【ニセコイ】男はつれぇよ   作:Kドラ

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カシカリ

『・・・?』

千棘は腕力だけでなく学力にも定評があるのだが、慣れない授業方式、慣れない現代国語に戸惑いノートをうまくとれずにいた

入学当初に彼女の思い描いていた学園生活では、休み時間にわからないところを友達に教えて貰えることになっていた

しかし現実は非常である、教えてもらおうにもその友達がいないのだ

【全部アイツ等(楽とどてら)のせいだ、許せない】と千棘は嘆く

 

 

ペシンッ

しょぼくれてる千棘の頭を楽がノートで軽く叩く

隣の席で四苦八苦している千棘を見かねてノートをとってあげたらしい

たとえ嫌いなやつでも困っていたら放っておけない、それが一条楽である

どてら曰く【あの優しさは男でも惚れる】とのこと

念のために断っておくが、彼は別にホモではない

 

『話しかけんなって言ったはずだけど?』

心底うざそうな顔で楽の厚意を無下にする

もう二度とこの女には優しくしないと心に決め、楽は怒りを抑える

 

 

ペンダントを無くしてから二日目

男3人は再びペンダントを捜索する

そこに天使が舞い降りる

『い、一条君、私も手伝うよ』

想い人である小咲の登場に楽はドキッとする

集はどてらとアイコンタクトをとり、立ち上がる

『オレとどてらはアッチを探すから、二人はこの辺頼むわ』ニヤニヤ

そう言って二人は足早に立ち去っていった、ニヤニヤとしながら

 

手伝いを申し出たはいいが、二人きりになると思っていなかった小咲はこの状況にあたふたする

小咲が楽を意識しているのは火を見るよりも明らかなのだが、楽は気付かない

『お、小野寺、なんかあれだな、悪いな、はは』

『い、いいよいいよ、お互い様だし!』

同じ中学校出身とは思えないほどぎくしゃくしている

 

小咲と楽は会話が続かずに黙々とペンダントを探している

ちなみに集とどてらは探す手を止めて二人を陰から見守っている

気まずさもあってか、不満解消も兼ねて楽は愚痴りだす

『悪いな小野寺、本当ならあのゴリラが探すべきなのに』

『ゴ…ダメだよ、女の子にそんなこといっちゃ』

『あの腕力はゴリラ以外の何者でもねーよ、喧嘩師のどてらのお墨付きだぜ?』

本来の小野寺ならもう少し強く注意するだろうが、千棘の暴挙を目の当たりにしているので、強くは言えないでいた

それはさておき、楽の話で一つ気になるワードがあるようだ

『喧嘩師?どてら君が?』

陰で見ているどてらは恥ずかしさで頭を抱える

楽は意外そうな顔で小咲に言う

『知らねーの?どてらの喧嘩は華があって結構人気なんだぜ?野蛮だと思うかもしれないけどさ、女子にも割と人気なんだぜ?』

温厚などてらが喧嘩している姿が想像できない小崎は驚いたが、この話を広げるのもアレなので話を大きく変える

 

『でも一条君は優しいよね』

想い人が不意に褒めてきたので楽はビクッと体を大きく震わせる

『見てたよ、桐崎さんのためにノートとってあげてたでしょ?』

まさか小野寺がそんなところまで見てたとは思わず、楽は感激する

楽にとって小野寺の評価は、学校の内申なんかよりもよっぽど大事なので、喜びもひとしおである

楽が浮かれていたその時・・・

 

カコーン

金属の物体が高速で楽の額に命中する

陰で見守っていた2人が楽のもとへ駆けつけ必死に呼びかける

どうやら命に別状はないらしい

突然の出来事にあたふたしていた小咲だったが、飛来物を見て興奮気味に楽に突きつける

『一条君!これ!』

ダメージで意識が危うかった楽だったが、小咲が手に持っているものを見て意識がハッキリとする

小咲から物を受け取り、相棒の右京さんが切れた時なみにプルプルと震えている

『ペンダント!俺のペンダント!』

泣きながら喜ぶ楽を尻目に集はペンダントが飛んできた方向を見る

そこには千棘がいた

楽もそれに気付き、千棘の方を見る

千棘はそっぽを向き、そのままどこかへ去っていった

 

まさかアイツが・・・そんなことを考える楽だったが、ペンダントに紙がついていることに気づく

そこには英文が書いてあり、英語がそこまで読めない楽と小咲にはさっぱりだったが、罵倒されていることはなんとなくわかった

『これで貸し借りはなしだから2度と話しかけてくんな馬鹿って旨が書いてあるな』

英語がそれなりにできるどてらが2人の代わりに訳す

ペンダントがなくなったことは千棘に話していないのだが、噂を小耳に挟んで探してくれたようだ

話しかけるなと言われたばかりだが礼を言うために楽は千棘を追いかける

 

『根はいい子なのかもな』

誰に言うでもなくどてらは呟く

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