遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム   作:とある遊戯王プレイヤー

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降臨! 黒血龍アクシスクドラゴン

ユウとオガタのデュエルが始まったのを確認した少女は呟いた。

 

『オガタさん、ギリギリでしたね……よかった。これで当分は大丈夫……』

 

 プレイヤーキラーの少女は今、この辺りで最も背の高い大樹のてっぺんに立っている。

 変わらない表情とは裏腹に、言葉には確かに安堵の色があった。

 

『では次の違反者は……あっちですか……』

 

 そう言い、彼女は護符の様なものを取り出すと、宙に掲げた。

 すると護符から、半透明な名状しがたい生き物が現れ、少女の周りを飛び回った。

 

『次はあの方角……またお願い』

 

 少女は、その生き物に跨がり指示を出すと、半透明の生物は、示した方向へと飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 ――ユウ LP4000

 

 オガタLP1900

 

 互いの場にモンスターは居ない。

 ユウにしてみれば、ライフポイントでは勝るものの状況は悪い。

 

 ウィルスカードによって戦線が崩壊してしまった。

 そして今、召喚したゴーレムも相討ちに近い形で処理されてしまう。

 

「…オレはカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 これでようやくオガタの手札は1枚。

 問題はあのカードがなんなのか、だ。

 

「っしゃあ、ツイてるぜ! 俺は【魔界発現世行きデスガイド】を召喚する!」

 

【レベル3、闇属性、悪魔族、ATK1000】と表示。

 暗黒色のバスと共に、赤髪のガイドが現れる。こちらがモンスターの本体なのだろう。

 

「アイツは確か…」

 

「デスガイドの効果発動! 召喚に成功した時、デッキから悪魔族、レベル3のモンスターを特殊召喚する! 俺が呼ぶのは【魔サイの戦士】だ!」

 

 そしてバスから降りて来たのは、サイの様な悪魔、魔サイの戦士。

 

【レベル3、地属性、悪魔族、ATK1400】と表示。

 

「俺はレベル3デスガイドと、魔サイでエクシーズ召喚、現れろランク3【No.48 シャドー・リッチ】」

 

 大鎌を携える死神然としたモンスターが出現。

【ランク3、闇属性、アンデット族、ATK1800】と表示。

 

「バトル! シャドー・リッチでダイレクトアタックだ!」

 

「ちぃっ……」

 

 ユウ LP4000 - 1800 = 2200

 

「俺はこれでターンエンド!」

 

「オレのターン、ドロー!」

 

 手札に来たカードを確認。

 

「よし、オレは手札から【SS・ストームメイカー】を召喚する! 召喚時効果は使わない」

 

【レベル4、風属性、鳥獣族、ATK1900】と表示。

 

「その瞬間にシャドー・リッチの効果発動! シャドー・リッチは相手のターンにXエクシーズ素材を1つ取り除くことで、自分フィールドに「幻影トークン」を特殊召喚する! 出て来い幻影トークン」

 

【幻影トークン、レベル1、闇属性、悪魔族、DEF500】と表示。

 

「幻影トークンが居る限り、お前はシャドー・リッチを攻撃できない  しかも、トークン1体につき、シャドー・リッチの攻撃力は500ポイントアップ!」

 

 シャドー・リッチATK1800 → 2300

 

「ついでにだ、エクシーズ素材として墓地に送られた魔サイの戦士の効果で、デッキから【トリック・デーモン】を墓地に送る。そしたら効果で墓地に送られたトリック・デーモンの効果で、デッキからデーモンカード1枚を手札に加える」

 

(モンスターサーチまでしやがるか…)

 

「俺はエキセントリック・デーモンを手札に加えておくぞ」

 

「チッ、ならストームメイカーで、幻影トークンに攻撃! その後カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

「俺のターン、ドロー! まず俺は手札から【エキセントリック・デーモン】をペンデュラムゾーンにセットして、ペンデュラム効果を発動するぞ! このカードとお前の伏せカードを破壊する」

 

「……SSバリアは破壊させるぜ」

 

「よし、更に手札から【幻殻竜(げんかくりゅう)】を召喚!」

 

【レベル4、闇属性、幻竜族、ATK2000】と表示。

 効果を持たない通常モンスターとはいえ、攻撃力2000は脅威そのものだ。

 

「このタイミングで、ストームメイカーを上回るモンスターかよ!」

 

「神様は俺に味方してる様だなぁ! バトル、幻殻竜でストームメイカーを攻撃!」

 

 幻殻竜ATK2000 - ATK1900 = 100

 

 ユウ LP2200 - 100 = 2100

 

「シャドー・リッチでダイレクトアタックだ!」

 

 シャドー・リッチ ATK1800

 

 ユウLP2100 - 1800 = 300

 

「ぐふっ……クソが!」

 

「俺はターンエンドだ。ふぅ…何とか間に合いそうだ!」

 

「オレのターン! ドロー!」

 

 引いたカードは【SSリクルート】だった。

 あちらの引きは確かに強い。だが、こちらも負けてはいなかった。

 

(よっしゃ、勝ったァ! やべぇ、今すっげー煽りてぇー!)

 

 だがユウは、カードの精霊達の言葉を思い出す。

 

(チッ、分かってるよ。ちったぁ控えるさ)

 

「なぁオガタさんさぁ……アンタ、さっきから何を慌ててんだ? 気になって集中出来なくてよぉ。ちょいと教えてくんねーかなぁ?」

 

「時間を稼ぐな! さっさとプレイしろ、俺には時間がねえんだ!」

 

「へぇへぇ。じゃあお望み通りさっさと終わらせてやるぜ……テメェを地獄に落としてなぁぁ! 手札から魔法カード【SSリクルート】を発動! 墓地に存在するSSモンスター1体を特殊召喚する。【SSRセイント・パラディン】を選択!」

 

「だったらこの瞬間、シャドー・リッチの効果発動! X素材を1つ取り除き、幻影トークンを召喚する!」

 

 オガタのフィールドに再び幻影トークンが守備表示出現。

 これでシャドー・リッチは攻撃対象にできず、攻撃力を上げる。

 

「更に、たった今墓地に落ちたSSリクルートを除外して効果発動。デッキのレベル4以下の「SS」モンスター1体を手札に加える。【SSミディエイト・サイキッカー】を選択」

 

(どんな手を使おうが、シャドー・リッチは攻撃できねぇ。幻殻竜も攻撃力は2000、大したダメージにはならんさ)

 

「手札から【SSミディエイト・サイキッカー】を召喚。召喚時効果は使わない」

 

【レベル4、光属性、サイキック族、ATK800】と表示。

 

「ふぅ…何だよ攻撃力800の弱小モンスターじゃないか」

 

「ククク……サイキッカーの効果、何だと思う? 簡単だよ、このカード以外のSSモンスターが存在する場合、相手モンスター1体の攻撃力と守備力を入れ替えちまうんだなぁ!」

 

「なにっ!? 攻撃と守備を入れ替え!?」

 

 オガタが真っ先に対象に思い浮かべたのは、幻殻竜だった。

 幻殻竜は、その高い攻撃力に反して守備力0の脳筋仕様モンスターである。

 

 もしサイキッカーの効果を使われたら、攻撃力0の状態で、攻撃表示のままフィールドに居ることになってしまう。

 

(ふざけんな、そうなると大ダメージだ! 他に何か…何かある筈だろ!! おっ?)

 

「んじゃあオレはサイキッカーの効果を――」

 

「待ちな、そうはいくかよ! 墓地の【スキル・プリズナー】を除外して、幻殻竜を選択! こいつの効果により、このターン幻殻竜を対象に発動したモンスター効果を無効にする!」

 

 これではサイキッカーの効果は、幻殻竜に対して意味を成さなくなった。

 

(そうか。ツイン・ツイスターの時にコストで捨ててやがったのか)

 

「やっぱ俺はツイてる! さあ、どうすんだ? ターンエンドか!?」

 

「いいやぁ……なら、こうするまでだ。リバースカード、SSストラテジーを発動! そして手札の【SSホワイト・スネーク】の効果により、ストラテジーを墓地に送り特殊召喚する!」

 

【レベル2、チューナー、光属性、爬虫類族、ATK800】と表示。

 白の鱗を持つ、ごく普通の蛇モンスターだ。

 

「チューナーだと……まさか!?」

 

「レベル2、ホワイトスネークと、レベル4、サイキッカーでシンクロ召喚、出でよレベル6【SSIホワイト・ラミア】!」

 

【レベル6、シンクロ、光属性、爬虫類族、ATK2400】と表示。

 

(チッ、だが、2体ならシャドー・リッチか幻殻竜が生き残れる。まだチャンスは……)

 

「終わらせるって言ったろうが! フィールドのSSシンクロモンスターと、SSエクシーズモンスターを墓地へと送り、オレはこいつを融合召喚する!」

 

 セイントパラディンとホワイト・ラミアは互いに光の玉となって飛び去る。

 やがて、セイントパラディンの変化した漆黒の玉が、ホワイト・ラミアの変じる純白の玉にぶつかり、弾けた…!

 

 生まれる暗黒の渦。ブラックホールの如きその渦中より降臨したのは、一匹のドラゴンだった。

 

「苛烈なる光を超え、闇を纏いて現世に降り立つ龍よ、全てを喰らい無に還せ!! 現れろ【SsD(シャドウサーバント・デストロイ)黒血龍アクシスク・ドラゴン】!」

 

【レベル8、融合、闇属性、ドラゴン族、ATK3000】と表示。

 

「な、なんだ…このモンスター…」

 

「さぁ、コイツを前に、テメェのツイてるってのを見せて貰おうか…バトル! アクシスクドラゴンは、全ての相手モンスターに一回ずつ攻撃できる!」

 

「ちぃっ、ってことは俺のモンスターは全滅…」

 

「んな必要はねぇ! アクシスクドラゴンは、守備力を攻撃力が上回った時に貫通ダメージを与える効果を持つ! トークンの守備力は500、つまり差分の2500ダメージが通るぜ!!」

 

 アクシスクドラゴンが、世界をも震わす咆哮を放つと、両翼に濃密な闇のオーラを帯びた。

 それは、羽ばたきにより無数のつぶてとなって放たれ、相手フィールドの全体に降り注ぐ。

 

「アクシスクドラゴンで攻撃!」

 

 闇のつぶてに見境は無かった。

 ターゲットとした幻影トークンのみならず、幻殻竜を、シャドー・リッチをも消し飛ばし、一面を焦土と変えてしまったのだ。

 

「ぐあああああああああ!!」

 

 オガタLP1900 → 0

 

 オガタのライフは尽き果て、攻撃の衝撃で吹き飛んだ。

 同時に、デュエルディスクはスリープモードとなる。

 

「ひっ、で、電流がっ! し、死ぬーー!」

 

「なぁに言ってんだオメーは。デュエルアンカー使ってないから、そうはならねえんだよ」

 

「えっ、は、あっ?」

 

 オガタが自身のディスクを見れば、奇妙な駆動音や明滅が止み、ユウのと同じくスリープモードとなっている。

 

「な、だって、時間が…」

 

「おいアミー! そっちは無事かー?」

 

「ええ。今終わったわ」

 

 そう言い、振り返ったアミの背後では、複数体のデュエルゾンビが倒れていた。

 

(おいおい…なんだよコイツら…)

 

 オガタがそう思うのも無理からぬ話だった。




 【SsD黒血龍(シャドウサーバント・デストロイこっけつりゅう)アクシスク・ドラゴン】
 レベル8、闇属性、ドラゴン族、融合、効果モンスター
 「Ss」または「SS」シンクロモンスター+「Ss」または「SS」エクシーズモンスター
 ATK3000 DEF2500

 このカードは、融合召喚及び上記のモンスターをフィールドから墓地に送った場合のみ特殊召喚できる。このカードは「SS(シャイニーソルジャー)」カードとしても扱う。①:このカードの特殊召喚は無効にされない。②:このカードは相手フィールド上の全てのモンスターに一回ずつ攻撃できる。またこのカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。③:このカードがフィールドを離れた場合、デッキから「Ss」または「SS」カード1枚を手札に加える。

 
 シャドウサーバント名称であるが、シャイニーソルジャーとしても扱うモンスター。召喚条件は重いが、1度フィールドに出てしまえば、状況次第でワンショットキルも可能。ただし、耐性は召喚時にしかないので注意。
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