遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム   作:とある遊戯王プレイヤー

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決闘者―真那華 ユウ ①

 デュエルモンスターズ

 

 わざわざ語るまでもないだろう。世界中で愛されプレイされているカードゲームである。

 

 人々はこのゲームをプレイする者を、畏敬の念を込めて決闘者(デュエリスト)と呼んだ。

 

 決闘者は、時にプロとしてエンターテイメントを人々に提供し、熱狂の渦へと巻き込む。

 一般人らも、最高の娯楽としてプレイしていた。

 

 時には武器の代わりにカードを持ち、重要な事柄を決闘の勝敗に委ねる者もいる。

 

 いずれにしてもただの遊びを越え、人々の生活の一部にまでなっているゲームなのだ。

 

 

 

 だが…そういった華々しさの裏には、常に影が付き纏う。

 

 それは闇、または裏デュエルなどと呼ばれるもので、その勝敗には多額の金やレアカード…決闘者の命が懸かった殺し合い紛いの試合も行われていたりするのが実態だ。

 

 この町の郊外に存在する、巨大地下デュエル場などは、そういったものの温床となっているのだ。

 

 

 

 

 

――地下デュエル場

 

 真那華(まなか) ユウは、そんな裏デュエルの場に突如として現れた新星のデュエリストであった。彼は圧倒的な強さで、試合を次々と勝ち抜いてゆく。

 

 そして次の試合で勝利すれば、豪華景品へと手が届く、という時だった。

 

「はぁ? お前さ、なに言ってんの?」

 

 ユウは、あからさまに不満の色を示しながら、相対する相手にそう吐き捨てた。

 

 その相手こそ、最後の対戦相手だった

 

「だからヨォ、次のデュエルは俺様に出来るだけ派手にやられろって言ってンだよ!」

 

 等と、大男はデカい声で言う。ようは八百長試合をしろと強要しているのだ。

 

「わざわざそんな事言う為に控え室に来たって? んでどうしてンな事する必要が?」

 

 ユウは臆する事なく、マーカー付きの大男に言い返した。

 

 マーカーとは顔に刻まれた刻印。警察(セキュリティ)の世話になった人間が刻まれる犯罪者の証であった。

 

 つまり、対戦相手の大男【NO・KING佐野】は脛に傷持つ人間という事になる。

 

「俺様とテメェは次で決勝な訳ダガ、悲しいコトに賭けオッズはテメェの方が低イ。みんなお前が勝つと予想シテルんダヨ!」

 

「ま、そうだろうよ」

 

「グヌヌ生意気ナ…だ、だったら、どっちの優勝が価値あるか、考えたら分かンだろ!」

 

「なぁるほどなるほど。確かに勝ちそうなオレよりゃあ、負けそうなアンタ様が勝ちゃあ盛り上がるってもんだし、テメェの出資者にも都合いいよなぁ」

 

 とはいえこの佐野という人間は、地下デュエル場に於いてはそれなりの力を持つ決闘者である。

 

 当然まあまあの有力者が、相応の出資をしているのだろうから…確実に勝てるならそうするだろうな、とユウはニラんだ。

 

「でもさぁ、それってお前は自分のデッキ信じてないって言ってるようなモンじゃね~の? んな心配しなくてもオレが手札事故でもすりゃあ、アンタでも勝てる見込みはあるって」

 

「うるセえチビが! 黙って言う通りにシろ! これ以上俺様をイラつかせない方が身のためダぞ!」

 

「じゃあ念の為訊くんだけどよ、オレが負けたら何かしてくれんの? 賞金何割かくれるとかよ」

 

 その言葉に、無言で睨み付ける佐野。

 

(……対価さえなし、か。どうもコイツの独断くさいな…なら)

 

 と、ユウはデュエルを行う為の道具…腕に装着されたデュエルディスクを前面に押し出し、構えた。

 

「はぁ…あのよぉ、オレも十分イラついてるワケ。くだらねえ御託並べる暇あったらさっさとデュエルステージに上がって、踏み台になってくれよなぁ!」

 

「グッ……フフふ、つ、つまりテメーは俺様の為に負けてくれない訳ダな! よぉ~し、ならこの場で不戦敗にしてヤるゼ!」

 

「やれるもんならやってみなァ!!」

 

 とユウはデュエルディスクを起動させ、デュエルモードにした。

 

 ディスクがけたたましく唸り、左右へとカードを設置するゾーンが展開される。

 

 佐野のディスクもまた、デュエルモードに移行。互いに構え、宣言した。

 

「「デュエル!!」」

 

 ユウ LP(ライフポイント)4000

 佐野 LP4000

 

 最初に、両プレイヤーはデッキから5枚のカードを引き、それを手札とする。

 

 この5枚の手札は剣であり盾であった。

 

「俺様の先攻で行クぞ! 手札から【ゴブリン突撃部隊】を攻撃表示で召喚ダ!」

 

 デュエルディスクの、モンスターゾーンにセットされるカード。

 

 すると、ディスクの機能であるソリッドビジョン・システムにより、佐野の前には棍棒等の凶器を持ったガラの悪いゴブリン集団の映像が現れた。

 

 まるでその場に本当にモンスターが存在するかのようだった。

 

 ゴブリンらは下卑た薄笑いを浮かべると、棍棒を打ちならし、ユウを威嚇する。

 

【レベル4、地属性、戦士族、ATK2300】

 

 とゴブリンの下に表示される。これが、そのモンスターのステータスだ。

 

 コイツは下級モンスターにしては、2300と最高峰の攻撃力を誇っている。

 

「更にカードを1枚伏セ、ターンエンド!」

 

 佐野のディスクに、モンスターゾーンとは別の、魔法・罠ゾーンと呼ばれる場所へと、裏側向きのカードがセットされた。

 

 あれは果たしてモンスターを補助する魔法カードか、はたまた相手の妨害を行う罠カードか。それは表向きにならねば分からない。

 

 「んじゃ、オレのターンだな。ドロー」

 

 後攻のユウはデッキからカードを1枚引き、手札に加えた。

 

「ところでオッサン、このデュエルで負けたらお前はどーしてくれんだ? 決勝を辞退でもしてくれんのかぁ?」

 

「ン? な、ナンデ俺様ガ!?」

 

(チッ、テメェはノーリスクのつもりかよ……ま、いいか、さてフィールドには攻撃力だけのゴブリンと伏せが1枚。警戒すんのは魔法・罠ゾーンの伏せカードくらいだなぁ)

 

「じゃ、取り敢えずオレは魔法カード【サイクロン】を発動。コイツはフィールドの魔法・罠1枚を破壊出来る。お前の伏せカード破壊させてもらうぜ」

 

 サイクロンを発動した直後、佐野の顔が明らかに険しくなった。

 

 それもその筈で、伏せカードは永続罠カード【スキルドレイン】フィールド上のモンスターの効果を全て、永続的に無効化するという強力無比なカードだ。

 

 一筋の竜巻が、伏せカードを墓地に運ぶ。

 

「あらら~危ねえ危ねえ、ツイてんなぁ」

 

「チィッ! 運の良い野郎ダ!!」

 

(しかしスキルドレインか…あんなレアカードを持ってやがるとは、油断ならんな)

 

「そんじゃ行くぜ? オレは手札から【SS(シャイニーソルジャー)ミッドソードナイト】を召喚っと!」

 

 ユウの側のモンスターゾーンにカードがセットされると同時に、彼の前には青衣の若い剣士が現れ、雄叫びをあげた。

 

(……見た事ネぇカードだな)

 

 未知のモンスターを警戒する佐野であったが【レベル4、光属性、戦士族、ATK1450】と、ステータスが表示されるや顔が緩んだ。

 

 分かりやすいリアクションどうも。ハッキリ言ってカードゲームに向いてないなコイツ、とユウは思いつつ宣言する。

 

「ミッドソードナイトのモンスター効果を使うぜ。コイツの召喚に成功した時、手札の魔法使い族SSモンスター1体を特殊召喚出来る。つー訳で、【SSヒールマジシャン】を特殊召喚っと!」

 

 すると青衣の剣士の背後から、今度は赤衣の若い女魔術師が現れた。

 

 【レベル4、光属性、魔法使い族、DEF2000】

 

 守備表示で特殊召喚された為、守備力が表示されている。

 

「更にヒールマジシャンは、SSモンスターの効果で特殊召喚された場合、デッキから爬虫類族のSSモンスター1体を手札に加えられるぜ。だからオレは~……【SSリザードマン】を加える」

 

 佐野に【SSリザードマン】のモンスターカードを見せると、手札に加える。

 

「ちなみにミッドソードナイトは自分以外のSSモンスターがフィールド上に居る時、攻撃力・守備力が500ポイントアップするぜ」

 

 ミッドソードナイト ATK1450 → 1950

 

「はン! そんなモンスターをいくら並べようガ、俺様の突撃部隊を倒すには足ラんわ!」

 

 佐野のゴブリン突撃部隊の攻撃力は2300。彼が言う様に、ミッドソードナイトの攻撃力では届かない。

 

「続けてヒールマジシャンの効果だ。自分以外のSSモンスターがフィールドに居る時、カードを1枚ドロー出来る。ドロー。で魔法・罠ゾーンにカードを2枚伏せて、バトル無しでターンエンドな」

 

「む、無視してンじゃネェぞ! 俺様のターン、ドロー! ぐ、フフ仕返しだ、俺様も魔法カード【サイクロン】発動! テメェの伏せカードの……右側を破壊ダ!」

 

「あのさ、それオレから見て右?」

 

「俺様からに決マってるだろうが!」

 

 先程の再現か、一筋の竜巻がユウの伏せカードを墓地に運ぶ。

 

 破壊されたのは罠カード【SSバリア】

 

 自分フィールドにSSモンスターが居る時、相手モンスターの攻撃を無効にするカードだった。

 

「よシよし、いいカードを破壊しタぞ! どうだ悔しイかぁぁ!」

 

「別に? それにオレの場にはもう1枚伏せカードが有るぞ~? こっちのがキョーレツな罠だったりしてなぁ?」

 

「グッ、こ、こけおどしは効かンぞ! 続けて俺様は【不屈闘志レイレイ】を召喚ン!!」

 

 【レベル4、地属性、獣戦士族、ATK2300】

 

(これまた脳筋アタッカーか…スキルドレインありきの構成って感じだが…)

 

「魔法カード【簡素融合】を発動ォ!! 1000ライフポイントを払い、エクストラデッキから効果を持たない融合モンスターを特殊召喚スル!! コォい、紅陽鳥!!」

 

【融合モンスター レベル6、炎属性、鳥獣族、ATK2300】

 

  佐野 LP4000 → 3000

 

(このターン攻撃出来ない融合モンスター? まさか…)

 

「クックック…チビがァ! 俺様の切り札で、このターンで終わらセテやる! 俺様はゴブリン突撃部隊、不屈闘志レイレイ、紅陽鳥の3体をリリースすル!!」

 

 




【SS(シャイニーソルジャー)ミッドソードナイト】

 レベル4、光属性、戦士族、効果モンスター

 ATK1450 DEF1350

 このカード名の①、②の効果はいずれも1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが召喚に成功した時、手札から魔法使い族「SS」モンスター1体を特殊召喚できる。②:このカードが「SS」と名のついたカードの効果によって特殊召喚された場合、デッキから岩石族「SS」モンスター1体を手札に加えることができる。③:自分フィールドにこのカード以外の「SS」モンスターが存在する場合、このカードの攻撃力を500ポイントアップする。



 SSデッキの切り込み隊長的な立場を担うモンスター。主に魔法使い族SSモンスターのヒールマジシャンとセット運用される
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