遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム   作:とある遊戯王プレイヤー

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ワンターンキル ①

――「私のターン!」

 

 アミ LP4000

 ラッカー LP4000

 

「メインフェイズ、私は手札から【月光蒼猫(ブルーキャット)】を通常召喚するわ」

 

【レベル4、効果モンスター、闇属性、獣戦士族、ATK1600】と表示。

 

「更に手札から【月光紫蝶(パープルバタフライ)】を捨てて効果発動! フィールドの月光蒼猫の攻撃力はターン終了まで1000ポイントアップする」

 

 蒼猫 ATK1600 → 2600

 

「おやおやぁ〜? 先攻のプレイヤーは攻撃出来ないから、攻撃力を上げても意味無いんじゃな〜い?」

 

 痩せこけた男、ラッカーの挑発じみた言葉も意に介さず、アミは続ける。

 

「墓地の紫蝶を除外して効果発動! 手札から月光モンスターを1体、特殊召喚出来る…【月光翠鳥(エメラルドバード)】を特殊召喚」

 

【レベル4、効果モンスター、闇属性、獣戦士族、ATK1200】と表示。

 

「私はレベル4の翠鳥と青猫の2体のモンスターでオーバーレイ! エクシーズ召喚! 現れろランク4【武神帝―カグツチ】を守備表示で特殊召喚!!」

 

【ランク4、光属性、獣戦士族、DEF2000】と表示。

 

「更にカグツチの効果により、エクシーズ召喚に成功した時、デッキの上から5枚のカードを墓地に送るわ」

 

 墓地に送られたのは【おろかな埋葬】【月光黒羊】【炎舞―天キ】【月光黄鼬】【月の書】の5枚だ。

 

「よし、月光黄鼬の効果により、デッキから【月光融合】を手札に加えるわ」

 

「ふぅぅ―ん、ってことは君も融合使うんだ〜僕と同じだねぇぇ〜」

 

「あら…【も】って事は、貴方も融合を使うのね? わざわざ情報をありがとう」

 

「どういたしましてぇ〜」

 

『アミ、こんな気持ち悪いヤツはとっとと倒してやろうぜ!』

 

 ライオの言葉に同感、と頷き、魔法・罠ゾーンに1枚カードを伏せる。

 

「私はこれでターンエンドよ」

 

 アミは、先攻ターンをそうして終えた。

 続いては痩せこけた男、ラッカーのターンだ。

 

「それじゃあ僕のタ~ン、ドロー」

 

 引いたカードを確認したラッカーは、いやらしい笑みを浮かべ、こう言った。

 

「ねぇ~君、僕の得意な戦術知ってるぅ~?」

 

「知っていたら苦労はしないわね」

 

「ふひひひひ特別に教えちゃお~。それはねぇ、ワンターンキル、一撃必殺戦術さぁ~!」

 

 ワンターンキル。

 自分のターン内に、相手の満タンのライフポイントを削り切り、文字通り1ターンで相手を抹殺するものである。

 

「自らの戦術を晒すのって、余程バカのやることか、もしくはブラフなのだけど…貴方のはどっちかしら?」

 

「どっちでも無く有言実行さぁ~!! 僕は魔法カード【ダーク・フュージョン】を発動~! 手札、フィールドから融合素材を墓地に送り、エクストラデッキから悪魔族融合モンスターを融合召喚扱いで特殊召喚~!」

 

「へぇ…」

 

「素材はぁ~手札の【E―HERO(イービルヒーロー)シニスター・ネクロム】とぉぉ、【E―HEROヘル・ゲイナー】!! 出でよ~【E―HEROマリシャスベイン】ンン~!!」

 

 敵のフィールドに降臨したのは、禍々しき凶悪長爪を持つ、暗黒の鎧を纏った人型モンスターである。

 

 【レベル8、融合モンスター、闇属性、悪魔族、ATK3000】とのステータス表示。

 

「マリシャスベインは戦闘、効果で破壊されないモンスターさ! 更に、ダークフュージョンで特殊召喚されたターンは対象にも取れないよぉ! 君の墓地に落ちた月の書みたいなカードとかも、効かないんだぁ〜」

 

「そう。少し厄介ね」

 

「更にマリシャスベインの効果発動ぉぉ〜!! 自身の攻撃力以下の攻撃力の相手モンスターを全て破壊するよォォ〜!!」

 

 マリシャスベインの攻撃力は3000。

 対するカグツチの攻撃力は2500であり、効果破壊の対象である。

 

 しかし…

 

「カグツチの効果。自分フィールドの武神、獣戦士族が戦闘、効果で破壊される場合、このカードのエクシーズ素材を取り除き、破壊を免れるわ」

 

 エクシーズ素材の蒼猫を取り除き、カグツチは破壊されず、フィールドに残る。

 

「ああ〜なるほどなるほど! エクシーズ素材はあと一つ。つまりあと一回は破壊を耐えちゃうんだねェ〜これはもっとサービスしてあげないとォ!!」

 

(ふむ…彼、これ程のレアカードを所持しているなら、気が強くなってもしかたないか)

 

「墓地のシニスター・ネクロムを除外して効果発動ォォ! デッキから【E―HEROヘル・ライダー】を特殊召喚するよぉ! ヘル・ライダーの効果発動! 墓地のダークフュージョンを再び手札に加えるよ」

 

「……」

 

「更にダークフュージョンを発動ォ! 素材はフィールドのヘル・ライダーと、手札の【D・HERO(デスティニー・ヒーロー)ディアボリックガイ】…出でよ【E―HEROダーク・ナイト】ォォ!」

 

【レベル8、融合モンスター、地属性、悪魔族、ATK1600】とのステータス表示。

 

 そしてこのダーク・ナイトが降臨した瞬間、カグツチの攻撃力は、0となった。

 

「……モンスター弱体化まで持っているのね」

 

「うん。ダーク・ナイトは融合素材となったモンスター2体の攻撃力を合計した数値だけ、相手モンスター全ての攻撃力をダウンさせる…ヘル・ライダーとディアボリックガイの攻撃力の合計は2900だからぁ〜君のモンスターはぜぇんぶ、2900程攻撃力が下がっちゃうねぇ!」

 

(全てのモンスターに及ぶ攻撃力ダウンか…戦闘メインのデッキには辛い効果ね)

 

「でもねぇ~、万が一があっちゃあイケないなぁ~……よぉ~し、僕は更に、魔法カード【ダーク・コーリング】を発動~! 墓地から融合素材を除外し、ダークフュージョンで呼び出せるモンスターを特殊召喚するぅぅ! 墓地のヘル・ライダーとぉヘル・ゲイナーを除外ぃぃ~! 2体目の【E―HEROマリシャスベイン】を特殊召喚ンン!!」

 

『げげっ、あのトゲトゲ野郎が2体も並びやがった!』

 

 ライオが言うのも無理はない。

 ATK3000の大型モンスターが2体、ついでに弱体化効果を持ったモンスターが1体、僅か1ターンで並んでしまったのだから。

 

(さぁぁ〜て…マリシャスベイン2体の攻撃でカグツチを破壊し、ダーク・ナイトの2回攻撃効果でダイレクトアタックすれば、女のライフは残り800だねぇ)

 

 ラッカーは思案する。

 自分が宣言したのはワンターンキルだ…アミのライフは削り切らなければならない。

 

(ディアボリックガイを墓地から除外すれば、デッキからディアボリックガイを特殊召喚出来る訳でぇ〜攻撃力は800。攻撃が通れば、ワンターンキルだねェ…だけど…)

 

 リスクがある。

 攻撃力僅か800のモンスターを攻撃表示で置くリスクが。

 

 ダーク・ナイトで、相手モンスターは全て2900も攻撃力を下げられる状況だ。

 だが…アミは月光融合を手札に加えている事実が、ラッカーの決断を鈍らせている。

 

(伏せカードもあるしさ…もし、それが裏目になって逆転されたら面白くないなぁ~)

 

「あら? 口数が随分と減ったわね?」

 

「ふひひひひ、まあ、待っててよぉ〜君をどう料理してやるか悩んでるのさぁ〜」

 

「そう。やっぱり私を倒し切るのは難しい様ね」

 

「……決めたよォ〜、僕は墓地のディアボリックガイを除外してェ〜、デッキからディアボリックガイを特殊召喚する!」

 

【レベル6、闇属性、戦士族、ATK800】と表示。

 

「バトルだぁ~! マリシャスベインでカグツチを攻撃ィ!!」

 

 マリシャスベインの爪が、カグツチを切り裂く。

 

「カグツチの効果、オーバーレイ素材の月光翠鳥を取り除き、破壊を耐えるわ」

 

「ふひひひひ! じゃあ続いてェ――」

 

「待ちなさい。効果で墓地に送られた月光翠鳥の効果を発動するわ! 墓地の月光蒼猫を守備表示で特殊召喚よ」

 

 月光蒼猫【DEF1200】と表示。

 

「な、なんだって?」

 

「フフ、カグツチはエクシーズ素材をコストではなく効果によって取り除く…だから翠鳥の効果を起動出来るのよ」

 

「ぐっ…だ、だけどォ、2体目のマリシャスベインでカグツチを攻撃!」

 

 今度こそ、鋭爪に貫かれたカグツチが破壊される。

 

「ダーク・ナイトで月光蒼猫に攻撃!」

 

「蒼猫は戦闘により破壊されるわ。そして蒼猫の効果を発動! このカードが破壊された場合、デッキから月光モンスターを特殊召喚する…現れて、2体目の月光蒼猫」

 

 月光蒼猫【DEF1200】

 

「ああ〜もうっ!! ダーク・ナイトは2回攻撃が出来る! 月光蒼猫を攻撃!」

 

「戦闘破壊された蒼猫の効果により、デッキから【月光黄鼬】を特殊召喚」

 

 月光黄鼬【DEF2000】

 

「うぅ…仕方ないなぁ〜バトルを終了して、魔法・罠ゾーンにカードを1枚セットしてターンエンドだよ」

 

「では私のターン、ドロー!」

 

 アミはデッキから1枚カードを引くなり、こう言った。

 

「ラッカーさん、私の得意戦術、何だか分かるかしら?」

 

「ナニナニ、意趣返しのつもりぃ〜? カンジ悪いなぁ〜」

 

「実は、ワンターンキルなの…貴方に次のターンは無いわ」





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