ハイスクール・フリート~海鳥の戦い~   作:武御雷参型

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前回の話を少し、変更しています。


第十三話~海賊、現る⁉

晴風からの救助隊が新橋商店街船に到着した頃、とある海域では18隻からなる艦隊が身を潜めていた。

 

「お頭。約20キロ先で商店街船が座礁したという情報が」

 

「そうか…よし、錨を上げろ‼ これより座礁した商店街船を分捕りに行くぞ‼ 我等、ファントム・フリートの力を見せてやれ‼」

 

《ウォォォォォォォォォッ‼》

 

お頭の言葉で、錨を降ろしていた18隻の艦艇が、錨を上げ新橋商店街船に向かうのであった。しかし、この時、海賊は知らなかった。歩くフラグ製造マシーンが自分達を捕らえる為に来ていると言う事に………。

 

因みにだが、ファントム・フリートは戦艦二隻、航空母艦二隻、軽巡洋艦二隻、重巡洋艦二隻、駆逐艦十隻からなる大艦隊であった。これには、ブルーマーメイド、ブルーシーバード、ホワイトドルフィンもお手上げ状態であった。

だが、今回、海洋学校を管轄にしている海洋警備隊理事の要請で、とある重工が海賊の掃討を行う事になった。それが山本重工であった。

 

「お頭、商店街船の近くに海洋学校の航洋艦一隻が居ますぜ‼」

 

「どこの所属艦だ?」

 

「横須賀女子海洋学校です」

 

「ほうほう……これは天からの授け物か? クックク……あははははははは‼ これで女に飢える事もねぇわ‼」

 

お頭は自分たちに待っている惨状を知らない為に、笑っていた。

 

「ようし‼ 皆の者‼ 我に続け‼」

 

お頭が乗る戦艦アイオワが加速していき、他の艦艇も速度を上げて行くのであった。目指すは、新橋商店街船と航洋艦晴風であった。

 

 

 

 

 

一方、晴風では新橋商店街船に横付けして救難活動をしていた。しかし、船内の捜索に出ていたましろ、ミーナが戻ってくる事は無かった。そして、最悪の事態が発生する。新橋商店街船の船体中央部分が割れ、艦尾の方が持ち上がったのだ。

ミーナは何とか脱出する事は出来たが、ましろは未だに帰還していなかった。晴風は危険と判断し、商店街船から晴風を離した。ましろは乗員の小さな子を探しに行っていた。

 

『副長‼ 聞こえる⁉』

 

「あっ、はい‼」

 

無線機から明乃の声が聞こえましろは応答する。

 

『船体の中央部分から裂けたの‼ このままだと沈没するから、早く脱出を‼』

 

「りょ、了解‼」

 

明乃の切羽詰まった声にましろも返事をする。しかし、その瞬間、ダストから大量の水がましろを襲った。

 

ましろは何とか商店街船の中にあるコンビニの中に子猫と一緒に蹲っていた。

 

「ニャーオン」

 

「怖いよな………私も怖い。なにしろ、私は…ッ⁉ 運が悪いし‼」

 

ましろはそう言うと片手で口を覆った。しかし、ましろはある決心をする。

 

「このままじゃダメだ‼ 逃げよう」

 

ましろの胸には子猫を入れダストの中に入って行く。しかし、進むにつれ、座礁した影響か、中央部分が裂けた影響か、ダスト内部は突起物が多くあり、スカートが突起物に引っ掛かってしまい、先に進めなくなってしまった。そして、懐中電灯の灯りも無くなってしまう。

 

「クッソォォォ‼」

 

ましろはそう叫ぶと懐中電灯でダストを力一杯に叩いた。

 

 

 

 

晴風艦橋では明乃がましろに声を掛ける。しかし、返答は無かった。明乃はそっと通信機を置き前を向いて歩く。

 

「(待ってるってこんなにも辛いんだね……しろちゃんもこんな気持ちだったのかな? でも、しろちゃんと約束したから‼)救助した人に毛布を。それから暖かい食べ物と飲み物を用意して‼」

 

《はいっ‼》

 

明乃の指示で晴風は新橋商店街船の乗員に毛布と食べ物、飲み物を渡らせていく。

 

「艦長‼」

 

「どうしたのここちゃん⁉」

 

「前方から大艦隊が‼」

 

「ブルマー本体なの⁉」

 

幸子の報告に明乃は嬉々として双眼鏡を覗いた。

 

「えっ?」

 

「艦長?」

 

「しろちゃんが危ない‼」

 

明乃は双眼鏡から見える大艦隊の旗に驚いた。そこには海賊を表す髑髏の旗に黒く染められた錨が象った旗が見えたのだ。それは、海賊団、ファントム・フリートの旗であった。

明乃はそう言うと、艦橋から飛び出してスキッパーのある場所に向かおうとする。

 

「艦長‼ 一体、どうしたと言うのですか⁉」

 

「ファントム・フリートだよっ、ここちゃん‼」

 

《え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉》

 

明乃の言葉に晴風の艦橋内が驚きと恐怖の声で揺れるのであった。

 

「晴風には新橋商店街船の乗員が居ます‼ 戦闘は無理です‼」

 

「で、でも‼ このままだと、しろちゃんが危ないよ⁉」

 

幸子の報告に明乃は反抗する。しかし、芽衣の言葉で明乃は躊躇うが、自分の考えを述べた。

 

「ですが、どうやって海賊と戦闘するんですか‼ 新橋商店街船の乗員を危険な目には合わせませんよ‼」

 

「………」

 

幸子の言葉に明乃は何も言えなくなってしまう。

 

『艦長‼ 所属不明艦一隻が海賊艦隊に向かって行きます‼ えっ?』

 

「どうしたの、野間さん⁉」

 

『速過ぎる………推定で50ノットは出ています‼』

 

「えっ?」

 

野間マチコの言葉に晴風の艦橋内は驚きの声が漏れる。

 

『目標、判りました‼ 山本重工所属艦、超弩級高速戦艦イカルガです‼』

 

マチコの声と同時にある音楽が流れだす。それはダースベイダーのテーマ曲であった。

 

「なに、これ?」

 

芽衣は不釣り合いな音楽に呟く。そして、海賊の駆逐艦一隻が大爆発したのだった。

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