ピロロロ……と、デュエルディスクがなる。電話機能を使って誰かが掛けてきたようだ。
見ると番号と名前が表示されている。
「早瀬?どうしたんだろ」
電話に出ると聞いた事のない声がした。
「ククク……貴様の仲間は預かった。返して欲しくば私とデュエルをしろ」
「誰だ。早瀬のデュエルディスクを何故持ってる!」
「深夜1時までに廃工場にこい。さもなくばコイツの命はないと思え」
プッと通話が切れる。苛立ちを顕に机を殴る。今は11時。後3時間しかない。廃工場までは近いからまだいいが、何者かが早瀬を攫った理由が自分にあるなら彼にどんな顔で会いに行けばいいのかわからない。
とにかく、デッキを強化してすぐさま向かうべきだと感じた。
《さっきの声……聞いた事があるぜ》
「ダイガ、本当か?」
《ああ、俺が負けてやられた相手じゃないが……このNo.EXを狙って来た奴にさっきの声と似たような奴がいた》
ダイガが魂になっても自我を保ち、こうして力を貸せる理由。それはNo.
閑話休題。
デッキからマジシャンガール以外に入っていたカードをほとんど抜いて、とあるカテゴリのカードを入れ直す。コレは試運転に近いが、うまく決まれば勝てるかもしれない。相手が何を使うかは知らないが。
「ダイガ変わるか?」
《いや、今回はいい。サポートに回るさ》
「分かった。頼む」
デッキケースを3つ持って、ホテルを出た。走って5分程で廃工場には着く。急いで居たから曲がり角のところから出てきた、金髪の男にぶつかって弾き飛ばされた。
「いてっ!」
「うぉっ!?」
「す、すいません!」
「大丈夫か?ってあーっ!お前Rじゃねー……」
「シーっ!」
金髪の男もよく見れば見た事があった。彼とは昔、童実野町にいた頃に遊戯王大会で当たった事がある。名前を、城之内克也。伝説のデュエリストと言われた武藤遊戯の友人である。
「城之内さん、何故ここに?」
「あぁ、海馬のヤローに頼まれてな。この辺りに何処のでもない怪しいデュエルディスクの反応があったってよ。俺も暇じゃねーんだが、レッドアイズのエクシーズとNo.11を貰っちまって断るに断れなくなったんだ」
小間使いのためだけにわざわざ城之内にレアカードを渡してまでやらせるなんて海馬瀬戸はどういうつもりだったんだろうか。
ブルーアイズは基本ランク7のエクシーズを使えないから要らなかったカードを渡して動かしただけか?城之内克也を動かせば海馬コーポレーションは一切関与していないと言い張れるというのもありそうだ。
この予想が当たってたら「ま、海馬のヤローもとうとう俺を認めたって訳だよな!」と、意気込んでいる城之内さんが可哀想だ……
この大帝町では基本隣町の童実野町と同じく海馬コーポレーションのデュエルシステムを導入している。不正なデュエルディスクをほっとくわけにもいかない。海馬社長はよく頭の回る人だよ全く。
「不正デュエルディスクならもしかしたら今から行く場所にあるかもしれませんよ」
「何!?そりゃ本当か?いよぅし!今から行くぞ!」
僕は城之内さんを案内しながら廃工場に向かった。時間は11:16。余裕で間に合った。
着いた瞬間、サーチライトが2人に当てられる。
「割と早く来たな……ん?二人か」
「俺は城之内克也だ!テメーのデュエルディスク、調べさせて貰うぜ!」
「ふっ、いいだろう。私に勝てればの話だがな!」
「そのデュエル、僕も受ける!早瀬くんを返して貰うぞ!」
デュエルディスクを構え起動する。次の瞬間、レイが見たのはとんでもない光景だった。なんと、敵の隣には早瀬がこちらに向かって黒いデュエルディスクを構えていたのだ。
「我が名はバラム!世界の王になる者の従者なり!タッグデュエルといこうではないか!」
高笑いするバラムを睨みつける。どうやら早瀬を操っているのはバラムのようだ。他には誰もいない。
「さて、早瀬と言ったな。貴様にはコレをやろう。《シューティング・クエーサー・ドラゴン》と《アクセル・シンクロン》。そして《シューティング・スター・ドラゴン》と《フォーミュラ・シンクロン》だ」
ヤバいカードの名前が聞こえた。何故アイツがシューティングクエーサーを……そういえばこないだのレアカード狩りもNo.とCNo.、更には七皇の剣まで持っていた。余りに強いカードは数が少ない。レプリカ品すら規制されている。おそらく組織でプレイヤーからカードを巻き上げているに違いない。
「相手が誰だろうと、レッドアイズでぶっ飛ばすぜ!」
「行きますよ、城之内さん!」
「「「「デュエル!」」」」
次回、タッグデュエルです!