まぁ、冗談はさておき。今回は明石、間宮と晴風の合流を書きました。
次回は、武蔵との戦闘になるかも⁉
では、本編へよ~そろ~
晴風の甲板では明乃が俊輔に飛びついた。
「どうして、ここにいるの?」
「なんでって……俺達は晴風の護衛任務を学校から受けたからだ」
「そうなんだ~」
晴風の乗組員は誰もが驚いた。明乃は自由気儘な天真爛漫の艦長だ。だが、一度だけ明乃が持っている幼き頃の写真を写した懐中時計を見た事があるクルーはその時の表情は恋をする乙女であった。
「あれが信濃の艦長か……」
「なんでも成績は優秀で、航空機、艦長のテストではほぼほぼ満点だったらしい」
ヴェルヘルミーナ、明乃が付けた渾名はミーちゃん。ヴェルヘルミーナは俊輔を値踏みする目で見る。一方の副長である宗谷ましろは海洋学校の中での成績を思い出しながら言う。
「久しぶりだな、山城艦長」
「明石艦長の杉本艦長ですか……それで頼んでいた物は持って来れましたか?」
「ああ、持って来たぞ。いつでも搭載は可能だ」
「では、早速お願いします」
「了解した」
俊輔の言葉に珊瑚は頷くと、信濃にあるものを運び出していく。
「俊君。あれってなに?」
明乃は信濃に運ばれて行くものが気になり俊輔に尋ねる。
「あれか? あれは救難用のヘリだ。今、信濃に搭載されているのはSH-60が四機だけなんだ。それを三機程増やす事になってな。それで、明石に頼んだんだ」
「へ~、そうなんだ。それで、これからどうするの?」
「今は、武蔵の捜索に出る。現在、信濃が持つ情報では、既に東舞校が武蔵を発見したらしい。信濃、晴風はこれを援護する事となる。まぁ、今は連戦が続いたらしいからな。休息で良いんじゃないか?」
「そう……だね」
「………」
俊輔は明乃に元気が無い理由を知っている為、今は頭を撫でる事だけした。
「俊君?」
「気に病むな…ってのは無理かもしれない。だけど、艦長がそんなんだと他の皆が心配するぞ?」
俊輔がそう言うと後ろから火器官制統括長のなのはが茶々を入れる。
「あれ? さっきまでそんな感じだったのは誰でしょうか?」
「………すみません、生意気言いました」
「うん、よろしい」
「(勝てねぇ~あの人の笑顔ってなんでか知らんけど勝てる勇気が無い)」
なのはの笑顔に俊輔は身震いする。
「山城艦長」
すると、珊瑚が俊輔に声を掛ける。
「どうかされましたか、杉本艦長」
「積荷を搭載し終えたぞ。それと、間宮艦長の藤田から話があるそうだ」
「山城艦長、ご無沙汰です」
珊瑚の後ろから優衣が出て来る。
「ご無沙汰です、藤田艦長。それで、お話とは?」
「そうでした、これを」
優衣はそう言うと俊輔の手にある物を握らせる。
「これって……」
「はい、お父様である山城校長からの物です。何故か知りませんが、明石では無く私の間宮に搭載されてきました。これでなんとなくは察しは付くと思いますが?」
「はい、大丈夫です。我々も海を護るブルーシーバードの卵です。これを使えなくては、意味がありませんからね」
「では、我々は一度、補給を行ってから武蔵の所に向かいます。先に到着するのはあなた方ですが、くれぐれも無茶はしない様に。では」
優衣と珊瑚はそう言うと、それぞれの艦に戻って行き、補給の為、一度横須賀に戻るのであった。
「さて、と。明乃、これからどうするんだ?」
「……少し息抜きしようと思う」
「どうぞ、俺らは今回の積荷の確認と動作確認をするからな。では、戻るぞ‼」
『了解‼』
俊輔はそう言うと、信濃に戻って行くのであった。
一方、武蔵ではネズミらしきものが大量発生していた。
「艦長‼ 主砲科からの応答ありません‼」
「機関科からの応答もありません‼」
「………」
武蔵艦橋では各学科に通信をするが、どこも応答が無かった。
「救難信号を‼」
「ダメです‼ 通信機器が破壊されています‼」
「………私達に打つ手は無いか………」
もえかはただ、この状況を打破できる方法を探し出そうとする。
「艦長‼ レーダーに反応‼ これは…」
「どうかしたの?」
「教導艦十隻です‼ 内、二隻は蒼龍、飛龍です‼」
「通信科に発光信号で今の状況を伝えて‼」
もえかは安堵して発光信号で今の状況を伝える様に指示を出すが、一向に発光信号が送られる事は無かった。
「どうして………」
「艦長‼ 教導艦から発光信号…『我等、東舞鶴海洋学校所所属、教導艦である。速やかにこちらの指示を従え』です‼」
「……手動の物は?」
「………先ほど通信科が持って行きました……」
この報告にもえかは絶望の淵に立たされる事になった。
「艦長‼ 主砲が動いています」
「なんで⁉」
もえかは報告を受け、窓から外を見ると第一主砲と第二主砲が教導艦に向けられていた。
「やめて‼」
もえかの言葉と同時に主砲が火を噴き、教導艦一隻を航行不能にさせた。
「ああ、ああああ‼ どうして…どうしてこうなったの? 誰か助けて…ミケちゃん………俊君‼」
もえかは唯々、叫ぶ他無かったのだった。
それと同時に信濃では、俊輔が何かをキャッチしたかのように顔を上げた。
「艦長? どうかしましたか?」
「何か聞こえなかったか?」
「何も聞こえていませんが……気のせいでは無いですか?」
「………そうだと良いんだが……(今のはもえかの声だった。武蔵に何かあったのか?)」
「艦長、信濃に新しく搭載されたSH-60Rの使用確認を終えました」
「そうか………各学科に通達‼ これより信濃は武蔵の捜索に入る‼」
『了解‼』
俊輔はそう言うと一度、艦橋に戻り晴風に通信を入れる。
「信濃型航空母艦一番艦信濃艦長、山城俊輔だ。晴風艦長の岬明乃はいるか?」
『少々、お待ちください……どうぞ』
「明乃、先に俺達だけで武蔵の捜索に出る」
『無茶だよ‼』
「無茶も承知だ。だがな、さっきもえかの声が聞こえた気がするんだ」
俊輔の言葉に明乃は黙るが、少し時間を開けて口を開く。
『私もね、ミケちゃんの声が聞こえた気がするんだ……うん、判った‼ 私達も今から準備するから‼』
「了解した。気を付けろよ」
『俊君もね』
明乃の言葉を聞き俊輔は苦笑いしながら通信機を切る。
「さぁて、行くぞ‼ 信濃、機関出力最大‼ これより武蔵の捜索活動に入る。晴風は我々の後から来るとの事だ。各学科は準備する様に、以上‼」
俊輔は艦内放送で各学科に指示を出した後、艦長席に座り、再度指示を出していく。
「結城さん、出せるだけの事はして下さい。なのはさん。火器官制の方、頼みます。紺野さん、海図を出してください。攻撃隊に関してはいまは待機で。行くぞ‼」
『了解‼』
信濃は最大出力で武蔵の所に向かうのであった。
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