遊戯王〜偉大なるマジシャン〜   作:ゆっくり無色饅頭

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最上の神

カードを引き、ニヤリと笑った。かなり不自然な行動だ。さっきまでは確かに無表情だったはずなのだ。何かやばいのが来るに違いない。

 

「俺は墓地の闇属性、魔神器ティルヴを除外して輝白竜ワイバースターを特殊召喚!そして2体のモンスターでオーバーレイ!」

「何がくる……!ってかエクシーズも出来るのかよ!?」

「現れよ!希望の使者、No.39 希望皇ホープ!」

 

No.39 希望皇ホープ★4

エクシーズ・戦士族・光属性2500/2000

 

ホープが場に出た瞬間、目の前の景色が灰色に変わる。色があるのはホープとレイだけで、他の全ては固まっているように動かない。

 

《なんだ……?》

「ダイガは大丈夫なのか?」

《ああ。なんなんだよ、時が止まってるぞ?》

【我が名はNo.39。お主らに頼みがあって力を行使させて貰った】

「な……ホープが……」

《喋った!?》

 

なんと、目の前のソリッドビジョンのはずのホープがテレパシーらしき何かで話し始めた。

 

【主でもない彼の体を借りるのもしのびないのだが……失礼させて貰った。喋れる云々の事はスルーさせて貰う】

「あっはい……」

《何なんだよ頼みってのは》

【そこにいるバラムという男の仲間……いや属する組織、ハンターを止めてもらいたい】

 

ホープの話によれば、俺達が持っているNo.EXはコイツらの頭が狙っているカード。彼らの目的はこの世界を征服する事。その目的を完遂するために、全ての本物のNo.に赤き竜のカード、そして最後に三幻神のカード。これらを集めEXの真の姿であるCNo.EXを完成させる必要があるらしい。

更にホープは続けた。No.は元々異世界のカードで、これらのNo.エクシーズモンスターの力の集合体がEX。

このほぼ白紙のカードがそんな力を秘めているとは……今までこのカードを召喚しようとしてもデュエルディスクは反応しなかった。何なのか全くわからなかったのだ。だが、今ようやく理解した。

 

「つまり休眠状態なんだな?」

【あぁ。呼び起こす為にはそれなりの力が必要だ。このデュエルに勝利すれば我が力を貸す。カードとして機能するはずだ。では、頼むぞ】

 

辺りの景色が元に戻り、相手の場にはNo.39。こちらにはジュノン、キウイマジガールに鋼炎竜。ホープ一枚で簡単にひっくり返るような盤面では無いが、攻撃力的にキウイはやられる。

 

「バトルフェイズ。行け、No.39希望皇ホープ。キウイ・マジシャン・ガールに攻撃、ホープ剣・スラッシュ!」

「くっ……キウイに特殊召喚効果はない……」

 

レイ&城之内

LP3900→3200

 

「ターンエンド」

何があっても今は勝たなければならない。その思いでレイとダイガ、2人の魂が一つになり、デッキトップが光る。

 

「な……貴様それは……!?」

「行くぞ、()のターン!ドロォォォォ!」

 

引いたカードは、命削りの宝札。これを使えばカードを手札が3枚になるまでデッキからドローできる。レイはそのまま発動し、カードを引いた。

 

 

「来い……魔導書!」

 

引いたカード

ブラック・マジシャン・ガール

黒・魔・導・爆・裂・破(ブラック・バーニング)

ヒュグロの魔導書

 

「きた!俺は手札のヒュグロの魔導書を発動!ジュノンの攻撃力を上げる!」

 

魔導法士ジュノン

ATK2500→3500

 

「よし、コレでホープを倒せるな!」

「城之内さん……ホープはORUを使って攻撃を無効に出来るんですよ」

「なにぃ!?」

「だからこうするんです!墓地のヒュグロを除外して、ホープを破壊!」

 

ホープに黒い文字が纏わりついて破壊された。問題はまたあのティルヴが蘇ることだ。次のターンになる前に止めを刺せるが、何かおかしい。こんな簡単にバラムという男がやられるのか?

 

「行け、ジュノンでダイレクトアタックだ!」

「ティルヴの効果発動、攻撃を無効にする」

「鋼炎竜の効果で500ダメージ!更に鋼炎竜でダイレクトアタック!フレアメタルバースト!」

「くっ……クソォォォ!!」

 

WINNER

レイ&城之内

 

早瀬はNo.を使用した反動なのか、それとも操られていたせいか、その場に倒れた。

バラムも鋼炎竜の攻撃で壁まで吹き飛ばされていた。

 

「ふ……ふはは……コレでいい……本物のNo.をおびき出せたのだ、きっとあの方もお許ししてくださる……」

「何?どういうことだ!」

 

バラムの胸ぐらを城之内が掴むが、バラムの周りから黒い炎が上がる。城之内が飛び退くと、何処からか拍手が聞こえた。

 

「お前達。素晴らしいデュエルだったよ。バラムは少々残念すぎるが」

「な……ベリアル様……なぜココに!」

「なぜ?わからないか?貴様を処分するためさ。ディスクを構えろ、我らに敗者はいらぬ!」

 

バラムがお許しを!と叫ぶがベリアルと呼ばれた男は話を聞く素振りを見せない。それにこの黒い炎は紛れもない闇のデュエルだ。あの男が犯人なのか……?

 

《違う……あいつも居たけど俺を倒した奴じゃねぇ、名前は確か……ソロモンだったはずだ》

「そうか……今はあいつのデッキが何か見ておこう。対策が出来るかもしれない」

 

「デュエル!」

「ひぃっ!デュエル!」

 

先攻バラム

後攻ベリアル

 

「貴様からだ。やれ」

「私のターン……手札から永続魔法、悪魔の血判を発動して効果発動……デッキからグラムを守備表示で特殊召喚します……」

「どうした?いつもの調子でやれば良い」

「くっ……グラムの効果で手札からグラムを守備表示で特殊召喚。更にグラムの効果でティルヴを守備表示で特殊召喚。カードを2枚伏せてターンエンド……」

 

バラム

魔神器 グラム×2(守備表示)

魔神器ティルヴ(守備表示)

悪魔の血判(永続魔法)

伏せ2

 

バラムは何故エクシーズ召喚をしない?エクシーズをすると不利なのか?いや違う。バラムは相手に対してビビりすぎている。防御を固めるつもりなのだろう。

 

「俺のターン、ドロー。バカめ……神の前では壁など無意味だという事を知るがいい……俺は貴様のモンスター三体をリリース!」

「なんだと!?」

 

相手のモンスターを3体も消し飛ばすなど聞いたことがない。そんなカードが存在するのか!?

 

「古より伝わる伝説の神よ。今ここに三つの敵の魂を贄とし捧げる。降臨せよ、ラーの翼神竜ー球体形(スフィア・モード)ー!!」

 

三体の魔神器が苦しみはじめ、弾けて光となり、空へ上がって行く。するとゆっくりとベリアルの場へ光と共に黄金の球体が降りてきた。

 

ラーの翼神竜ー球体形ー☆10

幻神獣族・神属性?/?

 

「なんて威圧感だ……!」

《神のカード……だと!?》

「貴様らが知らぬのも無理はない。コイツは俺達が意図的にこの世界に残さなかったんだからなぁ?」

 

意図的に?この世界?何の話だ。

 

「何?どういうことだ!」

「喧しいぞ、城之内。俺達は知っているぞ?闇のゲームに耐えられずにこのラーを扱う男に負けた事を」

「な……」

 

そして城之内の過去を知っている。あの場に少なくともコイツはいなかったはずだ。

 

「まぁいい。外野にはこれ以上ツッコまれないように……バラム。さっさと貴様を殺す!ラーの翼神竜ー球体形ーの効果発動!こいつをリリースしてラーの翼神竜(・・・・・・)を攻守を4000としてデッキ、手札から召喚条件を無視して特殊召喚する!今回はデッキから出す」

 

そしてベリアルが呪文を唱えるとラーの翼神竜ー球体形ーがゆっくりと開き、元の姿を取り戻した。

 

「古より伝わる伝説の神、その名の元に敵を滅せよ、ラーの翼神竜!」

【キュオォォォォォン!!!】

 

ラーの翼神竜☆10

幻神獣族・神属性?/?→4000/4000

 

「ら……ラーの翼神竜……なんでアイツ、ラーのテキストが読めるんだ!?」

「これらはコッチの世界のラーじゃねぇ。俺達が居た世界のラーだからだ!更にフィールド魔法、神縛りの塚!これにより、神は無敵の耐性を得た!」

 

神縛りの塚。☆10以上のモンスターは効果対象にならず効果で破壊されなくなる。更に戦闘で☆10以上のモンスターが相手のモンスターを破壊したとき1000ポイントのダメージを与える。そしてこのカードが破壊された時神属性のカードを手札に加えるカードだ。

 

「行け!ラーの翼神竜、ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」

「ぐぅぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

バラムを焼き尽くさんと吐き出された炎が襲う。闇のデュエルだからダメージは実体化しているのだ。続ければ死ぬ。いや、続けなくても敗者は死ぬ。それが闇のデュエル。

 

バラム

LP8000→4000

 

「メインフェイズ2だ。速攻魔法、ダブルサイクロン。俺のフィールドから神縛りの塚を破壊。お前の伏せも一枚破壊だ。更に神縛りの塚の効果でラーの翼神竜ー球体形ーを手札に。魔法カードテラ・フォーミング。神縛りの塚を手札に加え発動!愚かな埋葬でラーの翼神竜ー不死鳥(ゴッドフェニックス)ーを墓地に送りターン終了だ」

 

ベリアルLP8000

手札2

ラーの翼神竜(攻撃表示)ATK4000

神縛りの塚

 

ラーは特殊召喚出来ない。よって元よりエンドフェイズに墓地に行く効果がない。4000の神が立っているだけで相手に対してかなりの威圧になる。

 

「私のターン、ドロー!……私は悪魔の血判の効果でグラムを出す。そしてグラムの効果で手札からダーインを特殊召喚!あれならば……倒せる!あなたがくださったこのカードで倒してみせる!私はグラムとダーインでオーバーレイ!」

 

エクシーズ召喚。何を出す気だ?

 

「呪われた刃持つ剣、今ここに我が悪しき野望を叶えよ!エクシーズ召喚!魔神器呪剣 ティルヴィング!守備表示だ!」

 

魔神器呪剣 ティルヴィング★4(オリカ)

エクシーズ・悪魔族・闇属性1800/1900

(効果は3話参照)

 

「ティルヴィングのオーバーレイユニットを1つ使い、効果発動!相手のフィールド上の全てのカードを墓地に送る!その代わり、相手はこのターン、いかなるダメージも受けない!消え去れ、神よ!」

 

ティルヴィングから黒い液体が漏れだし、人形になるとティルヴィングを掴んでラーの翼神竜を断ち切り、さらには神縛りの塚も粉々に破壊した。

 

「墓地に送る効果ならば、神縛りの塚は発動しない!」

「あぁ、そうだな。残念だよ。お前はもう少しやるかと思って居たんだがな。ラーは不死身だ、この程度で倒せると思ったか?」

 

ベリアルの場には太陽が如く燃え盛る不死鳥の姿があった。

 

ラーの翼神竜ー不死鳥ー☆10

幻神獣族・神属性4000/4000

 

「ラーの翼神竜ー不死鳥ーは、ラーの翼神竜が墓地に置かれた時に特殊召喚できる。更にカードの効果を受けない。そしてエンドフェイズにラーの翼神竜ー球体形ーを手札、デッキ、墓地から呼び出す。どうした?ターンは終わりか?」

「あ……あぁ……!」

「ふん、ターンエンド宣言をしろ!貴様に残された手はないだろう?」

「ターン……エンド……」

 

エンド宣言をした瞬間、炎が消え去りラーの翼神竜は翼を収納して球体になった。

今回の球体形は手札から出たラーだ。

 

バラム

手札0

魔神器呪剣 ティルヴィング(守備表示)DEF1900

伏せ1

悪魔の血判(永続魔法)

 

「俺のターン、ドロー。手札から、ファントム・オブ・カオスを召喚!効果により墓地の球体形を除外し、効果をコピーする!」

 

ファントム・オブ・カオスの姿は灰色のラーの翼神竜ー球体形ーになった。ファントム・オブ・カオスの効果は墓地の効果モンスターを除外して、エンドまで全く同じカードとして扱う効果だ。

 

「2体のラーの翼神竜ー球体形ーをリリースし、降臨せよ、2体のラーの翼神竜!!」

「ラーの翼神竜が……2体だと……!?」

「待て、なんで同じ神のカードが3枚もあるんだよ!」

「言ったろうが!これらの神は貴様らの知る神ではないと!まずはラーの翼神竜よ、効果を発動だ!俺のライフ1000ポイントを贄としてバラムのモンスターを焼き払え!ゴッド・フェニックス!」

 

炎を纏って不死鳥の姿になり、バラムのモンスターに突撃し破壊した。が、バラムはすかさずトラップを発動する。

 

「トラップ発動!魔神器の反逆!魔神器エクシーズモンスターしかいない時に効果で魔神器モンスターが破壊されたとき、相手のモンスターを全て道連れにする!消えろ、ラー!」

 

魔神器の反逆(オリカ)

通常罠

自分フィールドが魔神器エクシーズモンスター1体のみで、効果で魔神器エクシーズモンスターが破壊される時、相手のモンスターを全て破壊する。

 

「ならば、チェーンして手札から神秘の中華鍋だ。ラーを1体選択し、リリース。4000ライフを回復する!」

 

ベリアル

LP7000→11000

 

「ふっ……バラムよ。最後の抵抗は無駄だったな。再び墓地より舞い戻れ、ラーの翼神竜ー不死鳥ーよ!」

「ダメだった……か……」

「終わりだ!ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」

 

バラム

LP4000→0

 

バラムはラーの翼神竜ー不死鳥ーの炎と黒い炎に焼かれていく。炎が消えた時にはバラムの姿はなく、デュエルディスクは熱で歪んではいるが残っていた。

 

「さて、レイと言ったな。今回は見逃してやろう。せいぜいラーの贄にふさわしいくらいには強くなれ。貴様如き俺の足元にも及ばん」

「なに……!?」

「さらばだ」

 

ベリアルは黒い霧になって消えていった。後でバラムのデッキのカードを確認したが、何も書かれていない白紙のカードになっており、歪んだデュエルディスクは海馬コーポレーションで解析するために城之内に回収された。

そういえば……早瀬のNo.39だが。何故か俺の手元に移っていた。No.EXの絵が一部だけ出ているのはNo.39のおかげなのか。あとはシューティング・クエーサー・ドラゴン等のバラムが渡したカードだが、偽物だった。レイのディスクでは読み込まない。改造ディスクだったからこの印刷カードを渡したのだろう。

 

「ハンター……待っていろ。僕達が必ず全員倒してやる」

《おう。目の前であんな胸糞悪い事されたら尚更だ》

 

決意を新たに、ホテルへとレイは戻っていった。

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