このコラボの話は混沌の魔法使いさんの書いてくださった話を私が手直しした話なので、少し書き方が今までと違うと感じられるかもしれませんので、ご注意ください
「大丈夫かね?少年?」
穏やかな笑みを浮かべて尋ねてくる男。月の光を浴びて輝く銀髪に夏だと言うのに黒のロングコートを身に纏った男、見た所20代後半と言ったところか?見た所武器は持っていないようだが、俺と流無と同じく異能を扱う可能性が高い、更にあのバルバドスとかいう異形との会話を考慮しても、この男が……
「?どこかやられたのかね?少年?」
再度呼びかけてくる男……思わず武偵高で習った観察眼を使って男を調べていたせいか反応が遅れた。
「いや、大丈夫だ。助けていただいてどうもありがとうございました。俺は和麻、八神和麻です」
ぐったりとしている流無を庇いながら自己紹介をする。
「ふむ。見た所魔力の消費のし過ぎによる精神衰弱と言った所か。どれ」
男がゆっくりとした素振りで流無の頭に手を伸ばす。
「何をする気だ」
それに対して、殺気は感じられないが何をするつもりなのかわからないので問いかける。
「なに魔力を譲渡するだけだ。大分楽になるはずだ。話はそれからでも遅くあるまい?」
にっと笑う男に邪気はなく、気勢を削がれてしまった。
「魔力だけではなく。精神力もか……ではこうした方が良いな」
男は流無の頭に手を置き一言呟く。それと同時に蒼い光が流無を包み込む。
(「大丈夫なのか?シャーリー?」)
俺の中にいるシャーリーに尋ねる。
(「大丈夫、彼は敵じゃない。彼の周りに居る風以外の精霊もそう言っているわ」)
俺には見えないが周りに居る風以外の精霊がそう言っていると言うシャーリーの言葉を信じて男を見ていると。
「ん……あ……れ?」
「ふむ。眼を覚ました様で何より。しかし君は楯無によく似ているね、お嬢さん?」
なんでこいつ楯無の名前を!?俺と流無が改めて警戒の色を強めたのを見て、男は自己紹介を始める。
「失礼。自己紹介がまだだったな。私は八神。八神龍也だ。和麻とお嬢さんの名前は?」
「蒼神流無」
流無が短く名乗る。
「和麻と流無だね。では私の事は龍也とでも呼んでくれたまえ。さて、早速で悪いが君達は当分家に帰れない」
「それは貴方が私と和麻を捕らえるからですか?」
立ち上がった流無が尋ねる。
「うんや。ここは多分君たちの居た世界とは違う。空間に引きずりこまれなかったかね?」
「ああ」
俺は引きずり込まれた瞬間を思い出し、頷く。
「それはやつらが得意とする。空間移動の術式でね。君たちが居た時間の過去か未来か。はたまた並行世界か。どれかは判らんが、暫くは帰れんとしか言いようがないのだよ」
「えっとよく判らないんですけど?」
過去とか未来とか言われてもピンとこない。俺が首をかしげながら言うと、
「ふむ。まぁそういわれても判らんよな。と言っても信じがたいだろうし……では君の知り合いに電話を掛けてみては如何かね?恐らく通じんと思うがね」
「いえ。止めときます」
ここまで言われて電話を掛けるほど馬鹿じゃない。
「そうか。ではここの責任者に紹介しよう。こっちだ」
俺達先導して歩き出そうと龍也は思い出したように、頭をかく。
「ああ、このままでは帰れんな」
パチン
「「!?!?」」
龍也が指を鳴らすと龍也の姿が10代、しかも俺達と同じくらいの年代の少年の姿に変化する。
「さてとこれで良しっと。ん?なんだ鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をして?もしかしてお前達の魔法にこういうのはないのかね?」
魔法?魔術じゃなくて?なんだか話がかみ合わないな。
「まぁ行こうじゃないか。あー疲れてるなら転移しようか?」
転移?なにそれ?俺と流無が首を傾げていると、
「やっほー龍也君、来たわ……よ?」
茂みの中から流無?が顔を見せる。
「え?」
「え?」
目の色と制服、髪の長さこそ違うが完全に流無と同じだ。
スッ……スッ……
手を動かし足を動かしあう2人は暫くそのやり取りを繰り返し、
「「ふー鏡か」」
額の汗をぬぐう素振りをお互いにしながらそう言う2人に、
「「って違うだろ!」」
俺と龍也は同時に突っ込んだ。ここが並行世界かも?というのは何となくこの2人を見てああそうなのかも?と俺はこの時思ったのだが、
「IS学園!?」
「知っているのか」
初夏に訪れた門。そして校舎――IS学園を見て驚く。
「並行世界とかじゃないんじゃ?」
「ではあれはどう説明する?」
「なんか背、小さくない貴女?」
「うっ?それをいう?」
流無よりも高い背をした流無?(楯無)のやりとりを指差す龍也。
「もっとこう確たる証拠が欲しい」
「ふむ。ではついてきてほしい」
龍也は俺達をIS学園の会議室に案内する。しばらくそこで待っていると、
「まったく、今何時だと思っているんだ?ネクロというのに時間の概念はないのか?」
「俺は何故拉致された挙句、手足に手錠を填められて千冬姉の抱き枕になってんだよおおおおおおッ!!!!??」
不機嫌そうに手足に手錠を填められた一夏を抱きかかえている織斑教諭が入ってきた。
((ああ。ここは絶対俺(私)の知るIS学園じゃない(わね))
いやな所でここが俺の知るIS学園でない事を知った……
一通り自己紹介を終えたところで、私は見たことのない制服を指差しながらどこの学校の出身か尋ねると、
「俺達は東京武偵高校2年だ。所属科は同じ
武偵高校と言うのは聞き覚えがない。ここは、
「織斑先生。武偵校とやらに聞き覚えは?」
「ない」
「いい加減俺を解放しろーッ!!!!」
どうやら織斑先生も知らないようだ。
「申し訳ないが。武偵とやらについて説明してもらえないかね?」
「武偵は武装探偵の略称。武偵免許と言うのがあってそれを持っている者は、銃・刀剣類の所持と逮捕権が与えられるわ。一言で言うと準警察って所かしら?ただし私達はお金で動くわ。だから荒っぽい仕事も多いし、くだらない仕事もある。用は便利屋って所ね」
ああ、武偵法ってのがあって殺人とかはちゃんと犯罪として扱われるわよ?と付け加える流無に、
「ふむ、ご説明どうも」
「龍也君。平行世界って言うのはこう言う風に法律や職種が違うって言うのはよくあるの?」
一応IS学園の代表として会議に参加している楯無がそう尋ねて来るので、
「よくあるぞ?大体だな、説明すると長くなるが、1つの行動で世界は分岐していくその中に和麻達が暮らしているような世界に発展してもおかしくは無い。まぁ普通は並行世界間の移動は自在には出来ないのだが……上位の魔道師とネクロなら世界間の移動も可能だ」
手の中に魔力で映像を映し出しながら言うと和麻が
「こちらの事情は説明した。では今度は貴方の事をお聞きしたい。織斑先生達の事は知っているが貴方の事は知らないし、ネクロと言うのも知らないから情報提供を頼みたい」
「ふむ、どうせ暫くの間、君達は元の世界に帰れん。情報は与えておいたほうがいいな。ではまず私から、私は魔法世界「ミッドチルダ」に席を置く魔道師だ。色々事情がありこのIS学園に在籍している。若輩の身だが大将の地位を与えられている」
映像をミッドチルダの物に変えながら説明をする。
「で私が、八神はやて。名前から判ると思うけど兄ちゃんの妹や。機動六課ってとこの部隊長をしとるよ。ランクはオーバーSや」
なのはとフェイトではなく、今この場に居るのははやてだ。はやては頭の中こそあれだが知識もあるし部隊長という事でいろんな事を知っているので会議に同席して貰っている。
ただ、一目見た和麻が何か顔をひきつらせているが、はやての顔に何かついているのだろうか?
「ランクと言うのは?」
「ランクは魔道師としての格付け。上位ランクほど魔力量が多いし。管理局からの支援もよくなる。オーバーSともなると決行優遇されるんやで?」
からからと笑うはやてに和麻が、
「では龍也は?」
「EX……兄ちゃんは魔力量が多すぎてランクで計算できへんからEXランクや」
「酷い目に会った」
何とか織斑先生から脱出した一夏が足に手錠を嵌められたまま器用に跳んで来る。織斑先生は、
「楯無と流無か……ここまで容姿がそっくりだと混乱が起きるな。何とかならないか?」
「後で認識阻害のアクササリーでも渡します。さて次はネクロについてだが、ネクロは基本LV1~4の区分に分けられる」
1~2の映像写し説明する。
「まずはネクロと言う生き物に付いてだが、ネクロは死んだ魔道師の魂や。遺体を変化させ誕生する悪性の魔道生物だ。生者を襲い生命力やリンカーコアを奪い自らの糧にさする」
「……あれは元人間なのか?」
「ああ、そうだネクロマンシーで強制的に蘇生され、本人の意思を剥奪され破壊の限りを尽くす悲しき亡者達。倒す事が彼らの救済に成る。完全にネクロ化するともう元には戻れないからな」
「酷いわね……」
流無が顔を顰める。1度事情を聞いた一夏達も複雑そうな表情をしている。
「それでネクロの特性としては極めて高い再生能力と一定量魔力や生命力を吸収するとその姿を変えることにある。LV1は一律黒い亡霊型、LV2はボロボロの甲冑姿と決まっている。このLVなら自我も薄いし知能も対して高くないそれに特殊な事をしてこないので比較的に楽に戦える。ただし、影に潜ることができるので、注意するところはその一点のみだな」
まぁすさまじいまでの生命力を持っているので戦うのは苦労するがね、と付け加える。
「ではLV3とLV4は?」
「LV3とLV4は上位ランクに位置するネクロだ、一概にどういう姿をしているとは言えんのだが……獣や龍と言った異形型か獣人と言った姿を持つのがLV3だ。このLVになるとなんらかの特殊能力を身に付けている可能性が高く。知性と自我も兼ね備えるのでかなり厄介だ」
今まで戦ったLV3の映像を見せると、
「本当に姿が全然違うんだな。個体ごとに姿が違いすぎるがそれには何か理由が?」
「一言で言うと素体になった人間の性格性に影響している。元の人間が凶悪犯罪者や異常者だとそういった面が強調されて獣や龍と言った異形型になり易い。逆に元が優れた武人や魔道師の場合、獣人や人型に近い姿になる」
「本能がその姿を形作ると考えれば良いのか?」
「ああ、そんなところだ。で最後にLV4だが、こいつらは正真正銘の化け物だ。姿は人に近いか人からかけ離れた者かの二択で、その戦闘力は個体事に差はあるがLV3の2倍から6倍だと思って欲しい。お前と流無が遭遇したのはLV4のバルバドス、9年前から目撃されているがその転移能力と人間に擬態する能力を持って逃走を続けている厄介なネクロだ、で?これで大体の説明は終ったが。何か質問は?」
私は和麻と流無にそう問いかけた。
並行世界にネクロ。にわかに信じがたいが、見せられた映像とさっきのバルバドスとの戦いから信じるしかない。
「俺達はなぜ、あいつに狙われた?」
「ふむ。君達は私から見ると磨けば幾らでも光るダイヤの原石と言ったところだ。加工の仕方によっては良くも悪くもある、そんなものだ」
「回りくどい言い方は止めて欲しい」
なんとなくイ・ウーで戦ったシャーロックに似た言い回しで苛立ちを覚えながら言うと、
「では完結に言おう。風を操る和麻の力と極めてレアな氷系統の魔術を使える流無はネクロの素体としては最高の材料だ、だからバルバドスに狙われたs」
「龍也の世界での氷系統は珍しいのか?」
氷系統や水はそう珍しいものではないと思いながら尋ねると龍也は、
「ああ、炎や雷と比べると希少価値が高いな。私は6元素統一型だからそれに当て嵌まらんが、普通の魔道師の常識で言えば氷系統は1000人の1人くらいの割合だな」
どうやら話を聞く限りではかなり流無はネクロからすると希少に見えているらしい。まあ、氷結というか水に関係するものなら大体扱えるし、そもそもあの『凍てつく波動』も流無が習得している術式の一つだ。
「私としては目の届く範囲に君達には居て頂きたい。この世界には確認できているだけで3体のLV4が居る。別行動を取られると後手に回る可能性が高いそれは避けたいのだよ」
今この場に居るIS学園側の代表である。織斑先生と楯無は何も言わない。つまりこの会議の責任者は龍也と言う事になる。
「つまり?」
「丁度今IS学園は夏休みだ。生徒の数も少ない君達2人の部屋は用意できる手筈になっている」
つまりはこのIS学園に滞在しろと……根回しも終っているから後は俺と流無がうんと言えばいいといった所か。
「もちろん、君達の自由は保障するし。君達が望むのなら最高位の魔導師として君達に魔術の事を教えてもいい。どうだろうか?和麻、流無」
いいタイミングで切り出してくれる。俺達より強い異形――ネクロ3体が俺達を狙っている事を教え、その上で魔術を教えても良いと来た。
「保護をしつつ。私達の稽古をつけてくれると言うことですか?」
「話が早いね、流無。私としてはそうしたいのだが?どうだろう?悪い話ではないと思うよ」
人のいい笑みを浮かべる龍也だったが、
「勝手に決めさせて良いんですか?織斑先生?」
「構わん。ネクロ関連の事例は八神に任せた。私達の常識で測れないことなら専門家に任せるべきだ」
どうやら独断らしい。この人の良い笑みの下に一体何を考えているのか考えると少し怖いが、
「それじゃあ。お願いしても良いですか?ただし」
俺がどう返事をしようかと考えていると流無が勝手に話を進めていく。文句はないが。
「ただし?何かね?流無?」
「和麻と同室でお願いします♪」
「OKだ。そう言う手筈で話を進めさせてもらおう」
「やた♪また同棲できるね?」
「もう好きにしてくれ」
考える事が多すぎるしネクロとの戦闘での疲労感もあり。俺はがっくりと肩を落としながら流無と龍也を見ることしか出来なかった。
「アクセサリーはメガネ?イヤリング?それとも指輪?どれが良いかね?」
「指輪ってどんなデザインのがあるんですか?」
「これくらいかな?」
龍也が机の上に指輪を次々並べていく。その数約30個。
「うわーどれも綺麗、目移りしちゃうなー。…2個貰っても良いですか?私と和麻に」
「どうぞ。またいつでも作れる」
何だろう?保護してもらったのは良いが、なんかこの2人に振りまわれる気がしてならない。
(「なんか凄い前途多難そうね?和麻」)
俺もそう思うよシャーリー……
俺はどうにでもなれと諦めの境地へと達していた……