ハイスクール・フリート~海鳥の戦い~   作:武御雷参型

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書き上げた………今回は最後に原作組と合流です。


第四話~戦闘後再開

天城はその船体を右に傾斜して止まっていた。その横には、信濃が停泊する。既に警備隊の牽引艦がこちらに向かって来ていると言う情報を、受け取った俊輔は信濃を天城の横に停泊させ、沈没を防ごうとしていた。また、天城から被害の無い救助用ヘリ『SH-60』四機を信濃に移動させた。因みに、信濃の乗員にはヘリ専攻をしている生徒が何人か居た為、移動させたのであった。

 

「艦長。間も無く警備隊の牽引艦が到着すると言う事です」

 

「………そうか……」

 

俊輔の表情は、誰が見ても暗い物であった。それもその筈である。教官からの命令と言えど、教導艦を大破着底させたのだ。責任感が強い俊輔からすれば、堪った物では無かった。

 

「艦長……」

 

副長の優希は俊輔を気遣う。

 

「牽引艦から通信です‼ 『我、貴艦を発見せり。これより、救護活動を開始する。貴艦は晴風に向かわれたし』との事です‼」

 

麗の言葉に俊輔は、気持ちを切り替え指示を出す。

 

「これより、我が艦は海洋学校の指示により晴風に向かう。機関最大‼ 全速前進‼」

 

『了解‼』

 

俊輔の指示により艦橋内、艦内が慌ただしくなるのであった。

 

 

 

天城はその船体を応急処置を行い、牽引艦によって北横須賀男女混合海洋学校専属ドックに連れて帰る事になった。また、今回の戦闘にて負傷者は少数いた。しかし、幸いにも重傷者はいなかった。

 

「桜井教官。今回は災難でしたね」

 

「ああ、だが、幸いにも誰も死んでもおらん。それに………いや、止そう。今更どうこう言ったって何も変わらん」

 

「そうですね………」

 

「しかし、よろしかったんですか?」

 

「何がだ?」

 

副長の言葉に空は疑問を抱く。

 

「SH-60を信濃に搭載して」

 

「ああ、その事か……ククク。大丈夫だろ。それに艦長の山城はあれで、航空機全般の操縦が出来る男だからな」

 

「そ、そうだったんですか⁉」

 

「知らなかったのか?」

 

「初耳です」

 

空は副長の言葉に苦笑いを忍ばせる。

 

「これからが大変だぞ、山城」

 

そう言って空は窓から覗く遠く離れた信濃を見つめるのであった。

 

 

 

信濃艦橋では俊輔が艦長席に座り、前方を見ていた。しかし、その表情は虚ろであった。

 

「艦長? 艦長……艦長‼」

 

「おわっ⁉ ど、どうした‼」

 

「どうしたと言う言葉は私からの言葉です。艦長、何を考えているんですか?」

 

優希の言葉に俊輔は返答を詰まらせる。

 

「どうせ、天城の事を考えていたんではないですか?」

 

「………」

 

「沈黙は肯定と捉えます。でも‼」

 

「そこまでだよ、優希ちゃん」

 

「なのはさん…」

 

「俊君も考えがあって悩んでいるんだよ。それを私達がとやかく言ったって何もならないよ?」

 

「判っていますけど………」

 

なのはの言葉に優希は黙る。

 

「みな、すまない。俺も何処かしら気が抜けてた様だ。さて、と。晴風との接触はどれくらいだ?」

 

「約50分後です」

 

「そうか……(無事でいろよ、明乃)」

 

俊輔はそう言うとポケットの中から懐中時計を取り出すと、中身を開ける。そこには幼き頃の俊輔ともえか、明乃が写っていた。

 

「それって…」

 

「俺が小さいころの写真だ」

 

横から覗いて来たなのはが尋ねる。

 

「俺の右にいるのが岬明乃。その反対が知名もえかだ。明乃が晴風の艦長。もえかが武蔵の艦長を務めている」

 

俊輔はそう言うと、懐中時計を閉めポケットの中に仕舞う。

それと同時に信濃に通信が届く。

 

「艦長‼ 横須賀女子海洋学校所属の明石、間宮が晴風と合流したそうです」

 

「そうか……急ぐぞ‼」

 

『了解‼』

 

「機関、最大‼ 両舷前進強速‼」

 

「よ~そろ~」

 

俊輔の言葉に明日菜が舵をきっていく。

 

それから幾らか時間が過ぎた頃には、晴風、明石、間宮の三隻の姿を確認した。

 

「艦長、距離約5000mに三隻の艦影。内、二隻は明石、間宮と断定‼」

 

「漸くか」

 

「良かったですね?」

 

「ああ、そうだな」

 

見張り員の高坂穂乃果が俊輔に報告すると、俊輔はホッと胸を撫で下ろす。

 

「機関そのまま、このまま接舷する」

 

「よ~そろ~」

 

信濃は晴風と漸く合流するのであった。

 

 

 

 

 

一方、晴風でも信濃の姿を捉えていた。

 

「艦長‼ 前方より大型艦接近‼ 会敵まで4500‼」

 

「ッ‼ 各自、戦闘配備‼ 明石と間宮は離れて下さい」

 

「それは出来ないよ。あの艦には私達も用事があるからね」

 

「は?」

 

間宮艦長の藤田優衣の言葉に明乃は意味が判らなかった。

 

「それと、あれは味方だよ」

 

明石艦長の杉本珊瑚の言葉で明乃は戦闘配備を解除する。

そして、信濃の姿が見えた頃には全員が甲板に来ていた。

 

「おっきいな……」

 

そう言うのは宗谷ましろである。彼女は動物が苦手な少女である。

 

「誰が艦長さんなんでしょうか~」

 

納沙幸子が信濃の艦長を思い浮かべる。

 

「見えたぞ‼」

 

そう言うのはヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルクである。

信濃より8人が晴風に向かってくる。そして、晴風に接舷すると、全員が晴風の甲板に上る。

 

「久しぶりだな、明乃」

 

「えっ? 俊君……?」

 

「おいおい、幼馴染の顔を忘れたのか?」

 

俊輔の言葉に明乃は嬉しさの余り、俊輔に飛びついたのであった。




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