緋弾のアリア×IS 緋と蒼の協奏曲   作:竜羽

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チームメイト集め

IS学園の一週間にわたる警備の任務(クエスト)

そのためにはパーティを組む必要があるのだが、これがかなり難しい。

IS学園はかなり重要な施設のため、Aランク以上の実力者が必要で、それも一週間の陰口地獄にも快く引き受けてくれるようなやつがいる。

まあ、二人は既に確保した。

一人は神楽だ。

強襲科(アサルト)のAランク、本人の実力も高く、弱点だった突進癖も最近解決に携わったという事件で克服できたらしい。

 

「師匠が困っているのなら、喜んで引き受けよう」

 

といってくれたかわいい後輩に思わず抱きついて頭を撫でてしまった俺は悪くない。

もう一人は俺達と同じ強襲科(アサルト)の二年、不知火亮だ。

俺とキンジの親友の一人で、武偵高では珍しい人格者。

イケメンで礼儀正しくまじめな奴で、ランクもAランク。

格闘・ナイフ・拳銃どれも信頼できるバランスのいいスキルに加え、対テロ活動にも優れている。

これほど、この依頼(クエスト)にふさわしい人材はいない。

俺の頼みにも嫌な顔一つせずに頷いてくれたし。

 

これでメンバーは二人確保できたが、もう二人、できれば遠距離攻撃ができるやつや警備する作戦を立てたり、情報収集ができるオペレーター、司令塔が欲しい。

 

そう思った俺は情報科(インフォルマ)の専門棟のとある場所に向かっていた。

建物の奥にある薄暗い場所、そこにある一室に俺は入る。

中には様々な資料が高く積まれ、無数の計器類にパソコンが無尽蔵に置かれている。

 

「なんだ?ここに来るなんて珍しいな。だれだ?」

 

「俺だよ、レイズ」

 

俺が呼ぶと資料の山の奥から、ひょっこりと一人の少女が顔を出した。

白い髪に小学生くらいの体格、人形のようなかわいらしい顔をしているが不健康そうな眼の下のクマがそれを台無しにしている。

情報科(インフォルマ)のエースにして流無のルームメイト、レイズ・フローレンだ。ちなみに中学生くらいの身長だがれっきとした二年生だ。

 

「ああ、和麻か。今日は何をしに来たのだ?」

 

「頼みが「断る」・・・何も言っていないだろ」

 

「大方、今度の依頼(クエスト)に司令塔として来てほしいということだろう?」

 

流石は情報科(インフォルマ)のSランク、ただのひきこもりじゃないな。俺が依頼(クエスト)を言いつけられたこともすでに調査済みか。

 

「私はあそこの様子を見るのが最近の趣味だが、行く気はない。こういうのは見ているだけに限る」

 

「まあ、お前ならそう言うと思っていたよ」

 

元々あまり期待はしていなかった。引きこもりだし。

 

「なら、他にお前の代わりになりそうな通信学部(コネクト)の生徒はいないか?」

 

全校生徒の個人情報を持っていそうなこいつならいい奴を知っているはずだ。

 

「ふむ、そうだな」

 

しばらく、顔を資料の中に埋めると一枚の紙をよこした。

 

「こいつなら問題はないぞ。戦闘もできるし情報収集能力も高い」

 

その紙に書かれていた名前に俺は少し眉をひそめた。しかし、レイズの言っていることはもっともなので、

 

「サンキュ。また何かあったら来るわ」

 

そう言って出ようとする。

 

「少し待て」

 

しかし、レイズに呼び止められた。

 

「ちょうどここにIS学園の生徒、その中でも注意すべき人物たちの資料を偶然作っていたところなのだ。この資料がもうすぐできるのから、そいつに持たせるついでには私から言っておこう。だからお前は他のメンバー、そうだな、狙撃手あたりを探して来い」

 

「いいのか?」

 

「なぁに、いつも買い出しに出てくれている礼だ」

 

ふふんっ、と笑うとレイズはまた資料の山の中に潜り込んでいった。

 

 

 

レイズに言われた通り、俺は狙撃手を探すことにする。

候補は数人上がっているのだがどれも断りそうな面子ばかりで却下。

最後に残ったのは、翡翠色の髪に琥珀色の瞳の小柄な少女。

正直受けてくれるか微妙なところだが、言うだけ言ってみるかと、俺が結論を出したところ、

 

信じられないものが横切って行った。

 

何を見たのかというと、目の前をオートバイに乗ったキンジが、下着姿に愛銃のドラグノフを肩にかけた、さっき俺が交渉しに行こうと思っていた少女、レキと二人乗りで爆走していく姿が横切って行ったのだ。

とりあえず、気と風をフル活用して二人を追いかけることにする。

 

 

 

二人が向かったのは人口浮島の南の端にある工事現場だということを視力3.5はあると自負している目と、風の探査を使って二人と周辺の様子を探る。まだ距離は離れているが、問題はない。

どうも工事現場の中に一頭のオオカミがいて、それを二人は仕留めようとしているみたいだ。

しかも、そのオオカミというのがまた凄い。

銀色の毛並みに、どこか気品すら感じさせる逞しい肉付き。

そして、100キロに迫ろうかという巨体。

間違いなく、強襲科(アサルト)の猛獣についての授業で習った絶滅危惧種。

コーカサスハクギンオオカミの成獣だ。

なんで、こんなところにいるんだ?という俺の疑問を無視して事態は動く。

オオカミは自分の足跡を偽装し、罠にはめて奇襲しようとする。

キンジはとっさに乗っていたバイク(世界最強のエンジンを搭載したネイキッド・バイク。その名もBMW・K1200R)をスピンさせ、車体を盾にして防弾制服もなく、無防備なレキを護ろうとする。

オオカミはバイクと体当たりしてすぐさま退き、人口浮島にできたクレパス――10メートルはあろうかという工事中の亀裂を飛び越えて逃げていく。

それを、どうもヒステリアモードになっているキンジがベレッタで工事現場の足場を倒し、即席のジャンプ台を作り、急加速しながら飛び上がる。

 

――私は一発の銃弾――

 

ドリフト気味に着地したバイク。

その後ろのシートでレキが流無と同じくらいのバランス感覚で立ち上がるのが見えて、風が運んでくれる音の中に彼女の声が届く。

 

――銃弾は人の心を持たない。故に、何も考えない――

 

これはレキがターゲットを弾く時につぶやく、癖の様なもので、この詩のような言葉をつぶやいたレキが狙撃を外したことは一度もない。

 

――ただ、目的に向かって飛ぶだけ――

 

パアンッ!

 

――私は一発の銃弾――

 

 

 

しばらくすると、工事現場からキンジとオオカミを従えたレキが出てきた。

レキの放った銃弾はオオカミに命中せず、背中をかすめただけだった。

そのことにいぶかしんだが、どうもレキは脊椎と胸椎の中間、その上部をかすめるように銃弾を撃ち、瞬間的に圧迫することで脊髄神経をマヒさせたようなのだ。

動けなくしたオオカミに対しレキは、主を変える様いい、オオカミを服従させた。

 

「よう。猛獣退治お疲れさん」

 

「和麻!?見ていたのか?」

 

「そりゃ、いきなりあんな光景見かけたら何があったのか気になるだろう」

 

「やはり和麻さんでしたか」

 

俺とキンジが話している間を割り込むようにオオカミを従えたレキが話しかけてくる。

キンジの制服をかぶっているがその下は、緑色のインナーみたいな下着で目のやり場に困る。

だというのに、全く隠そうとしないからたちが悪い。

 

「先ほど、キンジさんがバイクで飛び上がったとき不自然な風が流れました」

 

「あ、ばれた?」

 

「はい。ばれました」

 

そう、さっきキンジ達が飛んだ時、俺は密かにキンジ達を加速させるように追い風を拭かせていた。

 

「それにしても、まさかレキにこんな才能があるとは」

 

猛獣のオオカミをたった数分で手なずけるとはな。

 

「ああ。ほんとレキには驚かされっぱなしだ」

 

「同感だ。それでこいつはどうするんだ?」

 

「手当てします。服従していますから」

 

「それから?」

 

「飼います」

 

「「飼う?!」」

 

キンジとハモってしまった。

 

「そのつもりで追いましたから」

 

「そ、そうだったのか・・・でも女子寮はペット禁止だぞ。まあ、そんなルールはちゃんと守られていないが、いくらなんでもそいつはデカすぎる」

 

キンジの言うことはもっともだ。どうするんだ?

 

「では武偵犬ということにします」

 

武偵犬とは警察犬なんかの武偵版で、武偵高では鑑識科(レビア)探偵科(インケスタ)で犯人の追跡なんかに使う。

狙撃科(スナイプ)で飼っている奴なんていないぞ。

 

「そいつはオオカミだろ?犬じゃない」

 

「似たようなものです」

 

「いや、でも」

 

「お手」

 

レキがそう言うと、オオカミはちゃんとレキに片手を出した。

・・・変わり身速いな、おい。

 

「名前はどうするんだ?」

 

俺がそう聞くと、レキはジーっとオオカミを見つめた後、

 

「ハイマキです」

 

そう応え、オオカミ、いやハイマキも同意するように軽く吠えた。

 

「あ、そうだレキ。お前何でそんな恰好なんだ?」

 

気になっていたことを聞く。なんで下着だけでなんだ。

 

「保健室で採血の再検査を受けていたところ、ロッカーの中にいたキンジさんと武藤さんにハイマキが飛びかかってきました。そsて、逃げ出したのを追いかけようとしたキンジさんに私も同行したのです」

 

「お、おい!」

 

ほほう?つまり。

 

「キンジ、お前覗きをしていたのか?」

 

「違う!俺は理子に――」

 

「ついでに再検査には私以外に、アリアさん、理子さん、風魔さん、柳生さん、そして流無さんがいました」

 

ピクッ。

 

「それは本当か?レキ」

 

「はい。みんな下着姿でした」

 

つまりこいつは、流無の下着姿を見たと?俺の流無の、下着姿を?

 

「い、いやそれは・・・」

 

「見たんだな、キンジ」

 

俺は背中に隠し持っている風斬と水蓮の柄に手を添えて、

 

「風斬、水蓮―――抜刀!」

 

「だ、だから俺はのぞくつもりは――!」

 

「問答無用だ!!!見た時点でぶった斬る!!!!」

 

それから、バイクに再び乗ったキンジとの追いかけっこが始まり、最終的にボコった。

途中で見つけた共犯の武藤も血祭りにあげてやったぜ。

 

その後、レキにチームを組んでくれないか交渉してみたところ二つ返事で了承してくれた。

 

 

 

一週間後の武偵高校門前。

朝に出ていくときに流無に作ってもらった弁当を持ってそこに向かうと、引率の高天原先生がマイクロバスの前に立っていて俺が集めたチームメイトたちがいた。

いつもの人のいい笑顔を浮かべる不知火。

武器の番傘を肩に乗せて目を閉じて立っている神楽。

先日、武偵犬として認められたハイマキを従え、ドラグノフを肩にかけたレキ。

 

そして、長い銀髪を二本の三つ編みにしつむじの辺りで結ったストレートロングヘアの髪型に、サファイヤの色をした瞳の美少女がいた。

 

「本当に来てくれるとはな、ジャンヌ(・・・・)

 

そう。先日、地下倉庫(ジャンクション)で俺達と戦ったジャンヌ・ダルク30世だ。

 

「なかなか面白そうな話だったからな。私も一度IS学園に行ってみたいと思っていたところで、レイズから話を聞いたのだ」

 

ジャンヌはあの後、司法取引をして、強制的に東京武偵高の生徒になった。

今の彼女はパリ武偵高から来た留学生、情報科(インフォルマ)二年のジャンヌだ。

 

初めて聞いたときはかなり驚いた。なにせ、大人っぽかったから同い年とは思わなかったからな。

ちなみに、彼女は武偵高のセーラー服に「未婚の乙女はみだりに脚を出すものではない」とぼやいていらしたのはここだけの話だ。

 

そして、最後にもう一人いた。

 

「八神君!遅いのだ!あやや、待ちくたびれたのだ!」

 

身長143センチのちっこい体に無邪気な声をあげる平賀文さんだ。

彼女は武偵活動における装備品の調達・カスタマイズ・メンテを行う装備科(アムド)の生徒で、かの有名な江戸時代の発明家、平賀源内の子孫であり、機械工作の天才だ。

その腕前は装備科(アムド)でSランク相当の実力なのだが、違法改造や相場無視の吹っかけ価格の改造などをするのでAランク止まりなのである。

今回は依頼(クエスト)のことをどこからか聞きつけ、ISを見に行きたいという純粋無垢な理由で参加してきたのだ。

まあ、銃の無料整備を条件にOKを出した。

 

「それでは、みんな揃いましたね。それではIS学園に向けて出発するのでバスに乗り込んでくさい」

 

高天原先生の声に従って俺達はバスに乗り込む。

そういえば、今年のIS学園には男子生徒が入ったんだっけ。

なら、少しはましになっているのかもしれないな。

 

俺はそんなことを考えながら、バスに乗り込んだ。

ほどなくして、バスは一路IS学園に向かうのだった。

 

 

 




チームはこんな感じです。
次回はちょっと流無さんたちの話をしてから、IS学園です。
どうなるのかお楽しみに。

神楽とラウラの邂逅をうまく書けるかな
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