【完結】ミックス・アップ(魔法先生ネギま✖グレンラガン)   作:アニッキーブラッザー

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第78話 全て水に流そう

「そっかー、アンスパと喧嘩したときに居たチンチクリンかー!」

「あの時のあの子が、すごい素敵な女になったわね」

「すっげー美人じゃんかよ。ヨーコほどじゃねえけど、私らより全然おっぱいでけーし」

 

段々、途中で色々省略されているが考えても分からなくなってきたため、「まあ、細かいことはいいか」と流してカミナたちと再会を喜んだ。

テオドラも柔らかい笑みを返し、そしてシモンと向かい合う。

 

「どうでしょうか、シモン。私・・・少しは大人になったでしょうか?」

「う、うん、て、少しはって、少しなはずないじゃないか!! すごい・・・大人になったよ・・・」

「ふふ、そうですね。あの時の私はまだまだ手の掛かるじゃじゃ馬扱いされていましたから」

 

そこでタカミチは心の中で思った「今も十分じゃじゃ馬だろうが」と。しかし、どうしてテオドラはこうして大人の振りをしようとしているのか?

そこには、したたかなテオドラの思惑があったことに、この場にいた誰もが気づいていなかった。

 

(ふふ・・・ぬふふふふ・・・)

 

心の中で不敵に笑うテオドラ。顔に出さないように必死だった。

テオドラの思惑。それは・・・・

 

(ぬふふふふふふふ! これぞ秘技・大人のお姉さん大作戦じゃ!! 時の矛盾を逆手に取る!!)

 

実に子供らしい作戦であった。

 

(まさか再会したシモンが二十年前から歳を取っておらんとは予想外じゃ。ダンディーになってると思っただけにの。じゃが、それもよし。それはゆくゆく育ててゆけばよい。それよりも今は、あの時と変わらぬこのシモンじゃ。最初は冴えないダメ男だったが、ぬふふふふふ)

 

出会った時は、ただの頼りない男に見えた。しかし今は、シモンが本当は頼りになる男であり、命懸けで自分を救ってくれた男だとテオドラも分かっている。

真っ赤にして慌てるシモン。こんな小さな体で自分を助けてくれたのだと、うれしさとニヤけが止まらない。

 

(ぬふふ、シモンはジュルジュルじゃのう)

 

だが、テオドラはそこでシモンを自分のモノにするには障害があった。それはニアだ。

 

(ニア・・・二十年前からシモンと愛し合っていたからの。これに割って入るのは至難のワザ・・・と昔なら思ったじゃろうが・・・ぬふふふふ、ニアも歳を取ってないことが幸いした!!)

 

テオドラはメチャクチャニヤケそうになる顔をクールに保ったまま、ニアの体を上から下へ眺め、心の中でガッツポーズした。

 

(ぬははは、ニアを見たかの。貧乳じゃ、ひんぬーじゃ。今のあやつは無乳じゃあ! 子供体型じゃ! 妾のボンキュッボーンの敵ではない!)

 

今のニアなら勝てる。自分にはこの二十年で培った大人の魅力がある。それはもはや武器だ。凶器だ。兵器だ。

 

(勝てる・・・勝てるぞ! てか、もう勝ったぞい! ぬはははは、完全なる世界ももう心配せんでよいし、妾の恋愛運はここにきてV字回復! これぞラブアンドピースじゃあ!)

 

もう、テオドラの頭の中には先ほどまでの混乱はどーでもよくなっていたのだった。

 

「・・・・・・・てなことをテオドラ皇女は思ってるんじゃないかい?」

「精一杯ニヤケ面を抑えてるがバレバレヨ。まさかシモンさんが私のタイムマシーンの事故で、異世界のお姫様にフラグを立てて二十年後にルートを造るとは・・・恐ろしい人ネ」

 

小声で呆れたように話し合う、フェイトと超だった。

 

(ふっ、最大のライバルであるニアが・・・ぬ・・・ライバル・・・そういえば・・・)

 

一人、腹黒い事を考えていたテオドラだが、そこでハッとした。

今の成長した自分にとってニアはライバルになり得ないなどと思ったら、思い出した。

 

「綾波フェイはどこじゃあ!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

無言で全員フェイトを見て、フェイトは必死に首を横に振って「余計なことを言うな」と懇願したのだった。

 

「ぬぬ、ヘラスの皇女よ。そういえば二十年前に貴様も綾波フェイを見ておったな」

「うむ。デュナミスも対峙したであろう? あの容姿にとてつもない魔力。さらにはシモンを想う強い心。妾の目は誤魔化せん。シモンと綾波は・・・ラブラブじゃった!!」

「くっ・・・だが・・・それは認めよう。我の目から見てもあの時の二人の絆は・・・いや、綾波の想いはそれだけ輝いていた」

 

力強く語り合うテオドラとデュナミス。この時、タカミチは心の底からツッコミたかった。

お前ら大戦争を繰り広げた大幹部と皇女で、互いに敵同士だっただろと。

 

「ぶーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

「きゃ、きゃあ! キノンが鼻血を出したわ!」

「キノーン、しっかり・・・って、何で幸せそうな顔してんだ!」

「イ、イッツ・・・ア・・・ふぁんたじー・・・あんど・・・どりーむ・・・やっぱり・・・・フェイ・・・シモン・・・もう、鉄板・・・夏コミもらいました・・・がくっ」

 

キノン、女の夢を抱いて散る。

そして、デュナミスに真実を語れないものの、真実を知る者たちのシモンへのジト目は半端なかった。

フェイトガールズはシモンへ殺意の眼差し。黒ニアはこの世を破壊せんばかりの負のオーラ。

もはや何とも言えないヨーコたちであった。

 

「まあ、しっかしだ。シモンの野郎はまさかホンマモンの皇女様まで落としてたとはな」

「しかし、いつからこいつはそんなにモテるようになったんだ?」

「つくづく男の風上にもおけんやつだ。ニアしかいないと公言しておいて」

「ニアニア言ってるが、結局お前の本命は誰なんだ?」

 

シモンばかりがモテて面白くないキタンたちの呟きに、ハッとなったのがデュナミス。

 

「その通りだ、シモンよ! 貴様の態度はもはや目に余る! 教師として、同じ男として貴様に問おう。過去のしがらみも今は語らん。ただ、答えろ。貴様が真に思う女は誰なのだ! ニア、テオドラ、セクストゥム、綾波・・・さあ、誰だ!!」

「むむ、それは妾も気になるぞい・・・じゃなかった、気になりますわ。今、あなたの心の中に居る女性は誰でしょうか?」

「ええええーーーッ!? なな、何でそんなこと聞くんだよ! 俺は別にフラフラしてるわけじゃないぞ!?」

 

何故か息もピッタリでシモンに詰め寄るデュナミスとテオドラ。この二人、本当に敵だったんだよなと、タカミチ教室の隅で涙目。

流石に気の毒になり、フェイトがシモンのフォローに入る。

 

「ま、待てデュナミス。シモンはニアだろう。それと綾波は数に入れなくて良いと思うけど・・・」

「黙れ! テルティウム、これはシモンと綾波の問題だぞ! 関係ない者は黙っておれ!」

「僕は無関係じゃな・・・あっ、うん、僕は全然無関係だった。まったくもって、綾波に関して関係なかった」

 

フェイトはアッサリと引き下がったのだった。

いきなり好きな女の名前を言えと言われて、少し慌てるシモン。

すると、むしろそんなの逆に恥ずかしがることじゃねえだろと、カミナがシモンの背中を叩いた。

 

 

「バカ野郎。いいじゃねえかよ、シモン」

 

「あ、アニキ・・・」

 

「どいつもこいつも、どうやら信じてねえらしい。なら、何度だって言やいいじゃねえか。恥ずかしがることはねえ。むしろ誇れ! 惚れた女の名前を叫んでテメエをどこまでも誇れ! シモン、お前は自分を誰だと思ってやがる!」

 

 

カミナの言葉に、シモンは目を覚ます。

そうだ、最初から決まっているんだ。だったら恥ずかしい事なんて何一つ無いじゃないか。

何度だって教えてやればいい。自分が、誰を好きなのかを。

 

「お、俺が好きなのは・・・ニアだよ! 俺はニアを好きなシモンだ! 俺は・・・俺はニアじゃなきゃダメなんだ! ニアに決まってるじゃないか!」

 

拳を強く握って断言するシモン。

そこで、今までようやく冷やかな目を送っていたクラスメートたちもクスリと笑って頷いた。

そうだ。それがシモンだ。

 

「はい、シモン! 大丈夫、私にもシモンしか居ません。だから私はいつでもシモンを信じています」

 

黒ニアから入れ替わり、ニアもいつものように微笑んだ。

結局はこれがあるべき姿だ。デュナミスは「そうか・・・」と少し切なそうに、テオドラは「まあ、今はまだ・・・」と少し舌打ちした。

そして、ようやく綾波とシモンの組み合わせが消えたと思ったフェイトは、安心して調子に乗ってしまった。

 

「よくぞ言った、シモン。ならば良い機会だ。その旨を、この愚かなアーウェルンクスにも伝えるんだ、セクストゥムにベタベタするなと命令しろ!」

 

ついでに便乗してセクストゥムも離れさせろとフェイトは告げる。

クラスメートたちは「鬼だ・・・」と呟くが、確かに状況を理解しないで無防備にシモンにまとわりつくセクストゥムもこのままでいいわけではない。

 

「そ、そうだよね・・・言い方はあれだけど、フェイトの言ってることも・・・わ、分かった・・・俺も男だ! ハッキリしてやる!」

「素晴らしいことだよ、シモン。ならばこの愚かなセクストゥムに引導を渡してくれ」

「何故、フェイトさんはそこまでうれしそうカ?」

 

このままでは、いずれセクストゥムも不幸になる。ならば、ハッキリさせなければならない。

シモンは心を痛めつつも、首を傾げてよく分かっていないセクストゥムに告げる。

 

「セクストゥム!」

「はい、なんでしょう」

「今日から・・・・今日から俺はお前のマスターじゃない!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ・・・・」

「だから・・・俺の命令なんてもう聞かなくていいから。お前は自由に生きるんだ!」

「・・・・ま・・・・・・・・・・・ますたー・・・・・・」

 

その時、クラスメートたちは見た。ガクガクと震えて目の焦点が定まっていないセクストゥムを。

 

「・・・・・・・・・・ねえ・・・やっぱ、ちょっと可哀想じゃ・・・」

「いや・・・・っていうか・・・何だか嫌な予感しかしねえが・・・」

「で、でもよ、ハッキリさせろって言ったのは俺たちだしよ・・・」

「セクちゃん・・・辛いんじゃねえのか?」

「アーウェルンクスに心はない。別に動じることは何もないよ」

 

「「「「「「フェイト、お前が言ってもまったく説得力ねえぞ!!!!」」」」」」

 

 

シモンが言った後、明らかに動揺してフラフラとするセクストゥムにクラスメートたちは心を痛めた。

だが、ハッキリしろと言ったのも自分たち。

ならばこれは仕方が・・・

 

「マスター、それはご命令でしょうか?」

「えっ・・・」

「命令なら従います。ご命令でしょうか?」

 

顔を落とし、表情が前髪で読み取れないが、セクストゥムは消え失せそうな声でそうシモンに返した。

 

「いや、だからさ、もう命令とかじゃなくて、今日からセクストゥムも自由ってことだよ!」

「それは、ご命令でしょうか・・・」

「ッ・・・」

 

あくまで「命令」にこだわるセクストゥム。シモンもこれ以上何と言っていいか分からず、仕方なくそう言うしかなかった。

 

「そ、・・・そうだよ、命令だよ。セクストゥム、今日から俺はお前のマスターじゃないから、フェイトみたいに自由に生きるんだ」

 

ゴクリと誰もが息を飲み込み、フェイトだけはガッツポーズをしていた。

すると、今のシモンの言葉を誕生間もないアーウェルンクスは、こう解釈した。

 

「いらない・・・ますたーは・・・もう・・・わたし・・・はいらない・・・」

「あ、いや、いらないんじゃないよ! セクストゥムはこれからも大事な仲間だってことで、いらないなんて言ってないよ!」

「いらない・・・役立たず・・・不要品、欠陥品、・・・私は・・・廃棄物・・・」

「だから、そんなこと一言も言ってないって!」

「分かりました・・・自爆します」

「だから! ・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」

 

――――――――――――――え?

 

今、自爆と言いました?

 

「マスターは私をもう必要ないと・・・ひつよう・・・ない・・・と・・・」

 

その瞬間、セクストゥムの体を膨大な魔力が覆った。

素人でも分かる。こんなエネルギーが破裂したら・・・

 

 

「「「「「「「「「「ちょっとまてえええええええええええええええええええ!!!!????」」」」」」」」」」

 

 

大悲鳴がダイグレン学園に響き渡り、生徒たちは一斉に逃げ出した。

 

「いかんぞ、なんちゅう魔力じゃ! あんなキャラブッ壊れてて魔力はそのままって反則じゃろうが!?」

「いかん、セクストゥム君を止めるんだ!」

「だだ、だめですよー、セクストゥムさん!」

「よし、爆発する前に破壊しよう」

「そして何でフェイトはそこまでセクには厳しいんだ!?」

「シモオオオン、とりあえずセクちゃんを止めろ!!」

 

まさか、ここまで極端な奴だとは思わなかった。生徒たちはパニックになりながら、この事態を鎮圧できるであろうシモンに叫ぶ。

だが、シモンも困る。今更撤回するわけにはいかないが、このまま放置すると取り返しの付かないことになる。

 

「と、とりあえず、セクストゥムは俺の話を聞いてくれよー!」

 

とにかく、落ち着けとシモンは今にも爆発しそうなセクストゥムの肩を掴んだ。

すると、魔力の発光が徐々に収まっていく。ひょっとして、爆発を思いとどまってくれたのかと皆がホッとした瞬間、セクストゥムはシモンに振り返り、こう言った。

 

 

「マスターのいじわる!!」

 

「「「「「「「「「「ッ!!!???」」」」」」」」」」

 

 

初めて聞いた、感情的なセクストゥムの叫び。

全員呆気に取られた。

 

「うそつき・・・・うそつき・・・うそつき!」

「えっ・・・えっ? セ、セクストゥム・・・俺、ウソなんて・・・」

「学園祭で・・・マスターには、私だけだよ・・・と・・・」

「な、何言ってるんだ、俺そんなこと一言も・・・・あっ!?」

 

 

シモン、思い出した。父親に洗脳されている頃、学園祭でそんなような発言をしてしまったような記憶がある。

なんか、それから生涯ずっと居るよ的な事も・・・しまった・・・そう思った瞬間、セクストゥムがシモンの胸ぐらにしがみついた。

 

「やだ・・・マスター・・・やだ・・・」

「あっ・・・」

「ますたー・・・すて・・・ないで・・・ますたー・・・すて・・・うっ・・・・ううう・・うわああああああああん」

 

とうとう泣いてしまったのだった。

 

 

「「「「「シモオオオオオオン、セクちゃんを捨てたら許さねえええ」」」」」

 

「さっきと言ってること違うじゃないか! 俺にどうしろって言うんだよ!」

 

 

流石に女の涙にはどうしようもない。さっきまでハッキリとしろと言っていたクラスメートたちは、何故かセクストゥムの味方になってシモンをブーイングしだした。

あたふたしてどうすればいいのか分からぬシモン。

セクストゥムは、わんわん泣き出した。

すると、フェイトとデュナミスが気づいた。

 

「むっ、まずいぞ、テルティウム!?」

「う、うん・・・セクストゥムは水のアーウェルンクス・・・つまり彼女の涙は・・・」

 

止まらぬセクストゥムの涙は、止まるどころか勢いを増し、しかもそれには膨大な魔力が込められていた。

その時、彼らはかつて校長のリーロンの言葉を思い出した。

海を舐めてしょっぱいのは何故か? それは、海は乙女の涙で出来ているからだと・・・

 

 

――Noachian deluge(ノアの大洪水)

 

 

「うおおおおお、洪水だあああああ!」

 

「セクちゃん泣きやめえええ!」

 

「大丈夫よ、シモンはあなたを捨てたりしないわ!」

 

「シモンは意地悪言っただけで、本当はセクの事が大好きなのよー!」

 

「のわあああ、流されてしまうのじゃあ!!」

 

「テオドラ皇女――!」

 

「シモーン、何とかしろお!」

 

 

結局シモンが謝って、今まで通りにしようと説得してセクストゥムが泣きやむのに一時間かかった。

校舎中が水浸しになり、ダイグレン学園の生徒も教員もずぶ濡れとなったが、大きな被害はなく事は収まったのだった。

 

ちなみに、黒ニアのOSHIOKIDABEはシモンに対して徹夜で行われたのだった。

 

 

 

 

 

「・・・つまり『そういうわけですから、完全なる世界はもう大丈夫そうです・・・テオドラより・・・』テオドラ皇女からの伝聞は以上になります・・・か・・・」

 

 

ここは魔法世界。歴史ある空に浮かぶ国、オスティア。

そのオスティアを管理する男の元に、魔法世界でも中心とも言える大帝国の皇女より現実世界から送られた極秘密書。

標題に「完全なる世界の残党」と書かれていたのを見て、この密書を受け取った瞬間、心臓が飛び出しそうになるほどの衝撃を受けた。

だが、中身を読み進めていくうちに、分かったこと・・・

 

「ふふ・・・ふふふ・・・ナギの息子を迎えた際、いつか来るであろう完全なる世界の残党たちとの決着・・・それに備え、あらゆる計画や設備に兵器、そして作戦を考えていたのに・・・どうしてこうなっているんですか!!??」

 

オスティア総督・クルト・ゲーテル。

今、魔法世界で最も忙しい男とも言われている彼は、テオドラからの報告を聞いて我慢できず、執務室の自分の机を拳でたたき壊した。

 

 

「そ、総督・・・」

 

「何なんですか、コレは! 敵の情報工作ですか? デュナミスがモッテモテ? 残党たちが可愛い? アーウェルンクスとナギの息子の仲は良好? 私もこのまましばらく麻帆良のダイグレン学園に留学して彼らの様子を見ますので、しばらく帝国との外交は他の者によろしく? 今度婿を紹介します? どいつもこいつも何をやっているのですか!?」

 

「総督・・・血圧が・・・」

 

「大体、サラっと留学って何ですか!? あなたは三十路でしょうが! 女子高生など十年遅いですよ!」

 

「総督、ヘラス族は長寿であるので人間換算ではまだ十代だと・・・」

 

「関係ありません、あのババア!!」

 

 

秘書が心配で駆け寄るが、取り乱したクルトは苛立ちを隠せない。

ひとしきり気の済むまでグチを吐き捨てて、ようやく落ち着いたかと思えば深く溜息をついた。

 

 

「は~・・・なんだか、今初めて・・・完全に忘れられている造物主に同情しました・・・」

 

 

そして、魔法世界も平和であった。

 


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