緋弾のアリア×IS 緋と蒼の協奏曲   作:竜羽

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銀氷舞い、焔起こる

ジャンヌが起こしたのであろう、煙幕によって作動したスプリンクラーから撒かれた水が空中でジャンヌの超能力で凍りつき、氷の結晶となって雪のように舞い散る、ダイヤモンドダストの部屋の中で、炎を灯した白雪の刀が煌き、ジャンヌの大剣とぶつかり合う。

大剣に付いた宝石のようなダイヤモンドダストを散らしながら、そしてその氷を瞬時に蒸発させながら、二本の剣がぶつかる音が響く

 

それは銀氷(ダイヤモンドダスト)と焔の幻想的な、見る者すべてを魅了するような剣舞だ。

 

いなされた白雪の刀が、傍らのコンピュータを音も立てずに切断し、ジャンヌは白雪から距離を取る。

 

「炎・・・!」

 

見れば、その顔にはわずかな怯えが見える。

 

「・・・怖いのね。初代ジャンヌを殺めかけたものが」

 

そう。恐ろしかったからこそ、その恐怖心と共に、彼女の一族は氷の魔術を研究してきたんだ。

 

「もうおしまい。このイロカネアヤメに、斬れないものはないもの」

 

「それはこっちのセリフだ。聖剣デュランダルに、斬れぬものはない」

 

再び、激しくぶつかり合う二人の剣。

あの大剣、本物のデュランダルだったのか。じゃあ、エクスカリバーとかもあるのか?

 

「・・・長くは続かないわね。この戦い」

 

流無の言葉に頷く。

超能力者(ステルス)同士の戦いでは、常に全力でぶつかり合い続けて、すぐにガス欠を起こす。

 

「加勢するならその瞬間だな」

 

「ええ」

 

ふと、キンジ達にも目を向けると頷いてくれた。

というか、なんかキンジとアリアの間にピンク色の空間があったのだが、何をしていたんだ?

 

 

 

「はぁ、はぁ・・・はぁっ」

 

数分間の攻防の末、白雪は刀を持ちながらも膝をついた。あの疲労困憊ぶりは俺にも覚えがある。結構つらいはずだ。それでもそばに落ちていた朱鞘を左手で探り当てて刀を収めた。

 

「甘い――甘い女だな。私を狙わずに、デュランダルばかりを狙うとはな。聖剣デュランダルを斬ることなど不可能だというのに」

 

ジャンヌはデュランダルの切先を白雪の首に向ける。

キンジが思わず飛び出そうとするが、アリアが抑える。

恐らく、まだ白雪は力を残している。

最後の一撃を放つために力をためているのだろう。

流無もD・Eを抜き構える。

 

剣を構えたジャンヌの周りにダイヤモンドダストが舞い始める。

それはみるみる、室内に吹き荒れ、一気に氷点下の寒さに――

 

「見せてやる、『オルレアンの氷花(Fleur de la glace d’Orleans)』――銀氷となって、散れ――!」

 

ジャンヌのデュランダルに青白い光が蓄えられていく。

――その時――!

 

「「キンジ/和麻、私の3秒後に続いて!」」

 

流無とアリアが同時に叫んだ。

まず、アリアが背中から日本刀を二本抜きつつ、弾丸のように飛び出し、それと同時に、流無もアリアの位置に移動する。

 

――1秒――

 

白雪との戦いに集中していたジャンヌが二人に気が付き、振り返る。

 

――2秒――

 

「ただの武偵ごときが!」

 

剣を横なぎに払ったジャンヌだが、流無のD・Eから放たれた弾丸の3点バーストが剣の軌道を変え、アリアの上空を青い光の本流が巻き起こり、光る氷の結晶の渦が、天井を巨大な氷の花が咲いたかのように凍らせていく。

 

――3秒――

 

「今よキンジ!ジャンヌはもう超能力(ちから)を使えない!」

 

「和麻も行って!」

 

アリアと流無に言われるまでもなく、俺とキンジは駆ける。

キンジの前に出て、風斬で突きを繰り出す。

ただの突き。

しかし、極めることで何者の目にも止まらない、神速の一撃を生み出すことだってできる!

それをジャンヌはデュランダルを引き戻して受け止めるが、あまりの速度と威力に満足に受け身を取ることもできずに吹き飛ばされる。

その隙に、キンジがベレッタを手に肉薄する。

強襲科(アサルト)で教えられる近接拳銃戦――敵が何らかの方法で銃弾から身を護れる場合は、至近距離から銃弾を浴びせて倒す。

それが武偵の戦い方だ!

 

「ただの武偵の分際で!」

 

しかし、ジャンヌも体勢を立て直し、銃弾をはじきながら、キンジに振り下ろす。

ジャンヌは間違いなく剣の達人だ。

だが、今のキンジはヒステリアモード、超人だ!

ジャンヌは驚愕する。

振り下ろされた剣をキンジは真剣白刃取り(エッジ・キャッチ)で受け止めたのだ。

片手で(・・・)

 

「・・・なんて、ヤツ・・・」

 

人差し指と中指に挟まれて止められているデュランダルを見て、ジャンヌは呟く。

そこに俺は後ろから、風斬を首に添える。

 

「――これにて一件落着だよ、ジャンヌ。もういい子にした方がいい」

 

キンジがそう諭すようにいうが、ジャンヌは闘志を無くさない。

 

「武偵法9条」

 

ジャンヌはキンジに言い返す。そう、武偵にはそれがある。

いかなる場合においても、武偵は人を殺してはいけない。

 

「ははっ、どこまでも賢いお嬢さんだ」

 

「お、お嬢・・・?」

 

ジャンヌはキンジの呼び方が恥ずかしかったのか、少し赤くなる。

 

「でも、残念だね」

 

「もうお前は終わりだ」

 

キンジと俺の言葉にジャンヌは眉を寄せる。

カッ、カカカッ――!という下駄を鳴らす音に続いて、

 

「キンちゃんに!手を出すなぁああッ!!」

 

あれ?俺は?

 

「――緋緋星伽神(ヒヒノホトギカミ)――!」

 

白雪の居合抜きのように、下から上へ解き放たれた刀が緋色の閃光と共に奔り――デュランダルを断ち斬る。そのまま、触れてもいない天井まで、巨大な栄光焼夷弾の様な焔の渦が吹き上がり、凍りついた天井を氷ごと爆音とともに砕いてしまった。

 

魔剣(デュランダル)!」

 

自身の聖剣デュランダルが断ち斬られたことの呆然としていたジャンヌにアリアが、対超能力者用の手錠をかける。

 

「逮捕よ!」

 

こうして、正体不明の魔剣(デュランダル)は逮捕された。

 

 

 

イケメン不知火のボーカルと、キンジのかき鳴らすギターで開会式のアル=カタが始まる。

曲が急にアップテンポとなると同時に、会場である第二グラウンドの左右からボンボンを持ったチアガール姿の女子たちが笑顔で舞台に上がってきた。

その中には、流無はもちろん、アリアと、アリアにけりだされるように出てきた白雪の姿もあった。

白雪は土壇場でアリアが抜擢、流無、アリア、白雪のトリオでメインとしてリードすることになった。

いきなり出場して大丈夫かと思ったが、優等生の白雪は完璧なチアを披露している。

 

ちなみに、ジャンヌは今、警視庁と東京武偵局の取り決めで尋問科(ダキュラ)の綴先生の取り調べを受けている。

黙秘を決め込むジャンヌを見た綴が、不気味に笑っていたのが怖かったな。

 

最後に女子たちがボンボンを高く放り投げ、隠し持っていた拳銃を撃つ。

空砲を歌詞に従ってポンポン撃つ姿に、観客は盛り上がる。

練習よりも多く撃っているチアたちの中で、流無とアリアと一緒に笑ってポーズを決めている白雪を見て、まるで、

 

王子様に助けられたお姫様みたいだと思った。

 

こうして、アドシアードは一件落着となった。

 

 

 

その後の、ファミレスでの打ち上げで白雪とアリアが仲良くなったり、また喧嘩したりしたが、楽しかった。

その後、キンジ達は寮に帰ったが俺と流無は、二件目、カラオケにくり出した。

今頃、いろいろ騒ぎが起きているのだろうなと、考えながら、カラオケで流無の歌を聴いていると、

 

「じゃあ!次は理子が歌う!!」

 

という声と共に、ドアが開き、ふりふりの改造制服を着た理子がいつもの調子で現れた。

 

俺と流無は一瞬驚くが、

 

「そんなに警戒しないでってば~、ちょ~っと、お願いがあるだけだってば」

 

一瞬で戦闘態勢を取った俺達に、理子、四月にキンジ達と戦った『武偵殺し』――峰・理子・リュパン4世はいつもと変わらない調子で笑いながら話しかけてくる。

 

「実はね、理子、アリアとキーくんのせいでイ・ウーを退学になっちゃったの。だ・か・ら」

 

――ドロボー手伝って?――

 




二巻終了です。三巻の内容に入りますが、やっとIS学園と絡めることが出来そうです。お楽しみに。

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