのだった。

 

「ちょっ、あんたたち何やってんのよーーッ!?」

「あ・・・君はこの間の・・・」

「確か~・・・」

「神楽坂アスナさん、私のクラスメートヨ」

「ふん・・・・・・・お姫様か・・・」

 

重苦しい空気をぶち壊すかのように、アスナがズカズカと5人組に割ってはいる。

 

「シモンさん、ニアさん、超さん、ザジさん・・・それに・・・何でアンタまでここに居るのよ!? あんたは・・・京都のヤツでしょ!?」

「・・・・・僕のことかい?」

「当ったり前じゃない!! つうかなんでのん気にシモンさんたちと点心料理食べてんのよ!?」

 

アスナが指差したのはフェイト。

そう、ここに居るのは、シモン、ニア、超鈴音、ザジ・レイニーデイ、そしてフェイト・アーウェルンクスという異色の組み合わせだ。

中でもアスナたちにとってフェイトは因縁のある相手だ。敵意むき出しの瞳でフェイトを睨む。

 

「確かてめえは京都で兄貴や姉さんたちと木乃香の姉さんを危ない目に合わせた張本人じゃねえか!?」

「せっちゃん・・・この人・・・」

「フェイト・アーウェルンクス・・・・お嬢様・・・下がってください・・・」

 

アスナに続いて怖い目で彼らを睨むカモ、木乃香、刹那。

自分たちの問いかけに、フェイトは一体何と答えるのか? 

緊張が高まる中、フェイトが告げた答えは・・・

 

 

「別に・・・ただの親睦を兼ねた部活の役職決め・・・点心料理ロシアンルーレット対決だよ」

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・はっ!?」」」」

 

 

そんな答え、アスナたちに予想もできるはずもなく反応できずに口を半開きにして固まってしまった。

 

「ウム、5個ある点心料理の中の一個だけ激辛になってるヨ。引いた人がお題の役職になるという決まりネ。いや~、5人しかいない部活なので役職が重複して大変ネ。では次は・・・環境係・・・部室の機材設備の点検、ゴミ箱のゴミを外のゴミ捨て場に捨てに行ったり、大掃除の日程などを立てたりする、比較的簡単な役職ネ」

 

超の合図とともに、超包子の料理人であり3-Aの生徒でもある四葉五月が料理を運んでくる。

運ばれた料理は春巻き。

一見とてもおいしそうで、ハズレがあるなどとは思えぬクオリティだ。

 

「さあ・・・ヤルネ・・・」

「もう俺は部長になっちゃったし、あんまり引きたくないな~」

「駄目ですよ、シモン。公平です」

「・・・おいしそう・・・」

「僕はこういうくじ運は無いみたいだ・・・」

 

準備完了。

春巻きを真剣なまなざしで見つめる5人組。

もう幾度となく繰り返されているこのゲームに観客たちもいつの間にか手に汗握っている。

 

「環境係・・・これは何かの隠語か!?」

「分かりません、どの言語に訳しても当てはまりません!?」

「ゴミ箱・・・ゴミ捨て・・・殺しのサインではないのか?」

「その可能性は否定できませんわ! やはりあの少年は危険!?」

「学園長に・・・いや、本国に連絡を入れたほうが!?」

「待て、今彼らと話している子たち・・・桜咲くんはともかく神楽坂さんは一般人だ。目立たぬよう警戒を高めろ!」

 

魔法生徒と魔法先生は勝手に何か壮大な勘違いをしているらしいが、言っても信じてもらえないし、説明するのも面倒くさいので超もフェイトも無視していた。

さあ、細かいことは気にしないで、次のハズレは誰が・・・・

 

「って、チョット待ちなさーーーい!? だからなんであんたがこの学園で部活なんてやってんのよッ!?」

 

最早我慢の限界、アスナは叫ぶしかなかった。

だが、混乱するアスナに対して、フェイトは実にクールにサラっと返した。

 

「ずいぶんとやかましいね・・・なんで僕が? 簡単だよ。僕はダイグレン学園に編入してきてドリ研部に入っただけさ」

「はァッ!?」

「な、なんやて!?」

「・・・・どういうことでい!?」

「えっとそれって・・・シモンさんたちの同級生になったってことなん?」

「そうなるね」

 

フェイトが編入してきたことを今はじめて知ったアスナたちは驚きを隠せない。

いずれはバレることゆえ、止められていたが仕方ないと思い、刹那が皆に申し訳なさそうに事情を説明する。

 

「申し訳ございません、アスナさん。その・・・このことはまだネギ先生に小太郎君に私だけしか・・・」

「な、・・・・なんでそうなってんのよ!? こいつアレでしょ? っていうか敵なんでしょ!? 何で簡単に編入出来ちゃうわけ!?」

「それが協会からの留学生ということで正規のルートを通ってきたために拒否できなかったらしく・・・」

「つーか、何で部活なんかやってんのよ!? それにダイグレン学園に編入って、モロネギが居るところじゃない!? 全然大丈夫じゃないでしょ!?」

「うわ、それってネギ君がピンチやん!?」

「てめえ・・・兄貴に手え出してねえだろうな~!?」

 

フェイトが編入しているどころか、今ネギと同じ校舎に居るのである。

アスナはフェイトを知っている。

そしてその人物がどれほど危険なのかも身に染みている。

それほどの人物が、自分の知らないところでネギと接触していたなどと知り、アスナは悔しさで唇をかみ締める。

自分の身が切り裂かれるような思い。そんな想いを込めた瞳でアスナはフェイトを睨む。

 

「アンタ・・・・・・ネギに、ネギに何かあったら・・・・」

「ちょっ、ちょっと待ってくれよ!? さっきからみんなでフェイトを睨んだり文句言ったり、みんなはフェイトのことを知っているのか?」

 

皆のフェイトに対する攻撃的な口調や視線に我慢できず、シモンがフェイトを庇うように立ち上がった。

 

「シモンさん・・・その・・・シモンさんにはあんまり詳しく教えられない世界なんだけど・・・その・・・とにかくそいつは危ないヤツなのよ! そいつの所為でどんな危険な目にあったか!! ネギも同じよ・・・」

「せ、先生も!?」

「そ、そんな・・・私は信じられません。フェイトさんは悪い人ではありません!」

「シモンさんもニアさんも騙されてんのよ! とにかくこいつは、危ないヤツなのよ!!」

 

フェイトを庇うように立つシモンとニアに向かって、アスナは周りの人たちの視線や公衆の面前であることなどお構い無しにまくし立てる。

 

(おい・・・神楽坂さんの言っていることは例の京都の修学旅行の話か? 何故彼女がそのことを・・・)

(さあ、・・・彼女は一般人のはずですが、もう少し聞いてみては?)

(何か情報が得られるかも・・・)

 

魔法先生たちは様子見を決め込み、一方でアスナの言葉を聞いたシモンは複雑な顔をしながらフェイトに尋ねる。

 

「フェイト・・・この子達が言っているのは・・・」

「本当だよ」

「フェイト!?」

 

フェイトは間髪入れずに頷いた。そして小さくため息をつきながら、虚無の瞳をシモンに向ける。

 

「だから言ったじゃないか。僕と君たちとでは住む世界が違う。だから僕のことも理解できないと・・・」

「フェイト・・・」

 

ああ、この目だ。初めて会った時と同じような瞳。

自分やカミナ達の存在に対して完全に立場を線引きしたかのような瞳だ。シモンは瞬間的にそう思った。

 

「ふっ、シモン。少しは分かったかい? この子達の言っていることは本当だ。・・・それでも僕をまだ部活に・・・いや・・・仲間だ友達だなどと言うのかい?」

 

場の空気が明らかに変わった。

冷たく、何かが起こりそうな予感がする。

気づけば超とザジも何かあれば直ぐに動き出せるように真剣なまなざしでフェイトを見ている。

アスナや刹那、そして周りの魔法先生や魔法生徒たちも同じ。

ニアだけはシモンの言葉を待っているような表情で見つめている。

ニアを除いた全ての者たちが、次の瞬間フェイトが何をするかに全身系を向けていた。

だが・・・

 

 

「ああ・・・それでも俺はそう言うよ」

 

「・・・・・・・えっ?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

 

シモンのその言葉に、この場の空気が打ち壊された。

 

「シモン・・・君は本気でそんなことを・・・」

 

表情こそ変わらぬが、フェイトの口調はほんの少し震えていた。

 

「この子達とお前の間に何があったかは知らないよ。そんなこと気にしないだなんて無責任なことも言わないよ。でも、お前に何があったとしても、アニキはお前とダチになれるって言った! だったら俺やヨーコたちと同じじゃないか! それにもうお前はとっくにダイグレン学園でドリ研部なんだ。もうとっくの俺たちの仲間に入っているんだからそんなこと言うなよな!」

 

皆が唖然としていた。

ニアだけはニッコリと笑っているが、多数の魔法先生・魔法生徒たちが取り囲む中、一人の一般生徒が叫んだ言葉に全員が呆気に取られていた。

 

「・・・シモン・・・・」

「ちょっ・・・シモンさん・・・これはそんな簡単なことじゃ・・・」

 

フェイトやアスナも言葉を詰まらせうまく言葉が出ず、どう反応すればいいのか分からない空気が流れ始めた。

しかしその時だった・・・

 

「っしゃああああ、腹減ったァ!!」

「もう頭使いすぎたぜ!!」

「ほんと、こんなに何時間も勉強したの生まれて始めてかもね」

「とにかく飯だァ!」

 

騒がしい一団が、空気を読めずにその場に乗り込んできた。

 

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