【完結】ミックス・アップ(魔法先生ネギま✖グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第71話 細けえことはどーでもいいんだよ

たとえ誰かに唆されたのだとしても、何の言い訳にもならない。

そこにどのような真実があったのだとしても、犯した罪は事実として処分される必要がある。

必死に教員たちにシモンの情状酌量を求めて詰め寄るネギたちも、そのように言われては何も言い返すことが出来なかった。

ましてや、デュナミスという重傷者が出ている以上、催眠術のような物で洗脳されていましたなど、何の言い訳にもならない。

魔法先生たちだけでなく、一般教員も交えてシモンには処分が下された。

 

 

『堀田シモン・以下の者を一週間の謹慎処分とする』

 

 

その処分に対して、これまでこういう処分に関わったことの無かったネギには、それが重いのか妥当なのか、それとも軽いのかの判断が出来なかった。

ただ、シモンはどこかホッとしたような表情だった。

何故なら、最悪の場合は退学も覚悟していたからだ。

学園の敷地内で巨大ロボット使って大暴れしたのだ。当然だ。

もっとも、麻帆良ダイグレン学園は学校経営を維持するために、よほどのことをしても退学者を出さないのが原則であるということをシモンも後に知るのだが、今はシモンに下された処分よりも、カミナたちは「ようやくシモンも初謹慎だ!」などとまるでお祝い事のように笑っていたのだった。

まあ、退学はダメなのかも知れないが、謹慎や停学ぐらいなら「男の勲章」のように思っている彼らには仕方のないことかもしれないのだった。

 

だがこの数日後・・・

 

シモンの謹慎がまだ明けない中・・・

 

シモンの初謹慎処分など、ぶっとんでしまうような大事件が麻帆良に起こるのだった。

 

 

 

 

 

 

もはや後の祭りだった。

学園祭が終わり、片づけも済み、生徒たちも名残を感じながらも再び元の学園生活に戻り始めようとしていた。

だが、学園祭が終わり数日後。

数日の振り替え休日が終わって通常授業が開始された初日に、事件は起こった。

麻帆良ダイグレン学園の教壇に立つネギ。

彼の隣には黒板に自身の名前を書き、セーラー服を纏った少女たちが気を付けして立っていた。

 

「えーそれでは自己紹介からお願いします」

 

ネギに諭され、少女たちは頭を下げて順に自己紹介を始める。

 

 

「今日より麻帆良ダイグレン学園に転入することになりました、ホムラ・アーウェルンクスです」

 

「同じく、シラベ・アーウェルンクスです。日本に来てまだ間もないですが、皆さん色々と教えてください」

 

「コヨミ・アーウェルンクスです! な、仲良くしてください!」

 

「タマキ・・・」

 

「えー、シオリ・アーウェルンクスです。よろしくお願いしますね」

 

 

この自己紹介を受けて、未だにガッツポーズを取ったまま声を発せられないほど感動しているキタンたち男子一同。

新たなクラスメートにピースをして「仲良くしようぜ」と迎え入れるキヨウやキヤルたち女性徒。

そして・・・

 

「て、転校するつもりで麻帆良女子中に退学届けを出したのだが、急に転校が無くなり・・・しかし退学が既に受理された後だったために女子中に戻ることも出来ず・・・仕方ないので飛び級の編入試験を受けて今日から通うことになた・・・」

 

先の五人の少女たちと同じように、彼女も今日からはこの学園のこのクラスの一員。

 

「ちゃ、超鈴音ネ。みなさん・・・よろしく・・・」

 

その瞬間、教室がひっくり返るほどの勢いで男たちは歓声を上げたのだった。

 

 

「「「「「「「「うおおおおおおおお! 6人も女子が転校してきたアアアアアアアア!!!!」」」」」」」

 

「「「よろしくう!!」」」

 

 

正に驚天動地の大喝采だった。

 

「はいはい、皆さん落ち着いてください。えー、本当はもう一人、セクストゥム・アーウェルンクスさんも転入の予定でしたが、シモンさんの謹慎が明けてからの登校を本人が強く希望されていましたので今日は来ませんが、今度から合計7名の女性が新しく皆さんとお勉強することになります」

 

教室の男子生徒は狂喜乱舞。もはやネギの話は聞いていない。

 

「それとー! 僕の研修ももうすぐ終わりますので、今度からこのクラスの担任もまた替わることになります。では、どーぞ」

 

騒ぎが止まぬ中、教室の扉がガラガラと開かれる。入ってきたのは大柄で褐色肌の男。

 

「研修期間の終了を迎えるネギ・スプリングフィールドの後任として今日からこの学園で教鞭を持つことになった」

 

威風堂々としたその猛者の貫禄は健在。

 

「デュナミス・コズモエンテレケイアだ。担当科目は道徳だ。まだ、教師としては新人だがよろしく頼む」

 

トレードマークの仮面を外し、ダークスーツに身を纏い、出席簿を脇に挟んで現れたこの男。

完全なる世界の大幹部にして、今では麻帆良学園のヒーローとなったこの男が、今日からこの麻帆良ダイグレン学園で教鞭を持つことになったのだった。

 

「おう、よろしく頼むぜデュナさん!」

「いよっ、待ってました旦那!」

「ピューピュー!」

 

焔たちのように興奮乱舞とまではいかないが、それでも盛り上げてデュナミスを歓迎する生徒たち。

 

 

「も、もう・・・・・・我慢の限界だ・・・一体・・・一体どうして・・・」

 

しかしそんな中でただ一人、プルプルと肩を奮わせていた者がようやく我慢の限界に達し、己の本音をぶちまける。

 

「どうしてこうなった!!!!」

 

もはや口癖と化してしまったいつものツッコミを入れるフェイトだった。

 

「騒がしいぞ、テルティウム。いや、フェイト・アーウェルンクスよ。転校初日で緊張気味の雌猫たちが居るというのに、声を荒げるのは感心せんな」

「いやいや、感心とかそういうものではない! 何故君たちが普通に転校してきて、ましてや君まで教師に!?」

「ふん、貴様には分からんさ」

 

微笑むデュナミスは、学園祭の時とは明らかに違う。

どこか話し方に余裕があり、落ち着きのある大人の男に見えた。

そう、フェイトが所属している魔法世界のテロ組織。「完全なる世界」のメンバーが全員、今日から麻帆良ダイグレン学園に通うことになった。

当初はタカミチを筆頭に魔法先生たちが「完全なる世界」のメンバー全員を捕縛しようとした。

大戦期から20年も経っているとはいえ、かつては世界を震撼させて破壊活動を行ってきた組織だ。

ましてや当時から幹部だったデュナミスは相当に名が知れ渡った悪党だ。

シモンとの戦いで傷ついたデュナミスを、長年追い続けてきたタカミチが逃すはずがなかった。

しかしここで問題になったのが、デュナミスという人物があまりにも有名人になりすぎた事にあった。

しかもただの有名人ではない。まるで学園を守った英雄のような扱いなのだ。

だからデュナミスをタカミチたちが連れて行こうとした瞬間・・・

 

 

―――待てよ、デュナさんをどこへ連れて行くんだよ!

 

―――デュナミスさんは俺たちの仲間なんだよ!

 

―――デュナミスさんは私たちのヒーローなの! 先生、お願い! 連れて行かないで!

 

 

デュナミスの事情を知らない生徒たちの大ブーイングをタカミチたちは食らった。

 

 

―――ダメだよ、タカミチ! その人が居たからシモンさんは最悪を回避できたんだ!

 

―――この方が居なければ我々はシモンさんの巨大ロボットにやられていました!

 

―――お願いよ、高畑先生!

 

―――なあ、おじいちゃん! デュナミスはんが昔どんな人やったかは知らんけど、なんとかならんの?

 

 

さらにはネギやアスナたちの壁も立ちふさがった。

この状況で、デュナミスを連れて行くことが教師陣に出来たか? 

それどころか、自分たちですら何も出来なかった巨大ロボットを、体を張って止めたデュナミスを逮捕という野暮なことが出来るか?

そこで魔法先生は協会関係者と協議の結果、デュナミスと他の完全なる世界のメンバーをフェイトと同様に麻帆良に滞在させて監視するということになった。

タカミチだけは最後まで反対したが。

 

 

 

「で、その後に学園長の近衛近右衛門に監視期間の間の職を探してもらってな。この就職氷河期でありながらも教員の募集をしてもまったく集まらないというこのダイグレン学園の教員を紹介して貰ったわけだ。教員免許は偽造したが」

 

「ふざけるな! そんな理由で教師になれてたまるものか! 旧世界の公務員の大変さを甘くみてもらっては困る! 君が教師など税金の無駄遣いだ! 大人しく魔法世界へ帰って、魔法世界崩壊の準備を進めているんだね。ゲートポートを破壊するとか」

 

「黙れ。幼い少女たちを先導してテロ活動を行おうとしていたくせに、その少女たちをほったらかしにして部活動やプリクラなど、怠惰な日々を過ごしていたお前よりはマシだ」

 

「む・・・いや・・・だが、だからといって何故教師なんだ。魔法協会や学園に従いすぎではないか!」

 

「別に従ったわけではない。ただ、条件が悪くなかっただけだ。ここに居れば私の人生の望みの一つが叶うからだ」

 

「望みだと? 魔法世界を崩壊させること以外、何の目的があるというのだ。まさか、黄昏の姫御子・神楽坂アスナか? それとも他に何かあるのか?」

 

「あるとも。この学園にはタカミチもいるからな。かつての雪辱を晴らすにはもってこいの場所。更にこの学園の世界樹の下に、我らのマスターも封印されているので、封印を解くときには都合がいいではないか」

 

「いや・・・確かにそうかもしれないが・・・」

 

「それに・・・」

 

「それに?」

 

「ふっ・・・(綾波フェイよ・・・学園祭のあと、目を覚ましたら君は居なくなっていた・・・皆に聞いても皆は口を紡ぐだけで君のことを誰も教えてはくれない・・・だが構わない。ここに居ればいつか君に会える。君はここに居るのだろう? 確信している。君はとても近くにいる。だから私は探そう。この土地に住み、君と再び会える日まで)」

 

「なんだ!? 今、悪寒が走ったぞ! 君は一体何を考えている!」

 

 

ダイグレン学園の生徒たちや転校生たちをほったらかしにして口論を始めるフェイトとデュナミス。

 

 

「あのー、フェイト様、デュナミス様! その会話、結構危険だと思うのですが! 堂々とするような会話の内容ではないと思いますが!?」

 

「会話の内容がネタバレじゃなくてモロバレですけど!」

 

「えっ? え!? どういうこと!? フェイト! デュナミス先生! さっきから何の話をしてるんですか!? 魔法世界の破壊とか、黄昏の姫御子とかマスターとか!?」

 

「あっ、ネギさん、手遅れかも知れませんけどあまり聞かないでください」

 

「おー、なんだか知らねーけど、フェイ公がやけにムキになってんぞ!」

 

「珍しいわねー」

 

「あのー・・・授業はいつ始まるんでしょうか・・・」

 

 

転校生の焔たちは、ネタバレしまくってる二人にハラハラ。

ネギは、さりげない口論の中に重大な事実が盛りだくさんで、口を挟めずにオロオロしていた。

 

「くっ・・・だが・・・だが・・・デュナミス・・・君が何を考えているのかはよく分からないが・・・それは君だけではない・・・」

 

決着つかずのデュナミスとの口論に息が上がる中、フェイトはイライラを募らせながら、他の者にも目を向ける。

 

 

「何故君たちまでここに居る! 僕は何の報告も受けていないぞ!」

 

「「「「「ビクッ!?」」」」」

 

 

それは、フェイトを慕う五人の少女たち。

フェイトにビシッと指さされてビクッと肩を震えさせた少女たち。

 

「い・・・いえ・・・あの~・・・」

「もうしわけありませんフェイト様・・・このような勝手な行動を・・・」

「で、でも・・・私たち・・・我慢できなかったんです・・・」

 

とても言いにくそうに互いを見合い、モジモジとしながら一言一言を発する少女たち。

 

そう、彼女たちがここに居るのもフェイトにとっては予想外というか、まるで想定していなかった事態だ。

 

 

「「「「「フェイト様と学園生活を過ごしたくて!!!!」」」」」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

フェイト絶句。

 

「い、いや・・・うん・・・そう・・・そうなんだ・・・でも・・・あれ? 待ってくれたまえ・・・何だか重要なことを忘れているような・・・」

 

うん、一回整理しよう。

頭と心を落ち着かせて、状況を一端整理しようとするフェイト。

そして数秒間唸ったあと、彼はあることを思いだした。

 

 

「って、君たちは魔法世界人だから、学園祭のように特別な魔力が満ちている状態でなければ旧世界には来れないはずではないのか! いや、アルビレオ・イマのような最強クラスの魔法使いなら制限や制約つきで存在を具現化できるかもしれないが、何故君たちが普通に学園に居ることができるんだい!」

 

 

問題発覚。それはこの世の道理を覆してしまうような事態だ。

これはネギも知らない。

カミナたちなど何の口論をしているのかすらも分からない。

だが、フェイトには決して無視することの出来ない大事だった。

しかし、フェイトにとっては決して無視できないような大問題に対して、少女たちは一本の栄養ドリンクのようなビンを差し出して見せた。

 

「実は・・・こ、これなんです!」

「・・・暦くん・・・これは何だい?」

「学園祭後に出会った親切な謎の博士からもらったんです!」

 

そのビンにはこう書かれていた・・・

 

「親切なアンスパという方が、この『存在感アリマスンC』を開発していただき、制限は色々ありますが、私たちもこれで旧世界でも自由に動き回ることができるのです」

 

あんかけスパゲティ協会推薦・存在感アリマスンC。

ビンにはそう書かれていた。

 

「仕事をしすぎではないか、アンスパ!? 息子を洗脳して、したらしたで行方不明になったあの男は、一体何を考えているんだ!?」

 

この滅茶苦茶な事態を作り出したのは、学園祭のあの事件の黒幕でもあるアンスパ。

またしても奴の仕業かとフェイトが言葉を失い、ガックリと肩を落とす。

一方で栄養ドリンクのようなビンを胸張りながら掲げる焔たちはキャッキャッとしていた。

 

「これでフェイト様といつも一緒です!」

「フェイト様と学生生活!」

「お弁当一緒に・・・」

「プ・・・プリクラ・・・」

 

顔を赤くしながらうれしそうにクネクネと色々と妄想している彼女たち。

 

 

「だーはっはっは、フェイ公! モテモテじゃねーか! いいぞ、男じゃねーか! マホーとかよくわかんねーけど、細かいことはどうでもいい! よろしくな、嬢ちゃんたち、デュナ先生よ!」

 

「畜生! シモンにはニアだけでなく、セクちゃんまで取られたのに、今度の転校生は全員フェイト狙いかよ!」

 

「くそっ! ダイグレン学園副番長のこのキタン様に彼女がいねーってのに、シモンもフェイトも何でモテやがる!」

 

「兄ちゃん必死だな!」

 

「ふふ、面白くなりそー! よろしくねー!」

 

 

フェイトの開いた口が塞がらなかった。

 

(どうしてこうなった!? 数ヶ月前までのこの子たちは、恵まれぬ者たちのため、世界のために、無情な争いをこの世からなくすためなどの立派な大義を掲げていたのに!?)

 

・・・立派な大義を掲げていたのに・・・

 

「は、はい! みなさん、よろしくお願いします!」

「あの~、フェイト様・・・今度我々とプリクラを・・・」

「スマートフォンをいうものも欲しいです! あの、フェイト様・・・携帯電話の選び方を・・・」

「あっ、私お弁当を作ってきましたので、お昼休みは是非フェイト様に!」

 

テロリストが気づいたら普通の女子学生になっていた。

 

(いや・・・確かに彼女たちには普通の少女たちのように争いとは無益な世界で生きていて欲しいと頼んだこともあったけど・・・それを彼女たちは拒否して今日まで僕に仕えてくれて・・・いや、別にいいと言えばいいんだけど・・・なんだ・・・この釈然としない感覚は・・・)

 

目に見えて力を失い、肩を落とすフェイト。

そんな彼の肩に優しく手を置き、「あなたの気持ちはよく分かる」と頷く少女が一人。

 

「大丈夫。気持ちよく分かるネ、フェイトさん」

「・・・超鈴音・・・」

「フェイトさん・・・分かるネ・・・分かるネ。言いたいことは分かるネ」

 

科学に魂を売った血も涙もないマッドサイエンティストとか噂されていた超鈴音。

麻帆良女子中の制服を脱ぎ、今はダイグレン学園のセーラー服姿。

 

「・・・君・・・未来に帰ったんじゃ・・・」

「・・・学園祭の打ち上げとシモンさんの初謹慎処分の飲み会で飲み過ぎて・・・その間に世界樹の発光が終わってしまい、帰れなくなってしまたよ・・・」

 

超のタイムマシンのカシオペア。

彼女は科学の力と世界樹の膨大な魔力を使い、学園祭期間中なら時間跳躍できるタイムマシンを所持していた。

しかしダイグレン学園に巻き込まれて学園祭の最終日を過ごしていたら、時間内に帰ることができなくなってしまったのだった。

 

「未来へ帰れなくなった私・・・しかも退学届けも受理されていたために麻帆良女子中にもすぐに戻ることも出来ず・・・見かねたネギボウズが飛び級でよければ、年中生徒を募集しているダイグレン学園にしばらく通えばと・・・」

 

ヨヨヨと泣き崩れる超鈴音。

そのなんとも間抜けな話しに、フェイトは深々とため息つくしかなかった。

 

「・・・君・・・本当に天才なのかい? 本当はバカなんじゃ・・・」

 

とにもかくにも、ここに麻帆良歴代最変人学園とクラスが誕生したのだった。

ただ、フェイトと超鈴音以外がこの出来事に関して大喜びしている中、ネギ・スプリングフィールは一人だけ別の喜びを感じていた。

 

(いいな・・・この光景・・・)

 

にぎやかを超越したこのクラスの光景が、ネギにとっては感慨深かった。

ネギがこのクラスに初めて足を踏み入れたのはつい数週間前。しかしその時のこのクラスの光景は燦々たるものだった。

なぜなら、クラスがどうとか以前に、ほとんどの生徒が全然学校に来てなかったのだった。

空席ばかりが目立つ席。さらには他校の生徒との喧嘩のために登校していた僅かな生徒たちも全員学校から飛び出していった。

誰も居なくなってしまった教室の教壇に立ち、あまりの過酷な現実に涙したのはつい最近。

しかし、今では違う。不良で不登校だった生徒たちは、当たり前のように登校している。

しかもそれだけではない。

何と、学園の問題児として急に退学しようとしていた超鈴音。

女子中の修学旅行でネギたちの敵として立ちはだかったはずのフェイト・アーウェルンクス。

そして、かつて尊敬する父たちの敵として世界を震撼させた「完全なる世界」のメンバー。

そんな彼らが全員混じって、誰もが対等にふざけあったり、笑い合ったりしている。

ありえないぐらいの深刻な事態で、ありえないぐらいの平和な光景。

どうしてこうなったのか。自分の知らないところで何があったのか。詳しいことは実のところネギにも分からない。学園の魔法先生やタカミチですらも分からないだろう。

だが、それでもネギはこの光景が、うれしくてたまらなかったのだった。

 

(それにシモンさんも退学じゃなくて謹慎処分で何とかすんだし・・・本当に良かった)

 

十歳でありながら、まるで麻帆良学園の生徒たちを手の掛かる子供のように思っていたネギは、どこか親にも似た心境で微笑んでいたのだった。

 

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