遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム 作:とある遊戯王プレイヤー
「なんだテメェは?」
ユウは、木陰より姿を現した女を睨んだ。
「見ての通りよ」
と、彼女はデュエルディスクを示した。
それを構えた彼女のその姿、一言で言うなら強き狩人か、はたまた、しなやかな猛虎だ。
特にユウを警戒させたのが、獲物を射すくめる様な鋭い目付きであろう。
ただ者ではないのが、それだけで分かった。
この女の纏うオーラは、強者のそれであると。
まるで戦う為に産まれて来たかの様であるが、しかして容姿端麗な女。
「へぇ…アンタみたいなイイ女も、こんなワケ分かんねー事になってんだな」
「能書きはいいわ。私が興味あるのはアナタの実力だけ。さあ、構えなさい」
(……見たところ、顔にマーカーは無い。犯罪者崩れじゃなさそうだが…)
「どうしたの? もしかして戦いに恐れおののいているのかしら?」
「ハッ、そりゃあ怖ぇさ…勝負を受けてよぉ、もしアンタが死にでもしたら目覚めが悪ィだろ? さっきのオッサンみてーになぁ!」
「あら…案外思考してるのね? 安心なさい、さっきも言った様に、私はただ興味を満たしたいだけ…寝るにしても貴方だけよ」
「言うじゃねぇか! イイぜ、オレの闘い、とくと味わって貰おうかァ!」
その答えに、女はニヤリと笑む。
「フフッ、いいわ。アタシの戦術も、じっくりと刻んでアゲル。このデュエルでね」
互いのディスクが、うなりをあげて起動する。
「ああそうだわ。貴方、1勝したでしょう? エクストラデッキのロックを解除するか、新しいカードデータを手に入れなさい」
と、女は言った。
ディスクを確認すれば、ミッション達成に伴う特権なるものが表示されている。
1勝するごとに、
①エクストラデッキまたはメインデッキの特定召喚条件モンスターの3体開放(融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラム・リンク・儀式いずれか)
②初期デッキのアップデート(新カードデータの入手)
といった内容だった。
(ならオレは当然、エクストラデッキの開放だ…種類は……)
「準備はいいかしら?」
「いつでもイイぜー」
「「デュエル!!」」
ユウ LP4000
アミ LP4000
女…アミとユウはディスクからカードを5枚引いた。
「んじゃあオレから行くぜ! オレのターン!」
先攻はドロー出来ない。
流れる様にメインフェイズへと突入、ユウは手札を1枚、モンスターゾーンに置いた。
「手札から、【SSミッドソードナイト】を攻撃表示で召喚するぜ!」
ユウのフィールドに、青衣の剣士が現れ、雄叫びをあげる。
攻撃力は1450、レベル4の戦士族モンスターだ。
「見たことないモンスターね」
「ミッドソードナイトの召喚時効果発動! このカードが召喚に成功した時、手札の魔法使い族SSモンスター1体を特殊召喚出来る! オレは手札の【SSヒールマジシャン】を守備で特殊召喚!」
続けて、赤衣の魔法使いが現れる。
守備表示のため、レベル4、DEF2000と表示されていた。
「ヒールマジシャンの効果発動! このカードがSSモンスターの効果によって特殊召喚された時、デッキから爬虫類族SSモンスター1体を手札に加える。オレは、【SSリザードマン】を選択」
ユウは、デッキから選んだSSリザードマンを、アミに見せた。
女がこくりと頷いたのを確認し、手札に加える。
「ミッドソードナイトの効果は、フィールド上に他のSSが存在する場合、攻撃、守備力をそれぞれ500ポイントアップする」
SSミッドソードナイト ATK1450 → 1950
「そしてSSヒールマジシャンは、1ターンに1度、フィールドに他のSSが存在する時、デッキからカードを1枚ドロー出来る。当然オレは1枚ドロー」
「へぇ…便利な効果ね」
「だろうがぁ! オレは、魔法・罠ゾーンに3枚伏せて、ターンエンド」
ユウは、モンスターとは別に3枚のカードを、裏側のままセットした。
(クククッ…オレが伏せたのは【奈落の落とし穴】に【収縮】、そして【SSバリア】だ。簡単にはいかねぇぞ?)
「私のターン。ドロー」
アミは、カードを引くなり強く頷いた。
「このままメインフェイズよ…私は手札の【
(融合…ということはコイツ、エクストラデッキのロックを解除してやがる)
「フフ…更に、手札より【月光
【レベル2、闇属性、獣戦士族、ATK800】と表示される。
「月光白兎の効果発動! このコは墓地のムーンライトモンスター1体を特殊召喚出来る。先程墓地に送った月光黒羊を特殊召喚」
(成る程。こうやってモンスターを並べる訳か…)
「白兎の効果はこれだけじゃないわ。フィールドに存在する自身以外のムーンライトモンスターの数まで、相手魔法・罠カードを対象に取り、手札に戻す。私は中央のカードを対象にする」
「チィッ…」
対象となったのは奈落の落とし穴だ。
罠カードは一度、フィールドにセットしなければ使用出来ない為、手札に戻された場合には、再びセットし、ターンを跨がなければならない。
「何か大事なカードを戻された様ね」
「さぁてなぁ! スカかもしれねーぞ?」
「ふふ、分かっているわ。貴方はそうやって相手の動揺や苛立ちを誘っているだけ」
「あぁ? 何だとコラ!」
「貴方、ガラ悪く振る舞っていても、その実は常に頭を回転させている。今だってフル回転しているのでしょう? 次に私が、何をしてくるつもりで、どう対処しようか、と」
「ハッ、人間観察は結構だがな? 今はテメェのターンだぜ、さっさと回しやがれ」
「それもそうね。私は手札から融合を発動! フィールドの月光白兎、月光黒羊と手札の【月光
融合召喚。
それは魔法カード、融合を使い、決まったモンスター同士を混ぜ合わせ、新たなモンスターをエクストラデッキから召喚する。
月光舞剣虎姫の必要素材はムーンライトモンスター3体、即ち黒羊、白兎、紅狐の3体だ。
【融合モンスター、レベル9、闇属性、獣戦士族、ATK3000】と表示される。
「攻撃力3000…中々やるじゃねぇか」
「まだまだこんなものじゃないわ。融合素材となった黒羊と紅狐の効果発動。黒羊は、墓地のムーンライトモンスターを手札に回収する…白兎を手札に。そして紅狐は相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を0にするわ。勿論、狙いはミッドソードナイト」
ミッドソードナイト ATK1950 → 0
(しかも舞剣虎姫は、対象に取れない…厄介な!)
対象に取れない、とは効果で狙い撃つ事が出来ないのを意味する。
例えばユウの伏せカード【収縮】
これはモンスター1体を対象に取り、そのモンスターの攻撃力を半分にする。
つまり舞剣虎姫に収縮は効かない、そもそも発動出来ないというのだ。
「そして舞剣虎姫は、墓地及び除外されている獣戦士族1体につき、攻撃力を200ポイントアップする。私の墓地には黒羊と紅狐の2体が存在するわ」
舞剣虎姫 ATK3000 → 3400
「待たせたわね。バトルよ! 私は舞剣虎姫でミッドソードナイトを攻撃!」
ミッドソードナイトの攻撃力は0だ。
このまま攻撃が通れば、舞剣虎姫の攻撃力3400をそのままライフポイントに受けてしまう。
「トラップカード発動【SSバリア】! フィールドにSSカードが存在していれば、このターンSSモンスターは破壊されず、戦闘ダメージを0にする!」
幸い、このカードは相手モンスターを対象に取る効果ではない。
ミッドソードナイトの前に発生したバリアがサーベル剣を防ぐ。
「残念だったなぁ! ご自慢の攻撃は届かねぇ!」
「フン、まあ良いわ。メイン2に、魔法・罠ゾーンにカードを1枚伏せてターンエンドよ」
「オレのターン、ドロー!」
引いたカードは、レベル5の【SSルーセット・タートル】
現状では出番のないモンスターだ。
「オレは、手札からSSリザードマンを攻撃表示で召喚! 召喚時効果は使わない」
【レベル4、爬虫類族、ATK1600】と表示。
リザードマンの効果は、召喚成功時に手札のサイキック族SSモンスターを特殊召喚出来る。
が、その効果の対象となるカードが手札にない。
そして悪い事に、リザードマンのもう一つの効果は、他のSSモンスターが存在する時、フィールド上のモンスター1体を対象に取り破壊する。
そう、舞剣虎姫は、繰り返すが対象に取れない。
「オレは、ヒールマジシャンの効果を発動し1枚ドロー!」
引いたカードは魔法カード【SSグラトニーデビル】
やはり今、発動するカードではない。
「じゃあ仕方ねえなァ!! フィールド上のレベル4、SSミッドソードナイトと、SSヒールマジシャンをオーバーレイ、エクシーズ召喚!!」
エクシーズ召喚とは、レベルの同じモンスターを指定の枚数重ねて、全く別のモンスターをエクストラデッキから召喚することだ。
重ねられたモンスターは、オーバーレイ・ユニットという扱いになる。
「現れろぉぉランク4、【
【光属性、天使族、ランク4、攻2200、守2200】
右手に剣を、左手に杖持つ純白の鎧の戦士は、背に煌めく翼を広げ、光を裂き飛翔した。
【SS(シャイニーソルジャー)ショートダガー】
レベル2、光属性、戦士族、チューナー、効果モンスター
ATK1150 DEF950
このカード名の①、②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドに「SS」モンスターが存在する場合、このカード以外の手札を1枚墓地へ送り、このカードを手札から特殊召喚できる。②:このカードを装備カード扱いとして「SS」モンスター1体に装備できる。装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。③:このカードを装備したモンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを墓地に送ることができる。
主には①の効果を使い、シンクロ召喚するのがメインとなる。②の効果は、攻撃力アップと耐性を付与するが、1度装備してしまうと自力で装備状態を解除できないので注意。