ハイスクール・フリート~海鳥の戦い~   作:武御雷参型

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完成したので投稿します。
眠い。


第二十六話~雪風との出会い2…そして校長たちの願い

俺が気を失っている時にな、一人の妖精と会った。それが試作戦闘機“雪風”のAIプログラムだった。

 

『私はあなたと出会う事が運命づけられていました。いえ、正確には必ずあなたと出会う事が約束されていた、言うべきですね』

 

「君は誰? ここは何処なの⁉」

 

俺は白い空間にポツンと一人でいる妖精に声を掛けた。まぁ、その妖精しかいなかったと言う事もあったんだけどな。

 

『私には名前と言うものがありません。ですが、パーソナルネームならあります』

 

「ぱーそなるねーむ? 何それ?」

 

『簡単に言えば、仮の名前と言う事です』

 

俺もまだガキだったからな。小難しい事には頭がついて行かなかったが、AIがな、判りやすい説明をしてくれてな、俺も判れた。

 

『ですから、あなたが決めて下さい』

 

「い、良いの?」

 

『はい』

 

「ならね………君の名前は○○だ」

 

『………ありがとうございます。いつか、またで…う………出来る……う……まで……かれ…す』

 

「えっ? なんて言ったの‼ ねぇ‼」

 

俺は最後の言葉が聞こえず、いつの間にか工廠の中で眠っていた。目が覚めるとよ、親父の顔が目の前にあってな。

 

「お父さん、どうしたの?」

 

「しゅ、俊輔‼」

 

俺が目が覚めた事を知るとな、力強く抱きしめられた。それからが大変だった。試作戦闘機は俺以外の人間が触っても動かなくなった。俺がコックピットに座るとな、自動でエンジンが動き出したんだ。

だから、試作戦闘機のパイロットは俺になったんだが、まだ小学生の俺には体力の消耗や精神的にも辛いだろうとなって、中学生のころになってやっと戦闘機の操縦技術を教えてもらえる事になった。

 

 

 

 

 

「まっ、これが雪風達の出会いだ」

 

《…………》

 

俊輔と雪風との出会いに誰もが何も言えなくなる。

 

「その後の事を話すとな、雪風は正式に俺の専用機として採用される事になり、雪風の量産機が山本重工の手によって白皇型航空母艦に搭載される事になった。まぁ、北横須賀男女混合海洋学校にも何機か置いているから、信濃が近代化改装した時に積み込まれる事になるだろうな………」

 

俊輔の目にはもう、悲しみの籠った様子は無かった。その代わり、嬉しそうな表情を見せる様になったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、横須賀海洋学校には一人の男性が訪れていた。

 

「久々ですね。宗谷校長?」

 

「ええ、本当に久しぶりですね。山城校長」

 

北横須賀男女混合海洋学校校長である、山城悠馬が訪れていたのであった。

 

「それで、どうしてこのような所に来ているのですか? 学校の方はよろしいのですか?」

 

「ええ、今は副校長に任せていますから………それで、私が来た理由ですが」

 

「判っています。今回の行方不明艦の事についてですね?」

 

「ああ」

 

悠馬が来た理由は行方不明艦の事であった。

 

「こちらの北横須賀男女混合海洋学校での不明艦は蒼龍、赤城、飛鷹の三隻だ」

 

「我々の方は、武蔵、比叡、摩耶、鳥海、五十鈴、名取、天津風、時津風、磯風、それからドイツから合同演習で航行していたアドミラル・グラーフ・シュペーの十隻です」

 

「フム………」

 

「どうかしたのですか?」

 

悠馬が唸り声を上げたので真雪は尋ねた。

 

「いや、こちらの教導艦である天城内部を捜索したところ、ネズミらしき生物が回収された。どうも、そいつが原因の様な気がするんだ………」

 

「それは言えていますね。先ほど、晴風乗員である鏑木美波さんからの報告書を見たら、あなたと同じ事が書かれていたわ」

 

そう言うと真雪は悠馬に書類を見せた。

 

「…………やはりか…ワクチンなどの開発は出来ているのか?」

 

「現在、急ピッチで作らせています。それと、山本重工でも製作が行われているらしいわ」

 

「そうか、元帥閣下の下でか………これは期待できるな」

 

「ええ、でも気になる事が」

 

「気になる事?」

 

悠馬の言葉に真雪は頷くと、封筒に機密情報と書かれた書類を悠馬に渡した。悠馬は受け取ると、封筒の中から何枚かの紙を取り出し、中身を確認する。

 

「ッ⁉ これは‼」

 

「どうも、海賊の動き方がおかしいのです。何かに憑りつかれたかのように近くにいる商船のみを攻撃するだけで強奪もしなかったそうなんです」

 

用紙の中身は海賊の被害情報であった。悠馬、真雪、山本重工にいる福本伊吹の三人は国家機密情報を扱う資格を得ていたので、有事の際には書類が簡単に見れる様になっていたのであった。

 

「だが、これだけの情報ではまだ、ネズミ擬きが関係しているとは言えない筈だが?」

 

「判っています。ですが、ここを見て下さい」

 

真雪はそう言うとクリップに止められている写真を指差した。

 

「………そう言う事か………」

 

悠馬は写真をじっくり見て紙を机に投げ置いた。

 

「これは波乱の予感がするな………」

 

「はい。既に山本重工には報せています。それと」

 

「判っている。俺達ももしもの事があれば何振り構わずやるしかないと言う事だろう?」

 

「……はい」

 

二人はそう言うと自分達の首に掛けられている鍵を見つめた。真雪が掛けている鍵は備前型戦艦が収容されているドックの鍵であり、悠馬の持っている鍵は北横須賀、横須賀、山本重工の三大結集によって建造された航空母艦が係留しているドックの鍵であった。

 

「これを使わない事を願うだけだな」

 

「はい」

 

二人はそう言うと、良く晴れた空を見上げるのであった。

 




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