遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム 作:とある遊戯王プレイヤー
LP4000 → 0
「うわあああああ!! くそ、またワンキルかよ!!」
男児は悪態をつきながら、デュエルディスクを折り畳むと、そのままディスクを床に叩き付けた。
「ヤメだヤメ…お前とデュエルすんのマジでつまんねー。ワンキルばっかじゃん」
名前ももう覚えていない、知り合いだった誰かがそう言った。
――貴方が弱いだけじゃない
「いやぁだって君、僕よりデュエル強いし…つまんないでしょ、僕みたいな弱いのとやってもさ」
名前ももう覚えていない、知り合いだった誰かがそう言った。
――どうして貴方は強くなろうとしないの!?
「せ、せっかく君に告白したのに、デュエルで勝たないと付き合う資格が無いだなんて…君の腕は知ってるからそれは無理だよ…」
――何故、戦う前から逃げるの!?
「まるで獣の目だな。そんなにデュエルがしたいのか?」
――そうよ。私はデュエルがしたい
戦う相手は全て、粉砕してきた。
手を抜くのは嫌いだったから、徹底的にやった。
気が付けば、誰もが私に敗れ去り、私の元を離れていった。
結局私は一度のみの敗北しか知らずに生きてきた。
――(私に負けた程度でへし折れるプライドなら、最初から持たなければいい)
誰か…誰でも良い。
私と戦って。
私を燃えさせて。
そして…私を一度でも、倒してみなさい。
死ぬ気で、殺す気で掛かってくるの。
皮膚が裂けようが、骨が外れようが、喉笛を食い千切れば勝てるのだから…向かって来なさい。
だから、ユウ…せっかく見付けた私の愛しい獲物…貴方は諦めないで。
魂を絞り尽くしてでも、凌いでみせなさい!
――フィールド状況
ユウ LP4000
スフィアストーンゴーレム DEF2400
ホワイト・ラミア DEF1800
魔法・罠 1枚
アミ LP4000
月光舞獅子神姫 ATK3800
月光舞獅子神姫 ATK3800
泥睡魔獣バグースカ DEF2000
現状、ユウは危機どころか、絶体絶命の状況にあった。
月光舞獅子神姫は、ムーンライトカード以外のカード効果を一切受け付けずに2回攻撃が出来、さらにこちらの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する効果が、それぞれ使える。
即ち、2回のモンスター破壊効果と、3800打点による計4回もの攻撃がユウを襲う。
更にバグースカにより、強制守備表示化と、守備表示モンスターの無力化。
そして彩雛が除外されてしまった事により、バトルに突入した途端、ユウはあらゆる効果発動を封じられる。
トドメに、ユウの伏せカードは、アミの墓地に存在する銀狗の魔法・罠カード無効効果により、無意味にされる可能性が高いときている。
反撃手段の悉くを潰し、確実に仕留める。
月光の…獅子の戦術そのものである。
(さぁ、どうするのユウ? このままバトルに入るわよ?)
アミが祈る様な心地で思った。
ユウはまだ、動かない。
「……バトルに入るわ」
アミが半ば諦めかけた、その時だった。
「待ちな!」
と、ユウが遮った。
「あら、何かしら?」
との言葉とは裏腹に、彼女は(遂に来たか!)と胸を躍らせる。
まだやれるの? その伏せカード? それとも…
「発動するカードがある。オレは、墓地の罠カード【SSルミナス・アサルト】を除外して効果発動! デッキからレベル5SSモンスターを手札に加える!」
(あれは、エッジストーンゴーレムで墓地に送ったカード…銀狗はフィールドで発動した魔法・罠しか無効に出来ない…やるわね)
「オレはデッキから【SSハイオーダー・マジシャン】を手札に加える。そして、ハイオーダー・マジシャンを召喚する!」
「相手のターンに召喚ですって!?」
「ああ。しかも、お前のフィールドにアドバンス召喚するぜェ! 舞獅子神姫1体をリリースしてなァ!」
「なっ……!?」
自分のフィールドを見れば、舞獅子神姫が1体減り、代わりにハイオーダー・マジシャンがアドバンス召喚されている。
確かに舞獅子神姫はあらゆる効果を受けない。
だが…アドバンス召喚の為のリリースや、リンク召喚の素材には出来る。出来てしまう!
『ああっ!? アタイの分身体が!!』
これにはさしものライガーも狼狽した。
「そして…ハイオーダー・マジシャンの持ち主は自分、相手の墓地に存在するSSモンスターを、自分フィールドに特殊召喚出来る…つまりアミ、お前は自分の場にSSモンスターを増やせるって訳だ。だが、今はそれができねぇ!」
「そういうことか…バグースカの効果でハイオーダー・マジシャンは守備表示となり、発動した効果を無効化される…」
「ああ。そしてハイオーダー・マジシャンを召喚しフィールドに出した持ち主は、このターンSSモンスターしか特殊召喚できない誓約を負う」
(つまり、リンク召喚などでモンスターを追加出来ない…そう、ユウ、これが貴方の答え…)
アミは…歯噛みした。
だが、それ以上の、莫大な感情が脳内を支配した。
(フフフ、素晴らしいわ! 上出来よユウ!)
「オレの処理は終わりだ」
「フフ…ならばバトル! バトルに入ったのでユウ、貴方はカード効果を発動出来ない! 月光舞獅子神姫の効果を発動! EXデッキから【月光舞剣虎姫】を墓地に送り、貴方のフィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する!」
『よっしゃあ!! おりゃああああ!!』
舞獅子神姫が、偃月刀を地面に叩き付けた。
すると地割れが発生し、スフィアストーンゴーレムと、ホワイト・ラミアを地の底へと落とした。
しかし、スフィアストーンゴーレムには破壊耐性がある。
どうにか落ちずに済んでいる様だったが…
「舞獅子神姫でスフィアストーンゴーレムに攻撃!」
踏ん張り耐えたゴーレムに一瞬で肉薄したライガーは、一撃で彼の分厚い身体を両断せしめた。
続けて、その刃はプレイヤーへと向く。
「舞獅子神姫、2回目の攻撃! ダイレクトアタックよ!」
『行くぜユウ! どりゃああああ!』
「ぐっ、うあああああ!!」
ユウ LP4000 → 200
『チィッ! 悪ぃアミ、仕損じた』
「いいえ…よくやったわライガー。私はバトルを終了し、ターンエンドよ! ふふ、まさか私がワンキルを失敗して、ターン終了を宣言させられるなんてね」
「当たり前だ! テメェにゃ散々やられてっからなァ、対策はしっかりさせて貰ったぜェ!」
「そうよね。決闘者なら当然のこと…相手の戦術を予測してデッキを構築し、倒し、倒される。嬉しいわ。私はこれまでに無いくらい高揚している! さぁ、返してみなさい!!」
「へッ…当然、そうさせて貰う! エンド時、破壊され墓地に送られたホワイト・ラミアがフィールドに復活する。そしてSSハイオーダー・マジシャンのコントロールがこちらのフィールドに移るぜ! オレのターン、ドロー!」
(ユウのフィールドには、ホワイト・ラミアとハイオーダー・マジシャン…手札にはリザードマンと不確定の1枚のみ。ユウがライガーを倒すには、
神龍は、他のカード効果を受けない4500打点のモンスターである。
ライガーに唯一、殴り勝てるユウのモンスターであるとアミは認識していた。
問題は神龍の召喚手段。
あれの降臨には、白光龍と黒血龍の2体をフィールドに揃えなければならない。
(でも、ユウは必ず揃えてくるわ。私はそれを潰す!)
「メインに入るぜ」
「どうぞ」
「オレは手札より【SSロングブレイド】の効果を発動! 手札からロングブレイドと、SSリザードマンを墓地に送り、フィールドのカード1枚を対象として破壊する! 当然、バグースカを破壊するぜ!」
「来たわね…バグースカは破壊される。これで貴方は自由にモンスター効果が使えるわ」
「ああ、邪魔でしょーがなかったんだよなァ! んじゃあこっから反撃と行かせて貰うぜェ!!」
【SS(シャイニーソルジャー)ハイオーダー・マジシャン】
レベル5、光属性、魔法使い族、効果モンスター
ATK1600 DEF2000
このカード名の①、②の効果は1ターンに1度しか発動できない。①:相手フィールドにEXデッキから特殊召喚されたモンスターが2体以上存在する場合、自分、相手のターンにこのカードを自分か相手フィールドのモンスター1体をリリースし、リリースしたモンスターの持ち主のフィールドにアドバンス召喚できる。このカードがアドバンス召喚されたターン、自分はEXデッキから「SS」モンスターしか特殊召喚できない。②:自分か相手の墓地のSSモンスター1体を選んで特殊召喚できる。③相手フィールドにアドバンス召喚されたこのモンスターは、そのターン終了時に自分フィールドにコントロールを移す。
①の効果により、相手の意表を突く形で展開を抑止出来るものの、②の効果の存在により相手に利する場合があるので使い所の難しいカードだ。