海賊艦隊を壊滅(勝手に)した横須賀海洋学校所属の海洋艦”晴風”。山本重工所属艦“播磨”“河内”“白皇”“炎皇”。そして、北横須賀男女混合海洋学校所属艦“信濃”。そして、山本重工が何を考えて建造したのか判らないイカルガの七隻は、武蔵の捜索に出たのだった。
それぞれの艦長一同は、信濃に集合していた。と言うのは、信濃は元々が超弩級戦艦大和型である為、内装も大和に似ている所が多く、一番似ていると言われている会議室にはそれぞれの艦長一同を迎えても、まだまだ空きがあるほどであった。
「では、これより会議を行います」
会議席の議長席に座るのは山本重工独立遊撃艦、イカルガ艦長の福本伊吹である。その横、書記席には伊吹の息子である勇気が座っており、進行席には勇気の先輩である正人が座っていた。
「今回の海賊の一件に関しては、我々、山本重工が責任を持って対応します。そして、海洋学校に所属する艦艇が現在、行方不明となっている事についての説明を行います」
進行役である正人が言葉を発する。
「まず初めに、晴風衛生長である鏑木美波さんに説明をしていただきます。鏑木さん、お願いします」
「はい」
正人の声に美波は返事をして、プロジェクターの前に立つと、自動的に会議室の灯りが暗くなる。それを確認した美波は、プロジェクターを起動させる。
「では、初めに今回の海洋艦が行方不明になっている原因についてお伝えします」
美波はそう言うと、プロジェクターにつながれているパソコンを操作し、一枚のネズミの様な物を映し出した。
「今回の海洋艦行方不明に繋がっていると思われる、生物です。前回、晴風と信濃内部に見つかったこのネズミ擬きに関してですが、海洋学校に問い合わせました。しかし未だ、回答は帰って来ていません。このネズミ擬きですが、この生物は艦艇の電波や電子機器を狂わせる微弱な電波を発している事が判りました。また、このネズミにはウイルスが混ざっていると言う事も判りました」
美波はそう言うと、再度、操作すると今度はネズミ擬きの下に多数の人間をモチーフにした人形が置かれていた。
「このネズミ擬きは、ウイルスにより人間をコントロールする事が出来ると言う事も判りました。現在、報告で上がっている事例で言いますと、海洋学校の教導艦である“猿島”と“天城”の二隻です。猿島に関しては晴風乗員は知っていますが、皆さまは情報が来ていない可能性も考えられるので、この場を借りて、報告をさせて頂きます」
美波はそう言うと、晴風に搭載されていたカメラの映像を流し出す。
そして、晴風が模擬魚雷を射出し、猿島を航行不能にさせた映像で終わった。
「これを見てお判りになると思いますが、猿島は乗員がこのネズミ擬きによって乗っ取られた可能性があります。次に、天城ですが……電子機器だけを狂わせただけでは無く、乗員の一部を乗っ取っていると言う事が推測されます。これを踏まえ、私はこのネズミ擬きの一匹を解剖し、もう一匹からは抗体を製造する事が可能になりました」
美波の言葉を受け、会議室内部は驚きの声があがる。
「二匹とも、既にブルマーに渡しているので手元には無いのですが、ワクチンが量産されるのも時間の問題と言う事になりました。そして、緊急時の為と言う事で既に晴風の乗員用は製造しましたが、他の艦艇の皆様の分までは製造できていません。すみません。ここからが本題です。一度、信濃、晴風以外の艦艇に関しては山本重工に戻り、ワクチンの製造をお願いしたいのです」
そう言うと美波は伊吹の方に向く。
伊吹も、美波の視線に気付くと頷いた。これは了解したと言う意味も込めて頷いたのだった。
「ありがとうございます。私からの報告は以上になります」
美波の言葉で会議室は静寂に包まれる。だが、それを破るのは議長である伊吹であった。
「鏑木さん。このワクチンに関しては予備はあるか?」
伊吹の言葉に美波は頷くと言葉を発する。
「はい、予備に関しては何本か所有しています。ですが、これはサンプルと言う事で持っているので、山本重工の皆様にはこの予備をお渡しする事になっています」
美波の説明に伊吹は納得がいったのか頷いた。
「勇気、山城正人。この会議が終了次第に艦艇は山本重工に帰投する。良いな?」
「「了解‼」」
伊吹の言葉を受け勇気と正人は海軍式の敬礼を送る。
「では次に、今後の事についての話を行って行きます。議長」
「判った。皆さま、まず初めに今回の海賊との戦闘はお疲れ様でした」
伊吹は海賊艦隊と戦った者達にねぎらいの言葉を掛けた。
「我々、山本重工の面々は一度、戻る事が決定しました。ですが、信濃、晴風に関してはまだ、指示が来ていないと言う事で、どうするのかを説明してほしい」
伊吹の言葉の後に俊輔が挙手する。
「山城俊輔君」
「はい、我々北横須賀男女混合海洋学校所属艦“信濃”は、現在新たに行方不明となった航空母艦“飛鷹”“蒼龍”“赤城”の三隻の捜索に出る様に本校から命令を受け、承認しました。この会議終了の後、出航します」
俊輔はそう言うと席に座る。それと同時に明乃が挙手する。
「晴風は武蔵の捜索命令が解除になっていないので、このまま続行します」
伊吹は明乃の回答を聞き、一回頷くと席を立ちあがる。
「では、それぞれの行動をとる事になる‼ 全員、無事に出会えることを願っている‼」
《了解‼》
伊吹の言葉に全員が頷いたり敬礼をしたりしていたのであった。
誤字脱字、感想、指摘、質問等受け付けています‼ 感想は私には最高のご褒美になります‼
それと、アンケートを行います。詳細については自分の活動報告をご確認ください。