緋弾のアリア×IS 緋と蒼の協奏曲   作:竜羽

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最終弾 終幕

空中にたたずむ敵のISと対峙する更識さんの打鉄弐式。

敵機は無言でランスを更識さんに向け、それに対し更識さんも薙刀を構える。

先に動いたのは――敵機のほうだ。

一気に下降して、ランスを構えて突撃してくる。

更識さんは薙刀を横に振り抜くことでそらす。

敵機はすぐさまランスを消すと、今度は蛇腹剣を出して斬りかかる。

蛇腹剣は、別名鞭剣と呼ばれる剣で通常の剣の形と、刃の部分を蛇腹状に分割した鞭状に変形できる、現実には存在しない架空の武器だ。

なぜなら、現実にこうした構造、分断された刃をワイヤーなどで連結し巻き上げたりするのはとても複雑な仕組みが必要なためだ。しかし、ISの武器なら十分実現できる。

扱いは難しいが使いこなせればかなり厄介だろう。

更識さんも蛇腹剣を見て、気を引きしめる。

そして、二機は飛び上がり空の上で激しくぶつかり始め、それを追うように黒崎も上昇していった。

二機の攻防に目を奪われていた俺たちだが、

 

「全員今のうちに退避するぞ!巻き込まれかねない」

 

キンジの声に全員がハッとする。

とりあえず、織斑と篠ノ之を救出する。

 

「意気揚々と出て行ってこの様か」

 

「ぐっ」

 

篠ノ之を起こした神楽が呟き、篠ノ之がうめく。

織斑の方も不知火と武藤が抱え上げる。布仏さんがISの解除方法を指示してくれるおかげでボロボロのISを解除して運んでいく。

こういうときは衛生武偵(軍隊で言う衛生兵みたいなもの。傷ついた武偵に緊急治療をして金をとる)がいないのがきついな。

 

「う・・・お、俺、以外の・・・みん・・・なは?」

 

その辺にあった木の棒と俺たちの制服で作った簡易担架に乗せられた織斑がとぎれとぎれに呟く。

おそらく、篠ノ之以外の命令違反した奴らだろう。

 

「篠ノ之以外は分からない」

 

「み、んな・・・あいつに・・・やら・・れた」

 

つまり、あの敵機は専用機持ち6人を沈めたということか。

 

「わかった。付近を捜して救助しよう」

 

布仏さんもすでに学園に連絡している。捜索は俺の十八番(おはこ)だから何とかなるだろう。

 

「きを・・つけてく・・・・ださい。あ・・・・いつは・・・水を・・・あや」

 

そこまで言って織斑は気を失った。

聞き取れただけでも分かる。あの敵機は水を操る。

風を通して黒崎も加わった三機の戦闘を感じてみれば確かに敵機は装備しているクリスタルから水生み出し、操ることで更識さん、黒崎を攻撃している。

逆に二人の攻撃はあまり敵に当たっていない。連携が下手というわけでなく、むしろ合っているのだが、それでも敵は、頭上に浮いている四枚の花弁から出す水のヴェールなどで攻撃を防いだり、かわすなどして弄んでいるようにみえる。

 

そして気になったのは、流無と同じスタイルだ。

三叉槍とランスの違いはあるけれど、今、蛇腹剣から再びランスを取出し更識さんと戦う姿はまさに流無そのものに見えて――

 

――そのことに俺は言い知れない不安を感じた。

 

しかし、その不安もかき消すような事態が起きる。

なんと、いきなり周囲の水、つまり海水が大量に噴き出し始めた。

篠ノ之を運んで行った白雪、神楽、風魔、布仏さんに織斑を運んで行った武藤、不知火、ジャンヌ以外のここに残った面々は驚愕する。

 

『あれはナノマシンなのです』

 

インカムから今まで聞いたことの無いような平賀さんの真剣な声が聞こえる。

 

『あのクリスタルから生成されている水はナノマシンにより構成されているのです。あのISはそれで水を操るのですが、今まで戦いながらも周囲に散布していたのでしょう、ナノマシンを媒介に今、大量の海水を操っているのですのだ』

 

やがて、海水は更識さん、黒崎の周囲をそれぞれ囲い、閉じ込める。

黒崎は閉じ込められる際、拳を下へ向けていたような気がしたが・・・

 

『まずいですのだ。ナノマシンは超高温に発熱させることができるのです。そうなれば、水が一気に気化されて水蒸気爆発が起きてしまいます。あの量では衝撃も馬鹿にできないのだ』

 

平賀さんの言葉が終わらないうちに海水は――爆発した。

その衝撃は俺達の所まで届き、全員吹き飛ばされた。

俺はなんとか周囲の風を操り姿勢を直す。

他の面々も訓練を受けた武偵高の生徒だ。大丈夫だと信じ、上の戦闘に目を向けると、

 

「更識さん!」

 

爆炎の中から、装甲の所々にひびが入っていて、ボロボロの更識さんが出てきて、そのまま落下していった。

黒崎の方もマズイかと思いながら、もう一つの爆炎に目を向けると

 

「やれやれ、衝撃が馬鹿にならないな・・・」

 

『!』

 

爆炎の中から、まったくダメージを受けた様子が見られない黒崎が現れ、敵へと突っ込んでいった。

すると敵は両手に蛇腹剣を展開し、それらを黒崎に鞭のようにして攻撃する。

 

しかしそれを黒崎は、独特な動きでかわしていって近づくと、顔面に蹴りを加え、それを食らった敵は少し仰け反る。

その仰け反った動作の間、敵は片方の蛇腹剣を消すと、今度はランスを出してそれで突いてくる。それを危なげなく黒崎はかわした。

そして蛇腹剣と、ランスのそれぞれで攻撃していくが、それを黒崎は危なけなくもかわしていき、逸らし、受けるなどして防いでいく。

 

「うぜぇな」

 

ランスで突いてきた瞬間、黒崎はそれを食らう寸前に蹴りあげる。

その直後、ソードモードの蛇腹剣で斬りかかってくも、それを仭は右腕の装甲で受け止めると同時に、腹に掌打。そしてすぐさま離れる。

もろに食らった敵の方は吹き飛ばされるが、体勢を立て直し停止した。

 

「!」

 

すると今度は敵の頭上に浮いている四枚の花弁、三基から水の槍が飛び出しきて、仭へと襲いかかる。

 

「っ!」

 

それを仭はギリギリかわすも、次々と襲いかかっていく。

槍は一度に三本襲いかかっているわけでなく、一本、一本時間差をおいて襲いかかっている。

しかも一本槍を飛ばすと、花弁から新たに槍が出てきてその間に作り出した槍を飛ばす。

これの繰り返しだ。

 

「くぅっ!」

 

今のところ被弾はしていないが、このままではジリ貧だ。

そう思っていると

 

「!――ぐあっ!!」

 

『!』

 

いきなり敵が弓を出すと、仭が水の槍をかわしたところを狙って水の矢を撃ち出す。それに気付いた仭は咄嗟に左腕の装甲を盾のように使う。しかし、水の矢は右腕の装甲に突き刺さると、爆発した。

爆発して仭がダメージを受けていようが、敵は止まるはずもなく、その間にも水の槍は飛んできていて、仭はおぼろげながらもかわしていく。

 

『あの水でできた矢も、ナノマシンにより構成されていて、徹甲榴弾のように刺さって爆発するのだ。・・・一発でも直撃したら、黒崎君は必ず動きが止まり、その隙にあの槍が襲いかかっていく。このままでは、まずいですのだ』

 

「ぐっ・・・!」

 

矢と槍の攻撃を、かわしていく黒崎だが、脇腹にと少し掠ったようで、爆発。黒崎の表情に苦痛が浮かんでいる。このままでは平賀さんの言うとおりになる・・・。

 

「(まだ・・・やられるわけにはいかない。だが、どうする。福音戦で使いきったがために入れていた短剣の予備ももうあの遥香(ブラコン)の式神相手に使いきってしまった。一か八かだが)・・・っう」

 

「黒崎!」

 

黒崎の動きが、一瞬止まる。やはり式神のあとの連戦が応えているのか。

それを狙って矢と槍が飛んでいく。

 

「っ・・・!」

 

矢を仭はかわすと、さらに飛んできた槍を右腕の装甲を盾に。爆炎が晴れると、両足が光っている仭の姿があり、バク宙のように回転してエネルギーの刃を両足から二つ飛ばし、それが水の槍二本に当たって、爆発。

 

「はあっ!」

 

その後仭は突っ込む。

だが、再び海水が大量に噴き出し始め、仭を包み込む。

それを見て俺たちもこのあとのことを予想して、すぐさま耐える準備、そして黒崎を取り囲んでいた海水は――爆発した。

 

「・・・忘れていると思われたのなら、舐められたものだ」

 

『!』

 

再び爆炎の中から、あまりダメージを受けているとは思えない黒崎が出てきた。

鎖を背中から出しながら、黒い球体状の塊を両手に作り出した状態で。

 

「ブラスト!」

 

そしてその球体状の塊を、両腕で押し出して放った。

敵も作り出した水の槍三本と、矢でその光線に迎え撃つも、敵の方が撃つのを遅れてしまい、衝撃が敵の方を襲う。

 

「ぐぉっ!」

 

だが、吹き飛ばされ、小さな粒になった水が散弾のように、黒崎へと襲いかかり、一つ一つは小さいが多数の爆発が起こる。

体勢を立て直した敵は、黒崎へと突っ込んでいく。

近距離にまで近づいてきた敵を前に黒崎は回し蹴りを放つも、上へとかわされ、逆にかかと落としを決められる。

そして止めとばかりに、弓を構え水の矢と、花弁からの水の槍を放つ。落下していく黒崎はブレードを片手に出すと

 

「・・・あとは任せた」

 

「黒崎!」

 

小声だったが、俺には風と同調しているため何と言ったのかわかった。

ブレードで矢を受け止める黒崎。しかしそれだけでは爆発の威力を完全に防げるはずもなく、ボロボロになりながら、海面へと落ちていった。

 

「・・・わかった!」

 

『!』

 

地上から声と同時に、何かの音が。

それは先程まで倒れていた更識さんによるものだった。

更識さんのISからは、いつの間にか出ていた6機×8門のミサイルポッドより48発のミサイルを敵へと向けて発射させていた。

 

 

 

山嵐を周囲の水にミサイルを全弾発射する寸前、黒崎くんから『しばし時間を稼ぐ。隙をついて決着をつけろ』とプライベート・チャネルが来た。

爆発に飲み込まれたあと、耐えた私はそのまま地面へ落下していき、やられたふりをして二機の戦いを下から見守った。

黒崎くんが、霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)を相手にしている間、私は山嵐の再充填をする。

そろそろ動こうかと、考えていた矢先、とうとう黒崎くんが落とされることになってしまった。

けど、霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)の意識は完全に黒崎くんの方に向いていた。山嵐を放ったから、さすがに気付かれるけど少し遅い。

 

「この山嵐からは、逃れられない!」

 

霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)が、水でミサイルを何とかしようとするけど、それですべて対処するのは無理だ。このミサイルは独立稼動型誘導ミサイル。攻撃を自動で回避して、敵にぶつかっていくものだ。

みんなの協力でできた私の切り札。これで、倒す。

 

すると爆発が上空の方で起こる。

ミサイルが、霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)に被弾した音だ。

幾つかは対処されただろうが、それでもあの爆発から見るに、ほとんど直撃したに違いない。けど、油断はまだできない・・・。

そう思っていると、爆炎から落下していく霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)の姿。ダメージはかなり受けているみたいだけど、まだやれるという感じだ。

ある程度落下していくと、体勢を立てなおして、ゆっくりと降りてきて、地面へ着地した。

 

そして、油断なく構えた私の目の前に、霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)のフルフェイスにひびが入り、操縦者の顔があらわになる。

 

私は、目を見開いた。

だって、その顔は

 

『ふふふっ、やってくれたわねぇ?か・ん・ざ・し・ちゃん?』

 

私の記憶の中にあるお姉ちゃんとそっくりだったのだから。

 

「え?そんな?どう・・して?お姉ちゃんが」

 

混乱した私は近くにいた蒼神流無さんの方を見るが、あの人も驚愕していた。

 

『久しぶりねぇ?簪ちゃん!』

 

一気に私に接近したお姉ちゃん?はその勢いを殺さずに蹴りを放ってくる。

 

「あう!」

 

それをもろに受けた私は薙刀を手放してしまう。

 

『どうだった?私がいなくなって!』

 

今度は右のストレートを受けて、視界が揺れる。

 

『目障りだったのでしょう?私のことが。あなたより優秀だった私が!』

 

うずくまってしまった私をお姉ちゃん?は右足で蹴り上げる。

 

『いつも私と比べられるからって私のことを避けていたんですもの。その必要もなくなって清々したのでしょうね!』

 

浮かび上がった私に掌底が叩き込まれ、吹き飛ばされる。今の一撃で私のシールドエネルギーはなくなった。

 

『そして、今は更識家の当主になれるところまできた。どう?私になりたかったのでしょう?追いつきたかったのでしょう?あはははっ!』

 

ISが解除された私は何とか体を起こすが、その目の前に突きつけられるランス。そして、それを手に持つお姉ちゃん。

こんなことは昔はなかった。いつもお姉ちゃんは私に怪我の無いように気遣ってくれた。でも、いま目の前にいるお姉ちゃんは私を殺そうとしている。

 

「お・・姉ちゃん」

 

『白々しいわね。あれだけ、私を避けたのに。あなたのために普通の女の子として生きることも諦めて、訓練に励んだ私から、くだらない劣等感から逃げた癖に。勝手な自己解釈で私の目を見ることもやめた癖に』

 

お姉ちゃんの言葉に何も言えなくなる。

確かに、私は逃げた。

お姉ちゃんには勝てないと、何をやっても完璧なお姉ちゃんは何でもできると思い込んで。お姉ちゃんの努力を見ようともしなかった、苦しみを知ろうともしなかった。

私たちの本音以外の、幼馴染と呼べる彼が教えてくれたお姉ちゃんの悩み。それは普通の女の子として遊びたいというものだった。

それを知って、その心をさせるべきだったのは妹の私のはずなのにと、何度も後悔した。

 

私に向かって突きだされるランスを見ながら思う。

 

ああ、本当に私の人生は後悔ばかりだ。

 

あんなにやさしかったお姉ちゃんがこんなふうになってしまったのはきっと私のせい。

 

私の劣等感から生まれたつまらない意地が、お姉ちゃんを苦しませて。

 

きっと二年前のあの日からはもっと苦しませて。

 

死んだと思っていたけど、生きていたのに、やっと会えたのに。

 

黒崎くんの言った通り、本当に自分は何がしたかったのだろう。それは今でもよく分からない。

 

ただ、後悔してからじゃ、遅かったというのが、十分に身にしみて分かった。

 

一回でもいい。お姉ちゃんに少しでも向き合っていたら・・・。

 

ああ、本当後悔だらけだ。

 

そして、私は目をつぶった。

 

グジュリッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつまでたっても痛みが来ない?

確かに刺された音がしたのに?

それともあまりの痛みに感覚がマヒしたのかな?

 

恐る恐る目を開けるとそこには・・・

 

「カハッ・・・グゥ」

 

ランスを受け止め、腹部を貫かれる蒼神流無さんの姿と、それをとてつもなくうれしそうに見つめるお姉ちゃんの姿があった。

 

ランスが量子変換され虚空に消える。

その瞬間、貫かれた流無さんの腹部から大量の血が噴き出して、流無さんは片膝をつく。

 

「な・・・なんで?」

 

私は呆然としながらつぶやく。

 

「そん・・・なの、グッ、決まっているじゃない」

 

流無さんは痛みに顔をゆがませながらも応える。

 

「私は武偵。請け負った任務はIS学園の生徒を守ること」

 

周りの水が彼女の周囲に集まり始める。その量はどんどん増していき、さっきお姉ちゃんが操った海水に迫るほどになってきた。

それに対し、お姉ちゃんも距離を取ってナノマシンの水を集め始める。

 

「・・・それになんだかあなたの事、放っておけなくてね」

 

こちらを少し向いて流無さんは微笑んでくれた。その目は蒼く輝いている。

 

・・・ああ、なんで、その微笑みは・・・

 

集まった水は巨大な翼のように展開される。

 

「――水翼(すいよく)豪羽(ごうう)――!」

 

それに対し、お姉ちゃんも二振りの槍のように水を展開する。

 

・・・あの頃の、お姉ちゃんに・・・

 

二つの水は、ぶつかり合う。

 

『――ミストルティンの双槍(そうそう)――!』

 

その衝撃は私を吹き飛ばす。

 

・・・似ているの?・・・

 

 

 

二つの水がぶつかり合った衝撃で盛大に舞いあがった土煙。

 

それが晴れたとき、簪たちの目に飛び込んできたのは力無くぐったりしている流無と、そんな流無を見下している霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)の操縦者、簪の姉更識楯無の姿だった。

しかし、更識楯無の表情は、少し苛立つ・・・もとい面倒くさそうな表情をしていた。

 

『・・・しつこわいね。あなt・・・!』

 

振り向いて、後ろにいた人物に対してのその言葉を、楯無は最後まで言えなかった。

楯無の後ろから黒きISを纏った人物が、殴りかかって来たためである。

楯無はそれをかわし、殴りかかって来た人物と立ち位置が入れ替わる。

 

「黒崎・・・くん?」

 

「・・・・・・」

 

簪の声に、何の反応も示さない黒きISを纏った人物――仭。

ただ、簪は仭のその姿を見て驚いていた。

両拳は大型化し、左右それぞれ造りが少し違う。さらに元々ついてたウイングスラスターの他に小型スラスターが腰に二つとりつけられていて、機動力も上がっている様子が見られた。

そしてエネルギーが溜まっているからか、全身が発光もしている

 

しかし、彼女の彼に対する気持ちは、『仭が生きていた』でも『なぜ第二形態移行して、舞い戻ってきたか』でもなく・・・言いようのない、不安だった。

それは『姉が殺されるかもしれない』や、『姉にやられてしまう』という気持ちではない。その感情は思ってもいることでもあるのだが、彼を見ていると安心できないと思ってしまう。・・・彼が味方に思えないと思うほど、その気配や殺気は尋常でなかった。さらに今の彼に対して恐怖を抱いている彼女には"黒崎仭"と認識することができなかった。

武偵の生徒も何も言わない・・・否、言えなかった。

それは恐怖などによるものではなく、彼のあまりの変わり様によるものだった。

少なくともあそこまで殺気を出せる人物ではなかったと、和麻も呆然としている。

 

 

ただ・・・言えることは

今の彼は、意識が霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)の操縦者、更識楯無のみに向けられていて

今の彼は、なぜか第二形態移行していて

今の彼は、先程とは違うナニかになっていて

今の彼は、ただ目の前の敵を殺すことのみしか考えていなくて

今の彼は、状態が『黒崎仭』という存在ではなく、まさしくコードネーム通りの『ベルセルク』である、ということだった。

 

そして・・・楯無はというと、その表情は苛立ちを表していた。

 

『まったく、私の目的がようやく達成されるというのに・・・邪魔しないでくれるかしら!』

 

そう声を荒げながら、楯無は弓『ヘイルレイン』を展開、超高濃度に圧縮したナノマシンの矢を撃ち出す。

 

「・・・・・・」

 

それに対し、仭は大剣を右手に展開、自身に向かってくるその矢を叩き落とした。

矢は地面へぶつかると爆発する。

 

『はぁっ!』

 

続けざまに楯無は矢、そして三基の『アクア・クリスタル・オルキス』から水の槍を放つ。

だが、それらは今度は仭の両手から、小さな牙のような塊を幾つも作ると、それらをばらまく。そ

それらは水で作られた矢や、槍に接触して爆発。これにはダメージを与える威力はほとんどないが、被弾すると爆発する楯無の攻撃には有効であった。

 

『!』

 

爆炎が晴れると、楯無の視界を飛び込んできたのは、大剣。

それは楯無の頭上にあったアクア・クリスタル・オルキス一基に刺さり、爆発。アクア・クリスタル・オルキスの残りは二基になった。

その様子を見て、仭はその両の瞳から、殺意の視線を送りながらにやりと笑う。

 

『けど、まd―――!』

 

その先を楯無は再び、言うことができなかった。

今度は突っ込んできたからでなく、二つの爆発音によるものだった。

 

『・・・!』

 

楯無は、歯ぎしりをしながら仭を見据える。

その理由は、先に落とされたアクア・クリスタル・オルキスの残骸に続いて落とされた、宙に浮いていたはずの二基のアクア・クリスタル・オルキスによるものであった。

 

(まさかあの大剣が、ビットのように動かすことができるなんてね・・・)

 

仭の手元に戻ってきた大剣を視界に入れながら楯無は思う。

大剣は、仭が動かさずともなぜか動き、先程投擲され、アクア・クリスタル・オルキスを破壊した大剣は、地面に落ちるもすぐに仭の遠隔操作?によって動かされ、仭に意識を向けたその時を狙って、大剣は回転しながらアクア・クリスタル・オルキス二基を斬り裂いたのだ。

 

これで、楯無はこれ以上ナノマシンを含んだ水を、すでに散布させているもの以外扱えなくなった。

 

「・・・」

 

『!』

 

楯無が、遠距離攻撃はもう効かないと感じ、蛇腹剣『クリスタルクレール』2本を展開して、突っ込もうとした矢先、仭の方から突っ込んできた。

近づいていくと、大剣で攻撃する。しかしそれはソードモードのクリスタルクレールによって防がれた。

 

(重い・・・!)

 

楯無は、その一撃の重さに思わず後退りする。

 

『けど、攻撃に力を入れすぎよ!』

 

大剣の斬りかかりを防いでいる楯無は、もう片方のソードモードのクリスタルクレールで攻撃するも、それは仭の左手の手掴みで、防がれる。

 

『!?』

 

当然ソードモードのクリスタルクレールには、水を高速振動させ、斬れ味を上げている。なので本来仭の左手は斬り裂かれるはずだが、まったく――どころか血が一滴も出ていない。

水の高速振動は、当然ながら平常に続いている。

 

疑問に思っていると、楯無は仭の左手が黒いエネルギー?に、染まっているのに気付く。

だが、気付けただけであった。

 

『!―――ぐぅっ!』

 

突如、クリスタルクレールを握っていた左手が下へとおもいっきり引く。それにつられて楯無は下へと当然引かれ、仭は追撃とばかりに、大剣で殴るように楯無を地面へ叩きつけた。

すぐ起き上がろうとする楯無だが、仭に背中を踏まれてしまい、起き上がることができない。

 

「・・・・・・」

 

『!?』

 

仭の機体から八本の鎖が飛び出て、それぞれ周囲の方向へ向けられる。

そしてその鎖の先端からそれぞれ、黒いエネルギーが放出された。その黒いエネルギーは、黒い空間を作り始め、二人を閉じ込める。

和麻も完全に遮断されたためか、風を通して感じることもできなくなった。

 

 

 

「・・・」

 

『くっ・・・!』

 

楯無が、仭から離れたのは、すでにエネルギーで作られた空間に、二人が閉じ込められたあとであった。

楯無は後ろまで下がって、恐る恐るそのエネルギーで作られた壁を触る。

 

(なかなか固そうね・・・)

 

感触からして、すでにこの空間は部屋に閉じ込められたような状態だと楯無は判断した。

ISの攻撃によるものならば、破壊できるだろうが、わざわざ自分と共に閉じ込めたのならば、その隙は与えてくれないだろう。

そう判断した楯無は、ガトリング内蔵のランス『クリスタルジャベリン』を展開し、構える。

ちなみにその空間はなかなか広く、戦闘を行うことはやりにくいということはない。

 

『来なさい』

 

「・・・」

 

その楯無の誘いに乗ったか、仭は大剣を右手に突っ込む。

そして薙ぎ払ってくるも、それは楯無が伏せることでかわされ、ランスで突く。

その攻撃の直撃は避けられ、仭の右腕を掠った。

 

『ぐぅっ!?』

 

反撃とばかりに仭は、大剣で楯無の腕を刺す。それによるせいで、楯無はランスを離した。さらに仭は左手で楯無の顔面を掴み、そのまま後ろの壁に頭を叩きつける。

 

『がっ!ぐっ!?』

 

それは一度ではなく、何度も。

楯無は当然やられっぱなしというわけではなく、掌打を食らわす。それは確実に直撃したはずで、普通だったら痛みで怯むはずなのだが・・・

 

『ぐうっ!?』

 

仭は手を緩めた素振りすら見せず、楯無の頭を叩きつける。

ならばと、楯無は展開したソードモードのクリスタルクレールで、仭を斬る。

それによって仭の身体の薄皮が斬られ、勢い良く血が飛び散る。

しかし・・・

 

『がぁっ!?』

 

それでも手を緩めない。

 

(痛覚を遮断しているとでもいうの・・・!?)

 

そう考えた楯無は、仭を下から蹴り上げる。

痛みを感じなくとも、攻撃が効かないわけではない。

その衝撃によって仭は仰け反りかける。

クリスタルジャベリンを拾った楯無は、内蔵されているガトリングを発射。

仭はその衝撃で、後ろへ少しだが下がる。

 

(これで・・・!)

 

楯無は、クリスタルジャベリンの外装を取り外し(パージ)、水を纏ったドリルにする。

そして仭を水のドリルで、突きはなった。

仭はその攻撃によって、後ろのエネルギーの壁にまで叩き付けられた。

 

『!ぐっ・・・』

 

先程何度も頭を叩き付けられたためか、少しふらつく楯無。

早く仭に止めをささなくてはと、体勢を立て直そうとすると

 

『なっ!?』

 

「・・・・・・」

 

すでに仭は体勢を立て直していて、楯無へ突っ込んでいた。

その腹からは、血が溢れている。

 

近づいた仭は、楯無の顔面を殴り飛ばす。

そして楯無の頭を掴み、顔面へ膝蹴り、さらにそのまま頭を壁に叩き付ける。

続いて頭を掴んでいた手を離すと、ヘッドバット。

最後に完全に無防備になった腹へ、パンチを食らわす。突き破りはしないまでも完全に直撃しており、楯無は口から血を吐き出した。

 

『グフッ・・・!』

 

「・・・」

 

意識を失っていない楯無は仭の腕を掴む。

そんな楯無に、特に何の反応も示さず仭は、もう片方の拳で殴ろうとするも

 

『はぁっ!』

 

「!」

 

合気道の要領で、仭の力を利用し、投げ飛ばす。

すぐさま仭は立ち上がるも、楯無はすでに仭から離れ知多。

 

『ふふ』

 

「・・・」

 

不敵な笑みを浮かべる楯無。

そして仭の周りには、霧が。

何もかも察した仭は、すぐに離れようとするも、その前にそこは爆炎に包まれた。

 

 

 

『!!』

 

空間の外。

中で何が起こっているか分からぬ中、見守っていると一部の空間にひびが入る。その直後、ひびが入ったところから、仭が吹っ飛んできた。

 

それにつられて空間が徐々に消えていき、残ったのはダメージをかなり受けながらも立っている楯無と、地面へと落下し、うつ伏せの形で倒れている仭の姿だった。

 

「グ・・・」

 

仭の今の姿は、先ほどの一夏や箒ほどではなかったが、ISの装甲がボロボロになっている。

身体中を弱々しく痙攣させながら、それでも立ち上がろうとしていく仭。

 

「・・・」

 

楯無の方はというと、そんな仭を一瞥したあと、後ろを向いて倒れている流無の元へゆっくりとだが、近づいていく。

 

「・・・・・・」

 

立ち上がった仭は、楯無の方へ突っ込もうとするも――力尽きたかのように、再び倒れて、仭のISは解除される。

第二形態移行したわけでも、シールドエネルギーや、仭自身のダメージは回復したわけではなかったのだ。

 

『ふふ、やっと・・・倒れたわね』

 

ようやく終わったとばかりに、表情がまだ苦痛を表しているものの、安堵に近い表情を浮かべる楯無。

そして流無の元まで楯無は辿り着くと、部分収納した右腕で流無の頭を掴みあげる。

 

『・・・反魂の術』

 

楯無は流無の頭を持ち上げながら、全員、特に簪と和麻に聞こえるように言う。

 

『陰陽術において死者を蘇らせる術だけれど、応用すれば人体を複製することもできる』

 

その言葉に対し、和麻は何も言わない。

和麻は陰陽術は使えなかったが、勉学、格闘術などにおいては優秀な成績を残していた。その和麻の沈黙が案に、楯無の言葉を肯定する。

 

『あの日、銃弾を受けて、転落した私は記憶を取られた。それまでの思い出の記憶をイ・ウーに』

 

つらつらと語られる楯無の過去。

それをこの場にいる全員が聞く。

 

「そ、そんなこと、私は知らないぞ!?」

 

元、イ・ウーに所属していた理子が叫ぶ。

 

『ええ。このことはイ・ウーでも上位にいる者にしか伝えられなかったのだもの。まあ、私も何でこんなことをしたのかは知らないのだけれど』

 

楯無は肩をすくめてそう言い、話を続ける。

 

『記憶を抜き取られた肉体はどこかに逃げていった。残ったのは、それまでの記憶とそこから生まれた・・・私』

 

つまり、霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)をまとっている楯無は抜きとられた記憶から生まれた人格ということだ。そして、逃げ出した肉体とは・・・。

楯無は流無に顔を近づける。

 

『ようやく手に入る。私は、この子。この子は・・・私』

 

そして、楯無はその唇を流無の唇に押し付けた。

 

その瞬間、二人は光に包まれる。

 

あまりの発光量に全員が目をつぶる中、やがて光は収まり・・・。

 

「ふふふっ、ようやく戻った。私の身体が」

 

そこにいたのは霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)を纏った流無の姿。しかし、その目は真紅に輝いている。つまりは、楯無だ。

全員が呆然とする中、楯無は瞬間加速(イグニッションブースト)でキンジ達の元に突っ込む。

キンジ達はとっさに躱すが、楯無はそれに構わず、地面に転がっていた遥香を抱え上げる。

 

「遅いですよ」

 

「っ・・・ごめんなさいね。意外とあの子たちが粘るから。そろそろお暇させてもらうわ」

 

楯無は遥香を抱え上げると、飛び上がる。

その動作もおぼろげない。

 

「仮そめの肉体を捨てて本来の身体に戻っても、簪ちゃんたちのせいで、もうこれ以上は戦えないの。命拾いしたわね」

 

そう言うと、海の方にむかおうとする楯無は言葉を続ける。

反魂の術で得た肉体には限界があり、もって一、二年。そのタイムリミットが近づいてきたため、今回の作戦に出たと楯無は語る。

そして、霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)を纏って福音、そして専用機持ちと戦ったのは――

 

「私の戦闘訓練みたいなものよ。この霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)が完成したのはつい先日。さすがに慣れていない機体ですぐに武偵高の精鋭、ベルセルク、そして簪ちゃんと戦うわけにはいかなかったしねぇ。その点、未熟なIS学園の身の程知らずな生徒たちはいいウォーミングアップ相手だったわ。まあ、それでもここまで痛めつけられるとは思わなかったけど・・・。簪ちゃんと、ベルセルクに感謝しておくのね」

 

そこまで言い終えると、簪と倒れている仭を一瞥し、海に向かって飛んで行こうとする。

 

「ま・・待って!」

 

そんな楯無に簪は声を掛けるが、もはや興味はないとばかりに楯無は無視して飛んでいく。

 

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!!!!!!!」

 

 

その瞬間、空気を震わせる咆哮と共に蒼い風と蒼い雷が迸った。

 

 

 

流無が刺された。

別段その程度のことで取り乱したりはしない。

武偵の任務では、撃たれた、刺されたは日常茶飯事だからだ。

だが、その後の話しは別だ。

流無は楯無(あいつ)の肉体?

 

ふざけるな。

 

それじゃあ、流無は何だったんだ?

俺と一緒に過ごしてきた流無は?

俺のことを必要と言ってくれた流無は?

俺のために涙を流し、藍幇(ランパン)の構成員が銃を放つ中、俺を助けに来てくれた流無は?

 

楯無(あいつ)が戻ってくるまでの間の、代わりの人格だとでもいうのか?

 

そんなこと、認められない。認めてたまるか。

 

目の前が鮮明になる。

 

周りの雑音が消えていく。

 

自分のやるべきことが頭の中にどんどん湧いてくる。

 

逃がすな・・・奪え。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!!!!!!!」

 

吹き荒れる蒼之神風は今までの、合宿でISを落としたときよりも強く激しく吹き荒れる。

やがて、蒼く輝く暴風はすさまじい空気摩擦を巻き起こし、蒼い稲妻を纏う雷の嵐(サンダー・ストーム)となる。

吹き荒れる嵐の中心で稲妻を纏いながら俺は飛び出した。

 

 

 

海上を行く楯無は霧纏の姫君(ミステリアス・プリンセス)のハイパーセンサーが背後から自分を追いかけてくる存在を感知した。和麻である。

 

「来たわね。まあ、予想通りだけれど」

 

「おにーちゃんですか?」

 

楯無の呟きに遥香が聞き返す。

 

「ええ。よっぽど、この子が好きなのね」

 

自分の体を指さし悪戯っぽく笑う楯無に対し、遥香は少し不機嫌になる。

 

「流石に私もボロボロになったうえにこの傷で、しかもISのエネルギーも少ない。そして、あなたを抱えたまま戦うのはかなり厳しいけど・・・」

 

背後から迫る和麻の目の前に海水を突き破って、何かが立ちはだかる。

 

「兎さんのおかげで問題ないわね」

 

それは楯無に落とされたはずの銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)だった。

 

「邪魔だああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

立ちはだかる福音を和麻は雷の嵐(サンダー・ストーム)で巻き込み、風斬・水蓮で斬りつける。

そこに普段の彼の鋭く研ぎ澄まされた技術はなく、ただただ相手をぶちのめすという戦い方だった。つまり、今の彼は暴走しているに等しい。

斬撃の嵐は福音の装甲を斬り裂くだけにとどまらず、蒼雷の放電にもてあそばれ、どんどん傷ついていく。

福音も反撃にエネルギー翼から無数のエネルギー弾を放つが、雷の嵐(サンダー・ストーム)の影響で中心にいる和麻には届かず、得意の高速機動も荒れ狂う暴風に邪魔されて思うように動けない。

今の和麻を突き動かすのは、ただ、ただ、流無への思い。

何もなかった自分、誰にも頼りにされなかった自分に、初めて持っている物を気づかせてくれた、頼りにしてくれた。そして、泣いてくれた流無を取り戻すという思いだけだった。

 

やがて、蒼之神風の限界時間を迎えたのか雷の嵐(サンダー・ストーム)は収まり、福音もエネルギーを失い、地面にゆっくりと落下していった。

 

それを横目に和麻は飛ぼうとする。

 

楯無のとんでいった方角へ。

 

しかし、そこにはもう誰もいない。

 

それでも・・・。

 

そんな思いも虚しく、和麻の意識は闇に沈んでいった。

 

 

 

海は深く、暗く、底知れなく。

二人の思いを闇に飲み込む。

残された者たちの心に深い傷跡を残し、事件は一時的な収束を向かえた。

 

 

この日、IS学園の専用機持ちISは二人を除き、破損。比較的被害の小さかった簪の『打鉄弐式』や、第二形態移行して、一度ISが回復?した仭ですらも、ダメージレベルB~Cであり、操縦者の二人も二、三日の入院を余儀なくされ、簪の方は精神的なダメージも大きかった。

八神和麻は福音の操縦者、ナターシャ・ファイリスと共に付近の砂浜で発見され、病院に搬送。意識不明のままである。

遠山キンジをはじめとする武偵高の生徒たちも傷だらけであったが命に別状はなかった。

そして、強襲科(アサルト)二年の蒼神流無の行方は依然として不明。

 

武偵高としては依頼されていたIS学園の生徒の護衛と言う任務を、代表候補生を含む専用機持ち八人が負傷したことでその責任を問われたが、問題行動をした専用機もちたちを止めたことが記録に残っていたので責任を取ることはなかったが、マスコミは非常時に役に立てなかった武偵たちを批難した。

もっともそれはすぐに何者かにより鎮静化され、多くのマスコミが問題報道行為をしたことで逆に避難され、報道会社は倒産していった。

ちなみに、IS学園の上層部や、委員会の方にも武偵の批難を考えていた輩がいたようだが、それも黙らされたのは、裏の話。

 

 

 

「っ・・・」

 

そしてある病院。

そこの通路で、身体中に包帯を巻いている仭が歩いていた。

彼の負傷は、身体の負傷以外に火傷と、筋肉痛。さらに言うとなると、記憶障害でもあった。

といっても、記憶障害は一つだけで、それは楯無との戦闘・・・それもISが第二形態移行したときの戦いの記憶が、彼の記憶にはなかった。

仭は自身が海から出てきたことすら覚えておらず、記憶があるのは、最後に楯無の水の矢と槍の攻撃による爆発で落とされたところまでであった。

 

もっとも、あの戦いを彼本人がやったのかですら、微妙ではあるのだが・・・。

本人もそんなダメージを負っている状態でできるのか?と自問している状態だ。

 

「!あなたたちは・・・」

 

そして仭は目の前に近づいてきた人物に気付く。その人物とは・・・

 

 

 




コラボはここで終了です。ものすごく気になる終わりですが・・・。今後のコラボの予定は未定です。他にもコラボしたいという方がいれば大歓迎です。
それからこれをどうぞ。ストックが貯められませんでしたが


五章予告

傷ついたキンジ達。決意を新たに奮起するも、休む暇もなく襲い来るイ・ウー。
次なる刺客は砂礫の魔女パトラと・・・カナ。
アリアをさらわれ、対峙するキンジとカナ。
カナの口から語られる目的。
それにキンジは怒りを爆発。目覚めるのは新たなヒステリアモード!
そして、太平洋上にてパトラとの決戦に臨む中、目覚めた和麻も新たな力を携え、舞い降りる。

緋と蒼が覚醒の兆しを見せる中、ついにイ・ウーのリーダー教授(プロフェシオン)が現れる。

緋色の光と蒼の風が舞い踊る五章。開幕間近!

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