時は流れて和麻と流無のデート当日――
列車を降りて、しばらく歩くと目的地のショッピングモール、『レゾナンス』についた。
かなりの大きさでなんでもそろっているらしい。
で、
「さあさあ!次のお店に行くわよ!」
「ま、マジでか・・・」
かれこれ二時間くらい買い物をしているのだが、買い物袋はどんどん増えていく。
中身は服に、小物に、化粧道具に、パーティグッズに、遊び道具に、本に、ゲームにいろいろ・・・。
女の買い物は長いというがまさにそれだ。
武藤でも呼ばないと帰れないんじゃないか?これ。
「次は何を買うんだ?」
「水着よ!もうすぐ夏だしね!」
「了解」
・・・両手や両肩も埋まっているのに、これ以上どうやって持てばいいのだろうか。
「その前にお昼にしましょう」
「やっと休める・・・」
俺と流無はレゾナンス内にあったファミレスに入る。
「ん?何か今嫌な予感が・・・」
気のせいだろうか。いや、おそらく気のせいではない。
なんかこの先とてつもなく面倒な展開になりそうな気がする。
「・・・こういう時の感は当たるんだよな俺。クジ引きとかじゃ全然なくせして」
そう思いながら、水着・・・というか、ライフセーバーのようなのを買った俺は、付き添いの人物がいる女性水着売り場に行く。気が引けるな・・・。
いい想いをして、昼食を食べ終えた後、俺たちは二手に分かれて水着売り場に向かった。
ついでに俺も水着を買うことにしたのだが、男の水着なんてあまり変わらないからすぐに決まった。黒のトランクスタイプだ。
流無が遅いので女性売り場の方に向かったのだが、
「だから離してくださいまし!」
「ああ、もう!さっきから言っているでしょ!」
「だから、怪しいから質問しているだけよ!こそこそ、何していたの?」
二人の女子と言い争う流無がいた。
「・・・何してんだ?」
「あ、かず「「八神さん?!」」・・・は?」
ん?こいつらは確か・・・
「セシリアと鈴か?」
よくよく見てみればIS学園の制服を着たIS学園の生徒、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットと、中国代表候補生の凰鈴音だった。
俺が思い出した瞬間、流無が音もなく俺の目の前に現れて俺の胸ぐらをつかみ、デザート・イーグルを俺の額に突きつける。って!?
「どういうこと?説明してくれるわよね?」
「あ、ああ。教えるから落ち着け!?銃を収めろ」
二人もドン引きしているぞ。
「・・・え~、どういう状況?」
『!』
「って、黒崎か」
こいつもいたのかよ。
しかも両手に花だな。左右にいるやつらは最近知ったあいつらか。
「八神さんどうもこんにちは。怪我の調子は良さそうで。それとその状況は彼女に人質にされていると認識してよろしいので?」
「そう見えるだろうが違う。それと、お前の横にいる彼女たちも代表候補生だな」
「さすがですね。知っていましたか」
当然レイズからだ。
組織から送られてきた代表候補生らしい。
「アリシア・マーフェウスです。アリィって呼んでください」
黒髪で黒崎より長い、腰まである髪を後ろで縛っている女子。
確かアイスランドの代表候補生だったな。
「レイラ・ハーベストです。あなたのことは聞いています。八神和麻さん」
眼鏡をかけて、白い髪で首の辺りまでかかっていて、後ろ髪を2つに分けて束ねている女子。
こっちはオーストラリア。
二人共専用機持ちだったと聞いたが。
「しかしなるほど。彼らが武偵・・・」
「容赦なく拳銃を突きつける方なんですね」
「多分だけど違うアリィ」
何漫才してんだそこ!
「か~ず~ま~?」
「だぁ!だから銃を降ろせ!!今説明する!!」
俺がそう言うと、流無は一応銃を収めてくれたので説明をした。
この間のIS学園での任務中に出会ったことなんかを正確に、三人にも手伝って貰って。
「な~んだ。そうだったの」
なんとか納得してもらって、何があったのか聞いてみると、なんでも水着を買い終えて店を出ようとしたら不審な行動をする二人を見つけて職務質問をしていたらしい。
「ようするに、お前らの尾行がそれほど下手だったってことだな」
「うっさいわよ仭!」
「それで、この方は誰なのですか?」
セシリアが流無のことをきいてくる。
「私は蒼神流無。和麻と同じ、武偵高の生徒で同級生ね」
「ああ、そうでしたの」
「そして、和麻の彼女よ♪」
「「え、ええええええ!!?」」
流無の言葉に二人は驚いたような声をあげる。それを見ているのが面白いのか、流無は俺の腕に抱きつく。見せつけるように。
そんな俺たちを見て、二人は顔を赤くする。
「へぇ~」
「あら、そっちは驚かないの?」
「「「はい」」」
「・・・つまらないわね」
「何を言っているんだ?」
すると俺から離れて、今度は黒崎に近づく。
「ん?」
「ふ~ん、君があの坊やねぇ~」
「「「「坊・・・!?」」」」
「・・・ガキって呼ばれたことはあっても、坊やは初めてだな」
呆れるように言う黒崎。そして4人は笑いを堪えている。
てか、2人なんか笑い合っているけど怖いぞ。
「・・・何をしているお前ら」
そこにやってきたのは、さっきの声を聞きつけたのだろう、IS学園でも見たスーツ姿の織斑千冬教諭。
後ろには山田真耶先生に織斑一夏と女生徒の制服を着たシャルルがいた。
「本当にすみませんでした!」
「・・・」「・・・」
八神さんに頭を下げている一夏。
手紙でも書いたが、タッグマッチトーナメントで、自身の行動のせいで、八神さんに怪我を負わせたことをずっと奴は謝罪したかったのだが、見舞いに行く許可も出なかった。ゆえに俺は手紙を送ったわけだが。
まあ、俺が一夏を止めるのが間に合わなかったというせいでもあるのだが。
「別に気にしていないから、頭上げろ」
「でも!」
すると八神さんは一夏の頭を掴み、無理やり上げて自身の目線と合わせる。
こっち側では少々うるさくなったが、俺と流無さん(下の名前で呼べと命令された)で抑える。
「お前が何度頭下げようが俺が怪我したっていう過去は変わらねえんだよ。だったらいつまでも引きずってそれに俺を付き合わせるな。迷惑なんだよ。それとな、これだけは言っておく。次あんな真似をすれば、お前は確実に―――死ぬ」
「ッ!?」
「力のない奴が何を言っても、何をしようとも意味はない。周りの迷惑になって最後は死ぬ。それが嫌ならもっと力をつけろ」
そこまで言った後、彼は頭を掴んでいた手を放す。
「・・・」
「一夏」
「仭・・・」
一夏はまだ彼に何か言いたそうにしていたが、俺が前に出て無言で制す。
・・・千冬さんとあと3人は流無さんと一緒に、立ち去ろうとする八神さんを睨んでいる。
なんか間違ったこと言ったか?
彼の言っていることに苛立ちを覚えたのは、何となく察するが・・・。
しかしこの中でわかっているのは、他にはアリィとレイラだけというのが少々な。
さて、連れが他にいるのでもうそろそろ動こうと思っていたら――
ショッピングモール全体に衝撃が襲った。
揺れが収まった後、流無さんの携帯が鳴り、彼女がしばらく話した後、
「ここに強盗が押し入ったわ。数は不明だけどかなりの人数よ。元ネタはレイズちゃん」
と言った。八神さんに対してだろう。
「ちょっと待っていろ。探し出す」
八神さんは持っていた荷物を下ろすと、目を閉じて何かに集中し始める。
おそらく風を操っているのだろう。
それで探知でもしているわけか?
というか、探知できるのなら
と、そんなことを考えていると
「一階と最上階だ。いけるか?流無」
「誰に言っているのよ。デートを邪魔されたんだから相応の報いは受けてもらうわ。ついでにこの前の憂さ晴らしもさせてもらわないと」
そう言いながら、デザート・イーグル(さっき教えてもらった)に弾を装填している流無さん。・・・悪い笑みを浮かべているな。何か嫌なことでもあってその鬱憤を晴らしに行くのだろうか?
まあ、強盗くらいだったら、任せてもいいだろう。むしろ俺たちはISを使わないのならば、足手まといだ。
「オッケイ。なら俺が下をやる。流無は上を頼む」
「了解」
武器を取出し、耳にインカムを付けた二人が駆けだそうとするが、鈴が声をかける。
「待ちなさい!私たちも行くわよ!」
やはり・・・。
他にセシリアやシャルロットもやる気満々だ。
アリィとレイラの方を見ると、俺の指示を待っている。
首を横に振って俺は返答。それを二人は了承した。
「いらん」
「「「え?」」」
だろうな。
「これは俺たち、武偵と警察の仕事だ。いくら代表候補生の専用機持ちだからといって現場を荒らされたらたまったもんじゃない」
「なっ!?これでもちゃんと軍の訓練を受けているわよ!強盗の一人や二人g「十人だ」え?」
十人か・・・。
これはさすがにこいつらでも無理だな。
「十人だ。強盗の人数は十人。しかも、人質を取るかもしれない。そんな相手を制圧できるのか?やったことがあるのか?」
八神さんがそう言うと、三人は言葉に詰まる。
代表候補生たちは一応の訓練を軍で受けるが、それはISが使えない状況下に陥った用の訓練。犯罪者を想定された訓練でない。
確かに強盗は倒せるだろうが、彼の言ったように人質救助なんかは無理だろうな。
まあ、強盗の状態がどうとでも構わないというのであれば、俺やアリィたちでも楽に制圧できるが。
「八神武偵の言うとおりだ。大人しくしていろ」
千冬さんがそう言うと、三人はやっと引き下がった。
まだ引き下がらなかったのなら、俺が無理やり黙らせるつもりだったけど。
そして荷物を俺に預けると、彼らはそれぞれ走っていった。
・・・なんで俺なんだ?千冬さんでいいだろ。
十数分後、犯人十人をすべて捕まえたと連絡があった。
そしてそのうち三人はなぜか股を抑えていて、連れて行くのにある意味苦労したようだが・・・。
犯人たちを警察に引き渡し、レゾナンスに戻ったころにはもう夕方になっており、預けていた買い物袋を返してもらった後、俺たちは早々に織斑たちと別れて近くの公園で売っていたクレープを食べていた。
「はあ、久しぶりのデートだったのになんで事件が起きるのかしら」
「しょうがないだろ。起きた事件は解決せにゃ。サボったりしたら蘭豹がやばい」
「そ、それもそうね」
二人でこの間の蘭豹を思い出して震える。朝もこんなことあったな。
「そ、そういえば、結局、あの時の蘭豹先生の話しってなんだったの?」
ああ、言っていなかったな。
あの時はお互い恐怖に支配されていたからな。
「研修だ」
「研修?」
「指定された生徒を蘭豹、綴、高天原先生の引率で夏休み一日目から二泊三日間の研修だって。俺にはその生徒への連絡。ちなみにお前もだぞ、流無」
「ふ~ん、どこに行くの?」
「さあ。ただ、海のあるところだって言っていたな」
「あら。それじゃあ、丁度水着も買えてよかったじゃない」
「そうだな。っと、そろそろ行くか」
「ええ、もうすぐ列車の時間だしね」
俺と流無はクレープを急いで食べて公園を出る。
荷物は半分は流無に持ってもらって空いている手で手をつなぎながら、俺たちは駅に向かって歩いて行った。
帰りは空いていたから、朝みたいなことにならなくてよかったぜ。
しかし、最後に黒崎が意味ありげなことを言っていたな。「またすぐ会うことになるでしょう」って。
IS学園のとある寮室。
そこでは、一人の少女、更識簪が携帯で仭と会話していた。
簪は驚きながら、先程仭が言ったことを聞き返す。
「ほ、本当なの?」
『あくまで似ていた。・・・だが、お前の姉である可能性は高いと思う』
その会話は、流無についてのことだった。
『テレビを付けてみろ。レゾナンスでの強盗事件を紹介している番組なら、彼女も映っているはずだ』
言われたとおり、テレビをつけてみるとレゾナンスでの強盗事件をちょうど紹介していた。
それを見ている簪だが、テレビには犯人を引き渡すところになった。
『レゾナンスを襲った強盗犯ですが居合わせた東京武偵高校の二人の生徒によって無傷で逮捕されました』
和麻、そして流無の姿が映る。
「お、お姉、ちゃん・・・?」
簪は流無の姿を見て、呆然と呟いた。
『・・・もう少し彼女について調べてみるとしよう。個人的でもあるから、気にしなくていい。ではな』
そして電話は切れる。
「・・・・・・お姉ちゃん・・・」
簪は携帯をテーブルに置いたあと、俯きながら再びそう呟いた。
オリキャラ紹介
アリシア・マーフェウス
十五歳
黒髪で、仭より長い腰まである髪を後ろで縛っている。
「IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~ 」に出てくるオリキャラ。
『
仭の後を追うように、組織からの任務で学年別トーナメントと臨海学校の間に転校?してきた。
アリィと呼ばれ、親しまれるムードメーカー。
仭に・・・?
レイラ・ハーベスト
十五歳
白い髪でそれが首の辺りまでかかっていて、後ろ髪を二つに分けて束ねている。眼鏡もかけている。
「IS<インフィニット・ストラトス> ~白き騎士と黒き暴君~ 」に出てくるオリキャラ。
『
アリシアと同じく、仭の後を追うように、組織からの任務で学年別トーナメントと臨海学校の間に転校?してきた。
基本おとなしい。
なお、二人共専用機持ちでもあるが、今コラボでは、出てくることはないので、気にする必要はない。・・・かもしれない。