遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム   作:とある遊戯王プレイヤー

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終焉へのカウントダウン ①

「ひぃ、ひぃ、お、終わったか……」

 

 炸裂装甲をガチャガチャと鳴らし、オガタは持ち上がらない足を引き摺りながら言った。

 傍らには、蝶の短剣をピッと振って血を弾くアミの姿。スパークガンはエネルギー切れの様だ。

 

「ったく、何だったんだ連中はよぉ! ゾンビ共とは明らかに違ったみてぇだし」

 

「へっ? 違ったか? 俺にゃあさっぱりだったぞ」

 

「さては、あんまり連中と戦ったことないわねオジサマ?」

 

「うっ……あ、い、いや、実は分かってたぞ。あんなに……ホラ、あれじゃないからな、ゾンビは」

 

 等と戦いを終えた一同が、一息をつこうかと緊張を緩めた時だった。

 憤怒に身を染めた者が天から地上に降り立ったのは。

 

 漆黒の衣服に赤い目を光らせた少年は、地面に足を着くなり拘束用デュエルアンカーを放った。

 

「っ!?」

 

『捕まえたぁ! まずはお前からだ!』

 

 アンカーに捕まったのはユウだった。これにより、サバイバルデュエルの設定が成される。

 敗北した側のディスクから電流が流れてしまう状態となってしまったのだ。

 

『僕はプレイヤーキラー、ライズベルト。よくも僕のショータイムを台無しにしてくれたね?』

 

「プレイヤーキラーだと? なぁるほど、テメェがオッサンの言ってたヤツか」

 

「いや、俺が見たのはコイツじゃないんだが…ともかく気を付けろユウ! 俺の戦ったヤツは相手の妨害戦術を得意としてたし、コイツも多分そうだぞ!」

 

 なんの為にもならないアドバイスを受けたユウだったが、即座に目をギラつかせ、言った。

 

「へっ、どんな相手だろうが勝ちゃあいいんだろぉ! 来いよガキ、遊んでやるぜ?」

 

『アハハハ…いいねぇ君。その威勢がいつまで保つか楽しみだよ』

 

「『デュエル!!』」

 

 5枚の手札を得て、デュエルディスクが先行後攻を自動決定する。

 先行は、ライズベルトの側だった。

 

『それじゃあ、僕のターンだね。フフフ、僕は魔法カード【終焉のカウントダウン】を発動するよ!』

 

「へぇ…いい度胸じゃねえか」

 

 ユウがこう言ったのも無理はない。終焉のカウントダウンは2000ものライフポイントを払い、発動するカードである。

 

 ライズベルト LP4000 → 2000

 

 そしてその効果は、発動から20ターン後に、デュエルに勝利するというもの。

 つまりライズベルトは、ユウの攻撃効果を20ターンもの間、凌げると宣言しているのも同然なのだ。

 

『アハハ、このカードはあくまでも、保険の一つさ。それに僕だって、20ターンも硬直状態を続けるなんて塩デュエルはしないよ! 魔法カード【加速する終末時計】を発動!』

 

【加速する終末時計】通常魔法カード

①:終焉のカウントダウンの効果が適用されている場合のメインフェイズ1にこのカードは発動できる。このカード名の効果は1ターンに1度しか適用出来ない。このカードを発動するターン、相手に発生するダメージを全て0にする。終焉のカウントダウンのターンカウントを4ターンまで進めることができる

②:墓地のこのカードを除外し発動する。デッキから加速する終末時計1枚を選びデッキの一番上に置く

 

 その瞬間、ライズベルトのフィールドに松明の様な灯りが4つ灯った。

 この灯りが20になった時、ユウは敗北するのだ。

 

「な、なんだあのカード!?」

 

 オガタが驚愕の表情で言った。

 

「見たことのないカードだけれど…マズいわね」

 

「なるほどなぁ! だったら、とっととテメェを倒しゃいい話じゃねぇか」

 

『更に僕は墓地の加速する終末時計の効果により、このカードを除外し、デッキトップに2枚目の終末時計を置く…そして魔法カード【一時休戦】を発動。互いに1枚カードをドロー。更に次の君のターン終了まで、僕らはいかなるダメージも受けないよ。さ、僕はターンエンドだ』

 

 この効果により、ライブベルトは再び終末時計のカードを手にした。

 つまり次のターンには、カウントダウンを再び4ターン分進められてしまうのだ。

 

 そしてターン終了時に、灯りがまた一つ灯る。

 

『フフフ、あと15ターンだよ?』

 

「へっ! 下らねぇ時間稼ぎがいつまで続くかねぇ! オレのターン、ドロー!」

 

(さて、と。このターンにダメージは与えられねぇ。ならやるこたぁ一つだな)

 

「オレは手札の【SSキューブストーンゴーレム】を召喚!」

 

 

 地面を砕き、現れる岩石の寄り集まったかの様な戦士。

【レベル4、光属性、岩石族、ATK1800】と表示。

 

「ゴーレムの効果だ、召喚に成功したとき手札の爬虫類族SSモンスターを特殊召喚出来る。【SSリザードマン】を特殊召喚すっぞ!」

 

 更に手札から出現したのは、半蛇人間とも言うべきモンスター、リザードマン。

【レベル4、光属性、爬虫類族、ATK1600】と表示。

 

「リザードマンの効果発動! SS効果で特殊召喚に成功した時、デッキからSS鳥獣族モンスターを手札に加える。【SSストームメイカー】を手札に。カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」

 

 その瞬間、ライズベルトのフィールドに7つ目の松明の様な灯りが灯る。

 

『あと14ターンだね』

 

「そんだけありゃあな、テメェを何度も始末出来るんだよ!」

 

『フフ、じゃあ君の気持ちをへし折ってあげるよ。ドロー。僕は魔法カード【吸魔の旋風(アブソーブ・サイクロン)】を発動。君の伏せカードを1枚破壊させて貰おう』

 

【吸魔の旋風】通常魔法

①:相手フィールドに存在する魔法・罠カード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。破壊したカードが魔法カードだった場合、自分は1枚ドローする

 

「チッ…2枚あるがどっちを破壊すんだ?」

 

『そうだなぁ……』

 

 しかしこの時、ライズベルトのデュエルディスクには、ユウの裏向きの伏せカードが、表向きで表示されていたのだ。

 

(彼の伏せカードは【禁じられた聖杯】と【SSサモンリピート】……じゃ、あっちを破壊しておこうか)

 

 無論、これは明確なルール違反だった。

 だが、一体誰が秩序側であるプレイヤーキラーを咎めることが出来ようか。

 少なくとも、この場にある者達には、それが出来ない。

 

『じゃあ僕は左のカードを破壊しようか』

 

 そう宣言すると、ユウの伏せカードが狙撃によって破壊される。

 禁じられた聖杯だった。ライズベルトの狙いの通りである。

 

『ラッキー、破壊したカードが魔法カードであった為、1枚ドローするよ。更に、永続魔法【魂吸収】を発動…ねぇそこのお姉さん、このカードって何だか知ってるかな?』

 

 とライズベルトは、観戦者のアミにねっとり言った。

 

「…除外されたカード1枚につき、500のライフポイントを回復するカードね」

 

『その通りだよ。じゃあ、この状況で、このカードを発動したらどうなると思う? 僕は【強欲で貪欲な壺】を発動ぉ!!』

 

「おいおい、あのカードは…!?」

 

 と、オガタが目を剥いて言う。

 彼がそう言うのも無理はない。何故ならあのカードは、ごく一部のデュエリストしか持つことの出来ない、超のつくレアカードであるからだ。

 

「チッ、鬱陶しい!!」

 

 強欲で貪欲な壺の恐るべき効果は、デッキの上から10枚ものカードを裏側のまま除外する。

 そしてその後に2枚のカードをドローする、というものだ。

 

 通常ならば、10枚ものカードを使用不能とさせる重いデメリット。しかし現状では違う。

 

『アハハハハハ! 10枚のカードが除外された事によって、僕のライフは500 × 10枚分回復するよ!』

 

 ライズベルト LP2000 → 7000

 

「あの坊っちゃん…一瞬で払ったライフ以上に回復しやがったぞ」

 

『そして僕は魔法カード【加速する終末時計】を発動! 更にカウントダウンを4ターン進めるよ』

 

 一気に灯りが5つ灯り、これで合計10。

 即ち、あと10ターンの経過で、ユウの敗北が確定する。

 

『墓地の加速する終末時計の効果、除外してデッキトップに3枚目の終末時計を置く…そして魂吸収の効果で更に回復する』

 

 ライズベルト LP7000 → 7500

 

(運の良い野郎だ…強貪のデメリットで10枚除外したクセに、終末時計はデッキに残ってやがった)

 

『そして残念なお知らせで~す。僕の手札には既にこのカードがありましたぁ~【紅蓮魔獣ダ・イーザ】を召喚~!!』

 

 召喚された異形の獣。その攻撃力は…

 

【レベル3、炎属性、悪魔族、ATK4800】

 

「攻撃力4800だと!? あんな下級モンスターがかよ!? インチキにも程があるじゃねーか!」

 

「ダ・イーザは、除外されている自分のカード枚数1枚につき、400ポイントの攻撃力を得るのよオジサマ」

 

『そう! 強欲で貪欲な壺で除外された10枚のカード、そして2枚の終末時計…その力を吸い尽くして得た攻撃力で、ダ・イーザ、リザードマンに攻撃しろ!』

 

 額の角に雷を纏うダ・イーザが、次の瞬間雷撃をリザードマンに放つ!

 一瞬でリザードマンは蒸発し、消滅した。

 

「ぐッ!」

 

 ダ・イーザ ATK4800 - ATK1600 = 3200

 

 ユウ LP4000(終末時計の効果により変動なし)

 

『僕は永続魔法【次元の裂け目】を発動! これによって墓地に送られるモンスターは全て除外される…これで僕はターンエンド! さぁ、精々頑張ってよね。あと9ターンもあるんだから』

 

 と、ライズベルトはターンエンドと同時にカウントダウンが進行し、残り9ターンとなった。

 

「オレのターン、ドロー!」

 

 この状況は、ユウにとって最悪も良いところだった。

 特にネックとなっているのは、次元の裂け目だろう。このカードの存在により動く事が出来ないのだ。

 

(くそっ、次元の裂け目…カードが墓地に送れないなら、サモンリピートが使えねぇ)

 

 そして除外カードが増えれば、相手ライフポイントを回復してしまう。

 そもそも動けたとして、攻撃力が更に高まるであろうダ・イーザを倒すのは困難だ。

 

「オレはカードを1枚伏せる。ゴーレムを守備表示に…モンスターをもう1体裏守備でセットして、ターンエンドだ」

 

 そしてターン終了時、カウントダウンが進行。

 ユウに残された猶予は、あと8ターンとなった。

 




【SS(シャイニーソルジャー)グリーン・ウィッチ】
 レベル2、光属性、魔法使い族、チューナー
 ATK200 DEF500

 このカード名の①、②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドに「SS」モンスターが存在する場合、墓地の「SS」モンスター1体を除外し、このカードを手札から特殊召喚できる。②:フィールド上の「SS」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルを任意のレベル(1〜12)に変更する。


 SSモンスターの下級チューナー。特殊召喚条件が軽く、またモンスターのレベルを任意の数値に変更出来る為、柔軟性がある
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