遊戯王デュエルモンスターズ 遊技島のサバイバルデスゲーム   作:とある遊戯王プレイヤー

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月光の名を持つ戦士 ①

「なんだテメェは?」

 

 ユウは、木陰より姿を現した女を睨んだ。

 

「見ての通りよ」

 

 と、彼女はデュエルディスクを示した。

 それを構えた彼女のその姿、一言で言うなら強き狩人か、はたまた、しなやかな猛虎だ。

 

 特にユウを警戒させたのが、獲物を射すくめる様な鋭い目付きであろう。

 ただ者ではないのが、それだけで分かった。

 この女の纏うオーラは、強者のそれであると。

 

 まるで戦う為に産まれて来たかの様であるが、しかして容姿端麗な女。

 

「へぇ…アンタみたいなイイ女も、こんなワケ分かんねー事になってんだな」

 

「能書きはいいわ。私が興味あるのはアナタの実力だけ。さあ、構えなさい」

 

(……見たところ、顔にマーカーは無い。犯罪者崩れじゃなさそうだが…)

 

「どうしたの? もしかして戦いに恐れおののいているのかしら?」

 

「ハッ、そりゃあ怖ぇさ…勝負を受けてよぉ、もしアンタが死にでもしたら目覚めが悪ィだろ? さっきのオッサンみてーになぁ!」

 

「あら…案外思考してるのね? 安心なさい、さっきも言った様に、私はただ興味を満たしたいだけ…寝るにしても貴方だけよ」

 

「言うじゃねぇか! イイぜ、オレの闘い、とくと味わって貰おうかァ!」

 

 その答えに、女はニヤリと笑む。

 

「フフッ、いいわ。アタシの戦術も、じっくりと刻んでアゲル。このデュエルでね」

 

 互いのディスクが、うなりをあげて起動する。

 

「ああそうだわ。貴方、1勝したでしょう? エクストラデッキのロックを解除するか、新しいカードデータを手に入れなさい」

 

 と、女は言った。

 ディスクを確認すれば、ミッション達成に伴う特権なるものが表示されている。

 

 1勝するごとに、

 ①エクストラデッキまたはメインデッキの特定召喚条件モンスターの3体開放(融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラム・リンク・儀式いずれか)

 ②初期デッキのアップデート(新カードデータの入手)

 といった内容だった。

 

(ならオレは当然、エクストラデッキの開放だ…種類は……)

 

 

 

 

 

「準備はいいかしら?」

 

「いつでもイイぜー」

 

「「デュエル!!」」

 

 ユウ LP4000

 

 アミ LP4000

 

 女…アミとユウはディスクからカードを5枚引いた。

 

「んじゃあオレから行くぜ! オレのターン!」

 

 先攻はドロー出来ない。

 流れる様にメインフェイズへと突入、ユウは手札を1枚、モンスターゾーンに置いた。

 

「手札から、【SSミッドソードナイト】を攻撃表示で召喚するぜ!」

 

 ユウのフィールドに、青衣の剣士が現れ、雄叫びをあげる。

 攻撃力は1450、レベル4の戦士族モンスターだ。

 

「見たことないモンスターね」

 

「ミッドソードナイトの召喚時効果発動! このカードが召喚に成功した時、手札の魔法使い族SSモンスター1体を特殊召喚出来る! オレは手札の【SSヒールマジシャン】を守備で特殊召喚!」

 

 続けて、赤衣の魔法使いが現れる。

 守備表示のため、レベル4、DEF2000と表示されていた。

 

「ヒールマジシャンの効果発動! このカードがSSモンスターの効果によって特殊召喚された時、デッキから爬虫類族SSモンスター1体を手札に加える。オレは、【SSリザードマン】を選択」

 

 ユウは、デッキから選んだSSリザードマンを、アミに見せた。

 女がこくりと頷いたのを確認し、手札に加える。

 

「ミッドソードナイトの効果は、フィールド上に他のSSが存在する場合、攻撃、守備力をそれぞれ500ポイントアップする」

 

 SSミッドソードナイト ATK1450 → 1950

 

「そしてSSヒールマジシャンは、1ターンに1度、フィールドに他のSSが存在する時、デッキからカードを1枚ドロー出来る。当然オレは1枚ドロー」

 

「へぇ…便利な効果ね」

 

「だろうがぁ! オレは、魔法・罠ゾーンに3枚伏せて、ターンエンド」

 

 ユウは、モンスターとは別に3枚のカードを、裏側のままセットした。

 

(クククッ…オレが伏せたのは【奈落の落とし穴】に【収縮】、そして【SSバリア】だ。簡単にはいかねぇぞ?)

 

「私のターン。ドロー」

 

 アミは、カードを引くなり強く頷いた。

 

「このままメインフェイズよ…私は手札の【月光黒羊(ムーンライトブラックシープ)】の効果を発動。このカードを墓地に送ることにより、デッキから魔法カード【融合】を手札に加えるわ」

 

(融合…ということはコイツ、エクストラデッキのロックを解除してやがる)

 

「フフ…更に、手札より【月光白兎(ホワイトラビット)】を通常召喚!」

 

 【レベル2、闇属性、獣戦士族、ATK800】と表示される。

 

「月光白兎の効果発動! このコは墓地のムーンライトモンスター1体を特殊召喚出来る。先程墓地に送った月光黒羊を特殊召喚」

 

(成る程。こうやってモンスターを並べる訳か…)

 

「白兎の効果はこれだけじゃないわ。フィールドに存在する自身以外のムーンライトモンスターの数まで、相手魔法・罠カードを対象に取り、手札に戻す。私は中央のカードを対象にする」

 

「チィッ…」

 

 対象となったのは奈落の落とし穴だ。

 罠カードは一度、フィールドにセットしなければ使用出来ない為、手札に戻された場合には、再びセットし、ターンを跨がなければならない。

 

「何か大事なカードを戻された様ね」

 

「さぁてなぁ! スカかもしれねーぞ?」

 

「ふふ、分かっているわ。貴方はそうやって相手の動揺や苛立ちを誘っているだけ」

 

「あぁ? 何だとコラ!」

 

「貴方、ガラ悪く振る舞っていても、その実は常に頭を回転させている。今だってフル回転しているのでしょう? 次に私が、何をしてくるつもりで、どう対処しようか、と」

 

「ハッ、人間観察は結構だがな? 今はテメェのターンだぜ、さっさと回しやがれ」

 

「それもそうね。私は手札から融合を発動! フィールドの月光白兎、月光黒羊と手札の【月光紅狐(クリムゾンフォックス)】を素材に融合召喚! 現れなさい、【月光舞剣虎姫(サーベルダンサー)】!」

 

 融合召喚。

 それは魔法カード、融合を使い、決まったモンスター同士を混ぜ合わせ、新たなモンスターをエクストラデッキから召喚する。

 

 月光舞剣虎姫の必要素材はムーンライトモンスター3体、即ち黒羊、白兎、紅狐の3体だ。

 

【融合モンスター、レベル9、闇属性、獣戦士族、ATK3000】と表示される。

 

「攻撃力3000…中々やるじゃねぇか」

 

「まだまだこんなものじゃないわ。融合素材となった黒羊と紅狐の効果発動。黒羊は、墓地のムーンライトモンスターを手札に回収する…白兎を手札に。そして紅狐は相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を0にするわ。勿論、狙いはミッドソードナイト」

 

 ミッドソードナイト ATK1950 → 0

 

(しかも舞剣虎姫は、対象に取れない…厄介な!)

 

 対象に取れない、とは効果で狙い撃つ事が出来ないのを意味する。

 例えばユウの伏せカード【収縮】

 

 これはモンスター1体を対象に取り、そのモンスターの攻撃力を半分にする。

 つまり舞剣虎姫に収縮は効かない、そもそも発動出来ないというのだ。

 

「そして舞剣虎姫は、墓地及び除外されている獣戦士族1体につき、攻撃力を200ポイントアップする。私の墓地には黒羊と紅狐の2体が存在するわ」

 

 舞剣虎姫 ATK3000 → 3400

 

「待たせたわね。バトルよ! 私は舞剣虎姫でミッドソードナイトを攻撃!」

 

 ミッドソードナイトの攻撃力は0だ。

 このまま攻撃が通れば、舞剣虎姫の攻撃力3400をそのままライフポイントに受けてしまう。

 

「トラップカード発動【SSバリア】! フィールドにSSカードが存在していれば、このターンSSモンスターは破壊されず、戦闘ダメージを0にする!」

 

 幸い、このカードは相手モンスターを対象に取る効果ではない。

 ミッドソードナイトの前に発生したバリアがサーベル剣を防ぐ。

 

「残念だったなぁ! ご自慢の攻撃は届かねぇ!」

 

「フン、まあ良いわ。メイン2に、魔法・罠ゾーンにカードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

「オレのターン、ドロー!」

 

 引いたカードは、レベル5の【SSルーセット・タートル】

 現状では出番のないモンスターだ。

 

「オレは、手札からSSリザードマンを攻撃表示で召喚! 召喚時効果は使わない」

 

 【レベル4、爬虫類族、ATK1600】と表示。

 

 リザードマンの効果は、召喚成功時に手札のサイキック族SSモンスターを特殊召喚出来る。

 が、その効果の対象となるカードが手札にない。

 

 そして悪い事に、リザードマンのもう一つの効果は、他のSSモンスターが存在する時、フィールド上のモンスター1体を対象に取り破壊する。

 

 そう、舞剣虎姫は、繰り返すが対象に取れない。

 

「オレは、ヒールマジシャンの効果を発動し1枚ドロー!」

 

 引いたカードは魔法カード【SSグラトニーデビル】

 やはり今、発動するカードではない。

 

「じゃあ仕方ねえなァ!! フィールド上のレベル4、SSミッドソードナイトと、SSヒールマジシャンをオーバーレイ、エクシーズ召喚!!」

 

 エクシーズ召喚とは、レベルの同じモンスターを指定の枚数重ねて、全く別のモンスターをエクストラデッキから召喚することだ。

 

 重ねられたモンスターは、オーバーレイ・ユニットという扱いになる。

 

「現れろぉぉランク4、【SSH(シャイニーソルジャー・ヘブンズ)セイント・パラディン】!!」

 

 【光属性、天使族、ランク4、攻2200、守2200】

 

 右手に剣を、左手に杖持つ純白の鎧の戦士は、背に煌めく翼を広げ、光を裂き飛翔した。

 




 【SS(シャイニーソルジャー)ショートダガー】

 レベル2、光属性、戦士族、チューナー、効果モンスター
 ATK1150 DEF950

 このカード名の①、②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドに「SS」モンスターが存在する場合、このカード以外の手札を1枚墓地へ送り、このカードを手札から特殊召喚できる。②:このカードを装備カード扱いとして「SS」モンスター1体に装備できる。装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。③:このカードを装備したモンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを墓地に送ることができる。

 
 主には①の効果を使い、シンクロ召喚するのがメインとなる。②の効果は、攻撃力アップと耐性を付与するが、1度装備してしまうと自力で装備状態を解除できないので注意。
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