緋弾のアリア×IS 緋と蒼の協奏曲   作:竜羽

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これにて終了です


番外編 料理対決決着!

ついにこの企画の山場、織斑一夏へ思いを寄せる少女たちによる料理勝負。

織斑千冬の参戦というイレギュラーもあったが、おおむね順調に料理は進んでいた。

それを待つ、一夏は期待半分恐怖半分というなんともいえない顔をしていた。

みんなが料理を作ってくれているということはうれしいが、先ほどの三人、キンジ、仭、永臣の惨状から次は自分もああなってしまうかもしれないのかと思うとのんきに構えていられないと、さすがの鈍感大王も悟っているようだ。

 

「え~まずは六人の料理の様子を見ていきましょう。まずは篠ノ之さんから」

 

箒はさばを下ごしらえしていた。

味噌などで下味をつける準備をしているところを見ると、どうやらさばの味噌にを作るようだ。

 

「さばの味噌煮のようですね。確か、一夏くんの好きな料理でしたっけ?」

 

情報元は小さな情報科(インフォルマ)の主である。

 

「ここは幼馴染のアドバンテージを生かしに来ているな。隣の鳳は…」

 

隣では鈴音が豪快に中華なべを使っていた。

 

「酢豚ですね~。彼女の代名詞になった料理です」

 

「ちょっ!?何よそれ!」

 

流無の発言に鈴音が驚き、噛み付いてしまう。それで、少し中華なべを振るう手元が狂ってしまったが何とか持ち直し、事なきを得た。

 

「え?いや君が酢豚でプロポーズ紛いなことをして、いざというときにへたれてしまったというのは有名な話だよ?」

 

「誰が言いふらしたああああ!!!!???」

 

情報元は小さな情報科(インフォルマ)の主。

もはや彼女に隠し事なんて無意味なのかもしれない。

 

「シャルロットちゃんは、鳥のから揚げですね」

 

「前に一夏に作り方を教わったんだ」

 

「うん、特にいじるネタがないからこれで終わり」

 

「なんかひどいよっ!」

 

助かったというのに、何か釈然としないシャルロットだった。

 

「え~ここからがなんかものすごく不安な三人に突入していきます。まずは、一応軍での料理経験があるというラウラちゃん」

 

ラウラのところにいくと、ラウラは米に大量の酢を投入していた。

 

「ええっと、何をしているのですか?」

 

「酢飯だ」

 

ドボドボという音を立てながらご飯に料理酢を投入していくラウラは若干ドヤ顔で答える。

 

「ああ、じゃあ、お寿司を作るんだ」

 

「ああ、嫁の胃袋をつかむには故郷の料理が一番だからな」

 

そう胸をはるラウラ。

ちなみに、酢飯を作るときは普通の酢ではなく、合わせ酢というものを使います。決して酢をそのまま大量に投入して作るものではありません。しかもラウラは明らかに入れすぎだということにも気がついていない様子。そっと、流無は永臣にしたように十字を切った。

 

「えー、次はセシリアちゃんのところ……」

 

ドガンッ!ザクッ!!グイイイイィィィィンンン!!ピッピッピッ……ドオオォォン!!!

 

「な、何!?戦争!?」

 

鳴り響く物騒な物音に珍しく流無が取り乱す。というか時限爆弾の音みたいなのが聞こえたのは空耳だと思いたい。

 

「落ち着け。あれはオルコットと織斑教諭が料理をしている音だ」

 

「ああ~そうなんだ~って納得できるか!?料理であんな音が鳴るわけがないでしょ!?」

 

「ん」

 

和麻は無言で指を刺す。

その先の光景を見た流無は、絶句した。

 

「火力が足りませんわ!」

 

ISを部分展開してレーザーをなべの中に照射するセシリア。

 

「む、また切れてしまったな」

 

包丁を振り下ろし、食材どころか、まな板、さらにはキッチン台すらも真っ二つにする千冬。隣のコンロには何か黒い煙を上げる鍋がまるで童話の魔女が作るような怪しげな液体を煮込んでいた。しかも、なにか叫び声まで聞こえてくる。

 

「え?何あれ?料理?」

 

「オルコットは新素材の開発。織斑教諭は……蟲毒か?そういえばしっくりくるな」

 

蟲毒とは、無数の毒虫を一つの器の中に閉じ込め、殺し合いをさせ、生き残った一匹を使って他者を呪い殺すという古代日本で用いられた呪術だ。陰陽師も使っていたと言われている。和麻は今まさにそれを思い出していた。蟲毒の最後の虫はこれまで殺してきた虫たちの怨念を背負っているからとてもおどろおどろしく、千冬の料理がまさにそれを思い起こさせるのだ。

そして、それを縛られながら見るこの料理?を食べさせられる一夏の顔は,この世の終わりでも見たかのような絶望した表情をしていた。

 

 

 

 

 

「ものすごい料理風景でしたね」

 

「ああ。そして、まさか料理が完成するとは思ってもみなかったな」

 

一時間後、二人の言うように料理は完成した。

箒、鈴音、シャルロットの安全組みはもちろんだが、残りの三人のものも同時に完成したのだ。

 

「まずは、篠ノ之ちゃんのさばの味噌煮からです」

 

「い、一夏。食べてくれるか?」

 

「おう。いいぞ」

 

恋人同士がするどきどきのシチュエーションでも特に変わらないワンサマー。読者の期待通りですかな?

 

ゆとり「しつこくない味付けでちょうどいいですね」

 

真耶「小骨も少ないですから食べやすいです。しっかり骨抜きされていますね」

 

レキ「パクパク」

 

本音「魚って結構おいしかったんだ」

 

簪「意外。日本刀を振り回す危険人物だと思っていたのに、料理ちゃんとできたんだ」

 

審査員にも高評価。簪だけ辛辣だが、それは箒の日ごろの行いが悪いせいだから仕方ない。

 

「総合得点が出ました。475点です。高得点ですね」

 

キンジに料理を振舞った三人には劣るがそれでも十分高評価といえる。

 

 

 

この後も、鈴、シャルロットと続くのだが箒と似たような感じになるので省かせてもらいます。別に作者は二人が嫌いなわけではありません。むしろ鈴は好きですよ?でも、似たような内容を書くのはつまらないし、読者の皆さんもねえ?

 

 

 

「「ふざけないでよ!」」

 

「なにやら鈴ちゃんとシャルロットちゃんが叫んでいますが、スルーしていきます。さあ、お次はラウラちゃんです」

 

「見るがいい。これが私のスシだ!」

 

そう言ってラウラが持ってきたのは黒い台座に乗っている二貫のスシ。ちなみにネタはマグロの赤身だ。

しかし、なんというか。

 

「ものすごい酢のにおいですね」

 

真耶・ゆとり・レキ・本音・簪「パス」

 

審査員もさじを投げた。

しかし、それでもラウラは余裕の表情を崩さない。

 

「ふ、ならばこれを見ろ!」

 

ラウラはエプロンのポケットから取り出した黒いスイッチを押す。すると―――!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィン―――

 

台座が回転し始めた。それとともに寿司も回転する。

 

「見ろ!これが日本の定番、回転スシだ!」

 

「はい。ご退場~」

 

突如現れたスタッフ(神楽&風魔)に両手をつかまれるラウラ。

 

「ま。まて!?まだ嫁に食べさせていないぞ!」

 

「じゃあ、早くして」

 

一時的に開放されたラウラは回転を止めて寿司をつかむ。

そして、それを一夏の口に持っていく。

 

「うっ!」

 

その寿司のあまりの酢のにおいに一夏は顔を背ける。

 

「さあ、食べろ嫁よ!」

 

「い、いや、いくらなんでも」

 

さすがの一夏も強烈な酢のにおいを放つこの寿司は食べたくないのだろう。しかし、ラウラは恥ずかしいのか顔を真っ赤にしながらぐいぐい近づける。

 

「ええい、恥ずかしいのだから早くしろ!」

 

とうとう、ラウラは一夏の口に強引に寿司を突っ込む。

 

「むぐうっ!?」

 

一夏は口の中を蹂躙する酢の強烈なにおいに意識が少し飛んだとか。

 

 

 

「え~時間の尺が短くなってきたので最後のお二人は一緒にやります」

 

まさかの死神(ジョーカー)ダブルである。

なんとか回復した一夏も顔を青くしている。

 

「えーセシリアちゃんが作ったのはハンバーグですね。しかもビーフシチューをかけています。とてもきれいな見た目なのですが……」

 

なにせ、鍋にレーザーを突っ込んでいたのだ。流無もあれがおいしいとは思えなかった。

 

「そして、織斑教諭の料理ですが……なんでしょうかあれは?」

 

「昔、実家の書庫にあんな感じの毒物が載っている本を目にしたことがあるぞ」

 

 

さすがの流無と和麻も困惑する。

なにせ、土鍋に入っているそれは、黒や紫、緑色などのおよそ食べ物ではなく、産業廃棄物といわれたほうが納得しそうな色をしたドロドロの液体の中に、元は何だったのか分からない具材が浮かんでいるのだ。しかも、なぜかその具材が動いていたり、人の叫び声まで聞こえてくる。その鍋を持つ千冬の隣に立っているセシリアも恐怖のあまり涙目だ。

 

真耶・ゆとり・レキ・本音・簪「パスパスパスパスパスパスパスパスパス!!!!!!」

 

あまりの光景に審査員の皆さんがキャラ崩壊を起こしてまで安全圏まで退避する中、二人はゆっくりと一夏に近づく。

 

「ちょ!?無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!!!」

 

「い、一夏。少し焦げてしまったが食べてくれないか?」

 

「少し?!これで少しなのか!千冬姉!?」

 

「い、一夏さん!わたくしのハンバーグからお先に食べてください!」

 

千冬の料理を食べた後では確実に一夏は失神、もしくは意識不明の重態に陥るだろう。その前になんとしても自分の料理を食べてもらおうとするセシリア。

 

「おい、小娘!じゃまをすr」

 

「「「「「あ」」」」」

 

会場中の人が思わず声を上げた。

前に出ようとしたセシリアを引きとめようとした千冬の足元に、なぜか酢の水溜り(たぶんラウラが少しこぼした)があり、それに千冬はつるりと足を滑らせてしまう。普段の彼女ならありえないことかもしれないが今回はギャグなので、きっと笑いの神様がそう仕向けたのだろう。

そして、それに巻き込まれたセシリアも同様に転んでしまう。

さらにさらに、二人の手に持っていた料理?は宙を舞いその先には―――

 

「ぎゃ嗚呼ああああああああああああああああああああああ亜ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!?????!!!!!!」

 

 

 

「「「「「アーメン」」」」」

 

 

 

この時、一人の男子が空に消え、会場中の人々は彼に対する同情で心が完全に一つになった。

少年は顔を真っ青どころか、死人のような真っ白にしながらも十人にも及ぶ優秀な医師や、岬に住まう天才外科医の尽力もあって奇跡的に一命を取り留めたとか。

 

「それでは料理対決は終了で~す。それではみなさん、さよなら~さよなら~ノシ」

 

 




みなさん。哀れな一夏に魂の救済を
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