遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム   作:とある遊戯王プレイヤー

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終焉へのカウントダウン ③

「オレは、コイツを発動するぜ!」

 

 ユウは、切り札とやらを発動した。

 相手プレイヤーのライズベルトも、この時ばかりは発動したカードを凝視した。

 

 期待したオガタの顔が、すぐに「き、切り……札?」とでも言いたげな顔になる。

 アミは「ふぅん?」と首を傾げた。

 

『ふ、ふふふ、あはははは傑作だね。君はさ、あれだけはしゃいだクセに、この地味なカードを切り札と呼ぶんだ?』

 

 発動したのは、速攻魔法【サイクロン】だった。

 その効果は、フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する、というものだ。

 

「ああ。この状況の切り札はコイツだ! シンプルだが確実な仕事をしてくれる」

 

『なぁるほど、で?』

 

「決まってんだろ。オレはテメェの【次元の裂け目】を破壊するぜ!」

 

 竜巻が、次元の裂け目を巻き込んで墓地へと送る。

 

「なぁ、なんで今までオレが防戦一方だったか分かるか? 簡単だ、墓地にモンスターが送れなかったからだ。除外カードが無くなった今、ようやくコイツが使えんだよ! リバースカード、オープン!」

 

 速攻魔法【SSサモンリピート】が表側になる。

 

「オレはフィールド上のSSルーセット・タートルを墓地に送り、手札、デッキから2体のSSモンスターを特殊召喚する! デッキから来やがれ、【SSヒールマジシャン】【SSグリーンウィッチ】!!」

 

 赤衣の魔法使いが、フィールドに現れる。

【レベル4、光属性、魔法使い族、ATK900】と表示。

 

 そして黄緑色の目立つローブとフードを身に付けた、幼い魔女が控えめに出現。

【レベル2、光属性、魔法使い族、チューナー、ATK200】と表示。

 

『チューナー? まさか……』

 

「いいや、違うなァ! ヒールマジシャンの特殊召喚時効果で、爬虫類族のSSホワイト・スネークを手札に! 更にヒールマジシャンの効果で1枚ドロー! グリーンウィッチの効果、SSモンスター1体のレベルを、任意のレベルに変更する! グリーンウィッチをレベル4に!」

 

 グリーン・ウィッチ レベル2 → 4

 

 

「グリーン・ウィッチとヒールマジシャンの2体でオーバーレイ! エクシーズ召喚、現れろ【SSC(シャイニーソルジャー・クライシス)フォーチュン・テラー】!」

 

【ランク4、エクシーズ、光属性、魔法使い族、ATK2000】と表示。

 

 セイントパラディンのものと似た、漆黒のローブを纏う呪い師が現れる。

 妖艶に笑むその姿は熟達した者を思わせた。

 

『へぇ〜、一気に動いたね』

 

「あたりめぇだろうが、このターンでバケモンぶっ倒して、ライフを削り切らねえとならねぇんだからよォ! フォーチュン・テラーの効果だ! エクシーズ素材を1つを取り除き、デッキからレベル4以下のSSモンスター1体を特殊召喚する。現れろ、ミッドソードナイト!!」

 

 続いてフィールドに現れた青衣の剣士。

 ユウの相棒とも言える彼は、一瞬プレイヤーの目を見て頷く仕草をした。

 

「ミッドソードナイトの特殊召喚時効果で、岩石族のSSエッジストーンゴーレムを手札に加える。そして、エッジストーンゴーレムは、デッキの上のカード1枚を墓地に送り、手札から特殊召喚できる! レベル2エッジストーンと、レベル4ミッドソードナイトでシンクロ召喚!【SSS(シャイニーソルジャー・ソアー)カース・アンゲル】!」

 

【レベル6、シンクロ、光属性、天使族、ATK1900】と表示。

 先程の漆黒の呪い師とは対を成す、純白のローブを纏い降臨する天使。その背には2対の翼。

 

「カース・アンゲルのシンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドロー。そして、もう1つの効果…デッキからSS永続魔法か永続罠をフィールドに表側で置く。SSストラテジーをフィールドに発動!」

 

『ははっ、君のデッキはなかなか止まってくれないね。でも、そろそろ鬱陶しいや…無駄なのに、僕のライフポイントを削り切るにはどうしても足りないのにねぇ? 結局徒労に終わって、最後は皆、苦悶して絶望して…後悔するのさ。僕と戦ったことをね!』

 

「…………」

 

『ほら、もう手詰りだろ?』

 

「こうなって、こうなるから…じゃあこれしかねぇな! んん? 何だクソガキ、独りでブツブツ言って、友達いねーの?」

 

『――いいよ。君みたいな低脳と話してたら、こっちまで馬鹿になるって分かった。いい勉強になったよ。さ、まだやることあるの?』

 

「ああ、勿論だね。いいかクソガキ、目ン玉ひん剥いてよぉく見てやがれ! オレはSSシンクロモンスターと、SSエクシーズモンスターを墓地に送り、融合召喚する!」

 

「おおっ、来たぞ! 俺はアイツにやられたんだ、なんつったけか、黒血龍……なんたらドラゴンだ!」

 

 オガタが、興奮しながらこう言った。

 

「でも、相手モンスターの攻撃力は7200。それを超えられなければ意味はないわ」

 

「あ、そ、そうだ! どうすんだユウのヤツ」

 

 黒白の光の玉となった2体のモンスターがフィールド狭しと飛び回り、交差する。

 2つの存在は真正面からぶつかり、互いをせめぎあい、受け入れ、やがて混沌の渦巻く空間が生まれいずる。

 

「闇を超え光を喰らい、数多の暗黒を塗り潰せ! 融合召喚! 【SSL(シャイニーソルジャー・ルミナス)白光龍エリプシスドラゴン】!!」

 

 天空に開かれたホワイトホールがごとき、白い渦。

 その渦中よりフィールドに舞い降りたのは、純白のドラゴン。

 

 【レベル8、融合、光属性、ドラゴン族、ATK2500】と表示。

 

 だが、その姿を確認するのは困難だった。

 それが降り立った途端、フィールドを白光が満たしたからだ。

 

『くっ、そ! なんだコレ!?』

 

「エリプシスドラゴンの効果発動! コイツが融合召喚に成功した時、相手フィールド上の全ての表側表示カードの効果は無効化される!」

 

 ダ・イーザ ATK7200 → 0

 

『うっ、くっ……』

 

 ダ・イーザの効果も当然無力化され、その攻撃力は0となる。

 

『だから、だからなんだって言うんだ! そのドラゴンだって、たったの攻撃力2500程度じゃないか!まるで足りないんだよ!』

 

 ライズベルトのライフポイントは13000。

 ユウの命はターンエンドまで。

 

 いくら全てを無効化されたとはいえ、相手の命を取るには到底足り得ない攻撃力。

 

『無駄無駄無駄ぁ無駄なんだよォ!君もよく戦ったよ、ホントに! だから潔く潰れろよォォ!』

 

 ライズベルトが吠える。

 もしかしたら本心からの言葉であったのかもしれない。

 自分の勝ちはまるで疑ってもいないが、それでも、迫る牙を感じざるを得ないのだ。

 

 ユウの脳裏にまた、あの声が響く。

《私を召喚するのだ》と。

 精霊界に行く前に逢った、あの黒龍の声が。

 

《私を召喚しろ、マナカ ユウ。お前には分かっている筈だ。神龍へと至る道を。今こそ神龍を解放するのだ》と。

 

(んな事わかってんだよ! テメェを手に入れた瞬間から、ようやく出せるんだ…この状況、どうにか出来んの神龍だけだろ!)

 

「オレは、手札のSSホワイト・スネークの効果を発動! フィールドのSSストラテジーを墓地に送り特殊召喚! SSストームメイカーを通常召喚…ホワイト・スネークとストームメイカーでシンクロ召喚! 来い、【SSIホワイト・ラミア】!」

 

【レベル6、光属性、爬虫類族、ATK2400】と表示。

 

「リバースカード、SSリクルートを発動! 墓地のSSフォーチュン・テラーを特殊召喚! フィールドのSSシンクロモンスターと、SSエクシーズモンスターを墓地へ送り、融合召喚!!」

 

「まさか……」

 

「2体目!?」

 

 フォーチュン・テラーとホワイト・ラミアは互いに光の玉となって飛び去る。

 フォーチュン・テラーの変化した漆黒の玉が、ホワイト・ラミアの変じる純白の玉にぶつかり、弾け、生まれる暗黒の渦。

 

 ブラックホールの如きその渦中より、それは降臨した。

 

「苛烈なる光を超え、闇を纏いて現世に降り立つ龍よ、全てを喰らい無に還せ!! 現れろ【SsD黒血龍アクシスク・ドラゴン】!」

 

【レベル8、融合、闇属性、ドラゴン族、ATK3000】と表示。

 

『あーもう! それでも攻撃力は3000、僕のライフを削り切るのは無理だねぇ!』

 

「そ、そうだぜ、黒血龍はモンスター全部に1回ずつ攻撃出来るが、あのガキのフィールドにモンスターはダ・イーザだけだし、ダメージが足りねぇよ…」

 

 かつて黒血龍の恐ろしさを、身をもって味わったオガタ呟く。

 

「な、なぁ、アミちゃん、ユウの野郎は、無意味にこんな事するヤツじゃねえよな? 一体何を考えてんだろう」

 

「さぁ、ね。でも……何か、とてつもない事をしようとしているのはわかるわ」

 

「ああ~もうやだ俺、目ぇつぶってていいかな? 見るのが怖いよ~ユウ~マジ頑張ってくれよ~」

 

 光と闇の化身が、フィールドに並ぶのはあまりに荘厳な景色であった。

 しかし攻撃力は尚も足りない。

 ライズベルトが言うように、2体合わせても5500だからだ。

 

《おお…我が半身よ……》

《ああ…我が半身よ……》

 

 2体の龍の声が、ユウの脳中に響く。

 思えば、かつてカードの精霊世界に赴いた際、この2体の龍は存在していなかった。

 

「オレは――」

 

 ユウの頭の中に、情報が濁流の如く押し寄せる。

 あの世界の守護神、神龍は……その肉体を2つに裂かれ封印されていた、と。

 

「エリプシスドラゴンと、アクシスクドラゴンをデッキに戻し――」

 

 再び神龍を解き放つ手段は1つ。

 神龍を召喚すること。

 今の今まで、神龍は何者にも召喚する事は出来なかった。

 

 光と闇の半身…その2体が揃った時、神龍は初めて降り立つのだ。

 

「コイツを融合召喚する、現れろ――」

 

 マナカ ユウ。

 2体の半身を持つ決闘者が、神龍を手にしたのは天命と言わずして何だというのか。

 

《マナカ ユウ、よくぞ我らを並べた》

《我らは本来、2体で1つ。ようやっと、我らはあそこへと戻る事が出来る》

 

 さあ、我が名を呼ぶがいい!

 我は、私は――

 

「【神龍ピュアリフィケーション・ドラゴン】!!」

 




SSL白光龍(シャイニーソルジャー・ルミナスびゃっこうりゅう)エリプシス・ドラゴン】
 レベル8、光属性、ドラゴン族、融合、効果モンスター
 「SS」または「Ss」シンクロモンスター+「SS」または「Ss」エクシーズモンスター
 ATK2500 DEF3000
 このカードは、融合召喚及び上記のモンスターをフィールドから墓地に送った場合のみ特殊召喚できる。このカードは「Ss(シャドウサーバント)」カードとしても扱う。①:このカードの特殊召喚は無効にされない。②:このカードが特殊召喚に成功した場合、相手フィールド上の全ての表側表示のカードの効果を無効にする。③:このカードがフィールドを離れた場合、デッキから「Ss」または「SS」カード1枚を手札に加える。


 アクシスクドラゴンと対を成す光の龍。特殊召喚が無効にされない為②の効果を通しやすく、切り返しにうってつけだ。
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