緋弾のアリア×IS 緋と蒼の協奏曲   作:竜羽

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風の王VS神の王 後編

キンッ!!キンッ!!!

 

(中々粘るな)

 

千の剣の墓標で戦い始めて既に5分。無数の聖剣・魔剣を相手に良く粘る。

 

「シッ!!!」

 

「おおおおッ!!!」

 

ガキーン!!!

 

一際高い金属音が響き渡る。渾身の一撃を蒼穹覇王の刃の峰を使って防いだ和麻はそのまま私を蹴りつけ距離を取る。

 

「はぁッ!!はぁッ!!!」

 

荒い呼吸を整える和麻に、

 

「降参かね?」

 

「誰が!」

 

疲労は濃いだろうにまだその瞳から闘志の色は消えない。これだから怖いもの知らずの若者は怖い。どれ程自分が不利でも決して諦めない。1%の勝機を自らの意思で何倍にも跳ね上げる。成長途中の若者と言うのは本当に怖い。

 

「では少しばかりこの剣達の本領を見せてやろう」

 

足元の剣を抜く。それは赤い刀身を持つ大振りの西洋剣。

 

「レーヴァティン……」

 

初めて和麻と闘ったときも使った西洋剣を構える。

 

「これらの剣は切れ味もさることながら特別な能力を秘めている。それは真名開放だ……その剣が持つ特殊な力を発現させるには真名開放が不可欠になる」

 

レーヴァティンの切っ先を下に向け、

 

「燃え盛る炎の大剣(レーヴァティン)ッ!!!」

 

ゴオオオオオッ!!!

 

レーヴァティンの刀身から炎が溢れ出し。レーヴァティンの刀身を覆い隠す。

 

「炎の剣」

 

「そのままでは焼け死ぬぞ?全力で来い」

 

まだ和麻は何か力を隠している。それを見極める為の真名開放。さぁ見せてみろ、お前の力を!!

 

 

 

 

 

(おいおい。あんなの無いだろ。無数の聖剣・魔剣を相手するだけで必死だって言うのに)

 

シャーロックの炎の神器。炎雷覇に似た威圧感を覚えながら蒼穹覇王を構える。

 

「どうした?力を使わないのか?それくらいはまってやるぞ?」

 

龍也はきっと蒼風之剣神の事を言っている。

確かに蒼風之剣神で無ければあの剣とはまともに打ち合えない。

 

(「シャーリー」)

 

(「判ってるわ。和麻と私の力を見せ付けてあげましょう!」)

 

 

シャーリーの力強い返事と共に俺は自身の内に存在する扉を解き放つ。

聖痕(スティグマ)の解放。

それに加え、蒼穹覇王を自身と一体化させる。

蒼い翼が生え、髪も蒼くなる俺の最強形態。どのみちこれも試す気だったので丁度良い。

 

「ほお……そんな姿もあったか……」

 

感心するような龍也に最高速で切りかかる。音速の三倍にも迫るこの速度なら龍也の反応を超えているはず。

 

ガキーン

 

「速いだけでは私の感は狂わないぞ?和麻」

 

後ろ向きのまま。地面に突き刺さった黒い剣を抜き放ち俺の一撃を防ぐ……。

 

(奇襲は駄目か、ならば!正面突破だ!!!)

 

蒼穹覇王に高密度の蒼風と蒼雷を纏わせレーヴァティンにぶつける。

 

「くっ!!!」

 

「その程度の風と雷ではこの炎は消えんぞ?」

 

この程度!?蒼風之剣神の風は極限まで高められた風術の奥義。そう簡単に防げるものじゃないだが龍也は片手で軽々と防いでいる。

 

(これが神の王の力か!?)

 

神の王と言うのは伊達でも驕りでもない。経験とその魔力に裏打ちされた力。

 

「どれ、今度はこっちから行くぞ!!!」

 

「くっ!!!」

 

レーヴァティンが灼熱の熱波を伴って絶え間なく振るわれる。

 

(弾くのが精一杯だ!!何て力だよ)

 

速さも力もシャーロックの非ではない。蒼風之剣神を持ってしてもまともに打ち合えない……

 

(これが別の世界の最強の術者の力)

 

凄い、凄すぎる……だがその強さを認識するたびに闘志が燃える。今の自分がどこまで通用するのか?それがただ知りたい。

 

「穿牙・九連ッ!!!」

 

「むっ!?」

 

高密度の蒼風を一気にレーヴァティンにぶつける。その威力は大型台風に匹敵する。流石のレーヴァティンもその炎を吹き飛ばされた。

 

「……ふーむ。レーヴァティンの炎が消されるとは……予想外だよ和麻。しかしお前もそろそろ限界そうだな?」

 

蒼風之剣神を発動して2分が経過した……もうあと数分も持たず蒼風之剣神は解除される。龍也はそれが来るまで待てばいい。

 

(俺の負けか?)

 

俺がそんな事を考えていると龍也はその手に持ったレーヴァティンを地面に突きたて

 

「お前の力と努力に賞賛を贈ろう。そして、そんなお前だからこそ私の持てる最高の一撃を持ってこの戦いに終止符を打とう」

 

龍也は地面に突きたった美しい黄金の鞘に納まった西洋剣を抜き放った。

 

「約束されし勝利の剣(エクスカリバー)そして全て遠き理想郷(アヴァロン)この固有結界の中でしか使うことの出来ぬ究極の聖剣をもってな」

 

エクスカリバーッ!?ってあれか!?シャーロックが持っていたあれ!?そんなのもあるのかよ!!!つくづくこの固有結界とやらには驚かされる

 

「今からエクスカリバーをもってお前を攻撃する。なに心配するなアヴァロンがあるから腕の1本や2本ならくっつく」

 

心配事しかねえ!?龍也は俺を殺す気か!?

 

「だからお前の今の全身全霊を込めた一撃を放つが良い。私の傷も治る何の心配も要らない」

 

は……ははは!そうかそう言うことかよ。俺が龍也を怪我させるかもと思って使えない最終奥義を使わせるための気遣いか。

 

「そうかい……なら安心だ!!!」

 

今のおれにできる最強の技を使う!

 

――蒼之羽々斬――

 

蒼穹覇王に風の精霊が集い始める。その膨大な量にこの廃墟だらけの世界が軋む。やがて、それは一つの巨大な剣となる、蒼く、蒼く、蒼く、無限の蒼穹を体現したような巨大な剣。十メートルまで巨大化した剣を見た龍也は、それでも表情を崩さない。

 

「良い剣だな。それでこそエクスカリバーを使う意味がある」

 

「行くぜ」

 

「来い!和麻!!私の一撃を耐えて見せろ!!!」

 

龍也がエクスカリバーを上段で構える。

 

「約束されし……(エクス……」

 

「蒼之……(あおの……)

 

奇しくも同じ構えをした俺と龍也はほぼ同時に

 

「勝利の剣ッ!!!(カリバーッ!!!!)」

 

「一閃ッ!!!(いっせんッ!!!)」

 

互いが持てる最大の一撃を放った。

 

 

 

 

 

「はやてさん、2人の姿が消えたんだけど……」

 

「固有結界や。お互いに全力で戦う為にここに被害の無い場所に移動したんや」

 

はやてさんの言葉を聞きながら和麻の無事を祈る。

 

(そもそも馬鹿じゃないの?龍也さんに今の和麻じゃ勝てないのだって自分でも判っているでしょうに)

 

それでも挑みたいと和麻は言った。最高の魔術師に今の自分がどれほど通用するのか知りたいと言った。私はそれを止める事は出来なかった……だから私に出来るのは和麻の勝利を祈るだけ……

 

ズドーンッ!!!!!!!

 

とんでもない轟音にアリーナが揺れる。

 

「な。なんだ!?何が起こっているんだ?」

 

慌てる一夏君にはやてさんが

 

「固有結界でのぶつかりあいがここまで響いて来てる!?どんだけマジで戦ってるや兄ちゃんは!?」

 

慌てた声で叫ぶ。どうやら和麻が思いのほか善戦し龍也さんの全力を引き出したようだ。

 

バチバチ!!!

 

何かが引き裂く音裂かれる音と共にアリーナの空間が歪む。そして見えたのは赤い枯れ果てた大地と無数の剣の山。

 

「千の剣の墓標?……雪の庭園や無いのか?」

 

困惑するはやてさんの声がしたと思ったと同時に空間が弾け、龍也さんと和麻がアリーナに現れる。

 

「ふーむ。エクスカリバーと同等の威力をぶつけ相殺するとは、驚きだ」

 

「はっ……はっ……何とか防げた……」

 

蒼穹覇王を振りぬいた体勢で崩れ落ちる和麻と黄金の剣を肩に当てからからと笑う龍也さん。それだけで勝敗は判り切っていた。私は直ぐにアリーナの中に向かって駆け出した。

 

「おう。流無が来てくれたぞ?」

 

「無理……俺……動けない」

 

蒼風之剣神を使ったのだろう。疲労困憊と言う感じの和麻に近付き、

 

「負けた?」

 

「ああ……負けた。俺の全力でやっと……龍也の攻撃を相殺するのがやっとだった」

 

疲れた様子の和麻に龍也さんが、

 

「いや。ドローだろ?私はお前の攻撃を弾き吹き飛ばすつもりだった。しかしそれを相殺したんだ。だからドローだよ」

 

やれやれと成長するとどれ程の術師になるのか今から怖いなと言いながら。龍也さんは足元に合った鞘を拾い上げる。そのあまりに美しい剣と鞘に私は、

 

「その剣は?」

 

「ん?エクスカリバーとアヴァロンだが」

 

絶句……アーサー王伝説の最強の武具。無数の武器を持っていると言っていたが流石にこれには驚かされた。

 

「どれ、体力と怪我を治してやろう。全て遠き理想郷(アヴァロン)……」

 

龍也さんがそう呟くと和麻の傷が見る見るうちに癒えていく。

 

「アヴァロンの効果って本当だったんだ……」

 

持ち主の老化を遅延させ、所有者の傷を治す伝説の鞘。その効力を目の当たりにし思わずそう呟く。

 

「さて。これで大分いいだろ。固有結界が砕けてしまったんでこれが限界だ」

 

龍也さんがそう言うとアヴァロンとエクスカリバーは砕け散り粒子と消えた。

 

「流石に神造兵器となると維持が難しいな全く」

 

そんな物を作る貴方の方はよっぽど怖いですとは口に出来なかった。

 

「うっ……」

 

ドシャ……

 

「ちょっと!?なんで?」

 

崩れ落ちた和麻を抱きとめ慌てる。

 

「模造品だからな、スタミナまでは回復しなかったか。うん多分今日は起きないな」

 

「ちょっと!なにを平然と言っているんですか?」

 

「はははは!休ませよう」

 

「話聞いています!?」

 

からからと笑う龍也さんは和麻を背負い。私と和麻に与えられた部屋へと運んで行った……龍也さんの言葉通り和麻は1日眠り続けた。

 

 

 

 

 

そして翌日

 

「良いのかね?一夏たちに別れを告げなくても?」

 

「ああ。構わない。俺達はどうせこの世界の人間じゃない、なら別れは必要ない本来居ない人間が居なくなるだけだ」

 

和麻と話し合って決めた。皆が起きる前にこの世界から去ると。

 

「まぁお前達の決めたことなら私は反対はしないよ」

 

龍也さんはそう言うと、蒼い光に包まれその姿を変えた。黄金の甲冑に燃え盛る炎のような緋色の髪に赤い右目。

 

「ではお前達がいた世界に転移しよう、時間までは上手く調整できるかはわからんが。出来るだけ誤差は少なくしよう」

 

「お願いします」

 

「色々とどうもありがとう」

 

私と和麻の言葉に龍也さんは笑いながらその手を私達の肩に置いた。そして景色が歪み私達がネクロと戦った場所に気が付いたら立っていた。

 

「携帯で確認してみたまえ」

 

言われて携帯で確認する。丁度合宿の鬼ごっこが終わった時間だった。

 

「あまり時間はたっていないようだ。今回はうまくいったみたいでよかった。では私は帰るとしよう」

 

再び転移しようとする龍也さんに和麻が、

 

「また会えるか?」

 

「さぁな……人の出会いは一期一会……また機会があれば会えるだろうよ。まぁ私の感ではまた会えると思っているがな」

 

くっくと笑う龍也さんは、

 

「また機会あればあれば会おう!和麻。流無!!」

 

そう言って龍也さんの姿が光と共に消えた……

 

「また会おうか……そうだな。また会いたいな」

 

「ええ。厳しい人だったけど……優しかったわね」

 

不思議な人だった、厳しくてでもとても優しくて……変な感じだがお父さんやお兄ちゃんと言ったそんな感じの人。また会いたくなるようなそんな人だった。

 

 

 

 

 

その後、鬼ごっこは俺たち以外全員脱落しており、俺たちも教師たちを捕まえられなかったので敗北。ただ、教師にやられずに生き残ったので、それなりに評価された。

こうして、少し不思議な合宿は幕を閉じ、私たちは東京武偵高の寮に戻ったのだった。

 

 

 

 

 

「目は覚めそうか?」

 

「ええ。さっき少し反応があったわ。きっと玄蒼色金に呼応したのね」

 

「そうか。外装のほうはシャーロックさんが残してくれた設計図を基にデータの入力ができた。あとは彼女が目覚めれば、すぐにでも一次移行(ファーストシフト)できるはずだ」

 

「お疲れ様」

 

「何。これで曾お爺様の借りを返すことができる」

 

「ええ。小五郎お爺様の遺言を果たすこと。それこそが……私たち明智家の使命」

 

 

 

 

 




これにてコラボは終了です。混沌の魔法使いさん。本当にありがとうございました。
次回は武偵高見学でもやりたいと思います。簪たちに武偵高をうまく紹介できたらいいな…
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