緋弾のアリア×IS 緋と蒼の協奏曲   作:竜羽

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二章 魔剣
星伽の巫女


「あ、アリアを殺して私も死にますぅー!!」

 

つやつやした黒髪ロングの、おしとやかな大和撫子であるはずの星伽白雪は、完全武装の巫女の格好で鬼の形相で日本刀を振り上げながら叫ぶ。

 

「だから何であたしなのっ!?」

 

それに対し、現代のホームズ、神埼・H・アリアも何で巫女さんに(タマ)を狙われるのかわからないようだ。

それはともかく、このまま、超能力捜査研究科(SSR)の優等生である白雪とSランク武偵のアリアが闘えば、

 

「俺の私物の安全を確保!」

 

この部屋がめちゃくちゃにされる!ここには俺の私物もあるんだぞ!

 

 

 

私物を自室に避難させて、俺と流無もキンジと同じようにベランダに逃げる。

 

星伽の巫女は武装巫女だと、キンジから聞いたことがある。

青森県にあるという星伽神社。

そこにいる巫女は「鬼道術」という、俺と流無が使う気の強化にも似た超能力を操る。

現に白雪はアリアの銃弾を斬ったりしている。

 

しばらくして、戦闘が終わったのか静かになったので中に戻ると、家具が破片となり散らばっていて、壁や床、天井には弾痕や斬撃の跡があった。

 

「「はあ・・・はあ・・・」」

 

その中心には髪はバサバサ、服は乱れ、ホコリまみれというになっている東西の美少女が力尽きていた。

 

「な、なんて・・・しぶとい・・・泥、棒、ネコ・・」

 

「あ、あんたこそ・・・さっさと、くたばり、なさいよ」

 

とりあえず、

 

「流無、部屋を片付けよう。キンジは・・・」

 

「キ、キンちゃんと恋仲になったからっていい気になるなこの毒婦!」

 

「ば、バカ言うんじゃないわよ!あ、あああたしは、恋愛なんか、どうでもいい!!」

 

鎖鎌を引っ張り合う二人をなだめようとしていた。

アイツに任せるか。

 

 

 

片づけをしながらキンジの説得を聞く。なんとか白雪をなだめることが出来てきたようだ。

 

「じゃあ、キンちゃんとアリアはそう言うことはしていないのね?」

 

キンジの説得が終わりに入りかかっていた。うん。これでやっと落ち着ける。

正直、一週間寝たきりで腹がすきまくっているんだ。流無だって実際は右足のけがが完治していない。あと一日ゆっくり休む必要がある。

 

「そう言うことってなんだよ?」

 

「キ、キス、とか・・・・・・」

 

その瞬間、キンジとアリアが同時に石化した。アリアに至っては顔を真っ赤にしてキンジをにらむ。

 

え?その反応まさかお前ら・・・。

 

「そういえば、ハイジャックでキンジ君、アリアちゃんと同じ飛行機で、同じ部屋にいたのよね?まさか、その時に!?」

 

流無がニヤニヤとした笑みを浮かべながらわざとらしく叫ぶ。

その声に、アリアはさらに顔を真っ赤にして、キンジも少し顔を赤くする。

 

さっき流無に聞いた話だと、キンジはハイジャックの時、ヒステリアモードになったという。つまり性的に興奮したということ。誰に対してかということはこの反応から分かる通り・・・。

 

「・・・し・・・た・・・のね?」

 

ガラガシャドン!

 

白雪の巫女服の袖の中からさらなる暗器と鈍器が現れる。

いや、こんなの絶対に隠し持てないだろ!?

よく見たら、瞳孔が開いてみるみる無表情に。怖すぎる。

そして、流無!?

お前は何、この修羅場に目をキラキラさせてんだ!?

 

「そ、そ、そういうことはしたけど!」

 

アリアがなにか胸を張りながら半ばやけくそ気味に叫ぶ。

そんなアリアを、今度はどんなことを言ってくれるのかと、期待のこもった目で見つめる流無。

 

「で、で、でも大丈夫だったから!こ、ここ、こ」

 

大丈夫?一体何が――

 

「子 供 は 出 来 て い な か っ た か ら !!」

 

その言葉を聞いた白雪から白い何かが抜けて行った。

そして、あまりの衝撃に流無までも固まってしまっている。

 

「なんじゃそりゃ!?アリア!な、な、なんで子どもなんだよ!?」

 

「だ、だってキスしたら子供が出来るってお父様が!」

 

ホームズ家のみなさん。娘の性教育位しっかりしろよ。

 

「そんなことでできるか!いまどき小学生でも知っているぞ!」

 

「なによなによ!じゃあどうやったらできるのよ!教えなさいよ!」

 

「お、教えられっかバカ!」

 

「どうせ知らないんでしょ!」

 

「知っている!」

 

「じゃあ教えなさいよ!」

 

「教えられるかこのバカ!」

 

「はいは~い。そこまでよ」

 

アリアとキンジの言い争いに割って入る流無。

 

「キンジ君の代わりに私がしっかり教えてあげるわ。だから、今夜は私の部屋に来なさい」

 

そのまま、アリアは流無についていった。

白雪はいつの間にか意識を取り戻していたらしく、煙のように消えていた。

 

俺とキンジはいろいろ疲れたので、下のコンビニで適当に弁当を買って、食べて、寝た。

 

 

 

翌日、俺達は教室でアドシアードについての話し合いをしていた。

 

アドシアードっていうのは年に一度行われる武偵高の国際競技でオリンピックやインターハイみたいなものだ。

 

ちなみに、俺はめんどくさいから競技に出るつもりはない。剣舞をやれとか言われたが。

流無はチアをやるそうだ。

正確には、『アル=カタ』のことで、イタリア語の《武器(アルマ)》と日本語の《(カタ)》を合わせた武偵用語で、ナイフや拳銃による演武をチアリーディング風のダンスと組み合わせてパレード化したもの。それを武偵高(ウチ)武偵娘(ブッキー)はそう言っている。

 

そういえば、アリアは何をやるんだろうとみてみると、

 

エロ文庫本と『図解 赤ちゃんの作り方』を机の上に積んで読んでいた。

 

俺は流無の方を見てみると、

 

グッ☆

 

と、見惚れる笑顔付きで親指を立てていらした。どうやら流無があの後、アリアに貸したやつみたいだ。

その後、キンジがアリアに凹られるなどあったがアドシアードの話し合いは進んでいった。

 

 

 

その日の放課後の教室、俺と流無は白雪に相談を持ちかけられた。

 

「キンちゃんにまとわりつく、あの泥棒ネコを排除するにはどうしたらいい!?」

 

「「・・・・・・」」

 

要するにアリアをキンジから引き離す相談だ。

いや、正直それは無理だと思うのだが、

 

「白雪ちゃん。はっきり言うわ。無理よ」

 

流無さんがはっきり言いやがりました。

白雪の顔がなんか死んでいるみたいになっていくぞ!?

 

「アリアちゃんを排除しようとしてキンジ君に嫌われたらどうするの!?」

 

「そ、それは・・・」

 

「そのためにも、発想を逆転するのよ!」

 

「ぎゃ、逆転?」

 

「そう。アリアちゃんをキンジ君から離すんじゃないの。キンジ君をアリアちゃんから離す、つまり、キンジ君をあなたの魅力で引き寄せるのよ!」

 

流無の言葉に衝撃を受ける白雪。バックに雷が見えた。

 

「そのためなら、私はあなたに手を貸すわ。あなたの魅力でキンジ君をメロメロにするのよ」

 

「わ、私が、キンちゃんをメロメロに・・・そ、そして、キンちゃんに襲って、キャーーー!!」

 

急に妄想し始めたと思ったら鼻血を出して、椅子ごと後ろに倒れた。

 

「え、えへへ、・・・えへ・・・・・・」

 

何も見なかったことにしよう。

 

 

 

翌日の放課後、キンジが探偵科(インケスタ)の校舎から出てきたのを見かけた俺と流無は話しかけようとするが、いきなり出てきたアリアがキンジを木刀でぶっ叩いた。

 

「キンジ、お前やっぱりMだったのか」

 

「違う!」

 

話を聞いてみると、なんでもアリアとの特訓らしい。真剣白刃取り(エッジ・キャッチング)の。

アリアは総合格闘技(バーリ・トゥード)の使い手で真剣白刃取り(エッジ・キャッチング)ができる。で、キンジにもそれを習得してもらおうということらしい。

 

「なんでそんなことを?」

 

「キンジの二重人格を覚醒させるためよ」

 

「「は?」」

 

どうやら、アリアはキンジのヒステリアモードを幼少の頃うけたトラウマでできた別人格と思っているらしい。

で、戦闘時にはそれが覚醒する。それまでのカウンター技としてまず、真剣白刃取り(エッジ・キャッチング)を習得させるつもりらしいのだ。

実際は、そんなことをしても意味ないのにな。

 

キンジの方を見るとマバタキ信号、瞬きの組み合わせの信号で「黙っていてくれ」といていた。

 

「まあ、真剣白刃取り(エッジ・キャッチング)は結構使える技だから覚えておいて損はないわね」

 

流無もその信号を読み取って、話を合わせる。

 

「そうよ。そして、Sランク武偵ふたりにかかればどんな敵でも勝てるわ」

 

強襲科(アサルト)のSランクっていうのは『一人で特殊部隊一個中隊と同等の戦闘力を有する』ってことだ。

それが二人いれば、大抵の犯罪者なんか目じゃない。

 

『ヴぉっホン、あ~二年B組、SSRの星伽白雪。至急、職員室に来い』

 

煙にむせるような声でせき込みながら聞こえてきたのは尋問科(ダキュラ)の教諭の綴の声。

そして、内容はまさかの白雪の呼び出しだった。

 

 

 

危険な場所である武偵高だが、その中でも『三大危険地域』と呼ばれる場所がある。

強襲科(アサルト)

地下倉庫(ジャンクション)

そして、教務科(マスターズ)だ。

なぜ、教師がいるだけの教務科(マスターズ)が危険地域なのか。それは武偵高の教師になるような人物っていうのはみんな危険人物ばかりだからだ。

前職を見ても、傭兵、マフィア、殺し屋、などなど。

少数ではあるが優しい先生もいる。だが、そんな人でも過去でいろいろやらかしているようなのばかりだ。

さっき呼び出しの放送をした綴先生だって、かなりやばい先生でいつも目がすわっているし、市販のものとは違う香りのする煙草をくわえている。

そして、一番やばいのが尋問だ。

何をされるのかは不明だが、どんな口の堅い犯罪者でも洗いざらい何でも白状し、その後、おかしくなって綴のことを女王様とか女神とか呼ぶようになるのだとか。

 

で、なぜか俺達はそんな彼女が白雪を尋問、もとい会話している様子を、狭い通気口から覗いていた。

教務科(マスターズ)に潜入して、白雪の弱みを握ると言いだしたアリアに促されて、流無も友達のことが心配なのかついて来たのだ。

俺?俺は流無が行くならどこへでも行くぜ。

 

会話の内容は、白雪が狙われているというものだった。

魔剣(デュランダル)

英雄ローランの剣のことだが、ここでいう魔剣(デュランダル)とは超偵ばかりを狙う誘拐魔のことだ。

どうも、そいつに白雪が標的にされているらしいのだが、魔剣(デュランダル)は存在自体がデマだと言われているほどの犯罪者だ。

綴が白雪に護衛を付けたらどうだというと、アリアがいきなり通気口をぶち破って、

 

「そのボディーガード、あたしがやるわ!」

 

と言い放った。

ついでにキンジも落ちて、アリアを下敷きにした。

 

「ん~?なぁにこれぇ?この間のハイジャックのカップルじゃん。で、――」

 

そう言うと綴は懐から、真っ黒な拳銃、グロック18を取り出して、

 

「うお!?うおお!?」

 

俺に撃ってきやがった。

何とか躱して俺も下に降りる。流無も続くようにひらりと舞い降りる。

 

綴がアリアとキンジのプロフィールを語りだす。

とりあえず、アリアって泳げないのか。流無と大違いだな。こいつは水中を空を飛ぶように泳ぐぞ。

そして、キンジはある種のカリスマ性を備えているという評価だ。そこは同意する。

拳銃のベレッタを違法改造(三点バースト、およびフルオート可能な通称・キンジモデル)していることに関して、キンジをタバコで焼き入れした綴は今度は俺達の方を向き、

 

「で、日本刀の二刀流で、風術師。強襲科(アサルト)騎士(ナイト)の八神和麻に、三叉槍に自前改造のD・E(デザート・イーグル)・ルナカスタムを使う、水操作の超能力者(ステルス)強襲科(アサルト)女王(クイーン)の蒼神流無。Sランクバカップルじゃないの」

 

「「どうも」」

 

「お~ハモりで返事とは仲がいいね」

 

ほっとけ。

 

「でぇー?どういう意味?ボディーガードをやるって?」

 

綴の問いにアリアが元気よく答える。

 

「言った通りの意味よ!白雪のボディーガード、二十四時間体制、あたしが無償で引き受けるわ!」

 

「お、おい!」

 

「星伽。なんか知らないけど、Sランクの武偵が無償(ロハ)で護衛してくれるらしいよ」

 

「い、嫌です!アリアと一緒なんてけがらわしい」

 

まとまりそうもないこの状況。

それを収束したのは、

 

「じゃあ、この場にいる全員で護衛したらどうですか?住み込みで。全員で同棲しちゃいましょ♪」

 

流無のこの一言だった。

 

 

 




結構難しかった。まだまだ原作とあまり変わりませんが、頑張ってオリジナリティを出していきたいです。

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