plus ultraを胸に抱き   作:鎌太郎EX

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episode4 隣ニイル為ニ

 

 

 

 

 

 ――子供の頃から、あまり何かに執着する性格ではなかった。

 実際、八百万百の周りにはなんでも揃っていた。

 自慢でも傲慢でもなく事実として、うちはそれなりにお金がある。だから必要なものは簡単に買うことが出来たし、不自由だと感じたことはない。

 資産家の家で、自分は令嬢だった。知らない人間に話すと「厳しい」「習い物が多い」と思われることも多かったけど、我が家は普通に父と母は優しかった。

 甘やかされて育てられたつもりはないが、特に父と母に何かを強いられたことはない。

 元々お嬢様学校と周囲に呼ばれるような学校で、周りには自分と似たような環境で育った子供たちが多かったので、それによるイジメもなかったし、友人は多かった。

 こうして改めて見てみれば、自分は恵まれた人間なのだな、と再認識できる。

 だから、何かをどうしても欲しいと思うことはなかった。

 手に入るものは自然と手に入るものだと思ったし、絶対に手に入らないようなものを欲しがる性分でもなかったから。

 ……でも、今はどうしても欲しいものがある。

 動島振武の信頼。

 動島振武の隣。

 塚井魔女子のように、自然と、お互い気取らずそばに居られる関係性を。

 

(――でも、本当にそうなのかしら?)

 

 八百万百(わたし)は本当に塚井魔女子の立場になりたいのだろうか。

 それを欲しがっただろうか。

 本当は、

 

 

 

 ただ、動島振武に――、

 

 

 

「百?」

 

「っ――はい!!」

 

 いきなり耳朶を打つ声に、大きな声で返事をする。

 そこは、選手控え室。

 決勝トーナメントに出る生徒達が与えられた部屋。

 そこで、どうやら百は考え込み過ぎてしまったようだ。

 

「集中している事は悪い事じゃないけど、し過ぎは視野を狭めるぞ……って、俺が言うのもどーかと思うけど」

 

 入口に寄りかかっている振武が、腕を組んでこちらに苦笑いを浮かべていた。

 

「えっと、振武さん? どうしたんですの、こんな所に」

 

 ここの場所はトーナメント出場者であれば皆知っている。控え室は一応共用なのだ。だが、彼の二回戦はまだ先だったはずだ。

 

「試合、お前の事だから見てないんじゃないかなって。飯田、芦戸に勝ったよ」

 

 ――振武の説明によれば、芦戸と飯田の戦いは、飯田に攻撃を当てようとする芦戸と回避しながら間合いを詰めていく飯田という様相になったらしい。

 勿論、芦戸はあれでも身体能力であればクラス女子の中では1番だ。近づかれてもすぐに倒されることもなかったし、飯田はあれでフェミニストな部分がある。出来るだけ場外に飛ばそうと考えていたのか、それとも触れて溶解液の攻撃を受けるのが怖かったのか、攻めあぐねていた。

 だがいくら芦戸でも、飯田の速度には追いつけなかった。

 結局場外にまで飛ばされて終了。

 

「そうですか……」

 

 百は振武の説明を受けて、顎に手を当てる。

 つまり、百が勝てば相手は飯田ということになる。飯田の能力は単純明快だしフィジカルもある。だがあのそれほど広くはないフィールドであれば、自分が付け入る隙もあるだろう。

 常闇の個性に対しても対策が出来ている。問題は、自分の決定力が足りない部分だろう。

 大きいものを作れば時間がかかり、それだけ隙も大きくなる。

 創るものはもういくつか決めてある。どれも構造と材料を脳内でシュミレートしたので、すぐに取り出すことが出来るだろう。装備するのが自分であれば、そのまま現出すれば良いだけでそれほど時間もかからない。

 自分がどこまで常闇の黒影を抑え付ける事が出来るか。

 それが問題だ。

 

「……百、自信ありって感じだな」

 

「え、いえ、そんな事は……正直言えば、振武さんのような一瞬で決着をつける、というのは無理そうですわ」

 

 場外に吹き飛ばせる戦闘能力も、氷山を生み出せる速攻も、フェイクに使えるものもない。

 前に戦った3人とは違い、自分はそう簡単に常闇を倒す事は出来ないだろう。

 

「? 別に良いじゃん。俺らみたいじゃなくたって。

 一瞬で決着をつけられるから強いなんて事はないだろう?」

 

「それは、そうですけど……」

 

 振武の言葉に、百は曖昧な笑みを浮かべる。

 勿論、振武の言いたいことは分かっている。百の個性や現在持っている技術でああいう芸当が出来る訳がない。振武や焦凍は、そもそも次元が違うのだ。

 でも、それを否定したい自分がいる。

 

「……羨ましい、ですわ」

 

「何がだ?」

 

 心の中で呟いただけだったはずの言葉に、振武が反応する。

 しまった、声になっていた。

 

「いえ、その!……」

 

 誤魔化さなければ。

 そう思って慌てて声を上げるが、振武はそれを制して話し始める。

 

「あぁ〜……お前が今まで悩んでいた事って、それか?」

 

「……当たらずとも遠からず、ですわ」

 

 嫉妬なのは分かっている。

 だが何に嫉妬しているのか、自分でもだんだんと分からなくなってきた。

 最初は、塚井魔女子の有能さに……自分自身の弱さが原因だと思っていた。

 でもすぐにそうではないという事は分かった。ならば、振武に信頼されていることに嫉妬したのだと思った。自分も、魔女子のように振武に信頼されたいと思っていた。

 間違ってはいない。だが完全な正解とは言い切れない。

 何かが違うのは分かる。

 だが何が違うのかが分からない。

 パズルは完成しそうなのに、その絵がなんなのか分からないような。もどかしい感覚がずっと続いている。

 

「……やっぱ、詳しくは話せない?」

 

「……ごめんなさい」

 

 どう説明して良いか分からないというのもあるが、それ以上に振武にこれを話せないと思った。

 ちゃんとした理由があるわけでは無い。

 直感のようなものだった。

 

「そっか……何度も聞くのは、男らしく無いって言うと、切島っぽいけどさ。

 何にどう嫉妬してんのか俺には分からないから、俺の言葉じゃお前を元気に出来ないかもしれないけど……」

 

 そんな事はない。

 振武が悪いわけではない。

 そう言おうとしたが、振武に手で制された。

 

「俺は、その、お前が弱いと思ってこう言うんじゃないけど……その、百には、笑顔でいてほしい。悲しい顔は、出来るだけ、嫌なんだ。

 その……あぁもう「その」が多い!! 何が言いたいか、分かり辛いだろうけど、……百が、大事なんだよ」

 

 その言葉は、百の中に2つの相反する感情を生む。

 心配してくれている、という喜びと、

 

 

 

 でもそれは、友達としてですか――という、トゲのような悲しみ。

 

 

 

「……ありがとうございます。でも、大丈夫ですわ。

 言ってはなんですが、お忘れですか振武さん。私はヒーロー志望なんですよ」

 

 そう言って、笑顔でごまかす。

 それに罪悪感を感じるが、今は自分の気持ちを知られたくない。

 

「……そっか」

 

 少し寂しそうではあるものの、振武の顔は笑っていた。

 

「まぁ、そうだな……自分で乗り越えなきゃいけないもんも、あるもんな」

 

「えぇ、そうです。私は私で出来る事をしますわ。

 でも、そうですわね。もし私が、このトーナメントで負けたら、泣くほど悔しいと思いますの。そうしたら、」

 

 百は満面の笑みを浮かべて、

 

 

 

「その胸、貸していただけます?」

 

 

 

 気丈に言った。

 

 

 

 

 

 

『さぁ、トントン拍子にトーナメントも進んで一回戦も残り3つ!! その1つをご紹介しよう!!

 攻防自在の闇の魔物を操る厨二ボーイ! ヒーロー科! 常闇踏影!! 対!! あらゆる物を創り出す頭脳明晰ガール! 同じくヒーロー科! 八百万百!!』

 

 ………………。

 

『おい、今までふざけた事しか言ってなかったのに、何でいきなり普通になるんだお前。皆白けてんじゃねぇか』

 

『こいつはシヴィ〜〜〜〜!!!』

 

「気が抜けるからやめてほしいんですけど……」

 

 流石に大声で言う訳にもいかず、小さな言葉でどこか愚痴のように呟く。

 目の前に佇む常闇は、大きな反応は見せてはいない。小さく「厨二……」と言って少し落ち込んでいる風ではあるものの。

 ……彼は冷静な判断が出来る人間だ。

 個性は攻撃にも守備にも使える。それ単体が意識を持っているため、常闇本人が攻撃を知覚できていなくても防げる場合がある。つまり死角からの攻撃は効果としては微妙だ。真正面からの戦いでは決定力に欠ける自分に不利。大きい物を創っている時間も与えては貰えないだろう。

 個性も高火力の攻撃も何でもあり。ただし死に繋がるものはNG。勝利条件は、場外に出すか、降参を言わせるか、完全に無力化する事。

 出来るのか、自分に。

 やるんだ、自分が。

 

「……大丈夫」

 

 すでに必要なものは、もう既に出すだけで良いように脳内に準備されている。

 常闇踏影を攻略するのに必要なものは、そう簡単に創れるものではないから。同時に、攻撃を受ける前にこれを使えなければ意味がない。

 

 

 

『そんなこんなで――START!!』

 

 

 

 プレゼントマイクの言葉とともに、常闇の黒影が動く。

 動きは機敏、だが、

 

「――っ、行きますわ!!」

 

 それに即座に反応し――いや、それ以上に早く動いていた百の手から、すでにピンは外されたそれが現出し、投げられる。

 

 

 

 閃光が走った。

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

「あれは――」

 

「スタングレネード、だな」

 

 観客席に座っている魔女子と振武は小さく呟く。

 会場と観客席にはそれなりの距離がある為それほど問題ではないが、それでもこちらでも確認できるレベルでの光だ。間近でくらった常闇は普通ではいられないだろう。

 それにあれは、強烈な閃光だけではなく音もきつい。

 閃光は黒影に遮られ本体に効果はないだろうが、音は予期できなければ聞こえないようになっているはずだ。こちらに届いていないという事は音ではなく閃光メインで創ったのだろうが、それにしてもきついだろう。

 百は投げた本人なのだから、それなりの対策をしているだろうが。

 

「あの戦いの中で、常闇さんの個性の弱点を見抜いているとは……流石ですね、八百万さんは」

 

「まぁ直接戦った訳だしな。騎馬戦の後半じゃ爆豪の個性と上鳴の個性で押されてたのを見て何となく察したんだろう。

 もし個性そのものに効果がなくても、確かに牽制にはなるからな」

 

 そして実際、効果はあった。

 会場では、百が近接戦闘を仕掛けていた。

 何か心得でもあるとは思っていたが、意外とその体はしっかりと基礎を踏まえて動けている。未だ黒影の防御を突破出来ていないが、それでも徐々に押されている。

 

「個性があれだけ弱ってちゃ、常闇は動けない。あいつは普通の奴に比べりゃ体力があるが、それでもヒーロー科の中じゃ低い部類だ」

 

「フィジカルの低さ……個性特化の人は、こう言うところで脆いですね」

 

 2人の冷静な分析は、周囲に何気なく座っている他のクラスメイトの耳にも入っている。

 

 

 

((どうしよう、こいつら先生たちより解説出来てる))

 

 

 

 感想も1つだった。

 

「……百さんは、なんと?」

 

 魔女子の言葉足らずな言葉。だが何を指して言っているのか分かっている振武は少し苦笑する。

 

「何も。「もし負けたら胸を貸してくださいね」だってさ」

 

「それは……強気なのか弱気なのか分かりませんね」

 

「強気なんだと思うぜ。あいつが負ける気で行くような奴じゃない。それくらいは分かるだろう?」

 

「否定はしませんけどね……ですが、正直言えば個性を弱体化させても、この勝負微妙なところです」

 

 黒影は弱体化しても防御に徹すれば負けるという可能性は低く出来る。

 流石に大きなものを創れなかった百は、何ども言うが決定力が足りない。このまま行けば

 長期戦になるし、腰に下げているスタングレネードで弱らせ続けていても限界はある。2度目、3度目は慣れてくるから音の効果は下がる、個性は弱体化出来ても本人は弱体化出来ないだろう。

 

「最初に攻め切れなかったのは大きいですね……心配ですか?」

 

 魔女子の視線は、真っ直ぐと会場を見てる振武の横顔に注がれる。

 どこか落ち着かない様子だが、しかしその顔にはそういう表情が浮かんでいない。素直に感情を顔に出す振武にしては珍しい。

 

「う〜ん、どうなんだろう。俺にも分からない。

 怪我はして欲しくないし、勝ってほしい。弱くない事は分かってるし、俺より頭良いのも分かってんだけど……」

 

 心配。

 言葉としてはそれが合っているのだが、もっと胸を締め付けられるようなナニカ。

 それが何なのか、振武にもよく分かっていない。

 

「……まったく、貴方方はどうしてそう自分の感情に鈍感なんでしょうね」

 

「お前には言われたくないなぁそれ。いや、お前の場合鈍感とは少し違うか」

 

 ここで話すことではないので、それ以上突っ込みはしない。

 魔女子もそれが分かっているから、余計な事は言わない。

 

「……この試合、先が見えないですね」

 

 個性を弱体化され、フィジカルが低い常闇。

 決定力が足りず、攻めあぐねている百。

 どちらが勝って。

 どちらが負けるか。

 

 

 

「そうだな……でも、百なら大丈夫だ」

 

 

 

 それでも、振武は百が勝つと信じていた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 手に持った西洋風の剣で、常闇を狙う。

 

『優シクシテヨ!!』

 

 それを、どこか気弱な声を出す黒影が防ぐ。

 手に感じる感触はその向こう側にいる常闇を超えることが出来ない事を告げる。しかし、騎馬戦の時と同じように、向こうに届かないような不安さを感じる程ではない。

 

「――っ」

 

 間近でスタングレネードを起爆する。

 自分は開始した瞬間に顔に出現するようにサングラスを創ったので、火薬の火傷さえ気を付けていれば問題がない。音は控えめだから自分は投げている間に距離を取るような移動の仕方をすれば大丈夫。

 

「グッ――」

 

 対する常闇は、黒影と自分の手で閃光と音を遮断する。

 其処が一瞬の隙になる。

 

「セイヤッ!!」

 

 回り込むようなサイドステップで常闇に近づく。それも、すぐに黒影が反応して守ってしまう。

 堂々巡り。

 だが、それも問題ない。

 男子と女子という差はあれど、体力だけを見れば自分の方が彼より上だ。長期戦をすれば自分にも分がある。

 だが、それもあまり得策ではない。

 長期戦をしてしまうと、勝負が着かないと判断され別の勝負に持ち込まれる。そうすれば今の主導権を握っている状況を維持し続ける事が出来ない。

 

「――んわ」

 

 相手には届かない言葉。

 届かせる気もない言葉。

 剣を振るい、足を動かし、自分の体を動かし続けながら放たれる言葉。

 

「――ませんわっ」

 

 それを呪文のように言い聞かせる。

 自分が負ければ、振武はきっと慰めてくれるだろう。

 先ほど彼に言ったように、胸を貸して泣かしてくれる。

 それは、なんと暖かく魅力的なんだろうか。とても幸せで、そこにずっといたくなってしまう。

 でも、

 

 

「――絶対に、負けませんわ!!!」

 

 

 盾で黒影の攻撃を払いのけながら叫ぶ。

 それではダメなのだ。

 振武の側に、どんな形でもいる為には、絶対に挫けない心が必要なのだ。

 負けないと胸を張って言える訳ではない。自分は弱い。力も心もまだまだ届かない。

 それでも、

 

 

 

「あの人の側にいる為には――!!!」

 

 

 

 自分は、ここで負けてはいけないのだ。

 

 

 

 指先に、3つのピンの感触を感じ、そのまま一気に抜いて即座に常闇の正面に投げる。

 

「なっ――」

 

 3つのスタングレネードが、同時に爆発する。

 先ほどの比較にならないほど強烈な閃光は、黒影を消滅させてしまうのではないかという勢いで。

 先ほどの比較にならないほどの爆音は、手で押さえている筈の耳を、鼓膜を貫かんばかりに響く。

 

(馬鹿な! これでは八百万自身も保たないではないか!!?)

 

 至近距離からの閃光と爆音では、百の耳と眼も無事ではない筈だ。

 あの理知的な印象を受けた百の、初めての無茶。

 チカチカと明滅する視界。

 強烈な耳鳴りで何も聞こえない。

 そんな状況で、

 

 

 

 八百万百は、常闇踏影の前に唐突に出現した。

 

 

 

 既に盾は捨てている。

 手に持っているのは西洋風の剣だけ。

 それを片手で突き立てるように構え、もう一方の片手は、常闇の胸倉を掴む。

 放させようと必死に掴んでいる腕に手をかけるが、火事場の馬鹿力なのか、必死だからこそ成せる技なのか、女子の腕である筈なのにその腕は微動だにしない。

 上体が崩れる。

 床に叩きつけられた衝撃で、呼吸が一瞬詰まる。

 耳鳴りと明滅が支配する世界で、

 

 

 

 八百万百は、常闇踏影の喉元にその剣の切っ先を向けていた。

 

 

 

「……まいった」

 

 ここから挽回しようと思えば出来るのだろう。

 しかしこの状況、もし実戦であれば反撃出来るなどという言葉は無意味でしかない。自分が指一本、一言でも発せば、敵にこの首を刎ねられるだろう。

 つまり、実質敗北だ。

 ここまで詰め寄られてしまった時点で自分の負けは確定した。少なくとも、常闇は負けたと思ったのだ。

 

「? すいません、常闇さん。私今耳が聞こえないので、もっと大きな声で言っていただけます?」

 

 耳鳴りが静まってきて聞こえた声で目を向ければ、百の耳からはポタポタと血が流れている。

 いくら抑えてあるとはいえ3つ同時に投げられたスタングレネード、そして最短距離の移動のせいで近かったのだろう。

 これでは、どんなに大きな声を出しても聞こえないはずだ。

 こんな怪我を負ってまで――長期戦、別の戦いに移行させる事をさけ、自分が有利な状況での勝利を狙ったというのだ。

 

「……お前はもう少し、利口な戦い方をする人間に見えたぞ、八百万」

 

 聞こえないのを承知で喋る。

 その無茶っぷりはお前の友人たち――動島振武や、塚井魔女子と似ているな、と。

 もっとも、彼等ほどの無茶ではないところが、またツッコミ辛くはあるのだが。

 

「何を仰っているのか分かりませんが、出来ればここで参ったと言ってくださらないと、終わりませんわ」

 

 こちらの気持ちを知ってか知らずか、百の催促に常闇は小さく溜息を吐いて、耳を先ほどまで押さえていたミッドナイトの方に顔を向ける。

 

「先生、俺の負けだ。宣言を」

 

「え、あぁ、はいはい――常闇くん降参で、八百万さん、二回戦進出!!」

 

 

 

 ミッドナイトの宣言と同時に、会場は爆発的な歓声に包まれた。

 それも、百には聞こえていないわけだが。

 

 

 

 

 

 

 

 




これで、1回戦描写は終わりにします!
しないと書きたいことが増えて終わらない!!
と言うわけで、百の戦いで1話消費しました。如何だったでしょうか。
次回から二回戦話を始めます! 正直ここが長いとかそう言うレベルじゃないかもしれないと思うほどイベント盛りだくさん!!
ぜひお楽しみに。


次回! 漢同士の殴り合い! 熱いぜ!!!


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