【完結】ミックス・アップ(魔法先生ネギま✖グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第20話 さあ、祭りの準備だ

その戦争は、まだ朝日が昇り始めたころに始まった。

 

「うぎゃあああああ!?」

「た、たすけ・・・・う・・・・うわあああああああ」

 

まだ、学園の生徒たちが登校する前に起こった戦争。

しかし遅刻や授業の心配をする必要はない。

 

「こ、こちら・・・ぎ・・・ぎいああああああ!?」

 

何故ならばそれまでに全て終わるからだ。

 

「エコー7、応答せよ! エコー7!」

「ダメだ・・・通信が途絶えた・・・」

「畜生・・・何がどうなってる・・・」

 

蒼白した表情、震える手、把握できない事態。その場に居た人間たちは混乱の中に居た。

 

「こちらエコー9、本部、応答願う!」

 

麻帆良学園の広大な敷地内にある大森林の中、軍服姿でマシンガン片手に持つ男が血相を変えていた。

 

「ダメだ・・・本部に連絡が取れない! ジャミングの所為で通信機器が使えない!」

「おそらく敵の仕業かもしれない・・・」

「まずいな・・・敵は神出鬼没・・・我ら精鋭100名の部隊がこうも乱されるとは・・・」

 

これは演習ではない。

戦争だ。

大切なものを賭けた大きな戦いである。

敗北は許されない。

しかしこの状況は何だ?

森林内に配置された仲間の数は100名近くだというのに、軍服姿の彼らは現在交戦中の敵に手玉に取られていた。

 

「一度本部に戻るか?」「しかし敵の数が少ないのであれば、ここは一気に敵の本丸に攻め込む方が・・・」

 

武装した者たちはこの状況をどう打破するべきかを仲間内で話し合う。

だが、所詮はアマチュアだった。

彼らにこの状況を覆せる手段など思いつくはずがない。

 

「ふっ・・・残念だけどそれまでだよ」

 

「「「ッ!?」」」

 

いつの間にか敵が自分たちの近くまで接近していた。

両手にマシンガンを持った白髪の少年。

彼はまるで感情の乱れも無くクールに銃口を向ける。

 

「くっ、撃て撃てェ!!」

「敵は一人だ! こっちは10人! 数で攻めればどうにでも・・・・・」

 

応戦しようと銃口を向けて少年に引き金を引こうとした瞬間、少年は既に目の前には居なかった。

分かったのは、自分たちの真横を突風が通り抜け、少年がいつの間にか自分たちの背後に居たことだけ。

人間の動きではない。

冷たい汗が止まらない。

だが、そんな恐怖に震える自分たちの頭に銃口を押し付けながら、少年は冷たく言い放つ。

 

「恨まないでくれ。これはそういう戦いなんだろ?」

 

その姿はまるで感情の無い殺戮マシーン。

その言葉と共に、男たちの断末魔が麻帆良の大森林に響き渡ったのだった。

 

 

 

・・・・・・・

 

 

「はっはっはっは、というわけでドリ研部VS軍事研究部のサバイバルゲームは我々の圧勝! 約束通り軍事研究部の部室は我々が頂くヨ!」

 

 

両手を腰に当てて上機嫌に笑う超鈴音。

彼女の目の前には正座した軍事研究部約100名が悔しそうに震えていた。

 

「畜生、侮った! たった5名にこれほど完敗するとは! これで、超包子の年間無料超VIP優待券がパァだ!?」

「俺たちのリラックスルームがァ!?」

「たった・・・・たった5人に敗れるとは・・・一生の不覚!」

 

軍事研究部の部員たちが自分たちの敗北に悔しがり、このありえぬ事態に戸惑っていた。

そう、つい先ほど行われていたのは、シモンたちドリ研部と麻帆良の軍事研究部のサバイバルゲーム。

軍事研究部の部室と超包子の年間無料優待券を賭けた戦争だったのだ。

軍事研究部は超鈴音にこの対決を持ちかけられた時は一瞬で承諾した。

自分たちはサバイバルゲームのキャリアもあり、何よりドリ研部は男子2名に女子3名で計5名という少人数で、自分たちはその何十倍もの部員が居る。

万が一にも負けることは無いと思っていたのだが、蓋を開ければ惨敗という結果に終わった。

 

「我々の通信機器を全て狂わすジャミングや情報操作で撹乱した超鈴音・・・一騎当千のフェイト・アーウェルンクス・・・あまりの可愛さに引き金を引けなかった我々が油断したところを静かに始末していくニア・テッぺリンに黒ニア・・・見えない壁でBB弾を全て防いでしまうザジ・レイニーデイ・・・そして・・・そんな地上の混乱の中、地中をドリルで穴掘りながら進み本部のフラッグをあっさり奪ってしまったシモン・・・何なんだ・・・この5人は一体何なんだ!?」

 

兵力差ではなく戦力差。

圧倒的な力で自分たちを蹂躙したこの5人の伝説は麻帆良軍事研究部において長く語られることになるのだった。

 

「しかし・・・部室のアテがあると言っていたが、まさか部室を複数持っている部活から奪い取るとは・・・」

 

惨敗した男たちの悔し涙に背を向けながら、帰路に着くドリ研部。

フェイトはこれまでの出来事を呆れながら振り返っていた。

 

「何を言うカ。相手の方が人数多くキャリアも長い、これはとても相手が有利だった勝負ネ。そもそも彼らは部員が多いから部室を複数持っているネ。一つぐらい取られても何も問題ないヨ」

 

つまらぬ言いがかりだと鼻で笑う超だが、フェイトは何だか相手も気の毒に感じていた。

 

「でも・・・最初は俺も驚いたけど、楽しかったな」

「はい。私たちドリ研部の記念すべき最初の勝利です!」

「・・・ピース・・・」

 

まだ朝の霧が晴れぬ登校前の早朝にドリ研部全員を集合させて、唐突に始まったサバイバルゲーム。

 

「はっはっはっは、こちらも素人だが相手もアマチュアネ。我ら五人の相手ではないと信じてたヨ」

「まあ・・・負ける気は僕もしなかったが・・・」

「ああ、それにフェイトが一人で敵を倒しまくってくれたおかげで本当に助かったよ。これで部室か~、何か本当に部活って気がしてきたよ」

「はい、ザジさんも手品のような力で鉄砲の玉を防いでいたのですごいです!」

「・・・・ありがと・・・」

 

最初いきなり超に集められ、ルールもやる理由も分からぬシモンたちだったが、少人数の初心者とはいえ、このメンツでは公平な勝負とは中々言い難いものもあった。

しかしシモンやニアにザジも部室が手に入ったことを喜んでいるため、フェイトも諦めてそれ以上は何も言わなかった。

 

「それにしても良く学園長も僕たちに部活の認可をしたね・・・」

 

シモンやニアには言えないが、ある事情があり学園長や学園の魔法使いたちに自分は重要人物としてマークされている。

そんな自分が新しい部活の設立に関わるなど、面白くないと思われるはずである。

 

「はっはっはっはっ、校則を何一つ破ってないので却下される理由がないヨ。部活の許可に部室、これで我らのドリ研部の活動の準備は整ったネ! まずは来る学園祭に向けて動き出すネ!」

 

だが、超鈴音はだからどうしたとばかりに盛大に笑い、シモンたちも同調して頷いた。

 

「ああ!」

「はい、がんばりましょう!!」

「楽しみ・・・」

 

人数も設備も場所も整った。

これで本当にスタートしたようだとシモンもニアもうれしそうにしている。

当面の活動目標は学園祭に向けての準備。

 

「学園祭? 僕たちも学園祭で何かやるのかい?」

「うむ、まあ私も掛け持ちの仕事があるからあまり多くは出来ないが・・・」

 

その時、超も言いながらそう言えばとシモンたちに振りかえる。

 

「っと、そういえばシモンさんたちのクラスは何か出し物をするカ? 私のクラスはお化け屋敷と決まったガ・・・」

 

学園祭。

世界有数の巨大学園都市で行われる全校挙げてのビッグイベント。

一日に何億もの金銭が動き、もはや学生行事規模の範疇には収まりきらぬほどのものである。

しかしダイグレン学園だけは参加かどうか未定。

 

「追試・・・結局カミナさんたちはどうなったカ?」

 

それは、中間試験の失敗者は学園祭には参加できないという決まりがあるからだ。

だが・・・

 

「ああ、それなら何の問題もないよ! それと、俺たちのクラスは、きっと超も驚く凄い出し物だよ!」

「はい、凄いです!」

「確かに斬新だしね・・・」

 

それは、ほんの数日前にさかのぼるのであった。

 

・・・・・・・・

 

 

 

「では・・・追試の結果を発表します・・・・・・・」

 

 

ダイグレン学園の朝のホームルーム。

これほどの早朝に、ましてや全生徒が出席するなどという事態は前代未聞の異例中の異例。

恐らく入学式でも全員が揃って出席ということは無かった。

 

「一部の人を除いて受けてもらった追試試験ですが・・・」

 

これも全ては、この瞬間のため。

 

「結果は・・・なんと・・・・・・・・」

 

クラス中がゴクリと息をのみ、教壇に立っているネギは静かに言葉を勿体ぶる。

沈黙が重い。

カミナやキタンたちもまるで大喧嘩前の緊張感と同じように感じていた。

だが、そのすぐ後に、ネギの表情が涙を浮かべた満面の笑みに代わり・・・

 

 

「全員追試突破です!! おめでとうございます! 」

 

「「「「「「「「「「よっしゃああああああああああああああああああああ!!!!」」」」」」」」」」

 

 

クラスメートの歓喜と歓声、そしてガッツポーズが朝のダイグレン学園に響き渡った。

 

「はーーーーっはっはっはっは、見たか! これが俺の本気よ!」

「おうよ、俺たちを誰だと思ってやがるってんだ!」

「そうだそうだそうだ!」

「思ってやがる思ってやがる思ってやがる!」

 

クラス中が歓喜に包まれて所々でハイタッチが飛び交う。

 

 

「よっしゃあ、いつものいくぞォ! 俺たちを・・・・」

 

「「「「「「「「「「俺たちを誰だと思っていやがる!!」」」」」」」」」」

 

カミナが掲げた拳に向かって、キタンやヨーコ達にバチョーンも含めた追試組が拳を同じ様に突き上げて一つになる。

肩を組み、飛びまわり、円を囲んで渦巻のウェーブでクルクル回ったり、先ほどまでの沈黙を全て取り戻すかのように彼らはハシャイだ。

 

「やったな、みんな!」

「はい、さすがアニキさんたちです!」

「まあ、追試ぐらいは通ってもらわないと。僕もこの数日はかなり協力しましたから」

 

シモンやニアもうれしそうに、追試組ではないロシウも口元に僅かな笑みを浮かべていた。

特にロシウも最初は何だかんだとキタンたちに文句を言っていたものの、最後の最後まで勉強を手伝うなどと義理堅く、だからこそ自分の苦労も実ったのだとホッとした。

 

「おうよ、デコすけ!」

「まっ、テメエやキノンにも今回ばかりは世話になったからよ!」

「つうかお前ら意外と仲いいよな! 俺たちの勉強見るのを口実に、結構親密になってたじゃねえか?」

「「なっ///」」

「だはははは、赤くなりやがって! こりゃあ、クラスにシモンとニア以外のカップルが成立か?」

「なにい!? キヨウはダヤッカに取られたが、兄貴としてこれ以上妹を取られてたまるかァ!」

「お、お兄ちゃん!? そ、・・・みっともないからやめてよ!」

 

こうやって笑いながらからかうのも彼らなりの感謝なのかもしれない。

素直に面と向かって「ありがとうございます」など、返って彼ららしくない。

いつものように、いつもの通り仲間を巻き込んでバカ騒ぎをする。

それが彼らなりの照れ隠しでもあった。

そして・・・

 

「ちょっと~、もう一人、最大の功労者を忘れてんじゃない?」

 

ヨーコがクスクス笑いながらキタンたちに言う。

そして忘れるはずがない。

そもそも自分たちがここまで勉強したきっかけは、自分たちよりも一回りも小さな子供のおかげ。

 

「当ったり前よォ!」

 

カミナもニヤリと口元に笑みを浮かべた。

 

「よっしゃあ! 先公を胴上げだ! 野郎ども! かかれええええ!!」

 

「「「「「「「「「「っしゃああ、覚悟しやがれええええええ!!」」」」」」」」」」

 

生徒たちの荒々しく、力一杯の胴上げ。

 

「えっ、ちょっ・・・・うわあああああああ」

 

体重の軽いネギは何度も天井に体を打ち付けた。

 

「い、いた!? も~~、天井にぶつかってますよ~!」

「だっはっはっは、だったら天井もぶち破れ! 俺らの胴上げで天を突け!」

 

だが、痛みよりうれしさの方が大きい。

 

(でも良かった・・・本当に最良の日だ!)

 

ネギは決してやめてくれなどとは言わなかった。

 

「ま~さか全員無事とはね~、効果があったじゃない? ネギドリルブレイク」

 

ヨーコも自身が追試を乗り越えたこと、そして何よりもカミナやキタンたちなどの問題児全員まとめて追試突破させた10歳の子供の力に、もはや笑うしかなかった。

 

「とにかくおめでとうございます! これで学園祭、思う存分熱くなってください!!」

 

「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」」」」」」」

 

 

ヨーコがネギに感心をするのなら、ネギは生徒たちに感心していた。

言うのは簡単。

しかし「やればできる」ということを本当に生徒たちは実践したのだ。

うれし涙を堪えているようで、人から見ればバレバレの泣き顔のネギだった。

 

「っしゃああ、これで残すは学園祭よォ! やるぞォ! 燃えてきたァ!」

「今年は何をやる? 野郎ども!」

「学園祭期間中のあらゆるゲームや勝負に対するトトカルチョの胴元は俺たちがやるとして、まずはクラスの出し物だぜ!」

「ああ、だが俺たちダイグレン学園の校舎まで客が来ることはねえ、麻帆良本校の中庭辺りのスペース借りてやるしかねえ。ロシウ、テメエ本校に掛け合えるか?」

「ふっ、そういうことなら任せてください! 必ずベストポジションを勝ち取ってみせます!」

「となると出し物よね~、どの学年も気合入れてるだろうし、ここはパンチを効かせたのが良いわね~」

「よし・・・女がサービスを・・・」

「エロい事以外にしてね。ッて言っても、それでも本校の女子校には敵わないと思うけどね~」

 

追試を終えて学園祭に参加できると決まった瞬間彼らの行動も早くテンションも高い。

 

「いいぜ~、こうなったらとことんガチでやりまくって俺たちが最強になってやろうじゃねえかァ!」

 

このやる気と行動力をもっと学業に活かせたらなと思うネギだが、活き活きとする生徒たちの姿がうれしくてほほ笑みながら見守っていた。

 

「そ~ね~、ありきたりだと飲食の屋台か喫茶店・・・ゲームコーナーとかだけど、飲食系で超包子とかに勝てるわけないし、ゲーム系やアトラクションものは工学部が有利・・・難しいわね・・・」

「それに追試で勉強ばっかしてたからあんまり準備期間ね~しな~」

「う~ん・・・今から始めて儲けられるものを作るのは難しいですね・・・」

 

ヨーコやキヤルたち女生徒たちも真剣に考えている。

しかし思いつくには思いつくが、中々これだというものが無い。

それはやはり麻帆良学園の学生の能力に関係している。

彼らの能力や技術力を持ってすれば、学園祭はどこかのテーマパークや遊園地よりも遥かにクオリティの高いものが出来てしまうのである。

そんな中でお金儲けを出来る。

それは言いかえればコストや赤字は自分たちが負担しなければならないのである。

つまり生半可な出し物では到底太刀打ちできないだろう。

さらに気合の入っている団体やクラスなら、学園祭の何週間や何カ月も前から準備に勤しんできただろう。

直前まで追試の勉強に時間を費やしていた自分たちは大きく出遅れているともいえる。

何か一発逆転のアイデアがないかとクラス中が一つになって考える。

そしてこのように仲間たちが道に迷っているとき、いつだって先陣切って口を開くのはこの男。

 

「ところでよ~、以前・・・シモンの部屋に、女子高生の軽音楽部のアニメにあったんだが・・・」

 

カミナがボソッと呟いた。

 

「アニキ、何で知ってるの!? ・・・はっ!?」

 

慌てて取り乱すシモン。

しかしその瞬間シモンの腕に抱きついて甘えていたニアの目がカッと開いた。

 

「・・・・・・・・・・・・・ほう・・・」

 

ドスの利いた声だった。

 

「く、黒ニア!?」 

「シモン・・・・・ハナシガアリマス・・・」

「って・・・うわあああああ」

 

慌てて立ち上がるシモンを、黒ニアがクラスの隅へ引きずっていく。

とりあえずシモンと黒ニアは置いておいて、カミナは話を続ける。

 

「内容はもう忘れちまったが、とにかく今の世の中は『もえ』というものが流行っているらしい!」

「もえ?」

 

カミナが口にした『もえ』という文化。それを聞いた瞬間、キタンたちは立ちあがった。

 

「おお、『もえ』だとッ!? それなら正に俺たちにぴったりの言葉じゃねえか!」

 

・・・・・・・・?

 

「・・・・えっ?」

 

ネギとて『もえ』という文化は聞いたことはある。

良く理解はできないが、少なくともキタンたちにぴったりの言葉だとは到底思えず、思わず首をかしげてしまった。

だがキタンに同調するように次々と男たちは頷きだした。

 

「なるほど・・・俺たちにぴったりの流行もの・・・正に王道じゃねえか!」

「ああ、しかもこれは俺たちにしかできねえ!」

「そういや~、最近メイドだか執事やらの喫茶店が多いが、その『もえ』を喫茶店に掛ければいいんじゃねえか? 料理は苦手だが、『もえ接客』に『もえ料理』なら、俺たちの超得意分野だからよ!」

「おう、完璧だ!」

 

ネギは自分が勘違いしているからなのか、何か話がどんどん進んでいく。

 

(あ、・・・あれ~? 萌ってそういうものだったっけ? 大体喫茶店と萌えを掛け合わせたのがメイド喫茶だったような気が・・・)

 

自分は確かに日本人ではないため、俗語にはそれほど詳しくはないが、3-Aの子達から聞いたり、テレビで知った文化は決してそのようなものではなかったはずだとネギが思い返していると、カミナはポーズを決めながら机の上に立って叫んだ。

 

「青の長ラン! 男の下駄ばき! そして、V字のサングラス! 燃え燃え~~ぎゅんッ!! ・・・・・・これだああああああ!!」

 

沈黙したのはネギとフェイトだけだった。

クラス中はカミナの動作に大歓声を上げていた。

 

「これぞ正に熱く燃える漢の喫茶店! その名も・・・番長喫茶!! まさに俺たちにしかできねえ分野じゃねえか! 燃えるぜーーッ!」

 

そしてネギはようやく理解した。

どうして自分の考えと彼らの考えが違うのかと。

彼らは『もえ』を『萌』ではなく『燃え』だと勘違いしているのだった。

 

「ちょっ・・・大丈夫ですか、それ!? 普通やるならメイド喫茶じゃないんですか!? 『萌え』ってそういうジャンルじゃないと思いますよ!?」

「いや・・・ネギ君・・・意外と斬新かもしれない」

「フェイト、君は本気で言ってるのかい!? っていうか斬新すぎでしょ!?」

 

 


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