放送「次はお待ちかねの、クラス全員リレーです。」
最後のプログラムのクラス全員リレーが始まった。真魚が全速力で走る。他の生徒より速く追い抜いた。
真魚「柴さん!後は頼んだっすー!」
直「任せろ!」
バトンを受け取り、全速力で走る直。
若葉「柴さん速いですわー!」
直「若葉!負けるなよ!」
若葉「畏まりました!」
バトンを丁寧に受け取る。
直「丁寧に受け取ってる場合か!」
若葉「はっ!」
察した若葉がすぐ走る。
真魚「へぇ〜、お嬢様の割には速いっすねー。」
一瞬にして1番に走る若葉。
若葉「モエちゃーん!」
萌子「うん!」
バトンを受け取って走るが、足が遅く、抜かれてしまった。
直「遅っ!!」
翌日。教室の黒板に4位の賞状が貼られてた。そして萌子は机に俯せていた。
真魚「仕方ないっすよー。」
若葉「モエちゃんは全力で頑張りましたわ。」
光明「しかしあの時智流がアンカーだったら楽勝だったんだけどな。」
智流「そう言うなよ光明。萌子が決めた事だからな。今は萌子を励ましてやれ。」
直「でも、本当に運動が苦手なんだな。」
萌子「うん、小学校の頃から走るのも、水泳も、球技も全部ダメで。」
直「お菓子作りは得意なのにな。」
萌子「運動会とか凄い憂鬱だったんよね。」
智流「分かるぞその気持ち。」
真魚「あー分かるっすー。まおもテストがある度に憂鬱っすー。」
若葉「わ、私は・・・」
光明「柴さんはミスコンの為に憂鬱になるのかー?」
直「うるさい!」
萌子「はっ!」
5人「ん?」
萌子「そうだよね!まおちゃんがお嬢様キャラになろうとしたり、柴さんがミスコンに出ようとしたり、無謀と思う挑戦でも、やらずに逃げちゃダメだよね!」
直「微妙に引っか掛る言い方だな。」
真魚「失礼っす!まおのは柴さんのミスコンより無謀じゃないっすよ!」
怒った直は真魚に一発殴った。
放課後。グラウンドにある鉄棒。体操着に着替えた萌子がいた。
直「逆上がり?」
萌子「うん。小学生の頃からずっと出来なくて、諦めていたんだけど!」
逆上がりをしようとするが上手く上がらない。
真魚「それを出来るようになるんすか?」
萌子「うん。何か出来るようになれば、運動にも前向きになれそうな気がするし。」
若葉「偉いですわモエちゃん!こうなったら私も、苦手な物を頑張って克服致しますわ!」
カバンから数学のノートを取り出して克服しようとするが、目のハイライトが消えていき固まった。
萌子「本当に苦手なんだね。」
智流「少しずつでも良いんだぞ?」
その後逆上がりをしようとするがまだ出来ない。手を離してしまい、尻餅付いた。
萌子「痛っ!」
真魚「足の蹴り上げが弱いっすよー。」
萌子「思い切り蹴ってるんだけどなー。」
直「少し見本見せてやったらどうだ?」
真魚「そうっすねー。良いっすよー。」
萌子「本当?コツとかあったら教えてー。」
鉄棒を握る真魚。
真魚「コツはまず、バッと足を蹴ってグッとお腹に力を入れて!」
少し意味が分からない説明を言う真魚。余裕で逆上がりが出来た。
真魚「って感じっすー!」
萌子「バッと蹴って、グッ・・・」
真魚「そうっす!後はグワッとお腹に力を入れて、クルンっすかねー。」
萌子「グワッでクルン、全然分からないよ・・・」
真魚「そうっすか?誰でも分かるっすよ?」
光明「いや分かる奴お前しかいないだろ?」
今度は直が手本を見せる番。
直「しょうがないなー、よく見てろよ?」
萌子「柴さん出来るの?」
真魚「足も結構速かったし、やるっすねー。」
直「どうしてだ?これでも中学の時はサッカー部だったんだぞ?」
若葉「サッカー部の柴さん・・・」
萌子「爽やかー。でも何と言うか・・・」
真魚「ちょっとキモいっすね・・・」
直「キモいって何だ!?それより逆上がりだろ?えっとコツはお腹を鉄棒にくっ付けるようにして!・・・あれ?」
1回目、2回目、3回目やっても何故か出来なかった。
直「出来なくなってる・・・」
真魚「またまた〜。」
直「違う!前は本当に出来たんだ!」
萌子「で、でも柴さんは出来ない方が柴さんっぽくて安心するよね。」
智流「ちょっと俺が簡単に手本を見せてやる。」
鉄棒を握る智流。
智流「良いか?両手は必ずグッと握って、腹は必ず鉄棒にくっ付ける。足を上げる時は、そのまま前に伸ばさずに後ろまで蹴り上げる!」
そう言って見事逆上がりを決めた智流。
智流「どうだ?説明の仕方は理解出来たか?」
萌子「うん、でもちょっと難しいかも。」
智流「まあ難しく考えない方が良いと思う。」
次は若葉が鉄棒を握る。
光明「若葉ちゃんは出来るのか?」
若葉「実はやった事が無くて。」
直「え!?小学校の頃授業でやらなかったか?」
若葉「たまたま、その頃お父様の仕事の都合で海外に。」
萌子「じゃあもしかして仲間!?」
若葉「そうですね。では、これを機会にモエちゃんと一緒に頑張りますわ!えーっと、まずバッと足を蹴ってグッとお腹に力を入れてクルン!出来ましたわー!」
なんとやった事もない若葉が1発で出来てしまった。
萌子「おー!?」
直「その調子で勉強も頑張れば良いのに。」
智流「ナイス正論。」
若葉「それは無理ですわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
逆上がりの大車輪をした若葉。
夕方になったが、まだ逆上がりが出来てない萌子。
萌子「ダメだ・・・」
直「後少しなんだけどな。」
真魚「ファイトっすよ!」
萌子「うん、痛っ!」
両手の手のひらには肉刺(まめ)が出来てしまった。
光明「おいモエちゃん、肉刺が出来てるぞ?」
智流「今日はもうやめた方が良いぞ?擦れて怪我するぞ?」
萌子「うん、でも、私もう少し頑張ってみる!」
若葉「モエちゃん・・・」
萌子「ここで休んじゃったら、また諦めちゃう気がするし、だから皆、先に帰って良いよ?」
直「どうする?」
真魚「まおは残るっすよー。」
直「そっか。」
若葉「私も残りたいのですが、門限が・・・」
光明「門限が6時だったな。」
智流「今4時50分か。」
現在の時刻は4時50分。
萌子「大変!もう帰らないと!私は大丈夫だから、残ってくれてありがとう。」
若葉「・・・・・」
真魚「さっ!早く帰らないと本当に間に合わないっすよ?」
若葉「はい・・・」
智流「そうだな。」
カバンを持とうとする若葉。だがその場に置いた。
若葉「やっぱり私も、残ります!」
智流「え!?若葉!?」
若葉「モエちゃんが頑張ってるのに、私達だけ変える訳にはいきません!」
萌子「若葉ちゃん・・・」
その後逆上がりをする萌子。
真魚「もう少しっすよ!」
萌子「!!」
そして蹴り上げる。
直「そこで踏ん張れ!!」
腹を鉄棒にくっ付けて後ろまで蹴り上げる。そして遂に萌子は逆上がりを達成した。
真魚「やったっす!」
光明「達成成功!!」
萌子「出来た・・・」
涙を流して萌子の手を握る若葉。
若葉「やった!やりましたわ!」
萌子「若葉ちゃん・・・!」
若葉「凄い!流石モエちゃんですわ!」
萌子「ありがとう!」
直「おい!時計を見ろ!」
時計を見ると、既に門限25分前になってた。
萌子「若葉ちゃん智流君門限!」
真魚「もう間に合わないっすね!」
若葉「多分・・・ですがモエちゃんを見習って私も諦めずに頑張ってみます!私も!」
そして6人は若葉の家に向かってダッシュする。
真魚「後10秒っす!」
直「頑張れ!」
若葉「はい!」
そして門が段々閉まっていく。
智流「5、4、3、2、1!!」
2人はジャンプして、敷地内に入った。そして門が閉まった。
若葉「間に合いました・・・」
智流「ギリギリセーフだな。」
真魚「良かったすー。」
萌子「ありがとうね・・・」
若葉「いえ、私の方こそ。」
柚葉「若葉さん?智流さん?帰りましたの?」
智流「あ!柚葉さん!ただいま帰りました!」
若葉「では、皆さんごきげんよう。」
光明「じゃあなー。」
真魚「一件落着っすねー。」
直「さっ!私達も帰ろう。」
帰ろうとしたその時、小橋家のお屋敷の屋根の上や敷地内からサーチライトが照らされ、門が電気や鉄格子が出て来て、更には無数の監視カメラと無数のドローンが飛び出してきた。
直「何か入ったら生きては出れなさそうだな・・・」
真魚「うん・・・」
萌子「もしかして、本当に秘密基地なんじゃ・・・」
光明「これ費用掛け過ぎだろ・・・?月が若葉になってる・・・」
夜の小橋家の衝撃的な場面を見てしまった4人であった。
「END」
CAST
朝香智流:八代拓
古橋光明:村田太志
小橋若葉:小澤亜李
時田萌子:井澤美香子
黒川真魚:M・A・O
真柴直:村川梨衣
小橋柚葉:木村珠莉
アナウンス:石上静香