わかば*ガール Peace(完結)   作:naofree

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この日は体育祭だった。

放送「次はお待ちかねの、クラス全員リレーです。」

最後のプログラムのクラス全員リレーが始まった。真魚が全速力で走る。他の生徒より速く追い抜いた。

真魚「柴さん!後は頼んだっすー!」

直「任せろ!」

バトンを受け取り、全速力で走る直。

若葉「柴さん速いですわー!」

直「若葉!負けるなよ!」

若葉「畏まりました!」

バトンを丁寧に受け取る。

直「丁寧に受け取ってる場合か!」

若葉「はっ!」

察した若葉がすぐ走る。

真魚「へぇ〜、お嬢様の割には速いっすねー。」

一瞬にして1番に走る若葉。

若葉「モエちゃーん!」

萌子「うん!」

バトンを受け取って走るが、足が遅く、抜かれてしまった。

直「遅っ!!」


10話「それは無理ですわ〜」

翌日。教室の黒板に4位の賞状が貼られてた。そして萌子は机に俯せていた。

 

真魚「仕方ないっすよー。」

 

若葉「モエちゃんは全力で頑張りましたわ。」

 

光明「しかしあの時智流がアンカーだったら楽勝だったんだけどな。」

 

智流「そう言うなよ光明。萌子が決めた事だからな。今は萌子を励ましてやれ。」

 

直「でも、本当に運動が苦手なんだな。」

 

萌子「うん、小学校の頃から走るのも、水泳も、球技も全部ダメで。」

 

直「お菓子作りは得意なのにな。」

 

萌子「運動会とか凄い憂鬱だったんよね。」

 

智流「分かるぞその気持ち。」

 

真魚「あー分かるっすー。まおもテストがある度に憂鬱っすー。」

 

若葉「わ、私は・・・」

 

光明「柴さんはミスコンの為に憂鬱になるのかー?」

 

直「うるさい!」

 

萌子「はっ!」

 

5人「ん?」

 

萌子「そうだよね!まおちゃんがお嬢様キャラになろうとしたり、柴さんがミスコンに出ようとしたり、無謀と思う挑戦でも、やらずに逃げちゃダメだよね!」

 

直「微妙に引っか掛る言い方だな。」

 

真魚「失礼っす!まおのは柴さんのミスコンより無謀じゃないっすよ!」

 

怒った直は真魚に一発殴った。

 

放課後。グラウンドにある鉄棒。体操着に着替えた萌子がいた。

 

直「逆上がり?」

 

萌子「うん。小学生の頃からずっと出来なくて、諦めていたんだけど!」

 

逆上がりをしようとするが上手く上がらない。

 

真魚「それを出来るようになるんすか?」

 

萌子「うん。何か出来るようになれば、運動にも前向きになれそうな気がするし。」

 

若葉「偉いですわモエちゃん!こうなったら私も、苦手な物を頑張って克服致しますわ!」

 

カバンから数学のノートを取り出して克服しようとするが、目のハイライトが消えていき固まった。

 

萌子「本当に苦手なんだね。」

 

智流「少しずつでも良いんだぞ?」

 

その後逆上がりをしようとするがまだ出来ない。手を離してしまい、尻餅付いた。

 

萌子「痛っ!」

 

真魚「足の蹴り上げが弱いっすよー。」

 

萌子「思い切り蹴ってるんだけどなー。」

 

直「少し見本見せてやったらどうだ?」

 

真魚「そうっすねー。良いっすよー。」

 

萌子「本当?コツとかあったら教えてー。」

 

鉄棒を握る真魚。

 

真魚「コツはまず、バッと足を蹴ってグッとお腹に力を入れて!」

 

少し意味が分からない説明を言う真魚。余裕で逆上がりが出来た。

 

真魚「って感じっすー!」

 

萌子「バッと蹴って、グッ・・・」

 

真魚「そうっす!後はグワッとお腹に力を入れて、クルンっすかねー。」

 

萌子「グワッでクルン、全然分からないよ・・・」

 

真魚「そうっすか?誰でも分かるっすよ?」

 

光明「いや分かる奴お前しかいないだろ?」

 

今度は直が手本を見せる番。

 

直「しょうがないなー、よく見てろよ?」

 

萌子「柴さん出来るの?」

 

真魚「足も結構速かったし、やるっすねー。」

 

直「どうしてだ?これでも中学の時はサッカー部だったんだぞ?」

 

若葉「サッカー部の柴さん・・・」

 

萌子「爽やかー。でも何と言うか・・・」

 

真魚「ちょっとキモいっすね・・・」

 

直「キモいって何だ!?それより逆上がりだろ?えっとコツはお腹を鉄棒にくっ付けるようにして!・・・あれ?」

 

1回目、2回目、3回目やっても何故か出来なかった。

 

直「出来なくなってる・・・」

 

真魚「またまた〜。」

 

直「違う!前は本当に出来たんだ!」

 

萌子「で、でも柴さんは出来ない方が柴さんっぽくて安心するよね。」

 

智流「ちょっと俺が簡単に手本を見せてやる。」

 

鉄棒を握る智流。

 

智流「良いか?両手は必ずグッと握って、腹は必ず鉄棒にくっ付ける。足を上げる時は、そのまま前に伸ばさずに後ろまで蹴り上げる!」

 

そう言って見事逆上がりを決めた智流。

 

智流「どうだ?説明の仕方は理解出来たか?」

 

萌子「うん、でもちょっと難しいかも。」

 

智流「まあ難しく考えない方が良いと思う。」

 

次は若葉が鉄棒を握る。

 

光明「若葉ちゃんは出来るのか?」

 

若葉「実はやった事が無くて。」

 

直「え!?小学校の頃授業でやらなかったか?」

 

若葉「たまたま、その頃お父様の仕事の都合で海外に。」

 

萌子「じゃあもしかして仲間!?」

 

若葉「そうですね。では、これを機会にモエちゃんと一緒に頑張りますわ!えーっと、まずバッと足を蹴ってグッとお腹に力を入れてクルン!出来ましたわー!」

 

なんとやった事もない若葉が1発で出来てしまった。

 

萌子「おー!?」

 

直「その調子で勉強も頑張れば良いのに。」

 

智流「ナイス正論。」

 

若葉「それは無理ですわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」

 

逆上がりの大車輪をした若葉。

 

夕方になったが、まだ逆上がりが出来てない萌子。

 

萌子「ダメだ・・・」

 

直「後少しなんだけどな。」

 

真魚「ファイトっすよ!」

 

萌子「うん、痛っ!」

 

両手の手のひらには肉刺(まめ)が出来てしまった。

 

光明「おいモエちゃん、肉刺が出来てるぞ?」

 

智流「今日はもうやめた方が良いぞ?擦れて怪我するぞ?」

 

萌子「うん、でも、私もう少し頑張ってみる!」

 

若葉「モエちゃん・・・」

 

萌子「ここで休んじゃったら、また諦めちゃう気がするし、だから皆、先に帰って良いよ?」

 

直「どうする?」

 

真魚「まおは残るっすよー。」

 

直「そっか。」

 

若葉「私も残りたいのですが、門限が・・・」

 

光明「門限が6時だったな。」

 

智流「今4時50分か。」

 

現在の時刻は4時50分。

 

萌子「大変!もう帰らないと!私は大丈夫だから、残ってくれてありがとう。」

 

若葉「・・・・・」

 

真魚「さっ!早く帰らないと本当に間に合わないっすよ?」

 

若葉「はい・・・」

 

智流「そうだな。」

 

カバンを持とうとする若葉。だがその場に置いた。

 

若葉「やっぱり私も、残ります!」

 

智流「え!?若葉!?」

 

若葉「モエちゃんが頑張ってるのに、私達だけ変える訳にはいきません!」

 

萌子「若葉ちゃん・・・」

 

その後逆上がりをする萌子。

 

真魚「もう少しっすよ!」

 

萌子「!!」

 

そして蹴り上げる。

 

直「そこで踏ん張れ!!」

 

腹を鉄棒にくっ付けて後ろまで蹴り上げる。そして遂に萌子は逆上がりを達成した。

 

真魚「やったっす!」

 

光明「達成成功!!」

 

萌子「出来た・・・」

 

涙を流して萌子の手を握る若葉。

 

若葉「やった!やりましたわ!」

 

萌子「若葉ちゃん・・・!」

 

若葉「凄い!流石モエちゃんですわ!」

 

萌子「ありがとう!」

 

直「おい!時計を見ろ!」

 

時計を見ると、既に門限25分前になってた。

 

萌子「若葉ちゃん智流君門限!」

 

真魚「もう間に合わないっすね!」

 

若葉「多分・・・ですがモエちゃんを見習って私も諦めずに頑張ってみます!私も!」

 

そして6人は若葉の家に向かってダッシュする。

 

真魚「後10秒っす!」

 

直「頑張れ!」

 

若葉「はい!」

 

そして門が段々閉まっていく。

 

智流「5、4、3、2、1!!」

 

2人はジャンプして、敷地内に入った。そして門が閉まった。

 

若葉「間に合いました・・・」

 

智流「ギリギリセーフだな。」

 

真魚「良かったすー。」

 

萌子「ありがとうね・・・」

 

若葉「いえ、私の方こそ。」

 

柚葉「若葉さん?智流さん?帰りましたの?」

 

智流「あ!柚葉さん!ただいま帰りました!」

 

若葉「では、皆さんごきげんよう。」

 

光明「じゃあなー。」

 

真魚「一件落着っすねー。」

 

直「さっ!私達も帰ろう。」

 

帰ろうとしたその時、小橋家のお屋敷の屋根の上や敷地内からサーチライトが照らされ、門が電気や鉄格子が出て来て、更には無数の監視カメラと無数のドローンが飛び出してきた。

 

直「何か入ったら生きては出れなさそうだな・・・」

 

真魚「うん・・・」

 

萌子「もしかして、本当に秘密基地なんじゃ・・・」

 

光明「これ費用掛け過ぎだろ・・・?月が若葉になってる・・・」

 

夜の小橋家の衝撃的な場面を見てしまった4人であった。

 

「END」




     CAST

  朝香智流:八代拓

  古橋光明:村田太志

  小橋若葉:小澤亜李
  時田萌子:井澤美香子
  黒川真魚:M・A・O
   真柴直:村川梨衣

  小橋柚葉:木村珠莉
アナウンス:石上静香
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