IS インフィニット・ストラトス 〜太陽の翼〜   作:フゥ太

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多分連載始まって以来の難産だった

そして連載始まって以来の一話の文章量だった

では、この章最後のお話になります!


分岐点(後半)

 

 

 

 ―――すごく、優しい気持ちになる声だ―――

 

『知っている人であれば………幸いです。そして知らない人ならば、驚かせてごめんなさい』 

 

 シャルロット・デュノアが最初に抱いた感想は、どこか亡き実母を思い出させる声色だった。

 

『本来であれば直に会って色々お話ししたかったのですが………どうにも私には時間が残されてはいないようで』

『こうやって、メッセージを残すことにします』

 

 先ほどの驚きはどこかに飛び、その言葉をシャルだけではなく、陽太や一夏や竜騎兵達も彼女と同じように、この初めて聞くはずの人物の声に落ち着きを覚え、耳を静かに傾けるのであった。

 

 だがそんな若者達とは打って変わり、落ち着いて聞けない者達が三人いる。

 

「………………」

 

 ギリッと奥歯を噛みしめ、親の仇でも見るかのように怒りと、それ『以外』の複雑な感情に染まった表情となる暴龍帝と………。

 

「先生………どうして?」

 

 開発者であるはずの自分も知らないうちに録音されていたこの事実に驚愕して立ち尽くす天災………そして、彼女はこのメッセージがいつからこのメッセージが存在していたのかと考え込む。

 

「(コアネットワークの隅から隅まで検索は行っていた。先生の『残り香』なんて欠片もなかったのに………

非限定情報共有(シェアリング)? だとするなら、いったい何時どうやって?)」

 

 ISについてはやはりまだ自分すら知らない『何か』があり、師はその事にすらも解明していたというのか? 彼女がISに触れていられた時間はほんの数日間だけで、たったそれだけで自分が10年かけてようやくたどり着きそうになっている場所にたどり着いていたというのか?

 

「…………先生」

 

 夢か幻だったのか、一度死の淵をさまよったあの日、彼女と再び対面することができた千冬はこうやって二度と聞けないと思っていた彼女の声が聞けたことに、こみ上げてくるものを抑えるのが精一杯であった。

 

 

『では改めまして、私が今いる『ココ(過去)』よりも先の世界で生きる全ての皆さんへ・・・・私の名前はアレキサンドラ・リキュール。後の世界にどのように伝わっているのか・・・』

『ひょっとすれば何も伝えられていないかもしれませんが・・・・個人的にはその方が私としてはずっと気が楽ですね』

『ごめんなさい、あまり目立つのが好きな方でなくて・・・・でも私は皆の事は大好きですよ』

『あ、全然知らない女にいきなり好きだとか言われても戸惑うだけだと思っているでしょう? フフッ・・・・絶対にそうよね~』

『私もね、良くこれで叱られるの。主に私の幼馴染の友達と、このぐらいの女の子。アリアっていうんだけど』

 

 ―――ミシッ―――

 

 暴龍帝がその手を置いていたテーブルから不気味な音が鳴り響き、周囲にいた竜騎兵達がちょっとだけ驚く中でも、変わらずに彼女の話は続く。

 

『フフッ・・・・ごめんなさい、私事ばかりになってしまいましたね』

『では皆さんに質問します・・・・このメッセージがいつ頃流れているのかわかりませんが、その時に』

『インフィニット・ストラトス(IS)と呼ばれている『子』達は、どのように人と接しているのでしょうか?』

 

 全員の表情がその言葉によって多種多様でありながら、一応に変化し、徐々にメッセージに乗せられていた彼女の声色にも変化が混じり始める。

 

『おそらくご存知と思いますが、ISには優れた兵器としての能力が備わっています』

『ISは世界に対して、権威を、社会を、時代を動かしてしまえるのでしょう』

『力で変えてしまう事には必ず流血も伴います。大きな戦さが起こってしまうかもしれません』

『そんな中で、人々はISのことをどう思ってしまうのでしょうか? 畏怖か、拒絶か、それとも侮蔑か・・・・変えられてしまう現実は人の心を容易に傷つけ、引き裂くような痛みを与えてしまえます』

 

 淡々と話す声色の中に、僅かな哀しみが含まれている。それらは過去に録音されたものであるはずなのに、まるで昨日福音事件の際に、兵士達が見せた表情を代弁しているかのようにもシャルには思えた。

 

『でももし、今、その手に余裕があるのなら』

『もし、少しでも私の言葉に興味を持っていただけたのなら』

『これからする話に、少しだけお時間を共にして、一緒に考えてほしいのです』

 

 特にここまで誰もが何かを話していたわけでもないのに、彼女が『一緒に考えてほしい』と言葉を発した瞬間、世界から音が薄れ、無音に近い静寂が世界を包んだかのように思われた。

 

『すべてが素晴らしいもの・・・とは言えません』

『人も、この世界も・・・』

 

 続かない言葉の向こうに、多くの悲しみがあるのだろう。と若者たちではなく、彼女を直接知る三人の女達は静かに瞳を閉じた。

 三人は知っている。彼女は決してただの夢想家なのではなく、自分達よりも長い時を生き、長く人と接し、世界の在り方を見守り続けている。

 だからこの続かない言葉はきっと真実。そして三人の内、二人はそんな人類の在り方に失望と絶望を覚え、一人は未だにはっきりと答えを見いだせずにいた。

 

『ただ、多くの場合、私達はきっと圧倒的に何も知らない』

 

 だがその言葉が、妙に三人の耳を打ち、閉じていた瞳を開かせる。

 

『自分とは違う生き方、考え方をしている相手のことを』

 

 IS学園の生徒達がその言葉に大きく目を見開いた。

 

『知れば違う道を選べる、変わることができる自分自身に』

 

 何か心打つフレーズだったのか、竜騎兵達が拳を強く握りしめる。

 

『伝わらないまま、世界が回っていってしまう』

 

 伝わらなければ、確実に福音が破壊処理されていたナターシャにしてみれば、その言葉だけは全くその通りのことだと静かに頷かせる。

 

『私も・・・実はそれほど多くのことがわかってるわけではない、と最近また痛感するあまりで』

『むしろ知らないことのほうが多くて・・・でもこの歳になって、知ることの喜びを改めて噛み締められたことは、幸福なのかしれません』

 

 ギリッと束が歯を食いしばり、ほとんどだれにも聞こえないような小声で『嘘ばっかり』と言ったことを、リキュールとくー以外の人間が気が付くことはなかった。

 

『だからこそ、皆さんにもう一度問いかけます』

『ISは果たして兵器なのでしょうか?』

 

 この言葉を聞いたIS学園のメンバーとナターシャの心が僅かに波打つ。

 

『そうだ、その通りだ。そうお答えになられる人はきっといらっしゃるでしょう』

『いや違う、一個の知的生命体だ。とお答えになられる人もいるかもしれません』

『そのどれもがきっと、『正しい』・・・一人一人の、自分の考えから発せられた言葉なのです』

 

 静か過ぎるほどに微動だにしなくなった暴龍帝の様子に、だんだんと違和感を感じ始める。

 

『今、私の言葉を聞いている人は、何を問いかけられているのかと思いになるでしょうが、実はそれほど意味のあることではありません。ただ知っていてほしい』

『少し、手を止め深く深呼吸をし、一秒だけ近しい友人を見るかのように、あなたのそばにいるISを見てあげてください』

 

 千冬の瞳が揺れる。

 

『彼女達は何を思っているのか? 物言わぬだけの存在か』

 

『それとも、ホンの僅かでも声が聞こえる、それとも楽しく談笑ができる相手でしょうか?』

 

 声を聴いただけで、千冬の目じりに熱い物が込み上げてきた。

 

『私には未来を決めることはできません。同じように未来の世界に生きる人達にその定義を与えることはできません。全ては皆さんの手に握られているのですから』

 

『そして、IS達・・・』

 

 そして彼女が遺していったもう一つの存在………未来の世界において『インフィニット・ストラトス』という名で呼ばれる彼女達にも、同様に言葉を英雄は残していた。

 

『私はもう長くありません。ナンバー001、002、003、004、005・・・貴方達は離れていてもいつも一緒よ』

『そして私が今、手の平に握っているだけの貴方達を』

『この世界に生まれたばかりな貴方達を、正しく導いてくれる人と必ず巡り合えるわ』

 

 まるで祈るように。世界に生まれたばかりだったIS達に、遠い未来に、例え微かと呼ばれても、希望を抱きできる限りの祈りと一緒に送り出したのだ。

 

『本当の力とは何なのか』

『命とはなにか』

『生きるとは何か・・・貴方達は人間と共にそれらの答えを見つける日がきっとくる』

 

 善意をもって想いを馳せ、心の底から、英雄(彼女)だけは、祝福をもってIS達を世界へと迎え入れていた。

 

『後の世に生まれ来る兄弟姉妹達の未来が実りあるものでありますように』

 

『そして何よりも・・・貴方達自身が生きる世界が幸福でありますように』

 

 そして録音されたメッセージの最後は、こうやって締められていた。

 

『最後に・・・・』

 

『千冬』

 

『束』

 

『アリア』

 

 

 

『この世界は・・・良い世界よ』

 

 

 

 ―――録音が終了すると同時に砕け散るテーブル―――

 

『!?』

 

 何事か、と驚愕した全員がテーブルを砕き、憤怒に染まった瞳をする暴龍帝(バーサーカー)を捉えるのであった。

 

「…………死に際に残した言葉がそんな物なのか、貴女は!?」

 

 少なくともこの場においては、束以外は理解できない怒りなのだろう。

 10年前の『あの日』、彼女(恩師)が辿った結末を共に見た束以外、リキュールが怒っている理由を知る術すらない。

 

「結局、いつもそれだ」

 

 それは束とて同じであった。助手であるクロエすらも戸惑うように、身体を震わせながら俯いたままの彼女は、全てにおいて優先すると決めていたはずの師が残した言葉に対して、怒りをもって答える。

 

「先生はいつだって……いつだって……………言えよ! 憎いって!! 言ってよ!!」

「!?」

 

 くーや陽太や箒すら初めて見た、哀しみと怒りに染まった表情で、一夏の腕に巻かれていた待機状態の白式に対して叫んでいた。

 

「お前等のせいなんだって! お前達が! 情けないから! 醜いから! 下らないから、私が死なないといけないんだって!!」

 

 最後に残す言葉が呪いの言葉であったのなら、呪詛のように全てを呪うものであってくれたのなら、自分達はそんな存在なんだと、心の底から信じられたのかもしれない………そう『思い込もう』とした束だったが、思わぬ人物の思わぬ言葉に事態は大きく揺れ動いた。

 

 

 

「貴方は憎まれたかったんですか? 篠ノ之束さん?」

「!?」

 

 

 

 奥歯を噛みしめながら、束がその言葉を発した人物………シャルロット・デュノアに、それこそ呪殺しかねないほどの視線をぶつける。

 

「答えてください、篠ノ之束さん………貴女は、貴女の『先生』に憎まれたかったんですか?」

「…………るさい」

 

 この状況でこの質問をしたシャルには、特に何か策があるわけではない。だが今は見ようによっては勝てないかもしれない相手に堂々と挑発しているともとれるのだ。事態によっては即時に戦闘が起こりかねないと、傍で見ていた陽太が内心で冷や汗をかく。

 

「(ちょっと落ち着け)………今はとりあえず黙ってろシャル」

「イヤだヨウタ。今聞いておかないとダメなことなんだよ、コレ」

 

 小声で静止した陽太を跳ね除けて、シャルは立ち上がると一歩、束に近づき更に問いかけた。

 

「私、ずっと思ってました………織斑先生の恩師って、どんな人だったんだろうって」

「………うるさい」

「だけど今の話を聞いて、少しだけ………何か『分かった』気がしました」

「!?」

 

 次の瞬間、拳を握り締めた束が瞬時に動き、シャルの顔面目掛けて右ストレートを繰り出す。

 

「!!」

 

 それを横合いから陽太が掴み取り………肩が外れそうになるほどの衝撃を受けながらも、なんとか束を静止するのであった。

 

「(コイツ……なんつうクソ重さッ!?)」

「わかってたまるか!!」

 

 誰も見たことのない憤怒の表情をした束が、今にもシャルに噛みつかんばかりに詰め寄ろうとする。

 

「落ち着け束っ!?」

「姉さんっ!」

「束さんっ!!」

「わかってたまるかっ!!」

「・・・・・」

「わかってまるか、わかってたまるか、わかってたまるか、わかってまるか!! お前みたいな奴に先生がわかってたまるかっ!!」

 

 箒と一夏も加わった状態の制止しようとする陽太が引きずられかけるほどに力一杯暴れ回る束を、シャルは驚いた表情ながらも、一つだけ理解ができた気がした。

 

「誰も分からなかったんだ!! 気持ちも、生き方も、痛みも、希望も、絶望もっ!! 何一つ分かってあげられずに、私達が先生を一人ぼっちにして・・・世界なんて代物だけを押し付けて、放り出したんだ!!」

 

「(・・・この人は・・・分かってほしかったんだ)」

 

 先ほどのメッセージにあった、『自分とは違う生き方、考え方をしている相手のことを』という言葉。心の中で妙に反響していた言葉を考え込んでいたシャルがほぼ無意識でしてしまった質問に対して、束の予想以上の反応が返ってきたことに、皆が驚愕する中でシャル一人だけは逆に冷静さを取り戻していた。

 いや、これは単に落ち着いたとかそういうのではない。

 

「(私たちは・・・多くのことを『知らない』)」

 

 自分はまだ何も知らない。篠ノ之束の悲しみと怒りの理由も・・・そしてISのことも。

 

 意を決したシャルは、激高して自分に怒鳴ってくる束ではなく、現状世界で一番口を利きたくない人物に問いかけた。

 

「・・・私に教えてください。アレキサンドラ・リキュールさん」

 

 椅子に座り込んでいた暴龍帝の背後から放つ殺気が二割増したことに怯えた竜騎兵達は、無言でちょっとづつ後退りし始める。

 

「・・・何を・・・教えろというのだ?」

 

 彼女自身分かり切っているのだが、あえてこういう言い方しかできない自分にも苛立っているように今のシャルには見えた。

 

「決まってます。貴女の………貴方達の先生のことです」

 

 次の瞬間、微動だにしていなかったはずなのに椅子は砕け散り、彼女を中心に突風が吹き荒れる。

 

「(ヤバイッ!)」

 

 この間の時と同等か、それ以上の闘気を感じ取った陽太が危機感を覚え、すぐさまこの場から離脱しようとISを展開しようとした時であった。

 

 ゆっくりと立ち上がる暴龍帝の。

 

 自分の腕の中で暴れる束が。

 

 それらを取り押さえようとしていた箒と一夏の。

 

 自体についていけずに結果的に静観をしてしまっていた仲間とナターシャ達の周辺の空間が、一瞬で暗黒に包まれてしまったのは。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「!?」

 

 通信機越しに千冬が感じ取った奇妙な違和感………どうにも話の流れから、先生のことを聞かれた束が激高し、暴龍帝(アリア)も不機嫌さを隠さなくなり、すぐにその場から離脱しろと指示を送ろうとしたとき、コア・ネットワークを通じた奇妙な『ノイズ』を感じ取り、言葉を詰まらせてしまう。

 

「(なんだ?・・・向こうの状況が突然見えなくなった?)」

 

 第七感(スカイクラウン)に覚醒した自分は、IS達に対してほぼ一方的な権限を保有しつつあると思っていただけに、この予想外の事態に動揺が走った。

 

「(無理に突破すること・・・可能だが)」

 

 あくまでも暗転程度の効果しかないがため、より強く意識すれば突破することは可能なのだが、この遮るようなノイズを生み出している『者』が放っている気配に、妙な気持になるのが気がかりだ。

 

 

「透明なほどに澄んだ気配なのに、どこか嫌悪感を覚える・・・いや、まるで無邪気さに包まれた・・・悪意なのか?」

 

 

 

 一方―――

 

 突然、世界が暗黒に包まれた現場の一行はパニックの極致にいた。

 

「今度はいったい何なのよ!?」

「これもISコアからの干渉なのですか!?」

 

 突然真っ暗闇に放り出された鈴とセシリアは、お互いに背中を合わせながら周囲をキョロキョロと見まわして騒ぎ立てる。

 

「くっ!? これは一体どういうことだ!?」

 

 ラウラが暴龍帝に事態を問い合わせたとき、彼女がある一点を見つめていることに気が付いた。

 

「この気配、記憶にある・・・出てこい」

 

 何もないはずの闇の中の一点を見つめいたリキュールの問いかけに答えるように、スポットライトが照らし出したかと思うと、灰色のレース日傘を差して皆に背を向けている女性が闇の中に浮かび上がる。

 

 

 ―――腰にまで届く灰色の髪の毛………と、頭の上でうごめく二つのネコ耳―――

 

 ―――束と同じゴスロリファッションながら、彼女と違い超ミニのほとんど隠せていないスカートを履き、腰から灰色の尻尾を左右に振り―――

 

 ―――整った顔立ちながら、なんでか星が煌めく瞳で振り返りながら陽太達を見つめ―――

 

「・・・・・・・・・・・ニャン☆」

『・・・・・・・・・・・ニャン?』

 

 警戒し身構えていた陽太、一夏、箒が思わずオウム返ししてしまうほどに間の抜けたセリフを吐いた謎の女は、束とほぼ同等の豊かなサイズの胸の谷間に手を突っ込むと、徐にクラッカーを取り出し………。

 

「おめでとうニャン☆」

「ブホッ!」

 

 陽太の顔面向けてクラッカーを打ち鳴らすのであった。

 

「パンパカパーン♪ おめでとう、若き未来の勇者達! 君達は全IS達の信頼を一定量得ることに成功したのニャンッ!」

「なにしやがんだ!!」

 

 当然、いきなりクラッカーを顔面向けてぶちまけられた陽太としては怒り心頭になるのだが、謎の女は明後日の方向を向いてこう付け加える。

 

「なおクラッカーを人に向けて鳴らすのは大変危険でマナー違反な行為だから、良い子も良い大人もしちゃ駄目ニャン☆」

「思ってるんならまずは俺に謝れよ!!」

 

 陽太の鋭いツッコミに、謎の女は愉快そうな笑みを崩すことなく、軽くステップを刻みながら彼の周りをゆっくりと回り始める。

 

「細かい事を気にするようでは明日の英雄にはなれないニャンよ、ようちゃん!」

「ん?」

 

 なぜお前がその呼び方をする。と疑問を覚えた陽太が口にするよりも早く、女は陽太の口元を人差し指で押さえてしまうのであった。

 

「ようちゃんのことは何でも知ってるニャン☆ 束ちゃんと同等にニャン☆」

「!?」

「そしてそこで怖い顔でずっと見ていられると怖いニャンよ☆」

 

 今度はリキュールの方に振り返ると、女は表情を依然崩すことなく、睨みつけるように見つめてくる彼女に対しても気軽に話しかける。

 

「・・・貴様は」

「お顔はキレイなんだから、もっともっと笑顔笑顔ニャン☆ じゃないとそこにいる『黒将』みたいに、会話機能がついていることすら忘れられちゃうニャンよ☆」

 

 女が指さした先・・・闇の中にゆっくりと見えてくるシルエットが、ようやくその輪郭を浮かび上がらせた。

 

 ―――オールバックにした黒髪の、もはや青年というよりも壮年の年頃の男―――

 

 全身に黒い武者鎧を着こみ、リキュールと全く同じ刀傷を顔につけ、腰に二刀を携えた男は闇の中で腕を組み、無言のままにリキュールの元へと歩み寄る。

 

「・・・・・黒将(ヴォルテウス)」

『!?』

 

 女が言った『黒将』という名前には聞き覚えがない陽太達であったが、リキュールが言い放った名には驚愕し、そしてマジマジと眺める。

 

「(あれが・・・あの化け物ISの管制人格なのか!?)」

「・・・・・」

 

 ゆっくりと瞳を開き、中からリキュールと同じ色の灼熱に染まった紅瞳が現れると、陽太達IS学園メンバーの全身に強いプレッシャーを与える。

 

「この感じは!?」

「間違いない・・・あのISと同じ感覚」

「ISの管制人格って・・・本当に存在していたのですか!?」

「くっ! まさに歴戦の強者って感じ?」

 

 箒、ラウラ、セシリア、鈴と驚く中、同じように驚異的なプレッシャーにさらされていた一夏の肩を優しく叩く者がいた。

 

「怯えるな一夏。大丈夫・・・あいつはむやみに暴れたりはしない」

「白騎士!!」

 

 一夏が驚いて声を上げ、IS学園メンバーが一斉にそっちの方に注目する。

 

「ち、千冬さん!? どうしてここに!?」

「お、織斑先生・・・ではないのですか!?」

「きょ、教官に瓜二つ・・・」

「・・・千冬さんがコスプレしてる・・・わけないか」

 

 白い甲冑を着込んでコスプレした千冬ではないのかと鈴が疑問を投げかけるが、すぐさまそれを否定する。仮に本物ならその場で鈴が殴り飛ばされている場面ではあるが、女性はゆっくりと柔和な笑みを浮かべると、ほぼ初対面と言っていい学園メンバーに挨拶をするのであった。

 

「初めまして・・・というのは少しおかしいものだな。ずっと一緒に戦ってきた仲だというのに」

 

 千冬と瓜二つの声ながら、やはり彼女とは違う存在であると思える少しイントネーションが違う言葉で話す白騎士に、少女達は驚きで言葉がでなくなってしまう。

 

「・・・『灰姫』」

 

 そして白騎士は、猫耳の謎の女の元に歩み寄ると、先ほどの柔和な笑みとは打って変わり、厳しい視線を送ると彼女を非難する。

 

「ちゃんと説明しなければこの場がただ悪戯に混乱するだけだ。お前がしないというのであれば私がするが?」

「ハイハイ・・・また仕切り屋がえっらそうに出張ってきたニャンよ。でも途中で言葉に詰まって放り投げるニャン。だったら最初から出てこなきゃいいのに」

「ぬっ」

 

 灰姫、と呼ばれたその女は心底うっとしいといった顔で白騎士を睨むと、指を鳴らし当たりの暗転を取り払う。

 

 ―――全てが灰色に染まった世界が姿を現した―――

 

「これは・・・」

 

 一夏には何度か経験のある現象であった。白騎士と接触する際に、世界の時間が停止し、一夏と白騎士、そして暮桜だけが動き回れる世界が現れるが、おそらく今、自分が立っている世界はそれと同じ場所にいるのだろう。

 

「ようやく接触できるよ!」

 

 そこに一人の少女が、ほかの女性達を引き連れて陽太の傍らに降り立つ。

 

「ブレイズ」

「ごめん。灰姫姉さんのプロテクトが強固で・・・」

 

 シャルそっくりの少女である陽太の相棒、ブレイズがほかの学園メンバーのIS達を引き連れてきたのだ。

 

「その悪戯癖はなんとかなりませんか!」

「まったく・・・姉君の悪癖には手の付けようがない」

「ボクらがいない所でなにをしようとしてたんだい姉さん?」

「ちょっと、今回はさすがに私も笑えないわよ~~」

 

 紅椿、ブルーティアーズ、シュヴァルツェア、甲龍がゆっくりと引力にひかれるようにそれぞれ操縦者の傍らに着く。

 そして初めてとなる自分のISの管制人格との対面に、少女達は大いに驚愕と動揺の声を上げるのであった。

 

「お前が・・・紅椿なのか?」

「二年も生死を共にしておいて、今更だと思うぞ箒」

 

 鳩に豆鉄砲という顔の箒に対して、紅椿はどこか少しだけ楽しそうな表情をするのであった。

 

「貴方が、私のブルーティアーズですの?」

「そうだ。わらわこそが(根拠はとくにない)いずれ世界最高のISとなるブルーティアーズぞ! 我が奏者!」

「世界最高・・・なるほど! この(まだ決まっていない)英国代表のセシリア・オルコットに相応しいIS!」

 

 互いに高い目標があるためか、奇跡的に意気投合する両者であったが、こっちはそれとは真逆の状態となっていた。

 

「あら・・・どうしたの?」

「・・・・・・・・・あっ・・・・・なっ」

 

 プルンプルン揺れる豊乳を目にし、完全に真っ白になった鈴は、どうして自分が欲しがるものが他人ばかり持っているのかと泣きたい気分で一杯となる。

 

「・・・まったく、騒がしい奴らだ」

「楽しそうで何よりだと思うよ」

「・・・そうだな」

「う、うん(まずいな・・・何を考えているのか分からない)」

 

 一瞬だけ驚いたラウラであったが、すぐさまシュヴァルツェアに順応したようだ・・・彼女的にはもうちょっとリアクションが欲しかったのだが、どうにもラウラの天然ぶりなテンポに戸惑い、どう接したらいいのか戸惑ってしまっていた。ISにコミュニケーション能力を心配されるというのは果たしてどうなのだろうか?

 

「・・・マスター」

「ヴィエルジェッ!」

 

 オレンジ色の小さな少女がこっちに向かってトテトテと発してくるのを目にしたシャルは、嬉しそうに両手を広げると、彼女を抱きしめてお互いに頬っぺたをくっつけ合わせながら喜び合う。

 

「昨日は本当にありがとうねヴィエルジェ!」

「私、マスターの役に立てましたか?」

「うん!」

「!!」

 

 そんな嬉しそうにする二人を、暖かな気持ちで見つめていたナターシャの元に、二人の女性が歩み寄ってくる。

 一人は白いワンピースを着た長く白い髪をした少女・・・ナンバー007『暮桜』

 

 そしてもう一人は、腰まで届く長いストレートの金髪と、ナターシャによく似ていながらも若干歳の幼い表情をし、白いカーディガンを羽織ったゆったりとしたワンピースを着込んだ、どこかのお嬢様のような女性であった。

 

「ナタル」

「ゴスペル!」

「!?」

 

 ブレイズと周囲を警戒していた陽太は、昨日あれほど大暴れしたISの管制人格に抱いてたイメージとはかけ離れていることに、毒っ気が抜かれてしまう。

 あっけに取られる陽太の視線に気が付いたのか、ゴスペルはゆっくりと彼に近づくと、素直に一礼し昨日の件の感謝を述べる。

 

「昨日は助けてくれてありがとう。ミスターネームレス」

「その通り名あんまり好きじゃないんだが・・・まあいい、大丈夫なのか?」

 

 これから本国に帰っても色々ありそうな銀の福音の今後に関しては密かに心配していただけに、陽太が若干その気持ちが表に出てしまったのを感じ取り、ゴスペルは温和な笑みで力強く言い放つ。

 

「私は諦めたりしないわ。だって・・・みんなが諦めずに私を助けてくれたんだから」

「・・・そうか」

 

 それだけ聞けたのなら大丈夫。ゴスペルとナタルはこれからもちゃんとやっていけると安堵した陽太は、安心しきってまたしてもいらぬ言葉を言い放つ。

 

「話変わるが・・・そこの中佐さんによく似てるけどさ」

「ん?」

 

 陽太の視線がナターシャとゴスペルの胸のあたりを交互に行き来し、彼は冗談のつもりで口にする。

 

「武装は豪華絢爛なのに、胸のサイズは操縦者と違ってエライ控えめでブポッ!」

 

 陽太の顔にゴスペルの渾身の左のコークスクリューブローが突き刺さり、左右からシャルとブレイズが陽太の両耳を引っ張りながら無理やり頭を下げさすのであった。

 

「すみません、頭が残念なバカで」

「ごめん姉さん。コイツはバカなんです」

 

 怒り心頭で見下ろすゴスペルの視線を受け、『やっぱりコイツ、全然イメージ通りだ』と考えを改める陽太であった。

 

「・・・・・ニャハニャハ。ゴスペル学級長は暴力的で危ないニャン☆」

 

 その様子を面白げに見ていた灰姫であったが、ゴスペルはそんな灰姫に陽太への視線を数段上回る鋭い視線と怒気を送りながら問いかけた。

 

「灰姫姉さん・・・・・丁度いいわ。答えて」

「イヤだニャン☆ 何が聞きたいのかわかってるから先に答えてあげるけど、この『クレイジーキャット』ちゃんは関係ないニャン。冤罪だニャン。あと名誉棄損だニャン」

「今更そんな言葉、信じられると思うの!?」

 

 更に詰め寄ろうとするゴスペルに対して、自身を『クレイジーキャット』と称した灰姫はステップ踏みながら逃げ出していく。その後を尚も追い掛け回すゴスペルの只ならぬ様子に顔の痛みを我慢しながら陽太はブレイズに問いかける。

 

「なにがあった?」

「・・・・・・ゴスペル姉さんの暴走」

 

 いつの間にかブレイズも、他のIS達も険しい表情となってただならぬ気配を発していて、陽太達もそのことにようやく気が付く。

 

「ゴスペル姉さんの暴走を裏で操っていたのは灰姫姉さんじゃないのかって、皆疑ってるんだよ」

『はあっ!?』

 

 聞き捨てならないセリフによって、この異常な温度になっている空間の説明がつく。だが、どうしてもそれだけでは理解できないこともあると、陽太はブレイズに更に質問を重ねるのであった。

 

「てか、うんなん出来るのかよ・・・束も無理なんだろ?」

「多分・・・灰姫姉さんなら・・・可能かもしれない」

「それってどういうことなんですか?」

 

 シャルも陽太に続けてブレイズに聞いてくる中、表情を暗くしたブレイズが何かを言いかける。

 

「実は・・・」

 

 が、そんなブレイズの背後からいつの間にか現れた灰姫が、彼女の背中に飛び乗ってその豊満な胸を頭の上に載せながら話しに加わってきたのであった。

 

「重ッ!」

「それはこの『クレイジーキャット』ちゃんが特別なISだからニャン☆ あとブレイズちゃんは失礼ニャン☆」

「じゃあ早く降りてよ!」

 

 イヤイヤと暴れるブレイズから飛び降りた灰姫(クレイジーキャット)は、陽太の前で不敵な笑みを浮かべながらなんでか猫のポーズを取りながら踊りだす。無言でその様子を『何、このKYIS?』と人差し指を指しながら問いかけてくる陽太に対して、ブレイズではなくその様子を見ていた白騎士が代わりに応えようとした。

 

「それはな、灰姫が『黙れ』」

 

 ―――白騎士の言葉を閃光の速さで被せる灰姫―――

 

「いや、わた『黙れ』」

 

 なんでか白騎士が話をしようとすると、えらくムキになって言葉を遮る灰姫は、シブシブといった表情で話し出す。

 

「白騎士に話させるぐらいなら自分で話してあげるニャン。あ~あ、他のIS達に説明させて某〇MRバリの『な・・・なんだってぇー!!』を言わせてあげる予定だったのに。 ホント白騎士はKYで困るニャン。例えるなら『平均点50点のテストで100点満点出しておきながら「いや、問題が簡単だっただけだよ~♪』とか言ってクラス全員の『イラッ』を買うぐらいに空気読めてないニャン」

「だんだんお前の話し方のほうが『イラッ』を買い始めてきたぞオイ」

 

 陽太の辛辣なツッコミも笑顔で受け流し、彼女はとある重大な事をサラッと言ってのけた。

 

「ようちゃんは酷い奴ニャン☆ この可憐で可愛くて束ちゃんと共に唯一ISコアの開発をしているクレイジーキャットちゃんに意地悪だなんて・・・これはアレニャンね☆ この場で私を捕まえ一夏君と二人で、この豊満でえっちぃ身体になっちゃったクレイジーキャットちゃんの純潔を奪い去り、アンなことやコンなことする気ニャンね☆ 薄い本が厚くニャッちゃうニャンよ☆」

「待て待て待て!!」

「ぬ? 次回作は『可憐なキャットちゃん、野外調教!』じゃないニャン?」

「待たんかい!! 後それ以上そういう下ネタ混ぜんな! 後で俺が酷い目に合う!」

 

 すでに背後では顔を真っ赤にした一夏が箒から冷気を含んだ視線を受けるという二次被害が及んでいる中、陽太は重大な事をもう一度聞こうとする。

 

「お前、今『束と一緒にコアの開発をしてる』とか・・・」

「ん? 言ったニャンよ」

 

 サラッと言われ、数秒間IS学園メンバーとナターシャが沈黙し・・・。

 

『ハアァ!?』

 

 全員が大声をあげて驚愕するのであった。

 

「んフフフッ~♪」

 

 その様子がえらくご満悦だったのか、灰姫は自分のことを指さしながら更に説明を追加する。

 

「この『ナンバー003』クレイジーキャットちゃんは、最初期から稼働しているISの中で電子工学に特化したISニャンよ☆ 全IS中一番お利口さんニャン・・・だから他の前半脳筋シングルナンバーとは頭の出来がまるで違うニャン」

 

 その言葉を聞いた白騎士、ゴスペルが頬っぺたを引きつらせ、唯一黒将だけが腕組みをしたまま微動だにせずに沈黙を続ける。

 

「ほかのシングルナンバーもそれぞれ特化している分野、というか他のISでは持ち得ていない特性を持っているニャン。例えばそこで置物と化している『ナンバー002』黒将・・・数少ない男性型の管制人格ニャンだけど、全IS中唯一、『自ら自身をオーガコアに改造』したISニャン」

「!?」

 

 自分自身を改造したIS・・・というだけでも特異なことだというのに、更にオーガコアに自分を改造した、などいう事を聞かされた陽太達は一斉に注目する。

 

「そもそもオーガコアには管制人格なんて物は無いニャン。オーガコアにあるのは本能のみ。だから人間に憑依することで生体脳を乗っ取り、自分自身の『頭脳』にするニャン」

「何!?」

「自分自身をオーガコアに改造するとか、人間でいうのなら脳ミソ以外、身体の全て、血の一滴まで取り換えるのに等しいハードマゾプレイを実行するお馬鹿ちゃんニャン。でもおかげで『IS』と『オーガ』の双方の特性を持つISになっちゃったニャン」

 

 自分も知らないオーガコアの特性すらも把握していた灰姫に驚く陽太であったが、背を向けて灰姫は更に意味深なセリフをつぶやく。

 

「言ったニャンよ。『ISコアの製造に束ちゃんと一緒に関わってる』と」

「お前っ!?」

 

 オーガコアの製造にも関わっている、という事を暗に匂わせる言葉から陽太はある事を思い出したのだ。

 

「どうしたのヨウタ?」

「思い出せシャル。日本にゴスペルが接近したとき同時にオーガコアも出現したが」

 

 陽太がそこで一旦区切り、皆に質問する。

 

「ゴスペルの予想進路の直線状に、オーガコアが出現してなかったか?」

『!?』

 

 あの時不思議に思わなかった出来事が、ここにきて一本に繋がってくる。

 ゴスペルが日本近海に接近し、IS学園が迎撃の準備を整えると、まるで申し合わせたかのようにオーガコアが出現し、隊を二分割にさせられ苦戦を強いられた昨日の戦い。あの時、誰も気にも留めていなかった事があったのだ。

 なぜゴスペルはそもそも日本をなぜ目指していたということを。

 

「コアネットワークが遮断されてる状況で、右も左もわからない所を・・・もしオーガコアの気配を頼りにしていたとしたら?」

「まさか・・・じゃあ私がIS学園と戦ったのは!?」

 

 どういうことかと驚愕する中、背を向けた灰姫は誰にも見られないように・・・。

 

「私は言ったニャンよ」

 

 ―――何も写さない瞳と獰猛な肉食獣のような笑みを浮かべる―――

 

「『ゴスペルちゃんには何もしてない』って」

 

 そのセリフがすべてを物語り、頭に血が上ったゴスペルが詰め寄ろうとする。

 

「灰姫ーーー!!」

「その名前は嫌いニャン。今は私はクレイジーキャットニャン☆」

 

 すぐさま先ほどまでの笑みを作って振り返るが、そんな二人に刃を用いて静止する者がいた。

 

「「!?」」

「・・・・」

「・・・・黒将」

 

 二人の間を遮るように刀を突き付けて止めに入った『弟』の名を口にする白騎士の瞳には、深い申し訳なさが浮かんでいた。

 

「・・・・・自らをオーガコアに改造してまで、お前は私に勝ちたいのか、黒将?」

「・・・・・」

 

 白騎士のその問いかけにも何も答えず、黒将は刃を仕舞うと踵を返して距離を取る。

 元来『白騎士』と『黒将』というISは、ほぼ同じコンセプトで作られた姉弟機であり、それゆえに当時の千冬と暴龍帝(アリア)のそれぞれに手渡されたのだが、殺し合いの死闘を繰り広げる結果を作ってしまったのだ。

 

「お前のそのような物言いは『元』主同様に思い込みが激しいものだな」

 

 相方の因縁の相手である白騎士を睨むように歩いてきたリキュールは、黒将の隣に立つと苛立ちながら問いかける。

 

「それよりも答えろ白騎士。なぜお前達が先生のメッセージを持っていた・・・何よりも束にも知らせずに隠していた理由はなんだ?」

「・・・それも・・・あの人の遺言だ」

 

 白騎士の済まなさそうな言葉に眉をピクリとさせたリキュールは、それだけで大体の事情を察したのであった。

 

「いつか私達ISと人間が互いに寄り添えると希望を持てたとき、このメッセージを全てのISを持つ者達に流してほしい。それがお前達の師であるアレキサンドラ・リキュールが私達に託した遺言だ」

「・・・寄り添う?」

「私達ISのために戦ってくれる人々がいた。そんな彼らを信じてゴスペルは命を賭けた。昨日の同時展開はそんな人達に応えたい、姉妹を救いたいと願った事の結果だ。私達自身もそのような機能があったのかと驚いたぐらいだ」

 

 同時展開をすることで複数のISで一つの身体を作り、自立稼働する。

 昨日の救出シーンで見せた奇跡の再稼働は、IS達にとっても未知の力の発現だったのだ。

 

「篠ノ之束・・・そして『今』はアレキサンドラ・リキュールを名乗る黒将の操縦者よ。それでもキミ達は世界を壊し、力で全てを決める世界を作ろうとするのか?」

 

 ナンバー001・・・現存する最古のISの問いかけに、暴龍帝は一瞬だけ俯いたかと思うと、やがて肩を震わせ始める。

 

「・・・・」

 

 そして右手で額を抑えると、我慢しきれないと言わんばかりに高笑いを始めるのであった。

 

「フッ・・・ククククク、ファハハハハハハ、ハーッハッハッハッハ!」

 

 本当に滑稽であると言わんばかりに腹すら抱えて笑いながら、彼女は白騎士に対して一言、鋭く問いかける。

 

「正気か、貴様?」

 

 目じりに涙すら溜めて白騎士の言葉を笑い飛ばしたアレキサンドラ・リキュールは畳みかけるように彼女の言葉を否定し始めた。

 

「あの程度のことで人類はISと仲良くなれる? 争いはなくなり、平和が訪れるだと? まさか『神殺し』といわれる貴様がここまで世界の仕組みを知らんとはな」

 

 人差し指を白騎士に向け、亡国機業幹部『暴龍帝(タイラント・ドラグーン)』アレキサンドラ・リキュールは、彼女が心の底から信じるこの世の摂理とはどういったものなのか、わかりやすく解説する。

 

「結論から言うと、闘いがあってこその平和なのだ。この星の全ての命は、例外なく生まれた瞬間から弱肉強食の闘争を前提として組み立てられている。命は生まれ生き続ける限り、無限に続く闘争を繰り返すことで、安定し、調和がとれた状態ーーそう、平和へと至るのだ」

「それが・・・貴女が戦いを求める理由か」

「違う。私達全ての『存在』が戦いを求めているのだ・・・貴様の存在も無論な」

 

 自分の弟を引き連れた稀代の戦士に対して、憐れみを覚えた白騎士は言い放つ。

 

「キミは師の想いすらも踏みにじる気なのか?」

「・・・言う事考えること全てズレているな白騎士。前の戦いで私は言ったはずじゃないか。『決別』すると」

 

 すでに自分自身で確固とした意志を持ち、世界を天秤にかけてもなお揺るがない『信念』を持つ暴龍帝を相手に、さしもの白騎士もそれ以上言葉が出てこないのか押し黙らされてしまう。だが・・・。

 

「・・・あなたのその言葉が、世界から争いがなくならない真理か何かだと本気でお思いなんですか?」

「・・・小娘」

 

 白騎士越しに聞こえてきた声に、不快だという気持ちを隠しもしない表情で彼女を捉える。アメジストの輝きを放つ瞳で真っすぐに暴龍帝を見るシャルロット・デュノアは、昨日までの・・・否、ついさっきまで圧倒されっぱなしだったとは思えないほどに堂々と苦手だと思っていた相手に質問をぶつける。

 

「私はそんな言葉は、人の弱さを諦観しただけにしか聞こえません」

「・・・・・・」

「私は・・・私達は絶対に諦めたくない。諦めるなんてイヤです」

「・・・言うじゃないか」

 

 思うところがあったのか、彼女は白騎士を押し退けるとシャルの前に立とうとする。途中、陽太がシャルを守るように前に割って入ろうとするが、それをシャル自らが拒否するように彼の肩を持って押し退けると一歩前に出て、彼女と堂々対峙した。

 

「さっきまでともまるで違うな? 何か掴むことでもあったのかい?」

「わからなかったんですか?」

 

 好戦的な笑みを浮かべる暴龍帝とは対照に、右手を胸元に置くと悲しそうな表情をして瞳を閉じる。

 

「『ただ、多くの場合、私達はきっと圧倒的に何も知らない』『自分とは違う生き方、考え方をしている相手のことを』『知れば違う道を選べる、変わることができる自分自身に』『伝わらないまま、世界が回っていってしまう』・・・あれは私達に当てて、貴方や束さんや織斑先生の先生が言ってくれたんですよ」

「・・・何をだ?」

「・・・『決して諦めないで』って」

 

 恩師の事を持ち出され表情から笑顔を簡単に失くす彼女を見て、シャルはまた一つ『暴龍帝』アレキサンドラ・リキュールへの認識を改める。

 以前もそうだった。この人は千冬と話をしていると同じように顔から表情がなくなりすぐに怒りに染まる。それは彼女への嫌悪感だけから来ているものとおもっていたが、本当はそうじゃないのかもしれない。

 

 本当は今でもこの人は、二人のことが大好きなままなんじゃないのか?

 

「それは貴女にも言っていたはずです。篠ノ之束さん」

 

 そしてもう一人・・・幼子のように癇癪を起した束にも言えることなんじゃないのか?

 

「だから・・・お前が先生語るなよッ」

 

 先ほどから一言も話さずに俯いていた束であったが、シャルが再び恩師の事を語りだしたことに怒りが再発し始めたのか、シャルに詰め寄ろうとする。

 

「貴方は以前織斑先生に仰っていた『先生こそが正しかったんだ』、という言葉・・・覚えていらっしゃいますよね?」

「だから・・・それが何だよ?」

 

 苛立ちが隠せない束であったが、次に出たシャルの言葉に今度こそ平静が保てなくなる。

 

「でも貴方はご自分の事を一言も『正しい』とは仰っていない」

「!?」

「・・・答えてください、篠ノ之束さん。貴方はひょっとして自分が間違えを演じることで、間接的に貴女の先生の正しさを証明しようとしているのではないですか?」

 

 完全な不意打ちだった恩師のメッセージによってかき乱された心の平静を、なんとか立て直そうとしていた所に、今度は完全に見下していたはずのシャルの言葉が突き刺さり、心の平静が完全に崩れ去ろうとしまう。

 

「『ちょっと待ってニャンッ!』」

 

 瞳に焔が灯った束が何かを叫ぼうとした瞬間、まるでタイミングを見計らっていたかのように灰姫が彼女に抱き着く。

 

「(これ以上は『計画』にも支障が出てくるニャン)」

「(・・・灰姫ちゃん。どういうことなのコレは?)」

「(お話なら帰ってからゆっくりするニャンヨ☆ でも今はこれ以上はまずいニャン☆)」

 

 正面から耳元で囁かれ、束は自分が思っている以上に熱くなっていることを灰姫に指摘されたかのように感じ、一度だけ深く深呼吸をすると何とか平静さを取り戻し、一言言い放つ。

 

「・・・飽きたから帰る」

「(流石にそれは動揺してたのがモロバレなセリフニャンよ束ちゃん。攻撃力は高いけど防御力が低いのが束ちゃんの弱点ニャンね)」

 

 主である束に対して思いっきりダメ出しをしていることを誰にも悟らせなかった灰姫は、陽太とリキュールのほうにそれぞれ手を振ると別れの言葉を投げかける。

 

「今日は白騎士が来たこと以外はすごく楽しかったニャン☆ また白騎士抜きでみんなとお話ししたいニャンヨ☆」

「私は何も楽しくなかったわ! それよりも答えなさい灰姫!!」

 

 怒りが未だに収まっていないゴスペルであったが、そんな彼女の怒りの火に更なるガソリンを灰姫自身がぶち込んでくる。

 

「あ゛ぁぁ~、やっぱりゴスペルは煩いニャンよ。ミサイル受けておとなしくお空の星になっておくべきだったニャンね」

「!?」

 

 やはりあれもお前の仕業なのか! とブチギレて殴り倒そうとするゴスペルであったが、またしても黒将が一歩前に出ることで彼女を牽制する。

 

「どうしてさっきから貴方は邪魔ばかりするのよ、兄さん!!」

「・・・・・」

 

 妹の怒りを受けても一切表情を変えようとしない黒将であったが、彼は表情こそ変えないまでも、一言だけぽつりと呟いた。

 

「・・・・・お前のためだ」

『!?』

 

 低音ながら渋みのある声であったために、ISを含んだ全員が驚いて彼を凝視する。

 

「あれが兄さんの声・・・初めて聴いた」

「ボクもだ」

「私も」

「あたしもよ」

「わ、私もです」

 

 妹である後発のIS達すらも聞いたことがない声を聴き、リキュールも珍しいといった表情になった。

 

「そういえば、お前は喋れたのだったな」

「・・・・・」

 

 用がなければ数年でもずっと黙りっぱなしの自分の相棒が喋れることをすっかりと忘れていたリキュールのツッコミを受け、若干表情の渋みが増したようにも見えた。

 

「じゃあ私たちはこれでお暇するニャン! 皆も、『次』のステージに向けて頑張るニャンヨ」

「次だと?」

「後、最後に言っておくけど・・・『最後』のシングルナンバーには気を付けるニャン☆」

「『最後』だと?」

 

 『最後のシングルナンバー』という気になる単語が気になった陽太の問いに、灰姫はとぼけたように首を傾げながらおどけた様子をあえて見せる。

 

「ナンバー『004』・・・気を付けるニャンヨ。あの子はね・・・・・・『キミ達』を滅ぼしてしまいたいんだからね」

「?」

 

 それはどういう意味なのかともっと詳しく聞き出そうとする陽太であったが、これ以上の情報提供はルール違反だと言わんばかりに、舌を出しながら指を鳴らし、停止空間を閃光で満たすのであった。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

『!?』

 

 全員の網膜を焼くほどの閃光がゆっくりと終息し、視界が元に戻った時、同時にモノクロとなっていた世界に色が戻っていた。

 

「チッ」

「・・・相変わらずせっかちなものだな」

 

 そこに灰姫と付き人のクロエ、そして肝心な束の姿がないことに気が付いた陽太とリキュールは周囲を警戒しつつ、仲間達の方にそれぞれ振り返る。

 

「あれ・・・元に戻った?」

「IS達の姿が・・・」

 

 一夏と箒達の周囲にはすでにISの管制人格達の姿はなく、食事中の風景がそのまま続いていたかのような錯覚を覚えた。

 

「親方様? どうかなさいましたか?」

「あっ! 篠ノ之束の姿が何処にもっ!?」

 

 竜騎兵達がいきなり黙りこくったリキュールの姿に不安を覚える中、コーヒーが淹れられていたカップに指で触れたリキュールは、温度の変化の無さによって、先ほどまでの会話が通常空間の10秒にも満たないものであったことに気が付く。

 

「(我々の意識だけをISのコアネットワークに引き込んだのか。オーガコアを搭載した機体を持つ操縦者に変化がないところを見ると、単にISコアの特性による裏技のようなものなのだろうが)」

 

 ISとオーガコアの双方の特性を持つ愛機(ヴォルテウス)の操縦者である自分しか亡国側の操縦者が引き込まれていなかったところを見ると、この仮説はおそらく正しいのであろう。

 操縦者として圧倒的な格を持つ自分すらも知らない能力を隠し持っていたナンバー003の存在は、想定外の衝撃を多少なりとも暴龍帝に与えていた。

 

「(コアの製造に関わるほどの技術と、何よりも生体にまで侵入できるネットワーク操作力。おそらく亡国機業のセキュリティーすら紙切れほどの役目を果たすまい)」

 

 間違いなく世界最先端・・・しかも現状のアメリカやロシアといった先進国よりも二世代進んでいる亡国機業の電子網すら、あのナンバー003は苦もせずに侵入し、自由に情報の抜き取りや書き換えが行えるのであろう。

 『天災』だけでも技術力では劣っているというのに、ほぼ同等の能力を持つ相棒がいるとなると、情報戦においては束陣営の優位は不動のものである。自分たちの陣営に残っている物といえば、突出したIS操縦者たちとその機体による武力で対抗するしかない。

 

「(フッ・・・では、そのどちらも劣る彼らには、いったい何が残っているというのか)」

 

 そして、そのどちらも有していないIS学園サイドに残っている武器とは何なのか?

 三つの陣営における『戦争』において、彼らが自分達に振るう剣(ちから)とは一体何であるというのか?

 

「・・・だがこれ以上時間をかけても致し方あるまい」

 

 予期せぬ出来事に驚かされた暴龍帝であったが、すぐさま余裕を取り戻すと立ち上がり、食堂から出ていこうとする。それを背後からシャルの声が呼び止めるのであった。

 

「待ってください! 私はまだ話が・・・」

「先生のことなら千冬に聞けばいい。私とアイツの違いがあるとするなら、せいぜい個人的な印象程度の差だ。先生のことに関しての情報に差はない」

 

 先ほどのような怒りは感じさせない。だが彼女自身の口からはどうしても語りたくはない。そのように聞こえたシャルは、それ以上の質問を続けようとしなかった。

 

「しかしな、小娘」

「はい?」

 

 背を向け決して振り返ることはなかったが、リキュールはシャルロットという存在に対して、認識を改める。

 

「・・・シャルロット・デュノア」

「!?」

「過去をすべて知ったところで、それは現在(いま)を変えられる保証などは何処にもない。少なくとも私は変わるつもりはない・・・それが私が唯一答えてやれる『あの人』の言葉への返答だ」

 

 自分の名を呼び、更にこうやって一応の解答をしてくれたことは、今の自分を少しは認めてくれた証明なのだろうか? シャルがそのようにリキュールへの思いを感じながら、今度は彼女が感じたことを口にする。

 

「はい。でもまだ未来は決まっていない・・・きっと、貴女の先生は変えられない過去ではなく、まだ決まっていない未来なら変えることができるんじゃないのか、その可能性があるんじゃないのか・・・私には、そんな祈りがあったみたいに聞こえました」

 

 両手を握りながら言ったその言葉に、リキュールが返事をすることはなく、竜騎兵を連れて食堂を後にするのであった。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「・・・で?」

 

 その後、取り残されたIS学園一行はというと、戦闘をするという空気にも、船の位置を知らせて追跡をかけるという気にもなれず、ある意味何もせずに帰路につくことになる。

 

「ハイ・・・ハイ・・・・・・やはり、ではメッセージは世界で同時に発信されていたと」

『ああ』

 

 千冬に通信を入れていたラウラは、あの『英雄』アレキサンドラ・リキュールのメッセージが世界中のISから同時に発信されていたという事実を聞き、彼女の言葉を思い出しながら、千冬になんと伝えればいいのかわからないといった表情でアタフタしてた。

 

「あの・・・教官・・・その・・・私は」

『いい。お前達の動揺は最もだ。というか、おそらく先生を知る人間であればあるほど動揺しただろう』

 

 自分だって呆然としてしまったのだ。ある意味その場でリキュール(アリア)や束の驚愕した表情が見れなかったのが残念で仕方ない。

 

「・・・教官」

『先生にしてみれば、私もお前達と全く変わらない小娘同然ということだ』

 

 むしろ恩師の言葉を聞き、動揺したほかの二人に比べ、千冬の動揺は最初のほうだけで済んでいた。考えてみれば自分の知っている彼女であるのなら、後の世のことを考えてあれこれ手を尽くしていてもおかしくはないのだ。

 

『全く・・・この世界のこと、お前たちのこと、ISのこと・・・そして、命を奪った私のことにすらも気を使って・・・どこまで難儀な人であれば気が済むというのだ』

「・・・千冬姉」

 

 通信を同時に聞いていた一夏は、姉の複雑な心境になんと言葉をかけたらいいのか分からずにいたのだが、そんな彼に千冬は声を震わせながら問いかけた。

 

『なあ一夏』

「!?」

『あの人な・・・自分自身を犠牲にしろ、と言ったこの世界のことを『良い世界』だと言ったんだ』

「・・・・・」

『その・・・先兵として・・・あの人を殺しにかかった私を・・・・責める言葉一つ残さずに・・・・先生ィ』

 

 もうそれ以上は言葉にならない。今、千冬が言葉の全てを押し殺して一人病室で泣いている。それが伝わったメンバーたちもまたそれ以上の言葉が伝えられずにいた。

 

「・・・ヨウタ」

「ん?」

 

 暴龍帝との会話の後、『気を張りすぎて腰が抜けた』と一人崩れ去った彼女をおんぶした陽太に、背負われたシャルが問いかける。

 

「・・・まだ、何にも知らないんだね。私達」

「・・・そうだな」

 

 ISのこと。

 世界のこと。

 誰かが背負った『何か』のこと。

 

 何もかもまだ自分達は知らないでいる。知らないまま流されるように戦いだけを行っている。

 陽太やシャルはそのことに今更ながら疑問符を覚え始めていた。

 

『目の前の敵を倒すことだけで、果たしてこの戦争は解決するのだろうか?』

 

 心の中のモヤモヤがたまりだし、何とも言えない感覚が広がってきた陽太の表情が不機嫌な物になるのだが、そんな時、シャルは誰にも聞かれないように彼の耳元で囁くのであった。

 

「・・・ねえ、ヨウタ?」

「ん?」

「・・・『知れば違う道を選べる、変わることができる自分自身に』って、メッセージにあった言葉、覚えてる?」

「・・・そんなんもあったなような気が」

 

 普段使っていない脳みそ(PC)をフル稼働しながら、あれやこれやと考え中なため、耳から早速湯気が出ていたヨウタであったが、その時、彼女は頬を真っ赤に染めたままこう呟いた。

 

「私も変わりたい、だから知ってほしいことがあるの」

「ん? だから何の話?」

 

 適当に聞き流す陽太に対して、意を決したシャルは一応、誰にも聞かれていないことを確認しつつ、『告白』する。

 

「わたくし、シャルロット・デュノアは・・・今、ある幼馴染の男の子に『恋』をしています」

「うんうん、『恋』をしていますか・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?」

 

 半歩遅れて言葉の意味を理解し始めた陽太が、喜怒哀楽のどれにも当てはまらない可笑しな顔をしてシャルを見た。

 

 ―――顔を真っ赤にして『バカ』と唇だけを動かすシャル―――

 

「・・・・・・・・・・ふぁいっ!?」

 

 

 

 動揺したあまり、いきなり足を滑らせて船着場からシャルごと海に落ちそうになった彼を助けた一夏は、出会ってから初めて『赤面したまま硬直する陽太』というレアな光景を目にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 




先生・・・言葉だけで束さんと親方様を動揺させるカリスマ。そして彼女の言葉が世界中に今後、どのような影響を表すのでしょうか?

束さんは、今回は泣いて怒ってを繰り返してますが、それだけ動揺が大きかったのか

親方様は、千冬さんと先生を相手にするとどうしてこうツン度が増すのか

新キャラの『灰姫』ことクレイジーキャットさん。語尾の『ニャン』がちょっとうざい。書く時もうざい(物理的に)



あとがきは後日うpします




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