遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム   作:とある遊戯王プレイヤー

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罪人の流れ着く島 ②

――10日前 地下デュエル場

 

 佐野を下したユウであったが、決勝は不戦勝になる筈もなく…敗者復活戦で勝ち上がって来た者とデュエルする羽目になっていた。

 

「戦士族チューナー【SS(シャイニーソルジャー)ショートダガー】とぉ、【SSミッドソードナイト】でシンクロ召喚!! さあ来い【SSR(シャイニーソルジャー・リーサル)ブレイド・ホーリーナイト】!!」

 

 現れたのは、純白の2枚翼をはためかせ飛翔する、長剣を携えた戦士。

 

 【光属性、戦士族、レベル6、シンクロモンスター、ATK2200】とのスペックだ。

 

「守備モンスターも居るし大丈夫だろう……だとか、まぁだそんな事を考えてるな? 残念だがもう、お前に希望はねえ! バトル! ブレイド・ホーリーナイトで、守備表示のモンスターに攻撃!」

 

 セットモンスター【極氷獣ポーラ・ペンギン】守備力は1000であった。

 

「ククク! ブレイド・ホーリーナイトは、己の攻撃力が相手の守備力を上回っている時、その差分の戦闘ダメージを相手に与える!」

 

 ダレガ LP1900 → 700

 

「くっ…でも! ポーラ・ペンギンは戦闘で破壊された時、相手モンスターを手札に戻せる! ブレイド・ホーリーナイトをフィールドから排除だ!」

 

「甘えんだよ! この瞬間、ブレイド・ホーリーナイトの効果発動! 戦闘でモンスターを破壊した時、自身の元々の攻撃力の半分のダメージを与える!」

 

 ブレイド・ホーリーナイトの攻撃力は2200。その半分、1100のダメージをダレガに与えた。

 

「うわああああああ!!」

 

 ダレガ LP700 → 0

 

 効果の直撃を受けた対戦相手のライフが尽きる。

 

「これで文句ねーだろ! 優勝はオレだァァ!」

 

 観客らの非難の声も、何時しかユウを讃えるものに変わっていた。

 だがユウは称賛に興味など無い。

 

 さっさと主催席に駆け寄り、 

 

「さ、約束のモノを頂こうか?」

 

 と急かした。

 

「オッケー、おめでとうマナカ ユウ。優勝賞品のカードだ」

 

 1枚のカードが、クリスタル・スリーブに収まった状態で、主催者から差し出される。

 その中に存在する、黒龍モンスターの姿を認め、ユウは歓喜した。

 

「【SS(ドラグーン)黒血龍アクシスクドラゴン】…よぉぉし、ようやくだ。コイツさえあればオレは…」

 

「全員そのまま動くな!!!」

 

 だが、そこに突如として踏み込んで来た一団があった。

 グレーの制服にシールドや警棒、デュエルディスクで武装したセキュリティ……所謂、警察である。

 

「なんだ!?」

 

「ガサ入れか!?」

 

 混乱する観客らを制し、隊長らしき者が告げる。

 

「このデュエル場には不正賭博の疑惑がある為、これより調査を実施する! 抵抗する者はデュエルにより拘束するから大人しくしていろ!」

 

 その場に居る、誰もが両手を上げて降伏のポーズをとった。

 だがユウは、クリスタル・スリーブから取り出した黒龍のカードをデッキに混ぜるなり、駆け出した。

 

「一人逃げたぞ! 追えー!」

 

「へっ! ここまで来て捕まってたまるかよ!」

 

 主催者は無論の事、自分の様に出場していた人間が、調査とやらをされて無事に済む筈もない。

 

 案の定ユウは直ぐ、セキュリティに囲まれた。

 が、彼は不敵に笑むとデュエルディスクを起動する。セキュリティも同じだ。

 

「「デュエル!」」

 

  

  

 

 

 

 

 

 

 ――現在 強制デュエル

 

「オレのターン、ドロー!」

 

 デュエルゾンビNo.88 LP3900

 

 ユウ LP150

 

 中年男ゾンビのフィールドには、攻撃力4600ものモンスター、ドラゴンゾンビが鎮座し、一方ユウのフィールドには何も無い。

 

 だが、手札には7枚ものカードがある。

 

 そして今、彼の引いたカード。それをちら、と目にしたユウは笑んでいた。

 

「んじゃあ終わりだなゾンビ野郎! オレは、今ドローしたカードォ、【SSヒールマジシャン】を通常召喚するぅ!!」

 

 フィールドに、赤ローブを纏った若い女魔術師が、ホウキ型ロッドを振りかざしながら現れる。

 

 【光属性、魔法使い族、レベル4、ATK900】そう表示された。

 

「ヒールマジシャンの効果発動! このカードが召喚に成功した時、手札の岩石族SSモンスター1体を特殊召喚出来る! 出でよ【SSエッジストーンゴーレム】」

 

 手札から現れたのは、矢じりの様な形をした石ころに手足の生えた様なモンスターだった。

 

 【光属性、岩石族、チューナー、レベル2、ATK400】と表示。

 

「まだまだぁ! ヒールマジシャンの効果で、1枚ドロー! 更にフィールドにSSモンスターが存在する場合、手札を1枚墓地に送り、このカードを手札から特殊召喚出来る! 【SSショートダガー】を特殊召喚!」

 

 次に出現したのは、少年の様な姿の短剣を持つモンスター。

 

 【光属性、戦士族、チューナー、レベル2、ATK1150】と表示。

 

「仕上げだ! 魔法カード、死者蘇生を発動! オレの墓地に存在するモンスター、【SSミッドソードナイト】をフィールドに特殊召喚!!」

 

 墓地より蘇った青衣の剣士は、再び雄叫びをあげ、剣を構えた。

 

 【光属性、戦士族、レベル4、ATK1450】

 ミッドソードナイトは自身の効果により、攻撃力が500ポイントアップし、ATK1950となっている。

 

 これでユウのフィールドにはモンスターが4体。

 

《だが、いくらモンスターを並べても、ATK4600のドラゴンゾンビは倒せない》

 

「へぇ、そんな事も喋れるのかよ! 心配しなくてもすぐに成仏させてやるぜぇ! オレはぁ、戦士族チューナー、SSショートダガーと、SSミッドソードナイトでチューニングぅ! シンクロ召か――」

 

 シンクロ召喚。それは、チューナーと呼ばれるモンスターと、それ以外のモンスターを同調させ、新たなモンスターを呼び出す召喚。

 

 この場合は、ショートダガーレベル2 + ミッドソードナイトレベル4 = レベル6のモンスターが出現する…筈であった。

 

《警告! プレイヤーNo.179、マナカ ユウはまだエクストラデッキが解放されていません》

 

 その時、ディスクから響いた警告音声。

 

「は、はぁ!? ふざけてンのかコラ! 解放だとォ!? シンクロもエクシーズも出来ねえってのか!?」

 

《エクストラデッキの使用はミッションをクリアする必要があります》

 

(……つまり、現状ブレイド・ホーリーナイト…セイント・パラディンも出せねぇって事か…なら!)

 

 ユウの視線の先、そこにはエッジストーンゴーレムの姿があった。

 

「オレは、SSエッジストーンゴーレムの効果発動! コイツはフィールド上のモンスター1体の表示形式を変更する事が出来る! 対象はドラゴンゾンビだ!」

 

 表示形式の変更。すなわち、攻撃表示であるなら守備表示に。守備表示であるなら攻撃表示に変更する効果である。

 

 ドラゴンゾンビは確かに、装備魔法により攻撃力だけなら破格の数値となっていた。

 

 だが、効果を受けた屍の龍は、途端にうつむき、呆けた様に無防備となる。

 本能のまま動き、己の肉体を護ることさえ忘れた龍の守備力は、0だった。

 

「バトル! エッジストーンゴーレムで、守備表示のドラゴンゾンビに攻撃!」

 

 エッジストーンゴーレム ATK400

 ドラゴンゾンビ DEF0

 

《戦闘破壊される。同時に装備魔法も墓地へ》

 

 そして中年男を守るモンスターも、伏せカードも無い。

 

「ミッドソードナイト! ヒールマジシャン! ショートダガーでダイレクトアタック! トドメだぁ!」

 

 1950 + 1150 + 900 = 4000ダメージ

 

デュエルゾンビNo.88 LP4000 → 0

 

《馬鹿…な……》

 

「オレの勝ちだなぁゾンビ野郎!!」

 

《デュエル敗北を確認、処理します》

 

 ライフポイントが尽きた、中年男のディスクから物騒な音が響くや、直後にそれは煙を上げ破損した。

 

 同時にデュエルアンカーのロックも、カチリと音をたてて外れる。

 中年男性は、糸の切れた人形の様にその場に倒れて動かなくなった。

 

「ったく、やっぱこのアンカーはデュエルギャングの連中が使ってるモンと一緒か……しかしなんだったんだコイツ? 死んでねーよな?」

 

「大丈夫よ。その男は役目を終えただけだから死んではいないわ」

 

 その時、唐突に第三者の声がした。




【SSR(シャイニースター・リーサル)ブレイド・ホーリーナイト】
 レベル6、光属性、戦士族、シンクロ/効果モンスター
 SSチューナー+チューナー以外のSSモンスター1体以上
 ATK2200 DEF1200

 ①:このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。②:このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、相手にこのカードの元々の攻撃力分のダメージを与える。


 最大で4400ものダメージを単体で与える事が出来る。ただし、攻撃力自体は低めなので過信は禁物。
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