千棘がお手洗いのため離席したのを機に、るりが楽を問い詰める
『一条君、前から聞きたかったんだけども、本当に桐崎さんと付き合っているの?』
楽は当然だが、小咲までドキッとする
ごまかそうとする楽だったが
『ぶっちゃけ嘘だろ、恋人とか』
どてらに先手を打たれて動きがとまる
そこを更に集が追撃する
楽は観念し、【千棘が戻ってきたら話す】と言って黙り込んだ
『(一条君のこの反応・・・まさか?)』
自分にとって好都合な展開になりそうで、小咲の鼓動は早くなる
まだだ、まだ決まったわけではない、ぬか喜びの可能性もあるから落ち着こう
そう自分に言い聞かせるが、体は言う事を聞かない
永遠とも思える待ち時間、千棘が帰ってくるまで小咲の心臓はもつのだろうか
ピシャン
割と早めに帰ってきた千棘だったが、部屋の静まりように目を丸くする
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この瞬間に限り小咲は日本で、いや、世界で一番幸せを感じているだろう
前々から誰かに打ち明けたくて仕方なかった千棘が、絶対に他言しないて欲しいと一言添えた上で事実を語ったのだ
自分の家がギャングだということはぼかしたが、それ以外は全て伝えた
故に小咲は有頂天になっているのだ
楽に恋人はいない、楽がフリー
それを知ることができ、今夜からはぐっすり眠れるだろう
『大体、誰が好き好んでこんな嫌味もやしと付き合うってのよ』
『俺だってこんなゴリラなんかと付き・・・うぼぁ!』
自分は言いたい放題だが、楽が自分を侮辱するのは許せない、その一心で鳩尾を打つ千棘
るりは、悶絶してる楽をさするよう小咲に指示する
拒否すればお前の鳩尾も打つと言わんばかりの眼光、小咲に逆らう度胸はなく言う事を聞く
わざわざ書くのも最早わずらわしくなってきたが、2人は顔を真っ赤にしている
『小咲ちゃんは優しいわね』
そんな千棘の言葉も耳に入ってこない
完全に2人だけの世界に入ってしまっている
その他の時間>勉強時間になっているが、もはや誰も気にしない
今この場で勉強のことを考えてる者など1人もいない、だがそれも仕方ないことだ
楽と千棘にしてみれば、皆に隠し事をしていた後ろめたさから開放されたわけであり、小咲としても悩みの種が消えたのだから勉強など今はどうでもよくなるだろう
このメンツだけの時は恋人のフリをしなくてもよくなり、楽と千棘がフリーだということも判明
これにより彼等の日常はどう変化するのだろうか
とりあえず確定しているのは、皆が小咲を今まで以上にグイグイ押すであろうということだ
楽の受難、いや、女難はここから急加速するかもしれない