【ニセコイ】男はつれぇよ   作:Kドラ

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前にも申し上げました通り、読者の皆様が原作を読んでいる前提ですので細かい部分は色々省いてます


ニセコイ

『はぁ・・・』

休日に昼過ぎまで寝過ごしてしまったサラリーマンのように悲壮感漂う溜息をつく楽

無理もないだろう、ここ最近見たくないものを頻繁に見ているのだから

『楽の家はいつもどこと喧嘩してんだ?外国人っぽいけど』

いつも楽と下校しているどてらも、楽と同じものを目にしているのだ

街中で抗争を始める集英組(楽の家)と外国人の組織

これは穏やかではない

 

よくあることだと気を取り直して家に入る楽

帰宅すると同時に親父に呼び出しをうけ、学生服のままついていく

親父は楽から目を逸らしてボリボリと顔をかきながら言う

『最近よぉ、ビーハイブっていうアメリカのギャングと争っててよ・・・わりぃがそこの娘と恋人になっちゃくれねえか?』

突拍子がなさすぎて理解出来ず、楽は聞き返す

どうやら聞き間違いではないらしい

親父の話をまとめるとこうだ

【喧嘩を止めたいからお互いの子供同士で恋人になってくれ、フリだけでいい】

当人達からすればたまったものではないが、合理的である

 

親父の素振りから絶対ろくでもない話だと予想していたが、予想をはるかに越えていた

当然嫌がるが拒否権はない、組員の命に関わる問題だから当然といえば当然かもしれないが

ふすまの向こうでゴネる女の子の声がする、おそらく偽の恋人だろう

彼女の意思に反しふすまは開かれる

 

この時楽に電流走る

目が合った2人はお互いを指差してぷるぷると震える

『ご、桐崎?』

『あ、アンタは・・・』

2人が知り合いだと悟った2人の父親は微笑む

話は早い、なんなら本物の恋人になってもいいと親父達は言う

しかし当然2人は断固抗議する

『冗談じゃねえ!なんでこんなゴリラ女と!』

『こんな女々しいもやしと恋人なんて絶対無理!』

ヤクザの息子、ギャングの娘に父親の前でこんな悪口を言える2人は相当なものだ

自分の子供を罵られたことなど寛大な親父達には些末なことだ

むしろ、仲がいいと判断する

 

二人の口喧嘩がエスカレートしそうになったその刹那

爆音とともにふすまが破壊される

どうやら、千棘が拉致されたと勘違いしたビーハイブの連中が乗り込んできたようだ

その音を聞いて駆けつけてくる集英組のヤーさん達

集英組の竜とビーハイブのクロードがにらみ合う

ガチのどつきあいが始まる寸前で両組織のボスが止めに入り、二人が恋人だと説明する

両組織の若い衆は大騒ぎする、良い意味で

集英組の若い衆は楽に彼女ができないことに不安を感じていたようで、自分のことのように大喜びする

一方ビーハイブの若い衆は、幼いころから世話をしてきた千棘が立派なレディになったことを実感し、涙を流す

楽と千棘、親父達は後に引けないと確信する

本当ならば【こんなゴリラ女と誰が付合うか!】と声を大にして言いたいところだが、ここで喧嘩を始めればややこしくなる

もし楽が悪口を言わなくても、きっと千棘が悪口を言ってややこしいことになる

そう判断した楽は覚悟を決めて先手を打つ

 

『俺の一目惚れだったんだよ、誰かに取られる前に振られる覚悟で告白して今に至る』

楽の大胆なカミングアウトに集英組は盛り上がり、はやしたてる

さりげないがこれは楽のファインプレーである

親父達の言ってることが事実であると認め、尚且つされそうな質問を先に潰す

千棘に質問をふられる前に潰せたというのは大きい

楽を見てさすがの千棘も覚悟を決める

『突然だったから最初は断ったんだけどね、授業に慣れない私のためにノートをとってくれたりとか優しくされてる内に私も好きになっちゃったのよ』

千棘もファインプレーを出す

一目惚れでいきなり告白し、それをOKしてくれるなんて考えにくいと判断しての発言

千棘も中々の役者であると楽は感心する

 

次はどう攻めるかと考えていた楽だったが、考えがまとまらぬ内にクロードの質問が来る

『お嬢の好きな食べ物と音楽はなんでしたっけ?恋人なら当然答えられますよねぇ?』

千棘に微塵も興味無い楽にとって最悪の質問である

表情、喋り方から察するにクロードは2人の仲を疑っているようである

しかし楽、意外にも冷静に対処

『好きな音楽か、前に俺が演歌が好きって言った時【私も好き】って言ってたから演歌だな』

そんな会話してないし、千棘はクラシックしか聞かない

だが楽のこの答えなら【演歌に興味無いけど楽に話を合わせた、楽は本気で千棘が演歌好きだと思い込んでる】と解釈できる

曲者であるどてらや集とつるむ内に楽も曲者になってしまったようだ

質問を1つ潰され動揺するクロードに対して、楽は更にたたみかける

『好きな食べ物についてはちょっと恥ずかしくて言えないなぁ』

そう言って頬をかく

この不可解な答えに当然説明を求める声があがる

 

『いや、そのね、その質問したら彼女こう答えたんですよ【一条君の料理全部だよ】ってね』

ラブラブ感ただよう答えに若い衆は大盛り上がり

実際そんなこと一言も言ってないのに千棘は顔を真っ赤にする

楽の【一条君】という発言も隠れたファインプレーである

こうすることで千棘が楽を下の名前で呼ばなくても良くなるのだ、いずれは呼ばなければいけないだろうが

 

そんなこんなで質問を回避していく楽

とうとうラストの質問が竜の口から出る

『嬢ちゃんに聞きたいんですが、お二人はその・・・キスはすませたんですかい?』

二人に電流走る

ややこしい質問が来てしまった、しかも千棘名指しで

楽が誤魔化そうとするが、口を挟まないようにと竜に言われる

口ごもる千棘、大はしゃぎしてた周りが固唾を飲んで見守る

『そ・・・そんなことするわけないじゃないのよ!』

千棘が大声で叫ぶ

この答えが吉と出るのか凶と出るのか、楽は涼しい顔をしつつも内心焦っている

結果としては大成功である

曰く【学生の付き合いは清いものでなくてはならない】とのことで、もしこの短期間でキスをしてたら血を見ることになっていたと竜は語る

 

質問攻めを無事乗り越えたはいいが、偽物の恋人関係が始まってしまった

水と油という言葉が誰よりも似合うこの2人が、上手くやっていけるかどうか不安ではあるが後にはもう引けない

普段は全く意見が合わないが、この時ばかりは意見があった

クラスメイトには絶対バレないようにしようと




原作の楽は熱いものがあり、本気で人とぶつかりあって心を開かせる能力を持っていますが、この作品では口八丁にも長けています
これはオリキャラとの絡みにより培った能力です
オリキャラを出したのはこういったことが目的であって、原作で楽に恋している女の子がオリキャラとくっつくことはありませんのでご安心ください
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