plus ultraを胸に抱き   作:鎌太郎EX

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短いですが、キリがいいので更新。
あぁ〜……これ体育祭編15話で終わらないわ(笑)


episode8 過去と現在

 

 

 

 

 

 人が空を跳ぶ。

 しかも一定時間滞空するというのは、個性社会になった現代でもなかなか難しい。

 公共の場の個性使用が制限されている、長時間飛行する、あるいは跳躍する個性を持たないと無理という理由以上に、恐怖が先行するからだ。

 地面から足が離れる。

 体を包む浮遊感。

 絶叫マシーンではないのだから、安全装置も自分の身を守ってくれるセーフティーバーも存在しない自由跳躍は、それなりに経験を積まないと難しい。

 そしてその経験を積むという行為も簡単なものではない、公共の場での個性使用が制限されている以上、練習するのにも気を使わなければならないし、見つかれば逮捕だ。

 振武は、そういう意味でも恵まれていた。

 個性を自由に練習できる私有地、練習を見守ってくれて時にアドバイスをくれる師匠、個性が使いようによって跳躍の力になるようなもので、武術がそれをちゃんと使えるようになる技術だったからこそ、瞬刹と踏空が完成した。

 ならば――爆豪のそれは、どうやって会得したのだろうか。

 こんな状況で、そんな好奇心から湧き上がる疑問が頭の中に浮かんでいた。

 

「勝負だ、クソ吊り目、デク!!!!」

 

 左手の爆破が、推進力を生む。

 右手が、出久を狙って振り上げられている。

 

「っ、常闇くん!!」

 

 1秒にも満たないかもしれない時の中で、出久の的確な指示がとぶ。そしてそれと同じくらい早く、常闇の黒影が反応した。

 BOOM!! という激しい爆発音が響いたが、攻撃そのものは出久もチームメンバーにも届かない。黒影の防御は、完璧なものだった。

 

「何だこいつ――――……」

 

 基本的に強敵と認める相手以外は興味がない男だ、第一種目のロボットを攻略した際近くにいた常闇の事も、まるで記憶していない。それ故に、一瞬誰だか、何の個性なのかも解らなかった。

 しかしその逡巡は一旦止められる。体に張り付いたテープによって。

 

『おおおおお!!? 騎馬から離れたぞ!? 良いのかアレ!!?』

 

「……まぁ、アリだろうよ」

 

 プレゼントマイクの声に、振武は小さく呟いた。

 そもそもこの騎馬戦は通常のものではない。騎馬を崩されてもアウトにはならないんだ。当然足がついたらアウトを取られた可能性だってあるが、爆豪のチームメンバーを見ればこの戦法が可能なチームだ。

 戻って行った騎馬の方を見る。

 前騎馬に鋭児郎、左に瀬呂と芦戸の姿が見える。さっきのは、瀬呂のテープだろう。

 

「……にしても、相変わらずすげぇ発想力だよ」

 

 ハチマキを取られればポイントは0。決勝トーナメントにだって進めなくなる可能性がある。そんな中で足場の不安定な空中に活路を見出している。

 ……形は違えど、出久と爆豪は手に入れる結果は違えどそういう点では似た発想に辿り着いている。

 そう考えると、本当に幼馴染なんだなと思うし、本当に仲が悪いのか? とも思うのだが。

 着地しながら、周囲を見渡す。

 視界に入るチームの中には、ハチマキが無いものと有るものにハッキリと別れ始めていた。

 電光掲示板には、現在の保有ポイントがリアルタイムで表示されている。これを見れば、現在の順位がわかる。

 だが、

 

「? 変だ」

 

 同じくそこに視線が言った出久が呟く。

 

「あぁ……どいつもこいつも、パッとしねぇ」

 

 他のチーム……特に、A組の点数が低い。どころか、奪われて0と表示されているグループがいるくらいだ。上位に立っているのは、自分達と焦凍のチームのみ。爆豪チームは一応点数を保持しているが、それは元々割り振られたポイントだろう。そう高くは無い。

 魔女子チームは順当に伸ばしているが、B組を何故か超えていない。

 A組だって実力者揃いだ。よっぽどの事がない限り、上位に引っかかってくるだろう、そう予想が立っていた。

 つまりこれは、

 

「そのよっぽどの事が起きている……って事だよな」

 

 

 

 ◇

 

 

 

「……参りました。まさかこっちを狙い撃ちですか」

 

 魔女子は、小さく溜息を吐いた。

 この乱戦だ。自分達を狙っている人間がいる事は当然の如く想定していた。しかし、何人かのグループに狙われる事はない。

 何せ1000万(1番高いポイント)は別の場所にいるのだ。自分達のチームはその影で稼げるだけ稼いで、最低限のポイントで決勝トーナメントに進出。それが魔女子が考えたプランだった。

 それなのに、状況はそれを許さない。

 このフィールド内でも壁際の場所。そこで魔女子は、2、3チームに纏めて囲まれていた。

 チームが、さらに連携を取っている。

 この競技の趣旨から言えばあり得ない状況が、自分達の首を締めていた。

 

「……鉄哲さん。付かぬ事をお伺いするのですが、このチームの皆さんって、B組の方々ですよね」

 

「……あぁ、そうだよ」

 

 前騎馬にいる鉄哲が、舌打ちでもせんばかりの苛立った声で答える。

 見慣れない顔触れ、しかし動き慣れている姿から予想した考えは外れてはいなかった。

 

「――もしかして、そういう計画ですか?」

 

 第一種目で、上位入賞者はA組の人間が殆どだった。

 それは妙な話だ。

 確かにA組のメンバーは優秀だ。この前のUSJ事件を経験して、さらに動きが鋭くなった。修羅場を経験する、実戦を経験するというのは、人を一回りも二回りも成長させる事は、魔女子も当然分かっているし、実際体感している。

 しかし、それだけでここまで同じヒーロー科で差がつくはずもない。超えられる実力があるのも分かっているが、それでもギリギリの所だ。

 あんなに大差が付くとは、魔女子も思っていなかった。

 最初は自分達が優秀だからでカタをつける事も出来たが、今の状況を見ればそうではない事がわかる。

 ……計画的に順位を下げ、敵を観察し、この状況で活躍出来るようにしていた。

 まさか自分と似たような事を考えている人間が他のクラスにいて、しかも自分以上の集団を纏めているとは思ってもみなかった……というのも、ある意味で驕った見方なのだろう。

 魔女子以上に頭が回る人間がいるだけ。それだけの話だ。

 

「いや、前半は合ってるが、後半は違う。

 こんな纏めてタコ殴りなんつう戦法じゃなかった。じゃなきゃ最初からお前らにはつかねぇよ」

 

 俺らだって纏めてやられちまうだろうが、という鉄哲の言葉に、魔女子は表情を崩さず頷く。

 

「でしょうね。では何故、「それは君が派手に動きすぎたから」……はい?」

 

 言葉を遮られて顔を上げると、目の前に陣取っているチームの騎手が笑みを浮かべる。

 軽薄……というよりも、性格の悪そうな笑顔だ。金髪も何もかも気取っているオーラが出まくっている。

 

(……彼、私の嫌いなタイプです)

 

 何の理論もない、直感だ。

 爆豪のように理不尽で煩い存在も嫌いだが、このようなタイプも嫌いだ。きっと意味もなく口が達者なのだろう。中身が伴っていないので、爆豪よりも質が悪い。

 

「君らが結構下位陣のポイントで荒稼ぎしてたからね。いくつかのチームと相談して、邪魔な人から潰れてもらおうかなって」

 

「……目をつけられましたか」

 

 調子に乗って稼ぎすぎましたね、と心の中で舌打ちする。

 勝ちたい。

 柄にもなくそんな感情で、敵の脅威を甘く見積もっていた。そういう考えは捨てていたはずなのに、まだまだ自分も甘い

 

「他のチームと協力してはいけない、なんてルールないだろう?

 意外なのは鉄哲と泡吹さんがそっちにいる事だけど……恨みっこなしだしね」

 

「冷静な判断ですが、私程度にこのような物騒なもの、いらなかったのでは?

 相当数のポイントも取っているようですし、ね」

 

 首元を見れば、いくつかのハチマキがその首元にある。印象はおいておいても優秀な人なのだろう。

 魔女子は確かにポイントで荒稼ぎしたが、そこまで強いチームでない。

 必要最低限のポイントを稼いでの勝ち逃げを狙ったのだから、当然そのチーム編成もそこまで強力なものではない。正面衝突の時にと期待し鉄哲を入れているが、どこまで言っても一応というレベルでしかない。というか、全てを倒して完全無欠の勝利を狙いたいなら、もっと良いチームメンバーを求めている。

 しかもポイントは小さいものばかり。取っても大きく順位を伸ばせる相手でもない。

 それは周りから見ても分かっていると思っていたのだが。

 

「確かにそうなんだけど、ほら、君は油断出来ないからね。

 

 

 

 ――凝山中学の「魔女」さん」

 

 

 

 ――開こうとした口が、そのままの形で止まる。

 

「僕の知り合いに君のことを知っている人間がいてね、前から噂は聞いているよ。

 人の心を解さない冷血女、他人を傷つけて平気な顔をする。いつも無表情で仲良くする人間もいない……いや、そもそも仲良くする気がないのかな?

 君みたいな奴がヒーロー目指すなんて、意外だったよ。どっちかって言うと(ヴィラン)向きだよね? その性格とかさ」

 

「――っ」

 

「酷い話が結構多かったなぁ。

 会話しても辛辣な言葉、誰も彼もに喧嘩売って、相手が泣いても平気な顔――付いたあだ名が「魔女」。それでクラスの中じゃ腫れ物扱いだったんだろう? そんな人間が胸を張って「ヒーロー」になりますなんて、よく言えるよね」

 

 皮肉げな金髪の少年――物間の声が、頭の中で響く。

 ……言い訳ならば、沢山ある。彼が話しているのは、多分1年の時に起こった事だとか。

 1人のクラスメイトが学校でいじめに遭っていたとか。

 それを庇い守る事は逆効果になり、より酷い目にあう可能性があったとか。

 だから標的を自分にズラす為に散々な事をしたとか。

 結局目標は達成出来たが、誰も彼もに嫌われて、

 その過程でそのイジメに遭っていたクラスメイトにまで嫌われたとか。

『友達だと思ってたのに……この魔女』。

 そう言われて、それが発端であだ名がついて、

 腫れ物扱いになって。

 友達は1人もいなくなったとか。

 2年になり、焦凍と会うまで、本当に中学校では1人だったとか。

 

「何がしたかったの? 無駄に他人を煽ってさぁ。そういうの、僕は嫌いなんだよねぇ

 意味もなく、そこに道理なんてないだろう?」

 

 軽薄な嘲笑に、真っ直ぐな言葉の暴力。

 現在進行形で煽っている本人が言っているとは思えない。ブーメランとはこういう事なのではないだろうかと思えるような言葉の数々。

 しかもそれが正論だから否定しようがない。中傷でも見当違いの暴言でもない……事実に基づいた批判だ。ちゃんと話を聞いていたようで、他者から聞けばそう思われるだろうと考えていた事を、そのまま話している。

 そして、それに対して言い訳をする気は、ない。

 自分の失敗談に花を添え見栄え良くしようとも思えない。今思えばなんて愚かなんだろうと、後悔しか残らない解決のさせ方だったと自分でも思っている。

 今ならば――、

 

 

 

 もっと上手く、もっと効率良く、『塚井魔女子(じぶん)に幻滅する』なんていう悲しみすら感じさせないほど、徹底的にやれる。

 

 

 

「おい、塚井?」

 

 鉄哲が、似合わない不安そうな声を上げる。

 気配が、変わったから。

 心操も、泡吹も、動揺を隠せていない。

 目の前の物間も、雰囲気が変わったのに察している。

 ……気づいていないのは、自分だけ。

 

「――貴方の言いたい事は解りました。えぇ、全く以ってその通り、全面的に肯定します。何せ私は魔女。他人を貶め傷つけるのは、日常茶飯事。

 何せ人に言わせれば表情筋が死んでいますから。笑顔1つ見せないで、何がヒーローかと、私も思います。それに、どうにも社交辞令が苦手なので、良くも悪くも正直ですしね。過去の自分がここにいれば「何故ヒーローになろうとしているんですか?」と質問していたでしょう」

 

「なら、「でも、そんなのどうでも良いんです」――なんだって?」

 

 魔女子の言葉に、物間は怪訝そうな顔をする。

 それを気にせず、言葉が止まらない。

 

「私にはどうでも良いんです。私自身がなんと言われようとなんと思われようと、心底どうでも良いんですよ。

 結果。全ては結果です。結果さえ良ければ、周囲は文句なんて言いません。1人の女の評価が最悪になろうが、「魔女」と罵られようが、どうでも良いんですよ。

 過去の自分がどう思うかなんてのも、この際どうでも良いんですよ。」

 

 自分の評判がどうなっても、そんなものはどうでも良い。

 問題はイジメがなくなった事。それが魔女子が求めた結果で、それを手に入れる事が出来たんだから。

 そして、今自分が求めているもの……魔女子が欲しい結果は、

 

「何がしたいかって? 決まっているでしょう。

 

 

 

 大切な人に、悲しい思いを背負っていて欲しくない。それを叶える為だけにこんな茶番してるんですよこっちは」

 

 

 

 いつも以上に、拳に力が入る。

 そもそも拳なんて作った事はない。感情的にはならない、それが自分の性格だったはずなのに、表情に出ない分が全て拳に集まって、勢い余って血を流す。

 自分の事?

 そんな事を考えていたら……何も出来なくなるじゃないか。

 

「貴方の事も貴方の言った事も、私にはどうでも良いんですが、まぁポイントの為です。

 

 

 

 ――こちらこそ、貴方を潰します」

 

 

 

 感情的にはならない。

 表情を変えない。

 目的の為に冷静に、冷淡に全てを終える。

 自分が傷つこうが馬鹿にされようが罵られようが。

 魔女と呼ばれようが。

 全く、これっぽっちも気にしない――はずなのに。

 

 

 

 その時の魔女子は、確かに〝怒っていた〟。

 

 

 

 

 

 

 

 それが、自分自身への憤りをぶつける、八つ当たりだったとしても。

 

 

 

 ◆

 

 

 

「状況はよく分からないけど、このまま行けば、ポイント保持しながら動けそう、かな」

 

 出久の言葉に、振武も頷いた。

 他のチームがそこまで諦めが良いとは思えない。何か波乱を与えてくれるはずだ。そうなると文字通りの乱戦、こっちを狙いに来る余裕なんてない……そう思いたい。

 どうなるか分からないのが〝乱〟戦だ。何か足元を掬われる事にもなりかねない。

 時間は……あともう少しで半分を過ぎる。

 

「とりあえず、今は逃げ切、」

 

 出久の言葉が、不意に止まる。表情が緊張したものに変わる。

 麗日も常闇もそれは同じ。

 だが、振武の表情は、――苦笑。

 

「おいおい、いつも以上に怖い顔してんな――轟」

 

 目の前には、殺気にも近い敵愾心が漏れている、焦凍の姿だった。

 前騎馬には、飯田。左の上鳴はどこか気まずげに笑い、右の百は、…申し訳なさそうに、目線をそらした。そこで申し訳なさそうにしちゃダメだろ、と、さらに苦笑いが深くなる。

 

「……ゴメン皆、そう簡単にはいかないみたい」

 

 出久の言葉に、後ろ2人と繋いでいる手に力が入ったのを感じる。

 麗日は、不安と緊張。

 常闇は、覚悟、だろうか。

 顔が見えていないので良く分からないが、それに応えるように振武も改めて手をしっかりと組む。

 

「……どういうつもりだ?」

 

「あぁ?」

 

 焦凍の言葉に、素っ頓狂な声を上げてしまう。

 

「お前だったら、緑谷と組まなくたって良かったはずだ。多少実力が低いやつらを足場にしたって戦えたはずだ……わざわざ実力が低い上にリスクがある奴と、組む必要性なんてねえだろ?」

 

「……お前、本当に言葉に遠慮ないな」

 

 表情を変えずに言い放つ焦凍に振武は呆れる。

 そこまで言うか、普通。

 

「事実だ……なんでだ、なんでお前が騎手じゃない。

 ダメなんだよ、お前じゃなきゃ」

 

 ――お前を倒せなきゃ、意味がない。

 まるでそう言っているようだ。

 

「……ここで終わりみたいな感じだな。自信アリアリですか」

 

「事実だ、悪りぃけど緑谷に負ける事はねぇ……現実的に考えりゃ、俺の方が実力は上だ」

 

「――っ」

 

 焦凍の言葉に、出久が悔しそうに息をのむ。

 その姿が想像出来る。

 そりゃそうだ。何年も何年も、周りの友人から、幼馴染である爆豪から散々否定されてきたのだ。言われ慣れているとはいえ――いや、言われ慣れているからこそ、身についた卑屈さというのは簡単に取れない。

 自分の達観がそうであったように。

 だが、なぁ轟焦凍、

 

 

 

 少し振武の事も――緑谷出久の事も舐め過ぎだ。

 

 

 

「……確かに、客観的に見れば、僕は轟くんの足元にも及ばないよ」

 

 ポツリと、出久が呟く。

 

「個性も、元々の体力やなんかだって、確かに、足元にも及ばないかもしれない。動島くんに騎手を任せれば良かった……いや、そもそも組めた事自体奇跡だよね

 

 

 

 ……けど、僕だって、ヒーローになるんだ」

 

 

 

 弱かった言葉が、どんどん強くなる。

 振武の肩に置かれている手が、どんどん強く握られる。

 

(そうだ、緑谷。言って良い)

 

 

 

 お前は焦凍よりも、振武よりも、ずっと強い存在なのだ。

 

 

 

「僕だって、本気で獲りに来てるんだ……それに、君が戦うのは僕だけじゃないだろう。

 麗日さんも、常闇くんも、動島くんも。皆で戦ってるんだ。僕がどうとかだけで、なめないで」

 

 

 

「――ハハッ」

 

 土壇場で、なんてカッコいいことを言ってくれるんだ、こいつは。

 そうだ、ここで戦っているのは俺じゃないぞ、焦凍。

 〝俺達〟だ。

 

「……あぁ、そうかよ」

 

 もう良い。

 そう言わんばかりに、焦凍は構える。

 

 

 

「――じゃあ、お前らから奪るぞ」

 

 

 

 1番きつい戦いが始ま、「テメェら、俺を無視してんじゃねぇ!!!!」

 

「へ?」

 

「――っ!?」

 

 声とともに聞こえる大きな爆発音。

 大きな爆炎。

 飯田と振武の機転で、ギリギリの所で回避出来たが……当たっていないはずなのに、その爆風は凄まじい。

 

「ちょっ、爆豪! 下手したら反則だぞ!!」

 

 鋭児郎の言葉に、爆豪は苛立ち混じりで返す。

 

「っせぇ!! 当たんなきゃ良いんだよ!! 実際避けたしよぉ!!」

 

「んな所もみみっちい……」

 

「うっせクソ髪が!!!!」

 

 爆豪の怒りに反応するように、小爆発が掌の上で起こり続ける。

 最悪。

 最悪の状況だ。

 

『さァ残り時間半分を切ったぞ!!

 そんな時に上位陣三つ巴! 歓喜しろマスメディア!!――サァ!! 1000万ポイントは、誰に頭を垂れるのか!!!』

 

 

 

 

 

 

 最悪の乱戦が始まった。

 

 

 

 

 

 




ちょっと魔女子さんの話を出しました。
本来はここで出す気はなかったんですが、こういうキャラだよという説明がてら。こういう意味では、物間くん便利ですね。
あと2話くらいで騎馬戦を終え、いよいよトーナメント! 正直ここからが本番ですね。
メンバーはもう決定していて、オリジナル要素も入っているので、どうかお楽しみに。


次回! スーパーマジックハンド大活躍!! 月見バーガー食って待ってろ!!


感想・評価お待ちしております。

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