問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜全ての神々〜   作:八風

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第9話

凛が白夜叉に連れられたのは小さな山奥にある小屋だった。

 

「ちょっと、おんしは待っておれ」

 

と言って、白夜叉は小屋へと入っていった。

しばらくするとフードを被った人を連れてきた。

 

「こやつがこのコミュニティ"アーリア"のリーダーのミタンニだ。ちなみに黒ウサギの知り合いだぞ」

 

白夜叉が紹介し、その人物がフードを取る。妙齢の男性だった。

 

「紹介にあがりました、ミタンニです。我々も戦神からの恩恵を受けているコミュニティですので、黒ウサギさんとは旧知なんです」

 

ミタンニが自己紹介をしたところで、白夜叉が手を鳴らすと"契約書類(ギアスロール)"が出てきた。

 

「少々、私が確認したいことがあってな。ミタンニに言ってゲーム内容をいじらせてもらった。よって、このゲームは私が仕切る。さて、おんしの力は見るまでもないだろうからの。知恵もみたいのだ」

 

そして、"契約書類(ギアスロール)"の内容を確認する。

 

『ギフトゲーム名 "神話の完成"

 

 

 ・プレイヤー 神上 凛

 

 ・クリア条件 神話を成立させる

 ・クリア方法 ある神話の間違いを指摘する。間違いは一回までとする。

 

 ・敗北条件  二回間違える。

        プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                      "サウザンドアイズ"印』

 

 

 

 

見終えると、凛の視界が切り替わった。

辺りを見回すとどこかの荒野のようだ、まるで水がない。

そして龍がいる。

それと向かい合うようにいるのが、神であろうと凛は確信する。

その龍と神は戦いの最中で、まるで絵のように止まっている。

 

凛を纏う空気がいつものぼやっとした、それとちがうものになった。

 

「まず、何神話かを特定する必要があるが、ソーマ草だからなインド神話で間違いないだろう。そして、黒ウサギからはインドラの力を感じた。先ほど話からヒンドゥーであることが推測できるが……」

 

凛は今ある状況から、できる限りの情報をまとめていく。

インドラがソーマを好むことからも、この神がインドラだと断定した。

そして、龍の存在だが、この荒野にまったく水気がない。

つまり川の流れがない。塞き止められている。

 

「間違いないな。リグ・ヴェーダの内容だ。すると、あの龍はヴリトラということになるな」

 

そこまで考えて、凛は悩む。

神話の成立という条件をどう満たすかが不可解だからだ。

 

「神話が成立というのを、話が進むとするなら。インドラがヴリトラを退治しなければならない。現状で足りなそうに見えるのは、やはり金剛杵がインドラの手元にないことか……いや、金剛杵は呼び出せるものと考えるべきだろう。でないと次の段階で決まるということになる。なら今の段階で、ヴリトラの口が開いてるべきだからな」

 

着実に凛は思考を進めていく。

そして、凛はあるひとつの答えに辿り着いた。

凛は空の景色を見ながら答える。

 

「インドラは一度ヴリトラに飲み込まれている。逃げ出して、和平を結んだ時にヴリトラはこの条件を勝ち取る。木、石、鉄、乾いた物、湿った物のいずれによっても傷つかず、インドラは昼も夜も自分を攻めることができないというものだ。そして、ヴリトラを殺すには夕暮れでなくてはいけない。しかし、今の空は月が出ている。つまり夜、間違いはこれだ」

 

凛は確信を持って答えた。

 

 

 

 

 

白夜叉はその様子を水晶のようなもので見ていた。

 

「すまんかったの、ミタンニ。急に来て、ソーマ草を求めたあげくに、ゲームの内容まで変えて」

 

「いえ、お世話になっておりますから。しかし、嵌まりましたね。この方」

 

カッカッカと白夜叉は笑う。

そして扇子を広げ、したり顔で水晶を今一度覗き込む。

 

「そうじゃの。リグ・ヴェーダに囚われては、おんし負けるぞ」

 

水晶を通して、凛の解答が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

凛は答えを述べ、少しすると空間から白夜叉の笑い声が聞こえてきた。

 

「不正解じゃ! おんしは勘違いをしておるよ」

 

「なっ!?」

 

凛が驚愕を露わにする。

しかし、すぐに冷静になる。

 

(勘違い……と言っていたな…)

 

まず凛はゲーム開始前からを一つ一つ思い出した。

そして、気付く。

 

「ソーマだからインドというところから間違ってたのか!! あれの神格が宿った神はインドだが、草自体は決まってない。インドラでリグ・ヴェーダだとするのも早計だった」

 

頭を探っていく。

インドラの別の形を、ゾロアスターとしてのインドラ。

悪神としてのインドラ。

 

「それでも状況は変わらないのか…。いや、インドラであって、インドラでなければいいのか。インドラすなわちヴリトラ殺し。ヴリトラハン…」

 

凛の頭の中でパズルのピースがはまるように答えが導き出されていく。

 

「そうか、ウルスラグナだ。イラン側から神話を見なくてはいけなかった…」

 

凛は笑った。

神の姿をとらえたことで目の前の映像のありえなさを確認したからだ。

そして、ゲーム前の白夜叉の言葉。

知恵も、と言った。つまり他にも見たいものがある。

つまり、それは必要なもの。その前の力は見るまでもというくだりがあった。

凛はまだ白夜叉に力も見せていない。

凛は動き出した。インドラの御霊が凛に顕現する。

凄まじい雷撃が天空を割って、落ちてくる。

それは、龍を焼き、裂き、撃つ。

 

「間違いは、この龍の存在にある。ウルスラグナに龍殺しのエピソードは存在しない。これこそが正しい神話の成立だ」

 

その声が響き渡ると、ゲームの世界が消えた。

目の前には白夜叉とミタンニがいた。

 

「正解じゃ。おんしの勝ちじゃの。望みのものをやろう」

 

白夜叉が促すとミタンニが凛に青い葉を三つ渡した。

受け取ると満面の笑みを浮かべる。

 

「これからゲームしていくと、このような力だけでは足りぬことが多々ある。力を使うにも頭が必要になるでの、見ておきたかったのじゃ。おんしなら"ノーネーム"wを任せられる、頼んだぞ」

 

「もちろんだよー」

 

凛はいつもの調子で答えた。

 




ソーマ→インド→(黒ウサギで知った)インドラを調べる。→へー、同一の神ねー。
となって作りました。曲解など多々あったり、話の流れが????ってなるかもしれませんが、ご了承ください!
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