遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム   作:とある遊戯王プレイヤー

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避けられぬ闘い ②

 

 オガタ LP4000

 萠莉(めりい) LP4000

 

 お互いにライフポイントの変動はない。

 しかしながら、形勢は一気に萠莉側へと傾いた。

 

 グレイドル・イーグル。

 戦闘及びモンスター効果で破壊された時、相手モンスターに寄生し、乗っ取りを行う恐るべきモンスター。

 その効果により、オガタのシンクロモンスター、ヘル・ツイン・コップは奪い取られたのだ。

 

(ぐうっ…寄生しているグレイドル・イーグルを今すぐ破壊するカードは無え…終末の騎士の攻撃力じゃあ突破は無理…)

 

「俺はバトルを終了だ。カードを1枚伏せてターン終了」

 

「あーしのターーン! ドロぉー!!」

 

(コップ奪われたのはヤバいな…このまま攻撃されりゃ、終末をやられてダイレクトを喰らっちまう…手札のコイツらを使うには…)

 

 と、状況を整理しているオガタに、萠莉は勢いのまま突っ込んでくる。

 

「手札からぁ、【グレイドル・アリゲーター】を召喚しちゃってぇ…」

 

 続いて出撃したのはワニ型のモンスターだ。しかし表皮は緑と…銀色であり、ぶよぶよと不規則に身体が震えている。

 ワニの形をした何か、と表現した方が適切だ。

 

 

「永続魔法【グレイドル・インパクト】! これの効果でぇ私のフィールドのアリゲーターとぉ〜、オジサンの伏せカードを破壊しちゃお」

 

「ソイツは勘弁だ! 対象になったセットカード【鎖付き爆弾(ダイナマイト)】発動! 終末の騎士の装備カードになるぜ!」

 

 終末の騎士 ATK1400 → 1900

 

「そして装備カード状態の鎖付きが破壊された時、フィールドのカード1枚を破壊出来る! 俺はヘル・ツイン・コップに寄生してるグレイドル・イーグルを破壊する! モンスターは返して貰うぜ!」

 

 だがオガタの考えに反し、ヘル・ツインの装備カードと化していたイーグルを破壊した途端…ヘル・ツインもまた破壊された。

 

「なにぃ!?」

 

「あ~あ〜まじウケる! オジサンひっどいね〜自分のモンスター殺っちゃったぁ! グレイドルに寄生されたモンスターはねぇ、もう戻って来ないんだよぉ!!」

 

 どうやら寄生されたモンスターは、既にグレイドルに深部まで侵されているらしく、引き剥がしたら、ただの屍しか残らないらしい。

 

「ついでにさァ、魔法の効果で破壊されたアリゲーターは、相手のモンスターに寄生しちゃうからぁ〜終末の騎士、貰うね?」

 

「おいおいおいおい…!?」

 

 先程と全く同じだ。

 不定形の不気味な物体に呑み込まれた終末の騎士が、相手フィールドに移る。

 

「そんじゃバトル〜終末でダイレクトアタックぅ!」

 

 オガタ LP4000 → 2600

 

「ぐっ、だがよ! 伏せも無くなったからコイツの出番だ! 手札から【冥府の使者ゴーズ】を特殊召喚! さらに戦闘ダメージを受けたから【冥府の使者カイエン】トークンを特殊召喚する!」

 

 冥府の使者ゴーズ

【レベル7、闇属性、悪魔族、ATK2700】

 

 冥府の使者カイエントークン

【レベル7、光属性、天使族、ATK? → 1400】

 

『おおっ、いきなり上級モンスターが2体も。いやはやお互いに激しい攻防を繰り広げますねぇ』

 

 アルレキーノが、うんうん頷きながらコメント。

 冥府の使者ゴーズは、フィールドに何も無い時にダメージを受ければ特殊召喚出来る上級モンスターだ。

 

 それが戦闘ダメージならば、ダメージ分の攻撃力を持つカイエントークンを生み出し、効果ダメージならばそれと同じ数値のダメージを相手に与える。

 

 だが、ゴーズの登場によりオガタが有利となったのは間違いない。

 

「え〜…マジ萎えるわそういうの。このままターンしゅうりょ〜、の前に、インパクトの効果でデッキから【グレイドル・コブラ】を加えとくわ。んじゃオジサンの番」

 

「俺のターン、ドロー! 手札から【魔界発現世行きデスガイド】を召喚! 効果によりデッキから悪魔族、レベル3のモンスター【魔サイの戦士】を特殊召喚する!」

 

「あ〜〜メンドクセ」

 

「うっせぇなぁ…俺はレベル3デスガイドと、魔サイでエクシーズ召喚、現れろランク3【No.48 シャドー・リッチ】」

 

 

【ランク3、エクシーズ、闇属性、アンデット族、ATK1800】と表示。

 

 これで、オガタの場のモンスターは3体。対して相手モンスターは奪われた終末の騎士のみ。

 

「今度こそ終わりだろ! バトル! ゴーズで終末の騎士を攻撃!」

 

 ゴーズ ATK2700 − 1400 = 1300

 萠莉 LP4000 − 1300 = 2700

 

「……」

 

「つ、続けてシャドー・リッチで攻撃!」

 

「……あのさァァ!!」

 

「へ?」

 

「どっちかが終わる訳じゃああん、この戦いねぇ! なぁに私にダメージ負わせてるワケ? バッカじゃねえの? チョーキッショい! クソオヤジさぁ、あーし女の子でワカモノよ? どー考えてもショボいジジイとじゃ、どっちが生き残るべきか百人が百人あーしって答えるワケ! いい加減さぁ、終わっちゃえよォォ! 永続罠【グレイドル・パラサイト】発動ォォ!! 相手モンスターの直接攻撃時にぃ、デッキからグレイドル・アリゲーターを攻撃表示で特殊召喚ン!!」

 

 攻撃をするシャドー・リッチの前に、またしてもワニ型のグレイドルモンスターが立ちはだかった。

 攻撃力は僅か500。

 しかし…

 

 シャドー・リッチの鎌が、アリゲーターを斬り裂いた。

 

 リッチ ATK1800 − 500 = 1300

 萠莉 LP2700 − 1300 = 1400

 

 その直後の事だ。

 斬り裂かれたそれが、冥府の使者を取り込んだのは…

 

「あはっ!! あはははははははははははははははははは!!」

 

 ゴーズのモンスターコントロールが、萠莉へと移った。

 ATK2700のゴーズが、今度は壁として立ちはだかっている。到底突破できないのだ。

 

「2回だよォジジイ! あーしを2回殴ったんだしぃ! 死んで詫びなよォォォォ!! おら、どーしたの? 来いよジジイ!」

 

「くっ…バトルを終了。カイエントークンを守備にして、カードを1枚セット、ターン終了だ」

 

「あーしのタァァァン!! ドロー!」

 

 カードを引く萠莉。

 

「あ〜あ〜…これはぁ…」

 

 手札を見た彼女の表情は、一転、穏やかなものにコロリと変わった。

 

「ねぇ、オガタさん…今なら、許してあげる」

 

 そして、そう言った。

 まるで出会った直後の彼女の様でいて…決定的に違ったその目で、顔で。

 

「土下座してぇ…地面に頭を擦り付けてぇ…サレンダーしてよォ…そうしたらさぁ…」

 

(ああ…ムカつく。このクソ女。でもよ…)

 

「そうしたら、何だ? 俺の女にでもなってくれんのか? あいにく、お前みたいなアバズレは、土下座して、地面に頭擦りつけて、サレンダーしてきてもノーサンキューだぜ」

 

「あそ。なら、死ねよジジイ…手札から【グレイドル・スライムJr】を召喚。効果で、墓地からグレイドル・イーグルを特殊召喚。同時に、手札からグレイドル・コブラを特殊召喚」

 

 グレイドル・スライムJr

【レベル2、チューナー、水属性、水族、ATK0】

 

 グレイドル・イーグル

【レベル3、水属性、水族、ATK1500】

 

 グレイドル・コブラ

【レベル3、水属性、水族、ATK1000】

 

「シャドー・リッチの効果発動! 相手ターンにエクシーズ素材を取り除き、自分フィールドに「幻影トークン」を特殊召喚! シャドー・リッチの攻撃力は500アップ! 更にトークンを片付けない限り、シャドー・リッチに攻撃できない!」

 

 幻影トークン

【レベル1、闇属性、悪魔族、DEF500】

 

「エクシーズ素材として墓地に送られた、魔サイの効果で、デッキからトリック・デーモンを墓地に送り、トリックの効果でエキセントリック・デーモンを手札に加える」

 

「終わった? オジサン」

 

「……ああ」

 

「じゃあ、グレイドル・インパクトの効果で、私のスライムJrとオガタさんの伏せカードを破壊ね」

 

 セットカードは【炸裂装甲】

 攻撃して来たモンスターを破壊する罠カードだった。

 

「ああ〜せっかくの罠が、破壊されちゃったねオガタさん。どうするの? このまんまじゃあオジサン、自分のモンスターに嬲り殺しにされるよぉ? それでいいの? ヤバない?」

 

「……良くは、ねえな」

 

「そーでしょそーでしょ!! でもね、もう許してあげない。死んじゃえ、潰された虫みたいに気持ち悪く死んでよ……バぁトルゥゥゥ!!」

 

 グレイドルイーグルが、コブラが、乗っ取られたゴーズが、一斉にオガタへと狙いを定めた。

 その時だった。

 

 

「おいオッサン、女ァ、何があった!?」

 

「オジサマ!」

 

 洞穴の中に声が反響する。

 悲鳴…の様な声を聞き付け、ユウとアミが戻って来たのだ。

 

「来んなユウ、アミ!! ここにはプレイヤーキラーの野郎が居る!」

 

「あぁ!? プレイヤーキラーだぁ!?」

 

「そうだ! コイツはプレイヤー同士にデュエルを強要しやがる! さっさと逃げろ!」

 

『ミスターユウ、ミスアミ、これはこれは、個性的な方々ですなぁ…如何ですか、こちらで観戦されては! あなた方のお仲間が今、まさに傷付き合い、間もなく決着と相成る所ですよ!』

 

 二人は逃げなかった。

 直ぐ様洞穴へと駆け込んで来た。

 

「おい!! 逃げろって言ったろうが馬鹿野郎!」 

 

「だぁれがオッサンの言う事なんざ聞くかよ! プレイヤーキラーなんざオレとアミで粉砕してやっぜ!」

 

「クソッタレ! 最近のガキはマジで先人をバカにしくさるよな!」

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛うっせえんだよデュエル中だろうがァ! あーしは、モンスターで攻撃ぃぃ!」

 

 グレイドルモンスターが、ゴーズが、遂に攻撃を開始した。

 

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