武偵高の夏休みは、単位の危ない生徒用の
俺たちが参加する研修はその次の日の8日からで、参加者はかなりの数だったので連絡がめんどくさかった。
今はバスに乗って研修先に向かっており、参加するメンバーを紹介する。
まずは、悪名高き
Sランクで風術師の剣士。俺、八神和麻。
同じく、Sランクの
またまた、Sランクで
武偵高の常識人で、なんでもこなせるAランク、不知火亮。
続いて、
参加者の中では最低ランクのEランク。しかし、ヒステリアモードになると主人公に覚醒する遠山キンジ。
普段はちっこくてかわいい流無の親友。しかし、その正体はアリアのライバルの大泥棒。怪盗アルセーヌ・リュパンの曾孫、Aランクの峰理子・リュパン4世。
キンジの
社会の陰で暗躍してきた策士の一族、銀氷の魔女、ジャンヌ・ダルク30世。ちなみに編入したばかりなのでランクはない。
乗り物と名のつく物ならば、ロケットでも乗りこなせる優等生(そうはみえないが)。Aランクの武藤剛気。このバスも経費削減のため運転している。
その小さな手であらゆる武器や防具を違法改造だってしちゃう無邪気なAランク、平賀文。
二千年もの永い時を経て、現代に受け継がれた術を操る焔の巫女、星伽白雪。怒らせたら怖いAランク。
最後に、生徒たちから畏怖の念を集める
今では笑顔を絶やさない優しい先生だが、昔は『|血塗れゆとり(ブラッディー・ユトリ)』と恐れられた実力未知数の傭兵。頭を
年中ラリっていそうな危ない雰囲気を放ち、どんな犯罪者でも、すぐにすべてを吐き出させ、自分に服従させる
我らが
総勢、16人と1匹が今回の研修に声をかけられたメンバーだ。
改めてみるとSランクが四人、Aランクが6人、Bランクが1人ってかなりすげえな。まあ、キンジだけものすごくしょぼく見えるけど。
で、そんな凄いやつら揃いの俺たちがバスの中で何をしているのかというと――
「おい!そっちに逃げたぞ!」
俺の声が響くと、
「大丈夫!私と理子ちゃんとレキちゃん分隊がはっているわ!」
「大丈夫なのであります!かーくん隊長!」
「・・・狙い撃ちます」
流無、理子、レキが返事をする。
「蒼神さん。こっちも行ったよ」
「ぬぉー!追撃するのだ!」
「よし、私たちも行くぞ、白雪。
「は、はい!」
不知火、平賀さん、ジャンヌ、白雪も声をあげる。
「師匠!それがしたちもまいるでござる!」
「うむ。今こそ師の役に立ち、弟子の力を見せるとき!」
「・・・お前ら元気いいな」
「何してんのよ、キンジ!速くいかないと、いいところ持って行かれるわ!」
風魔、神楽、キンジ、アリアも参戦する。
「あらあら、若い子たちは元気ねえ」
「だがなー、私らも負けるわけにはいかんなァー」
「がはは、その通りや!ウチの大剣の錆にすんでぇ!」
最強の教師陣も出撃する。そして――
「よっしゃあ!全員で総攻撃だああ!」
「尻尾を斬れえええ!!」
「くたばれええ!!」
「落とし穴仕掛けたよぉ!」
「誘導するよ!」
「もう一体来たあ!?喰らえ閃光玉!」
俺たちはP○P片手にさらに熱狂し始める。
今やっているソフトはモンス○ーハン○ーポー○ブル3rd・NEOだ。
従来のソフトを
しかも、ハンター同士での対戦モードまであるという夢の様なソフトだ。
だがしかし。
問題児だらけの武偵高の生徒が作ったものだからなのか、当然バグはあり、
「おい!いきなり火竜が三匹乱入してきたぞ!?しかもデケェ!」
「えええっ!?こっちは水たまりの中からガノ○トスが飛び出してきた!?」
「ふぁおおお!!?ファ○ゴの群れに流される~!?」
こんな風にハチャメチャな展開になることも多いのだが、そこは武偵高の生徒、それすらも楽しみ、いまだに武偵高生の間では爆発的な人気を誇っている。
近々、最新版が完成するともっぱらの噂だ。
「チクショー!俺だけ除け者かよ!轢いてやる!!」
バスを運転している武藤が何か叫んでいたがどうでもいいな。そんなことより、一狩り行こうぜ!
モンス○ーハン○ーポー○ブル3ard・NEO。
お買い求めは東京武偵高、
定価:3980円より、交渉次第では半額まで値引き可能。
最新作、現在制作中。今冬発売予定。
こうご期待!
そんなこんなで着いたのは研修先の旅館。名前は『花月荘』。趣もあり、海を一望できるかなりいところだ。
「女将。今年も来たぞ」
「は~い。久しぶりね、綴。ゆとりも蘭も元気してる?」
「はい♪元気ですよ」
「がはは。今年もうまい酒を頼むわ」
女将と教師陣が挨拶している中、俺たちは――
「ここの温泉は冷え性にも効くという。私の冷え性も治るだろうか」
あの魔術って冷え性の副作用もあったのか。
「キーくん。海では理子に日焼け止めぬってぇ?」
「こらー!キンちゃんにくっつくなあ!」
「キンジ!何してんのよ!」
「勘弁してくれ・・・」
キンジ達は相変わらずの修羅場だ。
「星伽さん。不憫だ」
「アウン?」
「大丈夫なのだ?むとーくん」
涙を流す武藤と、慰める?ハイマキと平賀さん。
「師匠のお背中はそれがしが流すでござる」
「ふむ。私もその時は一緒に突入しよう」
何の計画を練っているんだ、そこの後輩たち。
「流無さん。私の水着どうもありがとうございます」
「いやいや、気に入ってもらえた?」
「はい」
流無とレキはなんか平和だった。
不知火と俺?荷物を整理しているよ。いろいろ多いんだよ。特に銃弾。
「おい、お前ら!今日から少し厄介になる女将に挨拶しろ!」
蘭豹の声にすぐさま集まる俺達。
『よろしくお願いします!』
「はい。よろしくね」
俺達男子は四人部屋で、女子たちは大部屋を使うようだ。
時間はまだ十時。
さっそく海にくり出すことにした。
ヒステリア持ちのキンジが渋ったが、アリア、白雪、理子に拉致られていった。哀れだ。助けはしないけどな。
水着に着替えた俺は、同じくトランクスタイプの水着になった不知火と武藤と一緒に海に行く。
日差しは強いが、武偵高とは違う海特有の潮の風が心地いい。
女子たちはまだなのか、誰もいなかった。
少し遅れてキンジも来たので、男四人でパラソルやシートを広げる。
ついでにお昼のバーベキュウセットも用意しておく。これで時間が来れば女将さんが食材を大量に持ってきてくれる。
あとは、浮き輪や水上バイクの準備もする。武藤なんか、ノリノリで水上バイクを整備して、さらにはこの間の休み時間にキンジに撃沈されたボストーク号を修理、改良した『ボストーク弐号』も用意していた。
やがて、女子たちが出てくる。
「やっほー!和麻―!」
自身の髪の色と同じ、水色のビキニを着ている流無。手を振りながら俺の方に向かってくる。信じられるか?あんな綺麗でかわいい女の子が俺の彼女なんだぜ?
「・・・」
その後ろからハイマキをつれたレキがトコトコ歩いてくる。
緑色のセパレートタイプの水着だがこれもよく似合っている。
「キーくーん!」
なぜかスクール水着姿の理子はキンジに背中から抱きつく。
「おっおっおい!よせ!離れろ!」
「え~?いいじゃ~ん。理子と一緒に泳ごう?」
そんな二人に近づく影・・・。
「こらー!またキンちゃん様に!この泥棒ネコ!離れなさい!」
理子の肩を掴んで、キンジから引き離そうとする白雪は、やたらと面積の小さい白のマイクロビキニだった。少しずれただけで見えてしまいそうなその水着に、武藤が鼻を伸ばしている。
「あっ、相変わらず、あんた達はぁ!風穴開けるわよ!」
ガバメント持参であらわれたアリアはレキと同じセパレートタイプだが、色は薄い
「む~。どうにも落ち着かないでござる」
「いや、ふんどしは流石にまずいだろ」
やや、遅れて後輩二人組がやってくる。
二人とも、ピンクの花柄にフリルのあしらわれたビキニだった。
「あやや!遅れたのだ!」
「大丈夫だ。まだみんな体操していない」
最後に、平賀さんとジャンヌもやってきた。
ジャンヌは白いビキニに青いパレオを合わせた何とも涼しげな水着。
平賀さんは・・・やっぱりスクール水着。予想を裏切らない人だ。
「さーて。今日は自由時間だからみんなで思いっきり遊びまくるわよ!」
流無の掛け声に全員、大なり小なり返事をする。
それを合図に俺たちは遊び始めた。
ちなみに、先生たちは女将と酒盛りをするらしい。
なんでも、女将は元武偵で綴の同僚。
くのいちの家系で、人助けのために全国を旅する高名なおじいさんを陰から守っていたらしく、他にも男の忍びが一人、二人の用心棒に、よくうっかりしてしまう人もお供だったとか。ちなみに今年で還暦らしい。みえねぇ。
そして、俺たちが遊び始めた十一時、旅館の前に数台のバスが止まった。
そこから降りてきたのは、大勢の女子生徒たちと引率の教師。そして、一人の男子生徒だった。
運命は静かに、ゆっくりと、しかし確実に回り始めていたことを俺たちは誰一人として気が付かなかった。
「俺たちのボストーク弐号!!!??」
「すまん。サーブの加減を間違えた」
次回、海でもはちゃめちゃパニック!・・・うまく書けるかな。