【ニセコイ】男はつれぇよ   作:Kドラ

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トックン

勉強会、もといお茶会の最中に竜が部屋にやってくる

なんでも蔵に高いお茶があるから楽と千棘の2人でとってきて欲しいとのことで、勉強する気がない2人は【なんでコイツと・・・】と文句を言いつつも取りに向かった

2人が部屋を離れたのを見て集が、思い出したかのように小咲に問う

『そういえばさ小野寺さん、この前の調理実習でさ』

ビクッ

調理実習の話をふられて肩を震わせる

クラスメイトの前で楽にケーキを渡し、しかも美味しいと言われたのだから当然だろう

どうやら集はそのことが疑問だったらしい、何故あんなに積極的に動けたのか

それにあの時点では、楽に恋人がいると思い込んでいたのだから尚更動きにくいはず

るりも集と同じ疑問を抱いていたが、すでに小咲から聞き出しているので何も言わない

小咲はどてらをチラッと見て語り出す

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調理実習の数日前、小咲は鬱気味だった

何故なら彼女は料理が壊滅的であるからだ

いや、見た目は完璧なのだ

無茶苦茶な素材を使っているのに、逸品料理のような見た目になるのだ

しかし見た目とは裏腹に味は酷い

彼女の味覚は家族が認めるほど鋭いのだが、何故か味オンチなのである

そんな時、彼女は思い出す

料理ができる男が身近にいたことを

『どてら君!お願いがあるの!』

『ん?金ならないぞ』

『違うよ!』

まるで準備してたかのような返しにテンポ良く突っ込み、事情を話す

するとどてらは

『パンツ見せてくれたら手伝うよ』

と人の足下を見た提案をする

ドストレートなセクハラに顔を赤くしてワーワーと喚く小咲

交渉決裂だと言って背を向けるどてらの袖を慌てて掴む

『わ、私のなんか見てもどてら君にはなんの得も・・・』

『誰も得しない条件なんか俺は出さんよ、俺は得する、俺に限らず男だったら誰でも・・・楽も例外じゃない』

何故この人はこんなに堂々と、しかも私なんか相手に・・・

という気持ちもあったが、急に楽の名前を出された動揺の方が大きい

『な、なんで一条君?』

『君が楽を好きなのは見ててわかる』

ボゴッ

男は勿論、妹と喧嘩した時でさえ暴力はふるわなかった小咲だが、体が勝手にどてらを攻撃していた

カバンで顔面を殴られ無言になるどてら

殴る瞬間は羞恥心で顔を真っ赤にしていた小咲だが、罪悪感と恐怖で真っ青になっていた

人を殴ってしまった、しかも相手は親友の楽も恐れるどてら

半泣きで謝る小咲の顔に右手を伸ばす

ギュゥ

『いだいいだい!ごめん!ホントにごめん!』

殴ると思いきや頬をつねる程度ですませるどてら

それでも結構痛そうだが

 

『ほんとにごめんね?』

手を離したどてらに改めてもう一度謝る

それに対する彼の答えは

『中々のほっぺただよ』

そんなに怒ってなかったのか、それとも魅力されてしまったのか

どっちかわからなかったが、小咲はもう一度謝る

『別にいいけど楽には内緒ね、アイツと喧嘩したくないし』

『え?一条君?』

またも出てくる楽の名前

『この程度でも、君に手をあげたのがバレたら彼は怒るだろうからね』

なんで楽が怒るのか尋ねると

『そりゃ楽も君が好きだからだよ』

カバンでもう一発殴りそうになるが抑える

楽のことになると良くも悪くも一皮剥けるようだ

『またそうやって、どてら君はすぐに人をからかうんだから』

パンツ見せろだの、楽が小咲を好きだの

全部冗談に決まってる、そう決めつける小咲

『嘘だと思うなら思えばいいけど、君を好いてる男は少なくないよ、可愛いし』

『はいはい』

冗談だと決めつけてあっさり流す

冗談だと思いつつも、可愛いと言われるのはやはり照れる

『少なくとも俺は好きだよ』

『怒るよ?』

恥ずかしいことを臆面もなく言ってくるどてらを止めにはいる

本来なら可愛いだの好きだの言われるのは嬉しいが、嘘だと決めつけてるのでバカにされているとしか感じなかったのだ

『そうか、俺よりも楽に好いてほし・・・』

カバンを構える小咲を見て口を閉じる

そろそろしばきあいになりそうなので、話を戻す

『ケーキ作りを教えりゃいいんだったね、俺にまっかせなさーい』

腕まくりして頼りがいがありますアピールをする彼の謎のテンション、掴みどころがよくわからない雰囲気に気圧されつつも、言質をとったことを喜ぶ

『ただし条件がある』

バッ

条件と聞いてカバンを構える小咲

無視して続ける

『皆の前で楽に渡すこと、これが嫌なら他の人に頼んでくれ』

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『っていうことがあったんだよ』

ぶん殴ったことや、パンツ見せろと言われたくだりは勿論伏せた

語っているうちに彼とのやりとりを思い出して顔を赤くする小咲

『(どてら君は本当に可愛いと思ってくれてるのかな・・・好きだってのは嘘だろうけど)』

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