ストーリーを進めたいので、しばらくスピード重視で更新します。
家の中にネットが無いのに、家の外だとネットがある、この世の不思議。
「ていっ!
ヨシノの足払いが決まって2匹の
しかし、すぐ起き上がるとヨシノには目もくれずチョコを追いかける。チョコの前にクザクが立ちはだかり、労働者コボルドの剣を長剣で受ける。盾の無いクザクは攻撃を全て防ぎきれず、漏れたコボルドの攻撃がチョコを襲う。チョコは小さい身体を活かして、
そのチョコを追っかけて、コボルド、ヨシノ、クザク、チョコ、コボルド、ヨシノ、クザクとぐるぐると回っている感じだ。陣形が落ち着かない。アキだけがノッコを守るために
――ごちゃごちゃしてて嫌だ。その内、バターになるんじゃないか?
新手として現れたエルダーコボルトは賢い
犬の縦社会だけに
「ジール・メア・グラブ・フェル・カノン」
ノッコの
――
「ビンッ」と弦が弾かれる音がして、シムラの矢が放たれる。エルダーコボルドに向かっていく。しかし、エルダーコボルドも
「くっそー、あいつには当たらん」
シムラが頭を
――禿げるぞ……。
狩人の狙撃は、一定以上の手練れ相手になると、
後ろ組は攻め手がヨシノしかいないため、複数のコボルトに連携して防御を固められると攻めづらい。長期戦になりそうだった。
――今はシムラの弓も使えないし、一番固いのはアキか……。
「アキを中心にクザクとシムラで脇を固めて、ノッコとチョコを守るんだ。ヨシノが自由になれば勝てるから」
――前はどうなってるんだろう?
対
リョータがタイチに肩の治療を受けていた。戦士骸骨とはカズヒコが相対している。戦士骸骨は攻撃が速く、押されている。カズヒコは打ち込まれる斬撃を受けるので精一杯だ。
「もういい! カズヒコ替われ!」
キレたリョータがタイチの手を払い、戦士骸骨に走って向かっていく。
「おおおぅらぁぁあぁぁ!」
助走付きの大振り
戦士骸骨がバスタードソードで受けるが、吹っ飛ばされて岩壁に当たり、膝を突く。
――よしっ!
「まずい! 来るよ!」
タイチが叫ぶ。
黒い藻のような塊が飛んできて、リョータに当たる。魔法使い骸骨の放った
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ、ぐぞぉ、ま゛だだ……」
リョータが
起き上がった戦士骸骨が上段からバスタードソードを振り下ろす。
すかさずカズヒコが剣を合わせて、リョータを守る。
――なるほど、さっきはこの
聖騎士骸骨とミッツは
正確にはミッツが押されているが、ハイドが
――今回の敵は全部強い。まずい。選択肢が少ない。
グンゾウは一瞬少し悩んだが、すぐに答えを出す。
「タイチ、突っ込んで魔法使い骸骨に
グンゾウはタイチの方を向いてしれっと話した。タイチはぽかんとした顔をしてから一気に否定する。
「え?! 無理無理、無理ですよ」
「行くよ。タイミング少ないから覚悟して。真っ直ぐ魔法飛んでくるから、魔方陣出たら避けるように」
「だから、グンゾウさん。そんなの無理ですって」
タイチがグンゾウの前に立ちはだかるが、グンゾウは全然気にしない。
「ハイド! 聖騎士と戦士の動きを15秒止めろ! タイチが魔法使いまで突っ込むぞ! 前衛もいいなっ!」
「キシシ!」「おうっ!」「はいっ!」「へっ!」という頼もしい返事が返ってくる。
「マリク・キシシ……、エム・キシシ……パルク!」
ハイドの
少しだけ出来た隙に戦士3人が2体の骸骨の間に入るように位置取りをする。
――まず2発。
「ルミアリス様!」
タイチは恐怖に目を
その動きに呼応して、戦士骸骨と聖騎士骸骨がタイチを狙って猛烈に攻め始める。
ミッツが聖騎士骸骨に押されて、受け太刀が散らかり始める。隙を突いて剣がタイチに届きそうだ。
「キシシッ!」
通路の上方を旋回していた
――3発目。
「ミッツ、やるじゃないか」
「へへへっ」
ミッツは鼻をこすりながら、聖騎士骸骨とタイチの直線上に立ってタイチを守る。
そこに魔法使い骸骨の
「あへっ? いてててて」
――最後が締まらなかったな。まあ、いいか。戦士は?
戦士骸骨は手が付けられないくらい暴れていた。剣筋も滅茶苦茶だ。
リョータが
怪我も
「くそっ、なんだよっ! 死ねよっ!」
――もう、死んでるよ。
「あっ!」
リョータがそれに気を取られる。刹那、戦士骸骨が
「っっっ!」
リョータが遅い後悔をする。
「
哀れな戦士骸骨はカズヒコの
――5発。あと1発。
憎たらしいリョータを守るために3人の男が一気に
一番驚いたのはリョータだった。
「な、なんだよ、お前達、お、俺は余裕だったっつーの。本気出し過ぎじゃねーのか?」
カズヒコが爽やかな笑顔で笑っている。
「キッシッシ」
ハイドは残り1発の
「ちょっと、目が潤んでるけどな」
グンゾウは
「ば、馬鹿じゃねーの。そんなわけねーだろ。くそおやじ」
リョータの目は感動で赤くなっているだろう。グンゾウからは兜でほとんど見えないのが残念だった。
「光よ、ルミアリスの加護のもとに、
丁度その時、
――おやすみなさい。これで光の
「あと任せた。ハイドは一緒に来て」
グンゾウが後ろ組の方に向かう。
その時、丁度ヨシノが最後の労働者コボルトの首から槍を抜いた所だった。ヨシノは顔も体も血だらけだった。少し無理をさせたかもしれない。
「仲間を呼ばれる。エルダーを逃がすな!」
グンゾウが声を出す。実際、
「オームキシシ・レル・エクトキシシ・ヴェル・ダーシュキシッ!」
「ジール・メア・グラブ・フェル・カノン」
ハイドの杖から黒い藻のような塊が飛んでいく。
「ワオーン! ワ、ワオーン! ワガッ」
遠吠えしているエルダーコボルトの口の中に矢が突き刺さる。
「おっさんが犬の
――シムラの
「光よ、ルミアリスの加護のもとに、
グンゾウは、ヨシノが打撲や切り傷等、全身に傷を負っていたので
「あー、気持ちいいー。これ温かくて、全身治るからいいよねー」
ヨシノが両腕を伸ばして伸びをする。
「場所指定だから動いたら駄目だよー」
「ほーい」
――いくつか危険な場面があったみたいだけど、なんとか大事故がなくて良かった。みんな成長してるんだな。あのミッツですら。
「へっへっへ、だから、俺の体当たりがさ……」
ミッツがチョコに聖騎士骸骨を倒した自慢をしていた。チョコは興味なさそうに
――ミッツ……、チョコは諦めればいいのに。
カズヒコの(知人女性の)案内が優れていたお陰で、第4層はほとんど歩かず、第5層への井戸に辿り着いた。
不満げだったのは唯一、第4層で思いっきり弓を使おうと思ってたシムラだけだった。
第5層への井戸は特徴を一言で言えば穴だ。岩壁にぽっかり開いた穴だ。でも、ただの穴じゃない。熱風が噴き出す穴だ。
第5層は
そのため、第5層から第4層に向けて物凄い勢いで熱された空気が噴いている。他の層では、空気が冷やされいるせいか、比較的
「熱いし、なんか凄いね」
グンゾウが手の甲で汗を
「そうですね。でも見てください。ありますよ」
カズヒコが熱風に目を細めながら井戸の先を指差す。グンゾウも覗き込む。
――確かに、あるある。
井戸の真下に、まさに山のように
この井戸は普段は移動に使われていないため、
「周辺にコボルドはいませんね。今が
「誰か
グンゾウが確認すると、カズヒコが答える。
「はい。そうです。人を降ろすのが1番大変そうなので、降りる人は軽い人がいいですよね」
その言葉に反応して皆の視線がチョコに集中する。一番軽そうに見えるし、何より
「え? あたし?」
チョコが驚いたような顔をする。
「たりめーだろ。この場面以外でどこで活躍するってんだよ。
リョータがやれやれという顔で溜息を
チョコは
――いつも拗ねたような口してるけどね。
「こら、リョータ。なんて言い方なの? チョコちゃんに謝りなさい!」
「いーや、これに関して謝る必要はない。俺等戦士は役目として命をかけて敵と戦ってるんだから、この場面では
ヨシノに怒られたが、リョータは悪びれもせず言ってのけた。
――たまに正しいこと言うよなリョータは。言い方が悪いけど。
「分かったわ。やるわ。やってやるわ。あたし、空飛ぶの夢だったの。ちょーどいいわ。ミッツ、
チョコはヤケクソなんだか、急にやる気を出した。
「へへへ、へへへへいっ」
ミッツが笑ったんだか、返事したんだか良く分からない声で
「今更だけど、この
グンゾウが誰とはなく聞いた。
「買った
チョコが自分の腰に
――チョコ、細いなー。いいなー。
グンゾウは自分のお腹を少し触った。だいぶ引き締まったとは言え、10代の身体とは全く違った。
――出ているところは出ているナイス
「そっか……なら平気だね」
チョコが井戸に向かう。
「じゃ、みんな、離さないでね」
不安そうな顔で振り返った。
チョコは恐る恐る前に進む。熱風でボブカットの髪が逆立つ。チョコが井戸の
「きゃあっ!」
チョコがスカートを押さえる。グンゾウの目に、一瞬白い何かが映った。
「おおぅ!!」と男達は興奮をしたが、リョータとグンゾウはヨシノに、シムラとハイドはアキに手で目を覆われてしまった。「俺の位置からは何も見えないんだけど……」とクザクがぼやいていたが、ヨシノに「見えなくていーの」と一蹴された。
「こほん。気を取り直して……といやっ!」
2度目はスカートをしっかり押さえながらチョコは井戸から飛び降りた。一気にグンゾウ達の掴んでいる
一番先頭にいるカズヒコが穴の下にいるチョコに声をかける。
「チョコー、どう? 空を飛んでる気分は?」
「苦しいし……、思ってたのと……違う」
チョコは穴の下で宙吊りになってブラブラとしていた。
「少しずつ降ろしていこう。オーエス、オーエス……」
カズヒコの掛け声で、皆が少しずつ
「オーエス、オーエスって、雰囲気分かるけど、なんか
リョータは掛け声に疑問を持った。
「確かに……なんやろう、このおうてるよーな、おうてないよーな微妙な感じ」
シムラも疑問に思ったようだ。
そうこうしている内に、チョコが
「まあ、まあ、細かいことは言いっこなしで。チョコー、この
カズヒコがチョコにもう1本の
「これ、めちゃ重いよー」
穴の下でチョコが
「いーよ、たぶん、大丈夫」
チョコの声がして、今度は男達が一斉に別にロープを引っ張る。チョコとほぼ同じ重さがしたが、持ち上がってきたのは幅15センチ、長さ30センチ、高さ10センチ程度のインゴットだった。
「おお、
リョータが片手で持ち上げようとして、持ち上がらず、両手で抱えるように持った。ヨシノも楽しそうに持ち上げている。
「よし、どんどん続けよう」
カズヒコの指示で作業は順調に進んだ。作業の間、コボルドが現れることもなかった。その日は
井戸から戻ったチョコは一言「なんか、夢をひとつ壊された気分」と言った。
オルタナに戻った後、皆の
サイリン鉱山お散歩編はこれで終了です。
次回、原作登場のあいつが出てくるぜっ!
( ´∀`)< マナトー